ただのモブなので、お気になさらず。

空酉(ことり)

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二章 本編へ

学園へ

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ついにこの時が来てしまった。
大荷物を乗せた馬車に揺られながら、学園へ向かう。
ちなみに、今日は入学式当日ではない。
入学式の一週間前のこの日は、荷物の多い生徒が寮へ荷物を運ぶ為、設けられた猶予期間の様なもの。かくいう私たちも寮への荷の運搬しに来たのだ。
そのまま入学式まで寮で過ごして式に出る生徒も大勢いるらしい。私たちもそうして過ごすつもりだ。
その方が同僚の子や他の子たちとも話す機会があるかもしれないし。
緊張で胸が張り裂けそうな私を、心配そうな表情で見つめるハデス。
「姉さん、大丈夫?」
向かい合って座る私の肩にそっと手をかけて、私の目をじっと見つめる。
「大丈夫よ……。ただ少しだけ緊張してしまって……」
ハデスを心配させない様に微笑んで見せると、より一層心配そうな表情で見つめられた。


「そろそろ学園に着きますよ」
そう声をかけられて、より一層緊張が高まる。
(ついにゲームの舞台へ着くのね……)
緊張と恐怖が入り混じって、けれども、どこか楽しんでいる自分がいた。
(私はモブだから、本編に関わるなんて事はないだろうけれど、でもハデスの姉という事で巻き込まれる可能性はある……。……まあそうなったらそうなった時に考えよう!)
私は考える事を一旦放棄した。


「……わぁ……!」
馬車を降りると、ゲーム内で見た立派な建物が視界いっぱいに飛び込んだ。
歴史を感じさせるレトロな雰囲気だが、どこもピカピカと輝いていて、とても綺麗。
校舎の中央部には、大きな噴水があり、生徒の憩いの場になっている様だ。
次に中庭だが、各所にベンチとテーブルが設置されており、昼食を取ったり談笑したりとできそうだ。
前世で私がいた高校は、学食はあったけれど、こんなに広い中庭や、豪華絢爛な建物でもなく、もちろん噴水もなかった。
よほどお金持ちが通う様な学校ならあっただろうが、あいにく私の高校にあったのは、亀がいる小さな池の様なものだけだった。でも亀って結構可愛いんだよ。
私の前世の話はさておき。
私が校舎や中庭に見惚れていると、ハデスが私の手を引いた。
「姉さん、寮はこっちだよ」
困った様に笑うハデス。
ゲームでは馴染みのある校舎だけれど、実際に見るのは初めてなんだもの。興奮するのは仕方ない。

ハデスに手を引かれながら寮に向かっていると、ふと、目の前に淡い桃色のハンカチがひらりと舞った。
思わず掴む。誰のだろう。
「そのハンカチ……」
桃色の髪と薄桜色の瞳を持った少女がこちらへ近づく。
(悪役のヒロインだ……!)
「……このハンカチ、貴女の?」
私がそっと差し出す。
「ええ。母が私にくださった大切な物なの。……拾ってくださってありがとう」
(うっわ美人だ!)
内心大興奮の私。美人の笑顔は蕩けそうになるほど素敵だ。
「私は、アルテミス・ウォーレスと申します」
知ってます、とは言えないから、初めましてと言ってから、こちらも名乗る。
「私は、アリエス・ベル・ナイトレイと申します。こちらは弟のハデス・ナイトレイです」
私の数歩後ろでハデスがペコリと頭を下げる。
ぽーっとした表情でハデスを見つめているアルテミス。
(マズい!もしかしてアルテミスさまはハデスを好きになってしまわれたのでは……!?)
慌てる私を見て、クスリと笑うアルテミスさま。
(わ、笑われた……!)
さらに慌てる私をなだめる様にまた微笑む。
「……私のハンカチを差し出してくださった時に、『美人だ』と仰ってくれた事が嬉しかったんですわ」
(アルテミスさまが見ていたのは私?!え?なんで……?)
理由がさっぱりわからず、余計に混乱してしまう。
美人に美人だって言うのって安直だけれど、普通の事ではないかしら。
というか、心の声が漏れていたのね。猛省。
「その……もしアリエスさまさえ良ければ、私とお友達になっていただけませんか?」
願っても無い申し出に、私は即座にアルテミスの手を硬く握り締めてもちろんですと何度も頷く。
ひゃっほーいと脳内で小躍りする。
「お友達になってくださるのなら、さま付けなんてしないで、アルテミスと呼んでくださいな」
少しだけ照れた様に微笑むアルテミスさまが本当に美しくて、今度は私が見惚れてしまった。
「私もアリエスと呼んでくださいな」
嬉しくてにこにことしながら、なおも手を握ったままの私。
ハデスがそっと私とアルテミスの手を引き離す。
「姉さん。荷物を運んでしまおう?このまま談笑していたら、日が暮れてしまって、手伝ってくれる方が困ってしまうよ?」
その言葉にはっと我に帰り、アルテミスと名残惜しくも別れる。
「また時間があればぜひお話ししましょうね!」
私が約束を取り付けようと去り際にそれだけ言って、ハデスに連れられるままに荷物の整理に取り掛かる。

寮は当然の事ながら女子寮と男子寮に分かれていて、途中でハデスと別れた。
建物自体も別だった。
どちらも海外の観光地などで見かけそうな、荘厳な雰囲気に漂う素敵な建物。
寮内部もかなり豪華絢爛で、どこの一級ホテルだよと疑いたくなるほど。
(にしても、本当に綺麗な人だったなぁ……。あんなに素敵な人が自分に想いを寄せてくれていたら、きっとすごく嬉しくて舞い上がってしまうだろうなぁ……)
荷解きをしつつ、アルテミスの事についてぼんやりと考える。
友人はどちらかといえばヒロインの方が好きだと言っていたが、私はどちらも同じくらい大好きだった。
だから、今回の出会いはとても良い出来事だったと満足顔。
同室の人はまだ来ていないらしく、荷解きをしつつ挨拶をして談笑でもと思っていたので少しがっかり。
持って来ていた荷物を片付け終え、学園内を見て回ろうと思って部屋を出る。
女子寮を出て、ゲーム内の地図を思い出していると、少し離れた所から私を呼ぶ声がした。
その方向へ視線を向けると、アルテミスがいた。
こちらに向かって嬉しそうな笑顔を浮かべつつ私のそばまでやって来る。
「荷解きは終わったのね、アリエス」
とても嬉しそうな表情で、また私は見惚れてしまう。うわ可愛い。
「……姉さんも片付け終えたんだね」
男子寮からはハデスが出て来た。音もなくこちらに来るものだから、一瞬びくっとしてしまった。
「姉さんの事だから、学園を探検するんじゃないかと思ってちょっと待っていたんだ。一緒に行こう?」
そんな私に気にした風もなく、いつも通りに話すハデス。アルテミスが置き去りにされている。
「わ、私も!私も一緒に行きたいですわ!」
一人で回って情報収集でもしようかと思っていたが、これはこれで楽しそうだと承諾。

幼い子供の様に、私とハデスとアルテミスの三人で学園内を歩き回り、その途中で食堂を見つけて飛び込んだ。
朝から昼過ぎまでずっと何も食べていなかったから、お腹が空いていた私とハデスが、食堂に一直線に向かったのが面白かったのか、アルテミスに笑われた。
食堂では、メニューというのはなく、それぞれ朝昼夜と日替わりで食事が出されるらしい。
中庭など、食堂以外の場所で食べたい人にはお弁当が渡されたり、もしくは調理場を借りて自分で作ったりとできるらしい。自由っていいね。
その日の食事は、具たくさんのスープとパンとサラダ。
そのどれもが大きめのお皿にこれでもかと盛られてあって、年頃の男の子ならペロリと食べられそうだけれど、と思った。
いざ食べてみると、あまりの美味しさに私もハデスもペロリと完食してしまった。
これほど美味しい食事がこれから毎日食べられるのかと、学園生活での楽しみができた私はにんまりと笑う。

食事を終えて、食後にと用意してくれた紅茶を飲んでいた。
「こんにちは」
少し低めの掠れた様な声が聞こえた。
誰だろうと振り返ると、柔和な表情を浮かべるキツネ目の少年が立っていた。
色素の薄い金色の髪と鮮やかな黄色をした瞳。また美形。
「初めまして、僕はタルタロス・クロフォード。そこにいるアルテミス嬢の婚約者だ」
(アルテミスに婚約者がいるだなんて初耳なんだけど……!?)
内心パニックを起こしつつ、なんとか自分とハデスの自己紹介を済ませた。


タルタロス・クロフォード。
彼もこのゲームの攻略キャラクターの一人だ。
かなり腹黒く、自分に敵対する相手は容赦なく叩きのめすという性格だ。しかし、基本的には誰に対しても穏やかで、かなり優しいキャラクターでいるのだ。
タルタロスルートでは、ヒロインがその腹黒さや過激すぎる性格を笑って受け入れてくれた事によって、かなり柔らかくなる。
タルタロスルートでの悪役はハデスだ。
ハデス自身もヒロインに救われ、同じく想いを寄せている事から敵対する様になる。
このタルタロスルートでは、終盤の選択肢はない。
だが、それまでにタルタロスとハデスの好感度を上げなければならない。そこでハデスの好感度を上げすぎると、バッドエンドになり、終盤でタルタロスは命を落とす事になる。
タルタロスの好感度を最高値までしっかり上げてさえいれば、ハッピーエンドを迎える事ができる。
まあそのハッピーエンドでは、ハデスは命を落としてしまうのだけれど。

「アリエス。タルタロスさまが私の婚約者だというのは嘘よ。騙されないで。タルタロスさまも、くだらない嘘は吐かないでくださいな」
きっとタルタロスを睨みつつ話すアルテミス。
(なーんだ、嘘か)
ほっとした表情を浮かべる私に、騙されやすそうでつい嘘をついてしまいましたと悪そうな笑顔を浮かべるタルタロス。
細い目がより一層細くなって、とてもイケメン顔だが、私の推しではない。
私の隣でずっとタルタロスを睨みつけているハデスに気づいて、そっと嗜める。
しょんぼりと落ち込む様子が可愛らしかった。
そのまま楽しく談笑して、気がつけば夕暮れ。
私たちはそのまま夕食を食べて、寮へと帰っていく。


寮のベッドに寝転び、今日の出来事を思い返す。
(まさかタルタロスに出会うなんて思ってなかったわ……。まだ攻略キャラクターがいるけれど、出会うとしたら入学後かしらね)
同僚の人はまだ姿を現さなかったので、私はそのままだらーっとした格好で眠りにつく。


翌日。
とても天気が良かったので、食堂でお弁当を作ってもらい、それを持って中庭へとやって来た。
入学式の前で、生徒の姿はほとんどなかった。
在校生の大多数は家へと帰っていて、入学式の前日に寮へと戻ってくるから、今いるのは入学生だけ。
一部の在学生もいるのだろうけれど、それでも入学前に学園内を彷徨く人はかなり少ないらしい。
ほとんどのベンチが空いていたので、私はどこに座ろうかとにこにこ。
中庭の花壇がよく見えそうなベンチを見つけた私はそちらへ向かう。

「あ」
そこには先客がいたらしい。
花壇の花が影になって気がつかなかった。
またしても美しすぎる男女がそこにいた。
どちらも綺麗なわさび色の髪と瞳を持っていて、思わず見惚れてしまうほど整った顔をしている。
女性の方はスタイルが抜群によくて、とても羨ましい。
優しい顔立ちで、なんというか、このゲームにおいてのお色気キャラクターに位置している人物たちによく似ている。
そのまま引き返すのもどうかと思って、そのままその先客の方向へと歩を進める。
その内の男子の方が私に気づき、そして私の持っている弁当を見て、すぐに移動するからと言ってくれた。
とりあえず謝罪をして名乗っておかねばと思い、名乗る。
「私はヘルメス・バレンタイン。こちらは双子の妹のアテネ・バレンタイン」
ヘルメスの紹介に控えめにペコリと頭を下げて、すぐにヘルメスの後ろに隠れてしまうアテネ。可愛すぎる。
(ヘルメスにアテネって、また攻略キャラクターじゃない……)

ヘルメス・バレンタイン。
お色気担当といったが、下品な意味はなく、なんというか、フェロモンが常時垂れ流しにされている様なキャラクターなのだ。
一部に熱狂的なファンがいるキャラクターだ。私の推しではない。
ヘルメスは、常時無意識に垂れ流している色気のせいで、いつも周りに女性がいたが、そのどれも興味がなかった。
そして唯一自分に興味を示さなかったヒロインに興味を示し、関わり出す。
初めは、今まで自分の周りにいた女性に対してしていた様に甘い言葉を吐いていたが、それではヒロインは振り向かなかった。
思わず素で「自分を見て」と伝えた事で好感を持ったヒロインが、徐々にヘルメスに惹かれていく。
ヘルメスルートは、ヒロインをライバル視する女性キャラクターたちがいて、そのどれもが陰湿な嫌がらせを行う。
めげないという選択肢を選び続けてやっと最終章に進める。
このルートにおける悪役は、その女性キャラクターたちだ。
その中でも、ボス的な位置に君臨しているキャラクターが魔王となり二人の前に立ちはだかる。
ここでも選択肢が登場する。
ここで諦めるを選択すると、ヒロインは命を落とし、ヘルメスはその女性キャラクターたちに監禁されてしまう。
諦めずに立ち向かう事で、ハッピーエンドへと迎える。

そして次にアテネ・バレンタイン。
彼女が攻略対象に入っているのは、私も友人もとても驚いた。
ただ、恋愛要素はなく、友情エンドという感じになっている。
兄であるヘルメスに似て、色香を漂わせているキャラクターで、言い寄ってくる男性キャラクターが大勢いて、それが原因で女性キャラクターに嫌われて陰湿ないじめを受ける。
アテネを守るといった趣旨の選択肢を選び続けていると、アテネルートに突入する。
他のルートと違い、魔王や死人は登場しない。
ただし、好感度が最高値でないと、即バッドエンド行きだ。
バッドエンドでは、ヒロインの優しさを、ただの同情と受け取ってしまったアテネが心を病み、そのまま引きこもってしまう。
好感度が最高値に達していると、アテネはヒロインに対して心を開き、幸せな学園生活を送る事になる。なんとも平和なエンディング。

「アリエス」「姉さん」
アルテミスとハデスの声が同時に聞こえた。
「食堂の方に聞いたの。貴女がお弁当を持って中庭に行ったって。だから私も一緒にと思って来たのだけれど……」
私しか視界に入っていなかったらしいアルテミスとハデスが、ようやく二人に気づいた。
「談笑中に入ってしまって申し訳ありません。私はアルテミス・ウォーレスと申します」
丁寧に挨拶をするアルテミス。
「ハデス・ナイトレイです。そちらにいるアリエス・ベル・ナイトレイの弟です」
続いて丁寧に挨拶をするハデス。
「気にしないでくれ。私はヘルメス・バレンタイン。こちらは双子の妹のアテネ・バレンタインだ」
このゲームにおいて、バレンタイン兄妹とアルテミスとハデスが出会うという描写は大団円ルート以外ではなかったという事を思い出す。
(まあそもそもの関わりがないのだものね。仕方ないわ)
これはもしかしなくても、自分のせいでシナリオが変わってしまうのではないかと冷や汗。
その日はそのままヘルメスとアテネと別れて、アルテミスとハデスと一緒に食事をとる。
その際に、あの兄妹と何を話していたかを根掘り葉堀り聞かれて疲労したのだけれど。

そうして、入学生の攻略キャラクターたちと数日楽しい日々を過ごし、入学式の前日になった。
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