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第3話 初めてのスキルは結構便利?!
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「間違えてしまって本当にごめんなさいっっ」
シスターは物凄い勢いでペコペコしている。
「特に何かあったわけでは無いから大丈夫ですよ。気にしないでください」
「和馬の顔見てビックリしちゃいましたよね」
「ひどい!!」
「ベーっ」
「ふふっ。とても仲が良いんですね」
いつものやりとりだが、そのお陰で穏やかな雰囲気になったようだ。ただ気になるのは……
「オレの事を誰と間違えたんですか?」
本当は猫耳の方が気になってるんだが、流石にそれは後回しにしよう。
何故言葉が伝わるかも気にはなったが、奥さんの『そう言えばそうだね。多分、異世界チートじゃん』の一言で一蹴されてしまった……まぁ良いんだけどね……
「実は、かなり前からロンド商会の会頭からウチに来いと言われているんです……」
ロンド商会はこの町で一番の権力があり、領主ともかなりの繋がりを持っている為、手がつけられないらしい。違法的な奴隷売買も裏で行なっており、領主も関与しているらしい。
「何だか異世界あるあるみたいだけど、実際に目の前にすると中々来るものがあるな」
「ニャミーさんは可愛いもんね……」
「美鈴ちゃんの方がカワ、ぐふっ……」
「今はそう言うのいらないから」
ヒジは的確に鳩尾に食い込んだ……
「そんな可愛いだなんて!ただ人族と猫族とのハーフで珍しいだけですよ!」
シスターのニャミーさんはこの世界の成人である15才。
この教会は孤児院もしており、ニャミーさんもこの教会で育ったそうだ。孤児は13人いて、もう1人のシスターとお世話をしているとのこと。ただ、もう1人のシスターは高齢で、ほとんどの事はニャミーさんが行なっているそうだ。
「1人で13人なんて、私なら絶対にムリ!湊と咲だけでも大変なのに、ニャミーさん良くがんばったね……」
「うっうっ……そんなこと……ない……です……私が……がんばらないと……うぁぁぁぁん」
ニャミーさんは目を覆って泣き出してしまった。今まで誰にも相談できず、自分が何とかしなければと思ったのだろう。
金銭的にもかなり厳しく、そこへロンド商会からの嫌がらせが続き精神的に限界だったようだ。
奥さんの胸に顔を埋め、1時間近く泣き続けていた……
「お見苦しい所を見せてしまい、すみません……」
「全然大丈夫だよ!15才なんてまたまだ子供で良いもん。湊と同い年なのにこんなに大変なんて……ロンド商会は本当にムカつく!!」
実際、ロンド商会が本気を出してきたらニャミーさんは連れ去られてしまうだろう。そうすれば今いる子供たちはどうなってしまうのか……
ここは地球、まして日本では無いのだ。保護してくれる人なんてまずいないだろう。
「私が行けば、子供たちの事は悪いようにはしないと言われたんです。ただ……」
「そんなの信用出来るわけないよね!あ~本当にムカつく!!」
奥さんはかなりムカつくを連発していたが、何かを思いついたようにオレを見つめた。
「とりあえず、美味しいゴハンを作ろう!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ニャミーちゃん、お台所を見せてもらってもいいかな?」
「はい……」
チートスキル(天然)はここでも発動されたようだ。何故か『さん』から『ちゃん』に変わっちゃてるし……
『(天然)から(強引)に改名した方がいいかな……』
「和馬!なんか言った??」
「言ってません!!」
『声には出て無かったはずなんだけどな……』
台所に案内されるとあちこちを見渡して、調味料や食材をテキパキと集めていく。まるで自分の家のようだ。ニャミーさんも目をパチクリしながら眺めている。
「これはニンジン?かなぁ。こっちはジャガイモ?似てるけどちがうなぁ。調味料は塩と香草?くらいかな」
「すみません。何も無くて……」
「大丈夫だよ!何とか美味しくてお腹いっぱいになるもの作るから!」
とは言ってもあの材料だけじゃ流石にムリだと思うんだけど。
そう思っていると奥さんはこっちにやってきた。
「和馬、猪とか狩って来れないかな?」
「はい?」
「ずっと格闘技やってて強いじゃん」
「ムリムリムリ!」
「どうしてもだめぇ?」
そんな可愛い顔で言ってもムリなものはムリです。
でも、オレも何とかしてあげたいんだよな。夜が明けるくらいの時間とはいえ、ここにはガスも水道も無いのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
オレがポーズやセリフを変えるながら格闘する事10分。奥さんとキャミーさんはかまどで火を起こし始めた。奥さんはその後手慣れた手つきで野菜を切っている。
このままだとオレは全く役に立ってないぞ……ネットショップに繋がる小説もあるよな。やっぱりダメか。せめて百均でもいいんだけど。
『ブァン!』
「出たーー!!でもこれって……」
異世界で出たスキルは『百均』でした……
「和馬、何か出たの?!」
「『百均』みたい……」
「えっ!良いじゃん!ベーコンとか売ってる??」
あるな。生鮮食品は見当たらないけど、日用品は結構ある。日本が世界に広めた『百均』だ。中々使えるかもしれない。
「美鈴ちゃんお金ある?」
「ない」
「ですよね~」
キャミーさんはキョトンとしてこちらを見ている。そりゃあ『百均』なんてしらないよね。
『何か無いか考えろオレ!ヌカ喜びさせた分、タチが悪いぞ』
タブレットのように『百均』画面をスクロールしていくと、右下にずっと動かない⬜︎が見える。その上には『ギル』と書いてある。
「キャミーさん。ここのお金の呼び方って『ギル』ですか?」
「はい?そうですけど……カズマさんたちの地域はちがうんですか?」
「やったーー!でもお金持ってない……」
「私、少しなら持ってますよ」
そう言って400ギルを小袋から取り出してくれた。丸い銅貨のようだ。
「これで子供たちに美味しいゴハンが食べさせてあげられるなら使ってください。」
「わかりました!ありがとうございます!」
⬜︎の所に銅貨を当てると、吸い込まれていった。残りの3枚も続けて入金した。ギルの左に400と表示された。これでベーコン買えるかも……
『買えるの確認してから、残りの300ギル入れればよかった……』
シスターは物凄い勢いでペコペコしている。
「特に何かあったわけでは無いから大丈夫ですよ。気にしないでください」
「和馬の顔見てビックリしちゃいましたよね」
「ひどい!!」
「ベーっ」
「ふふっ。とても仲が良いんですね」
いつものやりとりだが、そのお陰で穏やかな雰囲気になったようだ。ただ気になるのは……
「オレの事を誰と間違えたんですか?」
本当は猫耳の方が気になってるんだが、流石にそれは後回しにしよう。
何故言葉が伝わるかも気にはなったが、奥さんの『そう言えばそうだね。多分、異世界チートじゃん』の一言で一蹴されてしまった……まぁ良いんだけどね……
「実は、かなり前からロンド商会の会頭からウチに来いと言われているんです……」
ロンド商会はこの町で一番の権力があり、領主ともかなりの繋がりを持っている為、手がつけられないらしい。違法的な奴隷売買も裏で行なっており、領主も関与しているらしい。
「何だか異世界あるあるみたいだけど、実際に目の前にすると中々来るものがあるな」
「ニャミーさんは可愛いもんね……」
「美鈴ちゃんの方がカワ、ぐふっ……」
「今はそう言うのいらないから」
ヒジは的確に鳩尾に食い込んだ……
「そんな可愛いだなんて!ただ人族と猫族とのハーフで珍しいだけですよ!」
シスターのニャミーさんはこの世界の成人である15才。
この教会は孤児院もしており、ニャミーさんもこの教会で育ったそうだ。孤児は13人いて、もう1人のシスターとお世話をしているとのこと。ただ、もう1人のシスターは高齢で、ほとんどの事はニャミーさんが行なっているそうだ。
「1人で13人なんて、私なら絶対にムリ!湊と咲だけでも大変なのに、ニャミーさん良くがんばったね……」
「うっうっ……そんなこと……ない……です……私が……がんばらないと……うぁぁぁぁん」
ニャミーさんは目を覆って泣き出してしまった。今まで誰にも相談できず、自分が何とかしなければと思ったのだろう。
金銭的にもかなり厳しく、そこへロンド商会からの嫌がらせが続き精神的に限界だったようだ。
奥さんの胸に顔を埋め、1時間近く泣き続けていた……
「お見苦しい所を見せてしまい、すみません……」
「全然大丈夫だよ!15才なんてまたまだ子供で良いもん。湊と同い年なのにこんなに大変なんて……ロンド商会は本当にムカつく!!」
実際、ロンド商会が本気を出してきたらニャミーさんは連れ去られてしまうだろう。そうすれば今いる子供たちはどうなってしまうのか……
ここは地球、まして日本では無いのだ。保護してくれる人なんてまずいないだろう。
「私が行けば、子供たちの事は悪いようにはしないと言われたんです。ただ……」
「そんなの信用出来るわけないよね!あ~本当にムカつく!!」
奥さんはかなりムカつくを連発していたが、何かを思いついたようにオレを見つめた。
「とりあえず、美味しいゴハンを作ろう!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ニャミーちゃん、お台所を見せてもらってもいいかな?」
「はい……」
チートスキル(天然)はここでも発動されたようだ。何故か『さん』から『ちゃん』に変わっちゃてるし……
『(天然)から(強引)に改名した方がいいかな……』
「和馬!なんか言った??」
「言ってません!!」
『声には出て無かったはずなんだけどな……』
台所に案内されるとあちこちを見渡して、調味料や食材をテキパキと集めていく。まるで自分の家のようだ。ニャミーさんも目をパチクリしながら眺めている。
「これはニンジン?かなぁ。こっちはジャガイモ?似てるけどちがうなぁ。調味料は塩と香草?くらいかな」
「すみません。何も無くて……」
「大丈夫だよ!何とか美味しくてお腹いっぱいになるもの作るから!」
とは言ってもあの材料だけじゃ流石にムリだと思うんだけど。
そう思っていると奥さんはこっちにやってきた。
「和馬、猪とか狩って来れないかな?」
「はい?」
「ずっと格闘技やってて強いじゃん」
「ムリムリムリ!」
「どうしてもだめぇ?」
そんな可愛い顔で言ってもムリなものはムリです。
でも、オレも何とかしてあげたいんだよな。夜が明けるくらいの時間とはいえ、ここにはガスも水道も無いのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
オレがポーズやセリフを変えるながら格闘する事10分。奥さんとキャミーさんはかまどで火を起こし始めた。奥さんはその後手慣れた手つきで野菜を切っている。
このままだとオレは全く役に立ってないぞ……ネットショップに繋がる小説もあるよな。やっぱりダメか。せめて百均でもいいんだけど。
『ブァン!』
「出たーー!!でもこれって……」
異世界で出たスキルは『百均』でした……
「和馬、何か出たの?!」
「『百均』みたい……」
「えっ!良いじゃん!ベーコンとか売ってる??」
あるな。生鮮食品は見当たらないけど、日用品は結構ある。日本が世界に広めた『百均』だ。中々使えるかもしれない。
「美鈴ちゃんお金ある?」
「ない」
「ですよね~」
キャミーさんはキョトンとしてこちらを見ている。そりゃあ『百均』なんてしらないよね。
『何か無いか考えろオレ!ヌカ喜びさせた分、タチが悪いぞ』
タブレットのように『百均』画面をスクロールしていくと、右下にずっと動かない⬜︎が見える。その上には『ギル』と書いてある。
「キャミーさん。ここのお金の呼び方って『ギル』ですか?」
「はい?そうですけど……カズマさんたちの地域はちがうんですか?」
「やったーー!でもお金持ってない……」
「私、少しなら持ってますよ」
そう言って400ギルを小袋から取り出してくれた。丸い銅貨のようだ。
「これで子供たちに美味しいゴハンが食べさせてあげられるなら使ってください。」
「わかりました!ありがとうございます!」
⬜︎の所に銅貨を当てると、吸い込まれていった。残りの3枚も続けて入金した。ギルの左に400と表示された。これでベーコン買えるかも……
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