Eternal Dear2

堂宮ツキ乃

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1章

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 3年生の教室は東校舎の1階にある。

 麓の席は3列目の前から3番目。

 クラス人数はどの学年も25人ほど。

 教室を埋め尽くす程の人数ではないが、麓はガチガチに緊張していた。すでに見知っている精霊がいるとはいえ。

 …が、そこに緊張感のない扇の声が響く。

「今日からこのクラスの担任になる扇でーす。風の精霊、500歳! 風紀委員の一員です────こんな感じかな。じゃっ、先生に質問がある人ー」

「「「はーい!!」」」

 女子たちのテンションが尋常じゃない。自分を当てて、と言わんばかりに手を上げている。本当に扇は人気だと思い知った。

  扇はその様子をニコニコと見ており、1人の女子を指名した。

「先生は、このクラスで誰がタイプですか!?」 

「ん~…そうだね」

 扇が漂わせる視線に、女子たちがらんらんと目を輝かせて追っている。

 しばらく顎に手を当ててうーんと考え、やがて1人の女子に視線を止めて目を細める。

「麓さんかな」

 突然、名前を呼ばれた麓は肩をビクッと震わせた。クラス中の視線が彼女に集まる。新入りの上に名指しされ、穴があったらもぐりたい、状態になった。

 すると、後ろの方の席から声が上がった。

「つーかさ先生、麓は今年から入学でしょ? ちゃんと紹介してあげないと」

 嵐だった。彼女のことを見ると、麓の視線に気付いたのか片目をつむってみせた。どうやら彼女なりに気を遣ってくれたようだ。

「ごめん、俺はもう麓さんのこと知ってるからつい…。じゃあ、前に出て自己紹介してもらっていい?」

「…はい」

 麓はおとなしく返事をし、緊張で震える呼吸を整えてから席を立ち上がった。

 扇に手招きをされ、彼の横に背筋を伸ばして立った。

「麓と申します。花巻山の精霊で、180歳です。よろしくお願いします」

 ペコリと頭を下げると拍手が起き、とりあえずホッとした。このクラスに入ることを受け入れてもらえたように思えて。

「ちなみに彼女も風紀委員だから。何か悪いことをしたらすぐにバレっからね。その辺、知っておくことー」

 扇の紹介の後に好奇の視線を感じ、麓は恥ずかしさで少しうつむいた。

 やはりまだ大勢の前で立つのは慣れない。だが、話せた部分は自分でもよくやったと思った。
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