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6章
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冬休み中に食べすぎて太っただとか、お年玉の合計金額とか。冬休み明けあるあるな話題が多い中、夜叉は阿修羅のいない席を気にしていた。
「今日は青川さん休みなのかな?」
「かもね。全校集会終わってから来ないし…。どうしたんだろ? やーちゃん仲良いよね。聞いてない?」
「うん何も。最後会ったの冬休み終わる3日前だったかな…。阿修羅、自分から連絡するタイプじゃないし。あ、聞いてみるか」
今日は午前中で終わる。全校集会を終えたら提出物を回収して、部活があるものはそちらへ、何もない者は下校する。
彦瀬の宿題は増員して無理やり終わらせ、あとは回収されるのを待つのみ。担任はまだ来ないようなので、夜叉はスクールバッグからスマホを取り出した。
シャシャシャシャッと阿修羅にメッセージを送ったが、すぐに返信が来ることはなく。ぎりぎりまで既読がつくのを見ようと思ったが、担任が教室に来るのが早かった。
「今日は青川さんはお休みです」
「風邪ですか?」
「んん…。親戚関係だそうです」
へー、という声でその話題は終わり、宿題の回収が始まった。その中、夜叉だけは妙に浮き足だっていた。
親戚関係って…もしかして舞花のことなのでは、と。
もしかして戯人族の間へ彼女の迎えに行っているんじゃないかという期待が湧いてきた。
その日、帰宅部の夜叉はまっすぐ帰った。お昼ご飯はレンジでチンするだけのものを、朝に和馬が用意していた。
お腹すいたなー、といつも通り彦瀬と瑞恵と途中まで帰った。
途中、阿修羅が住むマンションの近くを通りかかった。元々、登下校のコースだ。もしかして帰ってきているんじゃないかと思ったが、いきなり訪れるのは不躾だろう。夜叉はマンションに背を向け、制服のポケットからスマホを取り出した。
「あ。こらハニー」
「ハニー?」
男の声にスマホから顔を上げたら、夜叉にモフモフの塊が突っ込んできた。ように感じた。
「ワ…ワンコ? デカッ」
パッと見はトイプードル。夜叉は標準サイズより大きなトイプードルに突進されて顔面をなめられていた。
飼い主らしい男は、腰に両手を当てて笑っていた。水色の短髪で、右目は長い前髪で隠されている。黒いコートは白い中華風のボタンで前を留められていた。長身で、180はありそうだ。このトイプードルを相当大切に思っているんだろう。瞳は優しく細められていた。
「あはは。ハニーがこんなに人に懐くなんて珍しいな」
「あの…笑ってないで助けてください」
夜叉は大きなトイプードルをなだめ、よしよしと頭をなでてやった。ハニーと呼ばれたトイプードルはおとなしくなってチョコンとお座りをした。夜叉がまじまじと見て右手を差し出すと、お手をした。再び頭をなでると、ハニーはうれしそうに尻尾を振った。
男はハニーの横にしゃがみこんで背中をなでてやった。リードの色はあざやかな青。
「ごめんね、ウチのコが急に」
「いえ…。こんなに大きいトイプードル初めて見ました」
「うん。このコはスタンダードプードルっていう大きい犬種なんだ。飛びついてくるとなかなか迫力あるよね」
「…ホントです」
男は立ち上がり、夜叉に手を差し伸べた。彼女はそれをたよって立ち上がった。ハニーがまた夜叉に飛びつこうとしたが、彼女が後ろへ跳び退る方が早かった。ローファーのヒールを鳴らし、地面にしゃがみこんで手先をついた。
それを見た男は口笛を鳴らした。
「君すごいね…。何かやってるの?」
「いえ。よく分かんないです」
「へぇ~。不思議な才能か」
男はあごをさすり、改めて夜叉のことを見た。
「ごめんね、急に。学校帰りだよね」
「大丈夫です。ハニーちゃん、かわいかったし」
「そっか。よかったな、ハニー」
夜叉はハニーに近づいてほほえみ、最後に頭をなで、男に会釈して背を向けて歩き出した。
「今日は青川さん休みなのかな?」
「かもね。全校集会終わってから来ないし…。どうしたんだろ? やーちゃん仲良いよね。聞いてない?」
「うん何も。最後会ったの冬休み終わる3日前だったかな…。阿修羅、自分から連絡するタイプじゃないし。あ、聞いてみるか」
今日は午前中で終わる。全校集会を終えたら提出物を回収して、部活があるものはそちらへ、何もない者は下校する。
彦瀬の宿題は増員して無理やり終わらせ、あとは回収されるのを待つのみ。担任はまだ来ないようなので、夜叉はスクールバッグからスマホを取り出した。
シャシャシャシャッと阿修羅にメッセージを送ったが、すぐに返信が来ることはなく。ぎりぎりまで既読がつくのを見ようと思ったが、担任が教室に来るのが早かった。
「今日は青川さんはお休みです」
「風邪ですか?」
「んん…。親戚関係だそうです」
へー、という声でその話題は終わり、宿題の回収が始まった。その中、夜叉だけは妙に浮き足だっていた。
親戚関係って…もしかして舞花のことなのでは、と。
もしかして戯人族の間へ彼女の迎えに行っているんじゃないかという期待が湧いてきた。
その日、帰宅部の夜叉はまっすぐ帰った。お昼ご飯はレンジでチンするだけのものを、朝に和馬が用意していた。
お腹すいたなー、といつも通り彦瀬と瑞恵と途中まで帰った。
途中、阿修羅が住むマンションの近くを通りかかった。元々、登下校のコースだ。もしかして帰ってきているんじゃないかと思ったが、いきなり訪れるのは不躾だろう。夜叉はマンションに背を向け、制服のポケットからスマホを取り出した。
「あ。こらハニー」
「ハニー?」
男の声にスマホから顔を上げたら、夜叉にモフモフの塊が突っ込んできた。ように感じた。
「ワ…ワンコ? デカッ」
パッと見はトイプードル。夜叉は標準サイズより大きなトイプードルに突進されて顔面をなめられていた。
飼い主らしい男は、腰に両手を当てて笑っていた。水色の短髪で、右目は長い前髪で隠されている。黒いコートは白い中華風のボタンで前を留められていた。長身で、180はありそうだ。このトイプードルを相当大切に思っているんだろう。瞳は優しく細められていた。
「あはは。ハニーがこんなに人に懐くなんて珍しいな」
「あの…笑ってないで助けてください」
夜叉は大きなトイプードルをなだめ、よしよしと頭をなでてやった。ハニーと呼ばれたトイプードルはおとなしくなってチョコンとお座りをした。夜叉がまじまじと見て右手を差し出すと、お手をした。再び頭をなでると、ハニーはうれしそうに尻尾を振った。
男はハニーの横にしゃがみこんで背中をなでてやった。リードの色はあざやかな青。
「ごめんね、ウチのコが急に」
「いえ…。こんなに大きいトイプードル初めて見ました」
「うん。このコはスタンダードプードルっていう大きい犬種なんだ。飛びついてくるとなかなか迫力あるよね」
「…ホントです」
男は立ち上がり、夜叉に手を差し伸べた。彼女はそれをたよって立ち上がった。ハニーがまた夜叉に飛びつこうとしたが、彼女が後ろへ跳び退る方が早かった。ローファーのヒールを鳴らし、地面にしゃがみこんで手先をついた。
それを見た男は口笛を鳴らした。
「君すごいね…。何かやってるの?」
「いえ。よく分かんないです」
「へぇ~。不思議な才能か」
男はあごをさすり、改めて夜叉のことを見た。
「ごめんね、急に。学校帰りだよね」
「大丈夫です。ハニーちゃん、かわいかったし」
「そっか。よかったな、ハニー」
夜叉はハニーに近づいてほほえみ、最後に頭をなで、男に会釈して背を向けて歩き出した。
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