ある村の三日間

Pray

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村長の娘の日記

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 ルアの月 16日

今日は素敵な日、この村にお客さんが来た日!だって山奥にあって町に行くのに片道3時間もかかっちゃうようなこんな辺鄙な所に来てくれたんだもの!勿論あたしは村長の娘として、あたしの家で休ませる事にしてあげたわ。お客さんは余程疲れていたのか、足取りはどこかおぼつかなくって時々他の人にぶつかりそうになってた。でも怒らないよ、ここまで来るのってかなり疲れるからね。予想だにしていなかった来客だったもんで何も用意してあげられなかったから、明日は何か豪華な食事でも作ってあげようと思う!喜んでもらえそうな料理って何だろ?


 ルアの月 17日

お客さんは休んだお陰か元気にはなったみたい!でもとっても人見知りさんで中々お喋りしてくれない。この村の人は皆家族みたいに接してくれるから...こういう時、どう接してあげたらいいのかしら。なんとか自己紹介を互いにする事は出来たわ。お客さんの名前はメリーって言うらしいわ。旅をしているんですって!いいなぁ、あたしも他の国とかに行ってみたいわ。だけどこの村がとても好きだし、離れたくない気持ちもあるかな。この先も山脈は続くから万全の体勢で行けるように、今日も休ませてあげる事にした。夕食にごちそうを出そうとしたら、「結構です」って断られちゃった。遠慮しなくていいのにな。


 ルアの月 18日

メリーさんはもうすっかり元気になったみたいで、お昼ぐらいにあたしにお礼を言った後村を出ていった。あたし的には、もう少し居て欲しかったなー。歓迎のパーティーとかしてないし、もっと話したかった。でも過ぎた事は仕方ないわね。またいつか来てくれると嬉しいな。
今年は収穫量が少なくなるかもって父様が言ってたわ。こういう時の為に、何か内職でも始めた方がいいのかしら。
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