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4章
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朱雀に連れられて外に出た空気は澄んでいるように感じた。夜だからか、肌にふれるとひんやりとして気持ちがいい。舞花は風を感じて目を細めた。
「あの…朱雀様」
「何?」
「なぜわっちはこのような状況に…」
舞花は朱雀に横抱きされていた。
自分の遊郭、吉原を出てからだいぶ時が経っている。ただ、その移動方法が独特だった。
「いや…人間は歩いて行動するのが主だろ? だから俺が抱えた方が早いよ」
朱雀は舞花を横抱きし、町の屋根を跳んで移動している。俊敏ではあるが、月明かりで街並みを楽しめた。
その言葉はどこか意味深で。だが口を開くのは朱雀の方が早かった。
「もしかしてもっとじっくり見たかった?」
「いえ…充分でありんす。美術品はじっくり見ていると最後の方は疲れてしまうから、サーと見るのがいいと絵師の先生に聞きんした」
「あぁそう? でもそれは舞花の望んでいる見方なのか? 舞花が見たいように見ればいじゃん」
「朱雀様…」
「その呼び方も。俺は客じゃないんだ。そんなかしこまらなくていい」
彼はこの辺りで1番高さのある家屋の屋根の上で止まり、舞花をそっとおろして座らせた。
朱雀も彼女の隣に片足を立てて座り、彼女の横顔を見てほほえんだ。
目の前に広がる江戸の町並み。生まれた時から吉原にいたという彼女からしたら、これは新鮮に映っているだろう。この視点も。
「それでもわっちは…朱雀様とお呼びしたいと思いんす。こんな素晴らしいものを見せてくださった初めてのお方だから…」
「律儀なんだなぁ。花魁というのは誰も他人を蹴落として太夫になりたがり、こんな謙虚な一面は客にしか見せないと思っていた」
「…中にはそういう者も確かにおりんす。…ただわっちはまだ花魁ではありんせん」
「そうなの? そういう歳に見えたが」
「…確かにわっちはもうすぐ花魁になりんす」
舞花は愚痴をこぼした。
同期は花魁に早くなりたがっていたので舞花の話に聞く耳を持ってくれなかった。
「多くの男に身を売りたくない、ねぇ…。そうだよな、見ず知らずの男になんか指1本もふれられたくないもんな。かわいそうに…よしよし」
朱雀は舞花の頭をなでて抱き寄せかけ、我に返って彼女から跳び離れた。
「ご…ごごごごめん! 言ってることとやってることが違った! ほんっとごめん!」
「いえ…」
舞花はわずかに頬を染めて羽織を胸元でかき寄せた。
初めて男にふれられた。しかも初めて会ったばかりの男に。
だが嫌悪感はなかった。これなら花魁の仕事も耐えられるんじゃないかと勘違いしそうになったが、それとこれとでは違う。
仕事を始めたらこの程度のふれられ方では済まない。
「あの…こっちに戻ってきておくんなまし。今夜はちと、冷える気がしんす」
「いいのか…?」
「はい」
舞花は花のようにほほえんでみせた。初めて会った男でも、この人とは近くにいたい。
(わっちはこんな単純な女でありんしたか…)
戻ってきた朱雀に体温が上がったのを感じ、舞花は膝を抱え込んで座りなおした。
チラと横を見ると、朱雀はやはり片足を立てて座って空を見上げていた。その横顔は照れくさそうでうれしそうで。
「朱雀様は綺麗なお顔をしていらっしゃる。おいくつでありんすか? まだまだお若そうに見えんす」
「俺か? ん~…もう覚えていないなぁ…。数えるの何十年前にやめたっけなぁ…」
「は?」
夜空を見ながら話す彼の顔はいたずらっ子のようで、自分はからかわれているんじゃないかと思い、舞花はムスッと頬をふくらませた。
「どういうことにありんすか? 子ども扱いはやめておくんなまし」
「いや、からかってないよ。子どもってのは否定しづらいな…。なんせ何百歳も歳下だからな」
「主様は一体────」
朱雀の真面目な様子に舞花はその端正な顔立ちに見入った。彼もまた、舞花のことをまっすぐに見据えている。
「────俺は人間じゃないんだ」
「だからあぁして移動していたのでござんすね。…納得しんした。主様のさっきの言葉に」
「舞花は賢いな」
朱雀は再び舞花の頭をなでて、小指を立てて差し出した。
「どうかしんしたか?」
「あぁ…。こんなにいい人間だ。ちょっと手助けしたくてな」
「手助け…」
彼はうなずき、舞花にも小指を出させて絡めた。
朱雀は内緒話をするように舞花に顔を寄せ、つぶやくように提案したそれは舞花を驚かせ、安堵の笑みを浮かばせた。
「まぁまぁ! どうしたらこんなに良いご縁に恵まれるものかねぇ! 舞花、お前は果報者だよ」
「ありがとうございんす」
初めて花魁の装いをした舞花は、紅を引いた口元をほころばせて三つ指をついた。
いつもは簡単にした結い上げていなかった真紅の髪を今日は高く結い、金色のかんざしを挿していた。
手先には爪紅を施し、手や首にも塗った白粉が気になったが仕方がない。
今日は彼女の水揚げの日。今まで暗い顔をしていたのが嘘のように晴れやかな表情をしていた。
「あんたどうしたの? あんなに嫌がっていたのに…。腹括ったの?」
同じく着飾った同期が小声で舞花の脇腹をつついた。並ぶと、舞花の美しさはより一層際立つ。
「…そういうところにございんす。今日からわっちもこの廓の働き手にありんすから」
楼主の妻に呼ばれた舞花はスッと立ち上がった。
事が起きたのはわずか3日前。
舞花の水揚げの相手になり、彼女を自分だけの花魁にしたいと名乗り出た男が現れた。
なんだなんだと、皆が一斉に楼主の部屋をのぞいた。
舞花も同期と姉の遊女に連れられて野次馬に加わったのだが、そこにいた人物を見て頬を染めた。
「私は四神朱雀と申す者。舞花という美しい花魁の水揚げの相手になりたく、失礼つかまつった」
聞いたことのない話し方、侍風の着物。見たことの無い彼の様子に笑いそうになり、舞花は慌てて口元を手で押さえた。
「いや…急にそんなこと言われても…。もうこっちでお相手様は見つけているんだよ」
「そこをなんとか」
「お引き取り願えませんかね? こっちももう、見世の準備をせんと」
楼主夫婦は共に立ち上がろうとしたのだか、朱雀は無言で手で止めた。
「もちろんタダで、とは申さぬ。それなりのものは用意しておる」
「どういうことだい?」
朱雀はニッとほほえみ、傍らに置いていたやたら大きな風呂敷の包みを解いて夫婦の前に差し出した。
「な…」
野次馬からも声が上がる。夫婦も目と口を大きく開いて固まった。
彼らの目の前には金銀の大判小判の束が大量に並べられている。
「ここにこれだけの額がある。お礼として受け取っては下さらぬか」
「ちょっとあんた…。これは身請けでもするようなモンじゃないか」
「正直言うとそのつもりで参った。これでも足りぬと言うのであれば、彼女を買う度に別で払おう」
「ま…待て待てもう十分だ。あんたの気持ちは分かった」
楼主は額に手をやり、反対の手を朱雀に向けた。
「あんた…」
「これだけの熱意を見せてくれたんだ、しかもこんな若さで…。無下に返すワケにもいかない」
朱雀は会釈をした。顔を上げてチラッと横を向いた時、舞花は彼と目が合った気がした。
「四神さんとやら…。水揚げの相手はあんたに務めてもらおう」
「いいのかいあんた…。あのお方にはなんと謝るつもりだい」
「大丈夫だ。酒の席にでも誘えばすぐに気を直して下さる。四神さんとやら、舞花のことをくれぐれも頼むよ」
「心して臨む」
朱雀は畳に拳をついて頭を下げ、さらに別の風呂敷の包みを解き始めた。
「それとこれだが…。舞花殿は私だけの花魁にして下さらぬか?」
「な゛っ…一体なんなんだいあんた…。どっからそんな額が出てくるんだい…」
朱雀は2人を見据え、人懐っこい顔で笑うだけで答えなかった。
「あの…朱雀様」
「何?」
「なぜわっちはこのような状況に…」
舞花は朱雀に横抱きされていた。
自分の遊郭、吉原を出てからだいぶ時が経っている。ただ、その移動方法が独特だった。
「いや…人間は歩いて行動するのが主だろ? だから俺が抱えた方が早いよ」
朱雀は舞花を横抱きし、町の屋根を跳んで移動している。俊敏ではあるが、月明かりで街並みを楽しめた。
その言葉はどこか意味深で。だが口を開くのは朱雀の方が早かった。
「もしかしてもっとじっくり見たかった?」
「いえ…充分でありんす。美術品はじっくり見ていると最後の方は疲れてしまうから、サーと見るのがいいと絵師の先生に聞きんした」
「あぁそう? でもそれは舞花の望んでいる見方なのか? 舞花が見たいように見ればいじゃん」
「朱雀様…」
「その呼び方も。俺は客じゃないんだ。そんなかしこまらなくていい」
彼はこの辺りで1番高さのある家屋の屋根の上で止まり、舞花をそっとおろして座らせた。
朱雀も彼女の隣に片足を立てて座り、彼女の横顔を見てほほえんだ。
目の前に広がる江戸の町並み。生まれた時から吉原にいたという彼女からしたら、これは新鮮に映っているだろう。この視点も。
「それでもわっちは…朱雀様とお呼びしたいと思いんす。こんな素晴らしいものを見せてくださった初めてのお方だから…」
「律儀なんだなぁ。花魁というのは誰も他人を蹴落として太夫になりたがり、こんな謙虚な一面は客にしか見せないと思っていた」
「…中にはそういう者も確かにおりんす。…ただわっちはまだ花魁ではありんせん」
「そうなの? そういう歳に見えたが」
「…確かにわっちはもうすぐ花魁になりんす」
舞花は愚痴をこぼした。
同期は花魁に早くなりたがっていたので舞花の話に聞く耳を持ってくれなかった。
「多くの男に身を売りたくない、ねぇ…。そうだよな、見ず知らずの男になんか指1本もふれられたくないもんな。かわいそうに…よしよし」
朱雀は舞花の頭をなでて抱き寄せかけ、我に返って彼女から跳び離れた。
「ご…ごごごごめん! 言ってることとやってることが違った! ほんっとごめん!」
「いえ…」
舞花はわずかに頬を染めて羽織を胸元でかき寄せた。
初めて男にふれられた。しかも初めて会ったばかりの男に。
だが嫌悪感はなかった。これなら花魁の仕事も耐えられるんじゃないかと勘違いしそうになったが、それとこれとでは違う。
仕事を始めたらこの程度のふれられ方では済まない。
「あの…こっちに戻ってきておくんなまし。今夜はちと、冷える気がしんす」
「いいのか…?」
「はい」
舞花は花のようにほほえんでみせた。初めて会った男でも、この人とは近くにいたい。
(わっちはこんな単純な女でありんしたか…)
戻ってきた朱雀に体温が上がったのを感じ、舞花は膝を抱え込んで座りなおした。
チラと横を見ると、朱雀はやはり片足を立てて座って空を見上げていた。その横顔は照れくさそうでうれしそうで。
「朱雀様は綺麗なお顔をしていらっしゃる。おいくつでありんすか? まだまだお若そうに見えんす」
「俺か? ん~…もう覚えていないなぁ…。数えるの何十年前にやめたっけなぁ…」
「は?」
夜空を見ながら話す彼の顔はいたずらっ子のようで、自分はからかわれているんじゃないかと思い、舞花はムスッと頬をふくらませた。
「どういうことにありんすか? 子ども扱いはやめておくんなまし」
「いや、からかってないよ。子どもってのは否定しづらいな…。なんせ何百歳も歳下だからな」
「主様は一体────」
朱雀の真面目な様子に舞花はその端正な顔立ちに見入った。彼もまた、舞花のことをまっすぐに見据えている。
「────俺は人間じゃないんだ」
「だからあぁして移動していたのでござんすね。…納得しんした。主様のさっきの言葉に」
「舞花は賢いな」
朱雀は再び舞花の頭をなでて、小指を立てて差し出した。
「どうかしんしたか?」
「あぁ…。こんなにいい人間だ。ちょっと手助けしたくてな」
「手助け…」
彼はうなずき、舞花にも小指を出させて絡めた。
朱雀は内緒話をするように舞花に顔を寄せ、つぶやくように提案したそれは舞花を驚かせ、安堵の笑みを浮かばせた。
「まぁまぁ! どうしたらこんなに良いご縁に恵まれるものかねぇ! 舞花、お前は果報者だよ」
「ありがとうございんす」
初めて花魁の装いをした舞花は、紅を引いた口元をほころばせて三つ指をついた。
いつもは簡単にした結い上げていなかった真紅の髪を今日は高く結い、金色のかんざしを挿していた。
手先には爪紅を施し、手や首にも塗った白粉が気になったが仕方がない。
今日は彼女の水揚げの日。今まで暗い顔をしていたのが嘘のように晴れやかな表情をしていた。
「あんたどうしたの? あんなに嫌がっていたのに…。腹括ったの?」
同じく着飾った同期が小声で舞花の脇腹をつついた。並ぶと、舞花の美しさはより一層際立つ。
「…そういうところにございんす。今日からわっちもこの廓の働き手にありんすから」
楼主の妻に呼ばれた舞花はスッと立ち上がった。
事が起きたのはわずか3日前。
舞花の水揚げの相手になり、彼女を自分だけの花魁にしたいと名乗り出た男が現れた。
なんだなんだと、皆が一斉に楼主の部屋をのぞいた。
舞花も同期と姉の遊女に連れられて野次馬に加わったのだが、そこにいた人物を見て頬を染めた。
「私は四神朱雀と申す者。舞花という美しい花魁の水揚げの相手になりたく、失礼つかまつった」
聞いたことのない話し方、侍風の着物。見たことの無い彼の様子に笑いそうになり、舞花は慌てて口元を手で押さえた。
「いや…急にそんなこと言われても…。もうこっちでお相手様は見つけているんだよ」
「そこをなんとか」
「お引き取り願えませんかね? こっちももう、見世の準備をせんと」
楼主夫婦は共に立ち上がろうとしたのだか、朱雀は無言で手で止めた。
「もちろんタダで、とは申さぬ。それなりのものは用意しておる」
「どういうことだい?」
朱雀はニッとほほえみ、傍らに置いていたやたら大きな風呂敷の包みを解いて夫婦の前に差し出した。
「な…」
野次馬からも声が上がる。夫婦も目と口を大きく開いて固まった。
彼らの目の前には金銀の大判小判の束が大量に並べられている。
「ここにこれだけの額がある。お礼として受け取っては下さらぬか」
「ちょっとあんた…。これは身請けでもするようなモンじゃないか」
「正直言うとそのつもりで参った。これでも足りぬと言うのであれば、彼女を買う度に別で払おう」
「ま…待て待てもう十分だ。あんたの気持ちは分かった」
楼主は額に手をやり、反対の手を朱雀に向けた。
「あんた…」
「これだけの熱意を見せてくれたんだ、しかもこんな若さで…。無下に返すワケにもいかない」
朱雀は会釈をした。顔を上げてチラッと横を向いた時、舞花は彼と目が合った気がした。
「四神さんとやら…。水揚げの相手はあんたに務めてもらおう」
「いいのかいあんた…。あのお方にはなんと謝るつもりだい」
「大丈夫だ。酒の席にでも誘えばすぐに気を直して下さる。四神さんとやら、舞花のことをくれぐれも頼むよ」
「心して臨む」
朱雀は畳に拳をついて頭を下げ、さらに別の風呂敷の包みを解き始めた。
「それとこれだが…。舞花殿は私だけの花魁にして下さらぬか?」
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