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case4 ~漁師町の雪女~ ーother sideー #1
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「ゲンさん。どうだった?」
「駄目だべ…今日もいつも通り、ウンともアンとも言いやしねぇ。」
「そっかあ・・・俺っちの超絶テクでも表情一つ変えやしねーし、ありゃマグロなんてもんじゃねえよ…冷凍マグロだぜ。」
コイツは"タツ"。一見チャラチャラした奴だが、仲間想いで内には熱いモノを秘めた男だ。
「ハハっ、違げえねぇだ。…んだから俺達3人でその氷を溶かしてやる――そうだろ?」
「おう、そうだな!」
「・・・ゲンさん。ジャケットは・・・?」
コイツは"クロ"。寡黙で強面な大男だ。その外見上、周囲からは恐れられることが多いが、人混みが苦手だったりと繊細な面がある。
「ん…?ああ、姉ちゃんに着せてきただよ。」
「くぅ~!流石はゲンさん...粋な事するねえ~。けど寒くないんスか?」
「ったりめえだぁ!こんくれぇの寒さ屁でもねえべ。」
「・・・今、8℃しかありませんよ・・・。」
「そ…そりゃあ気合いだっぺ、気合い!心頭滅却すりゃ何ちゃらかんちゃらだーよ。」
「火もまた涼しっスよ。それ...暑いときに使う言葉じゃないスか?」
「う、うるせぇ!要は気の持ち方次第って事だよ!そうやって揚げ玉ばっか取ってると女にモテねえべ。」
「揚げ玉じゃなくて揚げ足っスよ。絶対ワザとでしょ…。それにゲンさんより俺っちの方が、女にゃモテてると思いますけどねえ~。」
「グ・・・な、なにをぉぅ!」
そして俺は"ゲン"。コイツらの1コ上の兄貴分的な存在だ。
コイツらとは中学の頃からの付き合いで、若い頃は地元じゃ札付きの悪ガキ3人組として名を馳せていた。そんな俺達も今ではすっかり丸くなって、漁師として地元の漁業組合に所属し、週に一回程度で漁に出ている。いわゆる沖合漁業というやつで、天候にもよるが、一度の漁は大体3~7日くらいに渡って行われる。
そんな俺達のもっぱらの楽しみは、帰港した後にこうやって「姉ちゃん」に抜いてもらう事だ。水産業が盛んで、同時に激務の多いこの町の男衆にとって姉ちゃんは、仕事でクタクタになった俺達を癒やしてくれる、まさに女神のような存在だ。
この辺の住人は野郎ばっかで、男女比でいうと8:2,くれぇだ。その上、その2割の女ってのも殆どが既婚者や子供、未亡人の婆さんのため、特便に女がいるなんてことはまずない・・・そんな中、住み込みの清掃員として派遣されてきたのが、あの「姉ちゃん」だった。
姉ちゃんが越してきた当初、ここいらはその話題で持ちきりだったけんども、それは姉ちゃんが清掃員だったからじゃねえ―――超が付くほどのべっぴんさんだったからだ。しかも蓋を開けてみりゃあ、この地域専属の清掃員だって言うもんで、ただでさえ女に飢えていた男連中はそりゃあもう狂喜乱舞の大騒ぎだった。そんな俺らとは対照的に、女共の姉ちゃんを見る目はどこか冷ややかだったものの、何か複雑な事情があるとしか思えない様子に考えを改めたらしく、最近は適度な距離感での付き合いが出来ているようだ。
「そんなことより...ゲンさん、クロ。この後うちで集まらねえか?」
「なんだぁ?藪から棒に…」
「・・・また麻雀でも打つのか・・・?」
「…まあ、それは来てからのお楽しみってことで。」
(・・・・・・?)
なんだかよく分からねえが俺達は一度解散した後、その提案通りにタツの家で集まることになった。
「駄目だべ…今日もいつも通り、ウンともアンとも言いやしねぇ。」
「そっかあ・・・俺っちの超絶テクでも表情一つ変えやしねーし、ありゃマグロなんてもんじゃねえよ…冷凍マグロだぜ。」
コイツは"タツ"。一見チャラチャラした奴だが、仲間想いで内には熱いモノを秘めた男だ。
「ハハっ、違げえねぇだ。…んだから俺達3人でその氷を溶かしてやる――そうだろ?」
「おう、そうだな!」
「・・・ゲンさん。ジャケットは・・・?」
コイツは"クロ"。寡黙で強面な大男だ。その外見上、周囲からは恐れられることが多いが、人混みが苦手だったりと繊細な面がある。
「ん…?ああ、姉ちゃんに着せてきただよ。」
「くぅ~!流石はゲンさん...粋な事するねえ~。けど寒くないんスか?」
「ったりめえだぁ!こんくれぇの寒さ屁でもねえべ。」
「・・・今、8℃しかありませんよ・・・。」
「そ…そりゃあ気合いだっぺ、気合い!心頭滅却すりゃ何ちゃらかんちゃらだーよ。」
「火もまた涼しっスよ。それ...暑いときに使う言葉じゃないスか?」
「う、うるせぇ!要は気の持ち方次第って事だよ!そうやって揚げ玉ばっか取ってると女にモテねえべ。」
「揚げ玉じゃなくて揚げ足っスよ。絶対ワザとでしょ…。それにゲンさんより俺っちの方が、女にゃモテてると思いますけどねえ~。」
「グ・・・な、なにをぉぅ!」
そして俺は"ゲン"。コイツらの1コ上の兄貴分的な存在だ。
コイツらとは中学の頃からの付き合いで、若い頃は地元じゃ札付きの悪ガキ3人組として名を馳せていた。そんな俺達も今ではすっかり丸くなって、漁師として地元の漁業組合に所属し、週に一回程度で漁に出ている。いわゆる沖合漁業というやつで、天候にもよるが、一度の漁は大体3~7日くらいに渡って行われる。
そんな俺達のもっぱらの楽しみは、帰港した後にこうやって「姉ちゃん」に抜いてもらう事だ。水産業が盛んで、同時に激務の多いこの町の男衆にとって姉ちゃんは、仕事でクタクタになった俺達を癒やしてくれる、まさに女神のような存在だ。
この辺の住人は野郎ばっかで、男女比でいうと8:2,くれぇだ。その上、その2割の女ってのも殆どが既婚者や子供、未亡人の婆さんのため、特便に女がいるなんてことはまずない・・・そんな中、住み込みの清掃員として派遣されてきたのが、あの「姉ちゃん」だった。
姉ちゃんが越してきた当初、ここいらはその話題で持ちきりだったけんども、それは姉ちゃんが清掃員だったからじゃねえ―――超が付くほどのべっぴんさんだったからだ。しかも蓋を開けてみりゃあ、この地域専属の清掃員だって言うもんで、ただでさえ女に飢えていた男連中はそりゃあもう狂喜乱舞の大騒ぎだった。そんな俺らとは対照的に、女共の姉ちゃんを見る目はどこか冷ややかだったものの、何か複雑な事情があるとしか思えない様子に考えを改めたらしく、最近は適度な距離感での付き合いが出来ているようだ。
「そんなことより...ゲンさん、クロ。この後うちで集まらねえか?」
「なんだぁ?藪から棒に…」
「・・・また麻雀でも打つのか・・・?」
「…まあ、それは来てからのお楽しみってことで。」
(・・・・・・?)
なんだかよく分からねえが俺達は一度解散した後、その提案通りにタツの家で集まることになった。
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