Secret DarkMonster

sasara

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Secret DarkMonster 2

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翌朝、あぁ夢か。よかった。なんて初めて憂鬱な気持ちではない朝を迎えた。
いつも通り、仕事の準備をし、家を出る。

なんであんな夢を見たんだろう。

そんなことを考えながら仕事をおえ、いつものように帰路についた。そう、いつも通り。
そう思えたのは、その日が最後だった。

家に着くと家の前に1台の車が止まっていた。
特に気に止めず、駐車場に車を停め家に入ろうとすると、

ねぇ!!!無視するのー?

その声を頼りに振り返ると、車から拗ねた顔をしたみさきさんがこっちを見ていた。

??????
おつかれさまです!どしたんですか?

いたって普通に返事をしたつもりだったがきっと、目は泳いでいたと思う。みさきさんは、さっきよりも、拗ねた顔をして、

彼女さんに会いに来たらだめだったかなぁ?

と、私に尋ねてきた。

その時私は理解した。全てを。ないと思っていた昨日の記憶がある鮮明に目の前に映し出された。


昨日、みさきさんがいいよと言った後。私たちはしばらく無言だった。いや、私が黙り込んでしまったのだ。どこかに落としてきたと思っていたネジが急にはめ直されたせいで、理性と、さっきまでの暴走を理解することにかなり時間を使ったのだ。

そして、私は。

あ、あの、いいよって、その、
もしかしてさっきの、返事ですか?

なんてことを、真顔でそれはもう真剣にたずねた。みさきさんは、大笑いしながら
それ以外に、なにがあるの?と返してくれた。そのとき、私の携帯が鳴った。
職場の人からだ。
時計をみると、約束の時間から15分経っていて心配の電話だった。謝り、すぐに行くと伝え電話を切った。

みさきさんは、察してくれたようで

じゃあ、明日!

そういって、また人混みに紛れていった。

あー。。。それで今、目の前にみさきさんがいるわけだ。と1人納得しているとつまり、昨日から彼女であるみさきさんが

ねぇー!!!お腹すいた!

その一言で私たちはご飯に行くことになった。

私たちの選んだ、いや、みさきさんが行きたがったお店は居酒屋だった。居酒屋ならどこでもいいと言うので家から車で5分の私がよく行く所にした。

はぁー。いい匂い、お腹すいたね!!

お店に入るやいなやそんなことをすごく無邪気な笑顔で言うものだからさっきまでの、混乱は落ち着きを取り戻し、素直に楽しむことにした。

ねぇ、ねえってば!!


気づけばみさきさんは、何度も呼びかけていたようでさっきとは違い拗ねた顔をしていた。

申し訳ないと思い、きちんと、謝った上で
なんですか?と返した。するとみさきさんは悪巧みしている子どものような顔で、

車、運転できるよね??

あー、そういうことか。みさきさんは、お酒が呑みたいらしい。

いいですよ、呑んで。

そうして私はコーラを、みさきさんは、レモンサワーを頼んだ。それから、みさきさんが主に料理を注文し、よく食べ、よく呑み、2時間が経った。

く、くるしいー。
よっぱらったったぁー。

2時間の間に5杯以上は呑んでいたと思う顔色は変わらないが時折体を揺らし、舌っ足らずに喋るみさきさんをかわいいと思った。

ねぇ。この後どうする?

ニコニコしながらされた質問の意味をあまり何も考えず、

おうちどこですか?
その前にどこかよって帰りますか?

と、返した。
けれど、この答えは間違っていたようでみさきさんの顔はどんどん怒ったような顔になった。

ねぇ、君にとって付き合うってなに?
私にとって、恋人同士っていうのは、
触れることだと思うの。

そう、淡々と真面目な顔でみさきさんは、
言葉を続けた。
でも、私はあー。この顔だ。と思った。久しぶり見かけたあの時のみさきさんの顔。一緒にいた人がタクシーにのって帰っていくのを
見ていたその時のみさきさんの顔は
こんな顔だった。
悲しそうなのに、強く揺れるその目が、
酔っていたはずなのに1人で何も無かったように歩いていくあの後ろ姿を私は怖いと思ったんだ。私はそう出来ないから。そんなに強く歩くことが出来ないから、知りたいと思ったんだ。

触れる?それは、お互いの肌に触れるっていうそういう意味ですか?それとも、それを含めて相手の心に、その時の感情に、相手の過去に未来に。触れるということですか?

私はきっとみさきさんと、同じようにすごく真面目な顔で言葉を返していたと思う。だから恥ずかしくなってふふ、と笑ってしまった。それに釣られたのか、みさきさんも
とても優しい顔で笑ってくれた。

うん、そう。触れるって行為は、ただの、性行為だけのことじゃないと思うの。相手を知ろうとすることは心に触れるってことでしょ?だから、私は君に触れて欲しいの。君に触れてみたいの。

そう、優しい顔で話した。素直に嬉しかった。嬉しかった。だけど
私は。

分かりました。とりあえずお会計しましょうか!そう答え、それを聞いたみさきさんは、
嬉しそうに恥ずかしそうに、席を立った。
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