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「わ……真っ白!」
「お喜び頂けましたか?」
これぞ冬景色。全てを白く染め上げ、至るところに白い山が盛られている。
この時期になるとよく、駅には冬の電車旅と銘打ったポスターが貼られている。雪景色の中での女子旅やスノーボードを立てかけてゴーグルを押し上げた写真など。大人になるまで自分には無縁だと思っていた。
彼女は雪が多く積もったところを選びながら歩く。ブーツに雪がまとわりついてもへっちゃら。慣れない足の感覚をあえて楽しみたかった。
「富橋ではこんなに雪が積もることはないからすごい不思議です」
「そうですかそうですか」
ヨミは紗良のすることなすこと全てをほほえんで見守る。
そんな彼は燕尾服から若者らしいファッションへと身を包んでいた。アウターもセンタープレスパンツもマフラーも。彼は燕尾服と同じ全身真っ黒コーデ。
なんとなく光守に似ている気がしてデート気分だ。紗良は後ろ手を組んで頬を染める。
「紗良さん、タカヤマは初めてですか?」
「はい。ニュースのお天気カメラでしか見たことない」
二人は古い町並みが保存された通りを抜けて赤い橋に立った。観光客がひしめき合い、車がのろのろと走っている。
「雪ってこんなに積もるんだね。しかもこんなに寒い……」
紗良は厚手のアウターの前をかきよせると身震いをした。
「これで帰ったらあんまり寒くないって思えるかな?」
「それは……さぁ?」
ヨミは曖昧に首をかしげてみせると、ちらついてきた雪に手を伸ばした。
それからは屋根がある酒蔵を見学したり、お土産屋が並ぶアーケードを練り歩いた。
「お土産は買わないんですか?」
ヨミは漆塗りのかんざしを手に取り、紗良に向かって見せた。
「ん~……。和モノのコスプレに使えそうだから迷ってるんですよねぇ……」
紗良は一人暮らしと同時にある趣味を始めた。コスプレだ。アニメやマンガのキャラクターの衣装をまとい、色とりどりのウィッグを被る。時には先端に大きな羽や星がついたステッキやロッドを振るう。
家族にはありえない趣味だ、そんなものを着ていくつだと思っていると鼻で笑われた。しかし、これは紗良にとって初めての反抗期。自分の趣味にだけは口出しさせない。
衣装や小道具を作ったりカメラを購入し、レンズにもこだわるようになった。今やコスプレのために働いていると言っても過言ではない。
「コスプレ、ですか」
「はい。ヨミさんは燕尾服がすっごく似合ってるから執事系のキャラ似合いそう」
ヨミに向かって手でフレームを作ると彼は「こうですか?」と胸に手を添えてみせる。カジュアルコーデなのに本職に見える様に紗良は「似合う似合う」と笑った。
その後は紗良のリクエストでオーサカへ飛んだ。白銀の世界から一転、大都会。飲食店の数が比ではない。タカヤマにも観光客がひしめいていたが、ここでは先が見えないほど人が連れ立って歩いていた。
古着屋、小さな神社、流行りの食べ物スタンド。紗良はいろんなものが混ざった空気を思い切り吸い込むと目を細めた。
「私はハズれたけどみっつんが年明け早々ミュージカルやるんです! きっとポスターとか掲示されてるはず……あっ、あれ」
会場である大きな劇場周辺を並んで歩くと地面に大きな影が伸びた。
劇場のロゴの下には悪魔光守の写真を使用した広告がでかでかと掲示されている。
昨日テレビで見た、きらめきを秘めたダークスーツと真っ黒なハット。漆黒から生まれた彼は片目だけをのぞかせて肘をついていた。
「本当に彼が好きなんですね」
紗良はいつまでもそれを見つめていたが、不意にヨミへ視線を向けた。
「ヨミさんも知ってるの?」
「もちろん。才能のかたまりのような魂ですね。実に珍しい」
「なんだか変わった評価をするんですね」
紗良がミュージカル『悪魔の約束』を観劇したのは今年の秋。就職して念願の光守のファンクラブに入り、春にライブも観に行った。
初めて生で見る光守は本当にまぶしかった。
世間では黒が似合う、”漆黒の貴公子”とあだ名されるが紗良にとっては光そのものだ。
汗を飛び散らせて舞台に立つ姿はきらびやかな元アイドルではない。歌に生命をかけたアーティスト。
残念ながら紗良は光守のアイドルグループ時代を全く知らない。有名音楽番組で一夜限りの復活結成をし、たまたま見て光守に一目ぼれをした。それは紗良が中学生の時で二次元以外で初めての推しができた瞬間だった。
スカウトされるほど整った顔、年々磨きがかかっていく演技力、どこまでも伸びていく甘く滑らかな声。他の元メンバーももちろんかっこよかったが、目は光守ばかり追っていた。
学校のパソコンで光守のことを調べ尽くし、お年玉で当時のベストアルバムを購入した。お小遣いで光守が載っている雑誌を買ってスクラップもした。
「みっつんと同い年だったらいいなってずっと思ってました」
一陣の風がマフラーを吹き上げる。タカヤマへ訪れた後なのでそよ風に感じた。
「推しと結婚したいから……とか?」
ヨミがアゴに手を当てて真剣な表情になり、紗良は吹き出した。
「あはは、確かにガチ恋ではあるけど……。みっつんが芸能界デビューした瞬間からリアタイしたかったなって。その分早く生まれてたら今のお母さんの元に生まれてなかったかもしれないし」
飲食店が多く立ち並ぶ通りに差し掛かると、道のど真ん中で小さな女の子が泣き声を辺りに響かせていた。
「やーだ! いやー!」
「も~……こんなとこで勘弁してよ……。恥ずかしいじゃん」
「おいしいもの食べに行くよ。楽しみでしょ~?」
「いらない!」
両親はあの手この手であやすが「いやいや!」と繰り返すばかり。彼女の兄と思しき少年も頭や肩をなでてなだめようとしている。
「……すごいですね」
冷めた目で、というより廃れた目でつぶやいてしまった。少女は泣き声を上げているわりには頬が濡れていない。
ヨミはアウターのポケットに手を突っ込んで首を傾げた。
「あんなところで、ってことですか」
「それも、うん。小さい内からオーサカに、なんて大旅行ですね。私なんか大人になってから初めて来たのに……」
叶うものなら子どもの頃の自分を呼んで一緒に過ごしたい。自分で自由に使えるお金が多い今、紗良はいつしか叶わぬ夢を妄想するようになった。
アニメやライブの円盤を応援上映さながらに見たい。
お互いに器用だからコスプレ衣装も推し活グッズも作って。
当時はテレビでしか見られなかった流行りのお店に連れて行ったり、おいしいものをたらふく食べさせてあげたい。
母親に友だちと行ってくると言えば不機嫌になったカラオケで思い切り歌いたい。
街で散歩して推し語りし、ポップアップショップでグッズを買い漁りたい。ランダムグッズの開封動画を撮りたい。
絵を描きたい。当時はふれたことのなかったタブレット貸したい。
足早に家族連れの前から通り過ぎると紗良はうつむいた。
『今日は楽しかったね~。また来ようね』
瞬間、幼い頃の記憶がフラッシュバックした。紗良の母親は妹、妹は弟と並んで手をつないでいた。反対の手で紗良の手首を乱暴に掴んで引きずる。妹と弟には優しい顔を向け、手の高さも合わせていた。
「外で少しでも母が気に入らないことをしたら車に戻った時に怒鳴られて、今度からお前は置いていくって脅されました。どれだけ謝っても無視されたな」
「あなたがあの頃、暗い顔をしていた理由ですね……」
ヨミの手が紗良の頭にのる。指先で頬をなでられるとこくん、と小さくうなずく。
「覚えていてくれたんだね」
顔を上げた紗良は瞳に闇を宿し、逢魔が時の訪れを思わせた。
「お喜び頂けましたか?」
これぞ冬景色。全てを白く染め上げ、至るところに白い山が盛られている。
この時期になるとよく、駅には冬の電車旅と銘打ったポスターが貼られている。雪景色の中での女子旅やスノーボードを立てかけてゴーグルを押し上げた写真など。大人になるまで自分には無縁だと思っていた。
彼女は雪が多く積もったところを選びながら歩く。ブーツに雪がまとわりついてもへっちゃら。慣れない足の感覚をあえて楽しみたかった。
「富橋ではこんなに雪が積もることはないからすごい不思議です」
「そうですかそうですか」
ヨミは紗良のすることなすこと全てをほほえんで見守る。
そんな彼は燕尾服から若者らしいファッションへと身を包んでいた。アウターもセンタープレスパンツもマフラーも。彼は燕尾服と同じ全身真っ黒コーデ。
なんとなく光守に似ている気がしてデート気分だ。紗良は後ろ手を組んで頬を染める。
「紗良さん、タカヤマは初めてですか?」
「はい。ニュースのお天気カメラでしか見たことない」
二人は古い町並みが保存された通りを抜けて赤い橋に立った。観光客がひしめき合い、車がのろのろと走っている。
「雪ってこんなに積もるんだね。しかもこんなに寒い……」
紗良は厚手のアウターの前をかきよせると身震いをした。
「これで帰ったらあんまり寒くないって思えるかな?」
「それは……さぁ?」
ヨミは曖昧に首をかしげてみせると、ちらついてきた雪に手を伸ばした。
それからは屋根がある酒蔵を見学したり、お土産屋が並ぶアーケードを練り歩いた。
「お土産は買わないんですか?」
ヨミは漆塗りのかんざしを手に取り、紗良に向かって見せた。
「ん~……。和モノのコスプレに使えそうだから迷ってるんですよねぇ……」
紗良は一人暮らしと同時にある趣味を始めた。コスプレだ。アニメやマンガのキャラクターの衣装をまとい、色とりどりのウィッグを被る。時には先端に大きな羽や星がついたステッキやロッドを振るう。
家族にはありえない趣味だ、そんなものを着ていくつだと思っていると鼻で笑われた。しかし、これは紗良にとって初めての反抗期。自分の趣味にだけは口出しさせない。
衣装や小道具を作ったりカメラを購入し、レンズにもこだわるようになった。今やコスプレのために働いていると言っても過言ではない。
「コスプレ、ですか」
「はい。ヨミさんは燕尾服がすっごく似合ってるから執事系のキャラ似合いそう」
ヨミに向かって手でフレームを作ると彼は「こうですか?」と胸に手を添えてみせる。カジュアルコーデなのに本職に見える様に紗良は「似合う似合う」と笑った。
その後は紗良のリクエストでオーサカへ飛んだ。白銀の世界から一転、大都会。飲食店の数が比ではない。タカヤマにも観光客がひしめいていたが、ここでは先が見えないほど人が連れ立って歩いていた。
古着屋、小さな神社、流行りの食べ物スタンド。紗良はいろんなものが混ざった空気を思い切り吸い込むと目を細めた。
「私はハズれたけどみっつんが年明け早々ミュージカルやるんです! きっとポスターとか掲示されてるはず……あっ、あれ」
会場である大きな劇場周辺を並んで歩くと地面に大きな影が伸びた。
劇場のロゴの下には悪魔光守の写真を使用した広告がでかでかと掲示されている。
昨日テレビで見た、きらめきを秘めたダークスーツと真っ黒なハット。漆黒から生まれた彼は片目だけをのぞかせて肘をついていた。
「本当に彼が好きなんですね」
紗良はいつまでもそれを見つめていたが、不意にヨミへ視線を向けた。
「ヨミさんも知ってるの?」
「もちろん。才能のかたまりのような魂ですね。実に珍しい」
「なんだか変わった評価をするんですね」
紗良がミュージカル『悪魔の約束』を観劇したのは今年の秋。就職して念願の光守のファンクラブに入り、春にライブも観に行った。
初めて生で見る光守は本当にまぶしかった。
世間では黒が似合う、”漆黒の貴公子”とあだ名されるが紗良にとっては光そのものだ。
汗を飛び散らせて舞台に立つ姿はきらびやかな元アイドルではない。歌に生命をかけたアーティスト。
残念ながら紗良は光守のアイドルグループ時代を全く知らない。有名音楽番組で一夜限りの復活結成をし、たまたま見て光守に一目ぼれをした。それは紗良が中学生の時で二次元以外で初めての推しができた瞬間だった。
スカウトされるほど整った顔、年々磨きがかかっていく演技力、どこまでも伸びていく甘く滑らかな声。他の元メンバーももちろんかっこよかったが、目は光守ばかり追っていた。
学校のパソコンで光守のことを調べ尽くし、お年玉で当時のベストアルバムを購入した。お小遣いで光守が載っている雑誌を買ってスクラップもした。
「みっつんと同い年だったらいいなってずっと思ってました」
一陣の風がマフラーを吹き上げる。タカヤマへ訪れた後なのでそよ風に感じた。
「推しと結婚したいから……とか?」
ヨミがアゴに手を当てて真剣な表情になり、紗良は吹き出した。
「あはは、確かにガチ恋ではあるけど……。みっつんが芸能界デビューした瞬間からリアタイしたかったなって。その分早く生まれてたら今のお母さんの元に生まれてなかったかもしれないし」
飲食店が多く立ち並ぶ通りに差し掛かると、道のど真ん中で小さな女の子が泣き声を辺りに響かせていた。
「やーだ! いやー!」
「も~……こんなとこで勘弁してよ……。恥ずかしいじゃん」
「おいしいもの食べに行くよ。楽しみでしょ~?」
「いらない!」
両親はあの手この手であやすが「いやいや!」と繰り返すばかり。彼女の兄と思しき少年も頭や肩をなでてなだめようとしている。
「……すごいですね」
冷めた目で、というより廃れた目でつぶやいてしまった。少女は泣き声を上げているわりには頬が濡れていない。
ヨミはアウターのポケットに手を突っ込んで首を傾げた。
「あんなところで、ってことですか」
「それも、うん。小さい内からオーサカに、なんて大旅行ですね。私なんか大人になってから初めて来たのに……」
叶うものなら子どもの頃の自分を呼んで一緒に過ごしたい。自分で自由に使えるお金が多い今、紗良はいつしか叶わぬ夢を妄想するようになった。
アニメやライブの円盤を応援上映さながらに見たい。
お互いに器用だからコスプレ衣装も推し活グッズも作って。
当時はテレビでしか見られなかった流行りのお店に連れて行ったり、おいしいものをたらふく食べさせてあげたい。
母親に友だちと行ってくると言えば不機嫌になったカラオケで思い切り歌いたい。
街で散歩して推し語りし、ポップアップショップでグッズを買い漁りたい。ランダムグッズの開封動画を撮りたい。
絵を描きたい。当時はふれたことのなかったタブレット貸したい。
足早に家族連れの前から通り過ぎると紗良はうつむいた。
『今日は楽しかったね~。また来ようね』
瞬間、幼い頃の記憶がフラッシュバックした。紗良の母親は妹、妹は弟と並んで手をつないでいた。反対の手で紗良の手首を乱暴に掴んで引きずる。妹と弟には優しい顔を向け、手の高さも合わせていた。
「外で少しでも母が気に入らないことをしたら車に戻った時に怒鳴られて、今度からお前は置いていくって脅されました。どれだけ謝っても無視されたな」
「あなたがあの頃、暗い顔をしていた理由ですね……」
ヨミの手が紗良の頭にのる。指先で頬をなでられるとこくん、と小さくうなずく。
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