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3章
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麓はほとんど朝食に手をつけることなく、ごちそうさまとだけつぶやいて立ち上がった。
最近、胃の中に入れているのは水とコーンスープだけ。
液体ばかり口にしているため、胃が退化したのではないか、とそろそろ疑う。
食生活が破綻して元々細いウエストはさらに細くなり、スカートはベルトをしなければ下がってきてしまう状態。
しかし、変化はそれだけではなかった。
瞳は輝きを失って暗く沈み、口数は減って必要なことしか言わなくなり、柔らかなほほえみを浮かべることもなく。物憂げな表情をした精巧な人形がたたずんでいるようにしか見えなかった。
(また無くなってたらどうしよう…)
自室に戻った麓はバッグを持ち上げ、ドアノブに手をかけた中途半端な状態でうつむいた。
いつも隠された物は必ず、帰りのホームルーム後に見つかる。その度に誰かが親切に持ってきてくれた。
だがその度に申し訳なかった。それを考えると麓からさらに精気が奪われていく。
(嫌だよ…。こんな生活は────)
倉庫に閉じ込められた日から3日たったが、未だにあの時の恐怖がこみ上げてくる。
状況が状況だっただけに留年処分は免れた。もちろん、嵐も蔓も。麓のしばらくの欠席は留年処分の対象から外されている。扇が上の者と掛け合ってくれたらしい。
申し訳なさでいっぱいで、己の弱さが浮き彫りになった。1人じゃ何もできないから周りまで巻き込んで。挙句の果てに気を遣わせてしまって。
麓の心は花が1輪もない、渇ききった大地に変わってしまっていた。
その枯れた大地に再び水が湧き、植物が芽吹き、美しい鳥がさえずる日は再び来るのか────。
その日の昼。
麓は食欲がなく、昼食を取らずに次の授業の家庭科室へ向かった。
今日は上靴も机もちゃんとあった。だがここ数週間の出来事がそれだけで拭えるわけがなく、気は塞いだまま。
トボトボと家庭科室に向かっている途中、よく知った顔に出会った。彼は女嫌いということで有名だが麓だけは別だ。彼女の手元をチラッと見てポケットに手を入れた。
「次は家庭か」
「…はい」
「姫さんは女子力あるから家庭は得意そうだな」
「そうでもないですよ」
「ふーん…」
麓は手元の教科書を見ながら答えた。彰は怪訝そうに相槌を打ち、あごに手を当てて考える仕草をした。
「…なんかいつもと違う気がする。何かあったのか?」
麓は一瞬だけ息を呑み、目を伏せて唇をかみしめ、首を横に振った。
「…いえ」
「本当か? 口数が少ないし、元気がないし…。何より笑ってない」
「…!」
この短時間でそれだけのことを分析され、麓は目を見張った。彰がフッとほほえむ気配がする。
「やっぱり何かあったんだろう。なんだ? 凪にいじめられたか?」
────いじめ。今1番聞きたくない単語だ。
彰は大したことないように言っているが、今の麓にはずしりと重くのしかかってくる。
「そんなわけ、ないです。…いつも通りです」
「じゃあなんでうつむくんだ? いつもの姫さんだったらちゃんと目を合わせてくれるだろ」
いつもの、私────?
それは聞いたことの無い言語のように思え、麓の思考回路が強制終了した。
しかし原因なそれだけではない。まぶたが重くのしかかってきて、全身の力が抜け、意識が段々と消えていく。
「姫さん!?」
教科書がバサバサっと落ちる音と同時に麓は気を失って、彰に抱きとめられた。
「────大丈夫か?」
心配そうな優しい声。ほぼ白に統一された空間。かすかに鼻につく消毒液の香り。
麓はまだ覚醒しきっていない頭を働かせ、先程のことを思い出そうとした。
「私は…」
「ここは保健室だ。急にぶっ倒れたから運んだんだ。落ち着くまでゆっくりしてな」
彰はベッドの傍にあるイスに座っている。ずっといてくれたらしい。
「すみません…。彰さん、授業は?」
「サボり。気絶したお姫様を1人で残せるわけないだろうが」
麓はサボり、という言葉に微妙な表情を浮かべてしまった。また留年が増えたが、ここはお礼を言うべき所だろう。
麓は身体を起こそうとして彰に支えられ、ベッドの上で座る格好になった。
「…ありがとうございます。いろいろ、と」
ぺこん、と頭を下げて彰の顔を伺うと、彼は苦笑いをしていた。
気に障るようなことを言ってないはずだが────と麓が迷い始めると、彰は鼻で笑った。
「そう言うわりにはあんまりうれしそうじゃないな…。なんだ、襲ってほしかったのか?」
「な゛!? …襲っ!?」
扇と霞に似たようなことをよく言われるので、その意味はすぐに分かってしまった。
とっさに布団を肩まで引き上げると、彰はおもしろそうに目を細めた。
「冗談だ。もしそんなことしたら俺は凪にブッ殺されるな…。なんせあの男はそういうことに関して厳しいからな」
麓は凪が鬼の形相で海竜剣という刀を発動した所を想像して身震いをした。想像上でも末恐ろしい委員長だ。
彼女は意を決して掛け布団から抜け出た。それを畳んでベッドの端に腰掛け、床に足をついた。
「私、戻ります。留年がちょっと…。彰さんもちゃんと授業を受けてください」
麓は下を向きながら上靴を履き、立ち上がってその場から離れようとした。
しかしよろめきかけ、彰に腕をつかまれて引き寄せられる。
「すみません…。私はこれで」
「待てよ」
彰は手に力をこめて麓のことを離そうとしない。彼女は彰の膝の上で座る形となった。
赤面して彼のことを見ると、いたわるような視線を向けられていた。
「…泣きそうな顔をしている女を、授業に行かせるわけにはいかないだろ」
「べ、別に泣くだなんて」
麓は彼から離れようとしたが、力の差で負けている。彰は目を細め、長く細い指で麓の頬にふれた。
「自分では気づいてないだけだ…。なぁ、何があった? 俺には話せないのか」
「そういうわけじゃ────」
「いや。そうとしか見えない。心を閉ざされている気がする」
「…私ごときのことでそこまで考えなくても」
ネガティブなことを口にすると、麓の手の平に彰のそれが重ねられた。
「姫さんごとき、なんかじゃない。自分を卑下するな。俺は…いつもの姫さんの笑顔が見たい」
微笑をたたえる彼の手は、心地よい温かさを持っている。
────頼ってもいいのだろうか。硬かった心がほぐれていくような気がした。
でも話して何になる? という迷いも同時に生じている。
今まで一連のことを担任である扇には相談した。だが現状は変わらぬまま。
だったらもう、自分の中にしまいこんでおこうか。麓は唇をかみしめた。そして彰の力が緩んだのを見計らい、脱兎のごとく離れた。
「…さよなら!」
「…姫さん!?」
彰の手は宙をつかんだ。それだけ今の麓の行動は速かった。
優しくしてくれたのに。それを無下にした自分は最低だ。
彼のことを振り返らず、麓は心の中で謝った。
最近、胃の中に入れているのは水とコーンスープだけ。
液体ばかり口にしているため、胃が退化したのではないか、とそろそろ疑う。
食生活が破綻して元々細いウエストはさらに細くなり、スカートはベルトをしなければ下がってきてしまう状態。
しかし、変化はそれだけではなかった。
瞳は輝きを失って暗く沈み、口数は減って必要なことしか言わなくなり、柔らかなほほえみを浮かべることもなく。物憂げな表情をした精巧な人形がたたずんでいるようにしか見えなかった。
(また無くなってたらどうしよう…)
自室に戻った麓はバッグを持ち上げ、ドアノブに手をかけた中途半端な状態でうつむいた。
いつも隠された物は必ず、帰りのホームルーム後に見つかる。その度に誰かが親切に持ってきてくれた。
だがその度に申し訳なかった。それを考えると麓からさらに精気が奪われていく。
(嫌だよ…。こんな生活は────)
倉庫に閉じ込められた日から3日たったが、未だにあの時の恐怖がこみ上げてくる。
状況が状況だっただけに留年処分は免れた。もちろん、嵐も蔓も。麓のしばらくの欠席は留年処分の対象から外されている。扇が上の者と掛け合ってくれたらしい。
申し訳なさでいっぱいで、己の弱さが浮き彫りになった。1人じゃ何もできないから周りまで巻き込んで。挙句の果てに気を遣わせてしまって。
麓の心は花が1輪もない、渇ききった大地に変わってしまっていた。
その枯れた大地に再び水が湧き、植物が芽吹き、美しい鳥がさえずる日は再び来るのか────。
その日の昼。
麓は食欲がなく、昼食を取らずに次の授業の家庭科室へ向かった。
今日は上靴も机もちゃんとあった。だがここ数週間の出来事がそれだけで拭えるわけがなく、気は塞いだまま。
トボトボと家庭科室に向かっている途中、よく知った顔に出会った。彼は女嫌いということで有名だが麓だけは別だ。彼女の手元をチラッと見てポケットに手を入れた。
「次は家庭か」
「…はい」
「姫さんは女子力あるから家庭は得意そうだな」
「そうでもないですよ」
「ふーん…」
麓は手元の教科書を見ながら答えた。彰は怪訝そうに相槌を打ち、あごに手を当てて考える仕草をした。
「…なんかいつもと違う気がする。何かあったのか?」
麓は一瞬だけ息を呑み、目を伏せて唇をかみしめ、首を横に振った。
「…いえ」
「本当か? 口数が少ないし、元気がないし…。何より笑ってない」
「…!」
この短時間でそれだけのことを分析され、麓は目を見張った。彰がフッとほほえむ気配がする。
「やっぱり何かあったんだろう。なんだ? 凪にいじめられたか?」
────いじめ。今1番聞きたくない単語だ。
彰は大したことないように言っているが、今の麓にはずしりと重くのしかかってくる。
「そんなわけ、ないです。…いつも通りです」
「じゃあなんでうつむくんだ? いつもの姫さんだったらちゃんと目を合わせてくれるだろ」
いつもの、私────?
それは聞いたことの無い言語のように思え、麓の思考回路が強制終了した。
しかし原因なそれだけではない。まぶたが重くのしかかってきて、全身の力が抜け、意識が段々と消えていく。
「姫さん!?」
教科書がバサバサっと落ちる音と同時に麓は気を失って、彰に抱きとめられた。
「────大丈夫か?」
心配そうな優しい声。ほぼ白に統一された空間。かすかに鼻につく消毒液の香り。
麓はまだ覚醒しきっていない頭を働かせ、先程のことを思い出そうとした。
「私は…」
「ここは保健室だ。急にぶっ倒れたから運んだんだ。落ち着くまでゆっくりしてな」
彰はベッドの傍にあるイスに座っている。ずっといてくれたらしい。
「すみません…。彰さん、授業は?」
「サボり。気絶したお姫様を1人で残せるわけないだろうが」
麓はサボり、という言葉に微妙な表情を浮かべてしまった。また留年が増えたが、ここはお礼を言うべき所だろう。
麓は身体を起こそうとして彰に支えられ、ベッドの上で座る格好になった。
「…ありがとうございます。いろいろ、と」
ぺこん、と頭を下げて彰の顔を伺うと、彼は苦笑いをしていた。
気に障るようなことを言ってないはずだが────と麓が迷い始めると、彰は鼻で笑った。
「そう言うわりにはあんまりうれしそうじゃないな…。なんだ、襲ってほしかったのか?」
「な゛!? …襲っ!?」
扇と霞に似たようなことをよく言われるので、その意味はすぐに分かってしまった。
とっさに布団を肩まで引き上げると、彰はおもしろそうに目を細めた。
「冗談だ。もしそんなことしたら俺は凪にブッ殺されるな…。なんせあの男はそういうことに関して厳しいからな」
麓は凪が鬼の形相で海竜剣という刀を発動した所を想像して身震いをした。想像上でも末恐ろしい委員長だ。
彼女は意を決して掛け布団から抜け出た。それを畳んでベッドの端に腰掛け、床に足をついた。
「私、戻ります。留年がちょっと…。彰さんもちゃんと授業を受けてください」
麓は下を向きながら上靴を履き、立ち上がってその場から離れようとした。
しかしよろめきかけ、彰に腕をつかまれて引き寄せられる。
「すみません…。私はこれで」
「待てよ」
彰は手に力をこめて麓のことを離そうとしない。彼女は彰の膝の上で座る形となった。
赤面して彼のことを見ると、いたわるような視線を向けられていた。
「…泣きそうな顔をしている女を、授業に行かせるわけにはいかないだろ」
「べ、別に泣くだなんて」
麓は彼から離れようとしたが、力の差で負けている。彰は目を細め、長く細い指で麓の頬にふれた。
「自分では気づいてないだけだ…。なぁ、何があった? 俺には話せないのか」
「そういうわけじゃ────」
「いや。そうとしか見えない。心を閉ざされている気がする」
「…私ごときのことでそこまで考えなくても」
ネガティブなことを口にすると、麓の手の平に彰のそれが重ねられた。
「姫さんごとき、なんかじゃない。自分を卑下するな。俺は…いつもの姫さんの笑顔が見たい」
微笑をたたえる彼の手は、心地よい温かさを持っている。
────頼ってもいいのだろうか。硬かった心がほぐれていくような気がした。
でも話して何になる? という迷いも同時に生じている。
今まで一連のことを担任である扇には相談した。だが現状は変わらぬまま。
だったらもう、自分の中にしまいこんでおこうか。麓は唇をかみしめた。そして彰の力が緩んだのを見計らい、脱兎のごとく離れた。
「…さよなら!」
「…姫さん!?」
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