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5章
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ツリーハウスに戻ると、麓は薄紅色の寝巻きを身にまといっており、ソファにしっかり腰掛けて読者をしていた。時間はちょうどよかったらしい。髪はしっとりと濡れていた。
こちらの存在に気づいたのか、かすかに視線を上げて確かめてから、顔を上げてほほえんだ。
「おかえりなさい、凪さん」
「お、おう。ただいま…」
なんとなく挙動不審な答え方になってしまったが、麓は気にしなかったらしい。彼女は栞を挟んで本を閉じた。
「お風呂、よかったらどうぞ。タオルもありますから」
「…さらっと言うんだな、そういうこと。ホントに泊まっていっていいのか?」
「逆になぜですか…?」
「や、だって俺男だぞ? そういうの気になるだろ」
しばらく麓は思案顔になったが、やがて首を振った。
「そんなことないです。────凪さんなら」
「…」
不覚にもその響きに浸ってしまい、目を見張って麓に見入ってしまった。
────いやここで"凪さんなら"とかナシだろ!
慌てて心の中でシャウトするが、表面でそれが出ることはない。麓にはほぼ、いつもの凪にしか見えないだろう。というかそうであってほしい。
「────あの、凪さん」
「ん?」
「私…。風紀委員のままでいいのでしょうか?」
彼女の顔にはさっきまでのほほえみのかけらはなく、憂いをたたえていた。
不安そうで消え入りそうで、今にも泣き出してしまいそうで。
だが凪はあえて、すぐにはっきりとした声を返さなかった。
「なんでそう思った?」
「…ごめんなさい。凪さんがいない間に、寮長さんに電話をして聞いたんです。今回の全てを」
「全て?」
「はい。上靴とか机とか、ここ最近の事は全部…立花さんのやったことだって」
「寮長…!」
「あ…怒らないでください! 私が聞きたかったことなんです。…ショックですけど、真実が分かって少しすっきりしてるくらいです」
表情は暗いが、夕方のようにうつむくことはなかった。自分の意思をしっかりと凪に伝えようとしている。
「風紀委員は皆すごいのに、私だけごく普通の存在です。正直、遠くに感じることもあります。…私なんて戦闘能力なんかじゃくて、いざという時に役に立てそうにありません。だから私、天神地祇にいていい理由なんてないです…。もっと有能な精霊の方が────」
「何言ってんだよ」
いつになくネガティブでマイナスな羅列はいつまでも続きそうで、凪は麓の声を遮った。
止められるとしだいに彼女の顔は歪み、うつむいて膝の上で握りしめた小さな拳を見つめた。
「思ったことを言っただけです。これからの風紀委員を考えて」
麓はただ、頑なになっていた。強がろうとしているのがバレバレだ。
凪は麓の前で跪き、彼女の顔を見た。しかし、フイと横を向いてしまう。寂しさをたたえた横顔だった。
「下らねェこと言ってんじゃねェ。俺らがいつ、おめーに戦闘能力なんて求めた? 最初にバカ共が言ってただろ。天神地祇の癒しだって。それに自分でも言ってたじゃねェか。ケガを治す側になりたいって」
まだ彼女は顔をそらしたまま。しかきさっきの寂しさに、困惑が混ざり始めた。
「だから、おめーはそのままでいいよ。ってかそのままでいてくれ。…おめーには、俺みたいに血で穢れてほしくない」
正直なことを話すと、麓はやっとこちらを見て目を合わせた。
「凪…さん」
絞り出すような声で呼ばれ、凪は自らの手を麓の華奢で白いそれに重ねた。その手はもう、固く閉ざされていない。
「私は…皆さんのように、あなたにとっていい部下ですか…?」
「部下なんかじゃねェよ」
真っ向から否定されて麓は傷ついたような顔をした。
凪が、麓やこの場にいない風紀委員たちに対して持っている感情はただ1つ。それは麓が考えているような言葉や意味とはかけ離れている。
「部下なんかじゃねェ…。俺らにとっておめーらは、大事な────仲間だよ」
表情を和らげてみせると、麓は黙ってうなずいた。
泣かないようにしているのだろう。しかし、安心したように見えた。
今日はいろいろあり過ぎたからもう寝ろ、と言われた麓はスマホの電源を切った。
普段だったらまだこの時間は起きているが、今日はひどく眠気に襲われていた。
(その前に凪さんの布団…)
麓は睡眠を欲している脳を働かせて押し入れの襖を開けた。
「いいよ。自分でやるから」
凪が横から来て布団を抱えた。
「すみません、お客さんに…」
「気にするこたァねェよ」
凪が表情を崩してみせると、それが移ったかのように麓の頬もゆるんだ。心地よさに包まれたかのような、そんな感覚だった。
(…?)
それと同時に胸の奥が高鳴り始めた。今まで感じたことがない、不思議な心音。
緊張しているわけではない、何かに恐れているわけでもない。だったらなんだろうか。今の麓には何物にも例えることができなかった。
「…おい。ボーッとしてどうした? 相当眠そうだな」
凪の声で意識が引き戻された。彼の一言で落ち着くかと思いきや────むしろ増している気がする。
「いえ、何も…」
「そうか? ならいいけど」
凪は怪訝な顔をしたがすぐにいつものように戻った。
「俺はリビングにでも寝るから。おめーはもう寝な、電気消してやるから」
「ありがとうございます」
おとなしく麓が自分のベッドに入ると、凪は優しくタオルケットをかけた。
彼は最後に麓の前髪をサラサラとかき分け、頭をなでた。それが嬉しくて礼を言うより先に頬が熱くなってくる。
「じゃっ、おやすみ」
離れそうな凪の手を、麓は軽く引き止めた。彼の細長い小指を軽く握って。
「…どうした?」
心配そうに顔をのぞきこんだ彼を前に、麓は何も答えなかった。否、何も答えられなかった。自分でもなぜこうしたのか分からなくて。
「もしかして電気消さない派だったか?」
「いえ…。けど」
麓の声が尻すぼみになると、凪は麓の手をそっと握り返して腰を下ろした。黄金色の瞳が、すぐに手が届く場所で輝いている。
彼の瞳は光のようで、そばにあると孤独を忘れられた。
────そうだ。自分はひかりを求めているんだ。
思い出すのは倉庫でのこと。
急に暗闇の中で閉じ込められ、絶望に襲われ死を覚悟したあの時。
「この前のこと考えると…。暗い所が怖くなって。本当は1人が嫌なんです。知らない何かに襲われるんじゃないかって」
そんなことあるわけない、と呆れたように返されると思った。
だが彼は麓の手を握るのに優しく力をこめた。
「…安心しろ。ここにはおめーに危害を加えるヤツなんかいねェ」
彼は静かに優しく、麓の耳元でささやく。
それのおかげか、強ばっていた心は少しずつ溶かされていき、気持ちはおだやかになり、まぶたが重くなっていく。
「怖がるこたァ何もねェ。ここはおめーの故郷だ。おめーがこの山を守っているように、アイツらだっておめーの知らない所で守っているよ。それに、あの学園にはクラスメイトとか風紀委員とか…」
まさか彼が、凪がこんなことを言ってくれるとは夢にも思わなかった。相変わらず口は悪いが、彼の一言一句のおかげで心がないでいく気がした。
「だから、立花なんて小者なんざどうってこたねェよ。俺が制裁を加えてやる…。一生記憶に残りそうなヤツをな。なんてったって生ける伝説だからな」
「ふふっ…」
おどけて言う異名に笑うと、凪は再びやわらかくほほえんだ。
「だから、安心して寝な…。おやすみ────」
麓の寝落ちる前の記憶は、凪のその言葉だった。
精霊の間で"最強"と名高くクールな彼は、実はこんなにも優しい一面を持っている。その部分に接することができて嬉しかった。
だがなぜか、気持ちは"うれしい"だけでおしまいにはならなかった────。
こちらの存在に気づいたのか、かすかに視線を上げて確かめてから、顔を上げてほほえんだ。
「おかえりなさい、凪さん」
「お、おう。ただいま…」
なんとなく挙動不審な答え方になってしまったが、麓は気にしなかったらしい。彼女は栞を挟んで本を閉じた。
「お風呂、よかったらどうぞ。タオルもありますから」
「…さらっと言うんだな、そういうこと。ホントに泊まっていっていいのか?」
「逆になぜですか…?」
「や、だって俺男だぞ? そういうの気になるだろ」
しばらく麓は思案顔になったが、やがて首を振った。
「そんなことないです。────凪さんなら」
「…」
不覚にもその響きに浸ってしまい、目を見張って麓に見入ってしまった。
────いやここで"凪さんなら"とかナシだろ!
慌てて心の中でシャウトするが、表面でそれが出ることはない。麓にはほぼ、いつもの凪にしか見えないだろう。というかそうであってほしい。
「────あの、凪さん」
「ん?」
「私…。風紀委員のままでいいのでしょうか?」
彼女の顔にはさっきまでのほほえみのかけらはなく、憂いをたたえていた。
不安そうで消え入りそうで、今にも泣き出してしまいそうで。
だが凪はあえて、すぐにはっきりとした声を返さなかった。
「なんでそう思った?」
「…ごめんなさい。凪さんがいない間に、寮長さんに電話をして聞いたんです。今回の全てを」
「全て?」
「はい。上靴とか机とか、ここ最近の事は全部…立花さんのやったことだって」
「寮長…!」
「あ…怒らないでください! 私が聞きたかったことなんです。…ショックですけど、真実が分かって少しすっきりしてるくらいです」
表情は暗いが、夕方のようにうつむくことはなかった。自分の意思をしっかりと凪に伝えようとしている。
「風紀委員は皆すごいのに、私だけごく普通の存在です。正直、遠くに感じることもあります。…私なんて戦闘能力なんかじゃくて、いざという時に役に立てそうにありません。だから私、天神地祇にいていい理由なんてないです…。もっと有能な精霊の方が────」
「何言ってんだよ」
いつになくネガティブでマイナスな羅列はいつまでも続きそうで、凪は麓の声を遮った。
止められるとしだいに彼女の顔は歪み、うつむいて膝の上で握りしめた小さな拳を見つめた。
「思ったことを言っただけです。これからの風紀委員を考えて」
麓はただ、頑なになっていた。強がろうとしているのがバレバレだ。
凪は麓の前で跪き、彼女の顔を見た。しかし、フイと横を向いてしまう。寂しさをたたえた横顔だった。
「下らねェこと言ってんじゃねェ。俺らがいつ、おめーに戦闘能力なんて求めた? 最初にバカ共が言ってただろ。天神地祇の癒しだって。それに自分でも言ってたじゃねェか。ケガを治す側になりたいって」
まだ彼女は顔をそらしたまま。しかきさっきの寂しさに、困惑が混ざり始めた。
「だから、おめーはそのままでいいよ。ってかそのままでいてくれ。…おめーには、俺みたいに血で穢れてほしくない」
正直なことを話すと、麓はやっとこちらを見て目を合わせた。
「凪…さん」
絞り出すような声で呼ばれ、凪は自らの手を麓の華奢で白いそれに重ねた。その手はもう、固く閉ざされていない。
「私は…皆さんのように、あなたにとっていい部下ですか…?」
「部下なんかじゃねェよ」
真っ向から否定されて麓は傷ついたような顔をした。
凪が、麓やこの場にいない風紀委員たちに対して持っている感情はただ1つ。それは麓が考えているような言葉や意味とはかけ離れている。
「部下なんかじゃねェ…。俺らにとっておめーらは、大事な────仲間だよ」
表情を和らげてみせると、麓は黙ってうなずいた。
泣かないようにしているのだろう。しかし、安心したように見えた。
今日はいろいろあり過ぎたからもう寝ろ、と言われた麓はスマホの電源を切った。
普段だったらまだこの時間は起きているが、今日はひどく眠気に襲われていた。
(その前に凪さんの布団…)
麓は睡眠を欲している脳を働かせて押し入れの襖を開けた。
「いいよ。自分でやるから」
凪が横から来て布団を抱えた。
「すみません、お客さんに…」
「気にするこたァねェよ」
凪が表情を崩してみせると、それが移ったかのように麓の頬もゆるんだ。心地よさに包まれたかのような、そんな感覚だった。
(…?)
それと同時に胸の奥が高鳴り始めた。今まで感じたことがない、不思議な心音。
緊張しているわけではない、何かに恐れているわけでもない。だったらなんだろうか。今の麓には何物にも例えることができなかった。
「…おい。ボーッとしてどうした? 相当眠そうだな」
凪の声で意識が引き戻された。彼の一言で落ち着くかと思いきや────むしろ増している気がする。
「いえ、何も…」
「そうか? ならいいけど」
凪は怪訝な顔をしたがすぐにいつものように戻った。
「俺はリビングにでも寝るから。おめーはもう寝な、電気消してやるから」
「ありがとうございます」
おとなしく麓が自分のベッドに入ると、凪は優しくタオルケットをかけた。
彼は最後に麓の前髪をサラサラとかき分け、頭をなでた。それが嬉しくて礼を言うより先に頬が熱くなってくる。
「じゃっ、おやすみ」
離れそうな凪の手を、麓は軽く引き止めた。彼の細長い小指を軽く握って。
「…どうした?」
心配そうに顔をのぞきこんだ彼を前に、麓は何も答えなかった。否、何も答えられなかった。自分でもなぜこうしたのか分からなくて。
「もしかして電気消さない派だったか?」
「いえ…。けど」
麓の声が尻すぼみになると、凪は麓の手をそっと握り返して腰を下ろした。黄金色の瞳が、すぐに手が届く場所で輝いている。
彼の瞳は光のようで、そばにあると孤独を忘れられた。
────そうだ。自分はひかりを求めているんだ。
思い出すのは倉庫でのこと。
急に暗闇の中で閉じ込められ、絶望に襲われ死を覚悟したあの時。
「この前のこと考えると…。暗い所が怖くなって。本当は1人が嫌なんです。知らない何かに襲われるんじゃないかって」
そんなことあるわけない、と呆れたように返されると思った。
だが彼は麓の手を握るのに優しく力をこめた。
「…安心しろ。ここにはおめーに危害を加えるヤツなんかいねェ」
彼は静かに優しく、麓の耳元でささやく。
それのおかげか、強ばっていた心は少しずつ溶かされていき、気持ちはおだやかになり、まぶたが重くなっていく。
「怖がるこたァ何もねェ。ここはおめーの故郷だ。おめーがこの山を守っているように、アイツらだっておめーの知らない所で守っているよ。それに、あの学園にはクラスメイトとか風紀委員とか…」
まさか彼が、凪がこんなことを言ってくれるとは夢にも思わなかった。相変わらず口は悪いが、彼の一言一句のおかげで心がないでいく気がした。
「だから、立花なんて小者なんざどうってこたねェよ。俺が制裁を加えてやる…。一生記憶に残りそうなヤツをな。なんてったって生ける伝説だからな」
「ふふっ…」
おどけて言う異名に笑うと、凪は再びやわらかくほほえんだ。
「だから、安心して寝な…。おやすみ────」
麓の寝落ちる前の記憶は、凪のその言葉だった。
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