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第4章 王さま修行 / 教会編
第36話 プリンセスの利用価値
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「晴ってば、本気なの?」
部屋に着くなりウィッグを脱ぎ捨てながら、カファーが晴の顔を覗き込んだ。
「うん。家族は大事だよ」
「でも、フィオナさんの息子さんを取り戻すには教会に入る必要がありますよね?」
「入会金なんて払えないぞ」
弟子たちの財布からはとても出せない金額だ。子どもたちが無言でティナを見つめるが、ティナも首を振った。
「教会に金なんか出したくない」
「だよね~」
「他の方法を考えないとな」
晴の頭にはひとつ方法が浮かんでいた。しかしそれを実行する前に確かめるべきことがある。
「教会の人って、ヴィーゼル一族全体を愛してるんだよね?」
セオシュが突然の質問に驚きつつも、「そうですね……」と頷いた。
「今はキレウィ様だけを信じているように言ってましたけど、長年一族に重い信仰を注いでいましたから、一族なら誰であっても教徒にとって重要だといえるでしょうね」
満足そうに頷く晴を見て、ピンと来たジルが目を見開く。
「待て。晴、お前まさか」
「うん。私の正体を晒せば、教会も話くらいは聞いてくれるんじゃないかなって」
弟子たちは言葉を失い、部屋に沈黙が流れた。
「は……晴ってば、ほんきなの……?」
驚きのあまり、カファーがさっきと同じセリフを繰り返す。晴は深く頷いた。
「素顔で教会に直談判しに行くよ」
後日。リグロの予定に合わせて彼の部屋を訪問した晴は、緊張しながら必死に自分の立てた作戦を話していた。ティナと弟子たちも同席している。
「それで、実際に教会に行ってみようと思うの」
近頃の積極的な晴の様子を見ていたリグロは、成長がみられて嬉しくてたまらなかった。弟子たちからも話は聞いている。しかしはやる心を抑えて、あくまでも真顔で「そうか」と頷いた。
「近頃は奴らの活動も過激だからな。俺も仕事の一環としてついていってやる。ティナももちろん行くんだろ?」
「当たり前だ」
「他は? 子どもらとティナだけか?金髪は?」
「金髪は留守番だ」
リグロの呼び方に倣ってティナも金髪呼びをする。するとドアが開き、金髪が嘆きながら入ってきた。
「ちょっと。リグロは先生なのに、俺はただの金髪なの?」
仕事の合間にやってきたイトカである。
「俺のことも少しは敬ってよー」
「もちろんです! イトカ様は今日もお美しいです」
「そうだろう? でもそんなこと言ってくれるのセオシュだけなんだよね」
セオシュの頭を軽く撫でてから、イトカは自信に満ちた表情で仲間を見渡す。
「話は聞かせてもらったよ。流石に城を空っぽにするわけにはいかないから、俺は残る。気をつけて行ってきてね!」
「メイが残るんじゃないのか?」
「残るだろうけど、メイに城の警備全部を任せるのは申し訳ないし。かといって君たちについて行くこともしないだろうけどね」
イトカはそう言って苦笑した。
作戦実行は3日後に決まった。
どうも道を見失っているらしい『左腕』が戻ってくる好機である。イトカは期待のこもった眼差しで晴を見つめていた。
部屋に着くなりウィッグを脱ぎ捨てながら、カファーが晴の顔を覗き込んだ。
「うん。家族は大事だよ」
「でも、フィオナさんの息子さんを取り戻すには教会に入る必要がありますよね?」
「入会金なんて払えないぞ」
弟子たちの財布からはとても出せない金額だ。子どもたちが無言でティナを見つめるが、ティナも首を振った。
「教会に金なんか出したくない」
「だよね~」
「他の方法を考えないとな」
晴の頭にはひとつ方法が浮かんでいた。しかしそれを実行する前に確かめるべきことがある。
「教会の人って、ヴィーゼル一族全体を愛してるんだよね?」
セオシュが突然の質問に驚きつつも、「そうですね……」と頷いた。
「今はキレウィ様だけを信じているように言ってましたけど、長年一族に重い信仰を注いでいましたから、一族なら誰であっても教徒にとって重要だといえるでしょうね」
満足そうに頷く晴を見て、ピンと来たジルが目を見開く。
「待て。晴、お前まさか」
「うん。私の正体を晒せば、教会も話くらいは聞いてくれるんじゃないかなって」
弟子たちは言葉を失い、部屋に沈黙が流れた。
「は……晴ってば、ほんきなの……?」
驚きのあまり、カファーがさっきと同じセリフを繰り返す。晴は深く頷いた。
「素顔で教会に直談判しに行くよ」
後日。リグロの予定に合わせて彼の部屋を訪問した晴は、緊張しながら必死に自分の立てた作戦を話していた。ティナと弟子たちも同席している。
「それで、実際に教会に行ってみようと思うの」
近頃の積極的な晴の様子を見ていたリグロは、成長がみられて嬉しくてたまらなかった。弟子たちからも話は聞いている。しかしはやる心を抑えて、あくまでも真顔で「そうか」と頷いた。
「近頃は奴らの活動も過激だからな。俺も仕事の一環としてついていってやる。ティナももちろん行くんだろ?」
「当たり前だ」
「他は? 子どもらとティナだけか?金髪は?」
「金髪は留守番だ」
リグロの呼び方に倣ってティナも金髪呼びをする。するとドアが開き、金髪が嘆きながら入ってきた。
「ちょっと。リグロは先生なのに、俺はただの金髪なの?」
仕事の合間にやってきたイトカである。
「俺のことも少しは敬ってよー」
「もちろんです! イトカ様は今日もお美しいです」
「そうだろう? でもそんなこと言ってくれるのセオシュだけなんだよね」
セオシュの頭を軽く撫でてから、イトカは自信に満ちた表情で仲間を見渡す。
「話は聞かせてもらったよ。流石に城を空っぽにするわけにはいかないから、俺は残る。気をつけて行ってきてね!」
「メイが残るんじゃないのか?」
「残るだろうけど、メイに城の警備全部を任せるのは申し訳ないし。かといって君たちについて行くこともしないだろうけどね」
イトカはそう言って苦笑した。
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