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料理に必要な物
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料理を作るために私は、調理場に来ていました。こう見えて、私は料理が出来るらしいです。
料理に関するエピソードは、ありませんが、知識はあります。切る・焼く・蒸す・揚げる・茹でる・炒める・炊く・炒めるを食材にして味をつければ良いのです。
この家には、調理器具はありますからね。あまり詳しく知りませんが、大抵の料理はそれの応用です。
そう。やった記憶なんてなくても、美味しいものは、きっと作れるはずです。
自身はありませんが、料理の知識が豊富なこの体、きっと生前はお料理をしていたに違いありません。
カレーでもシチューでも雑炊でも鍋でもなんでも完璧です。
ええ、私に敗北の文字はありません。
ところで、料理を作るのに必要なものとはなんでしょう?
適切な設備? ある程度の技術? いいえ、それは調理する食材です。
どれだけ研がれた包丁があろうと、どれだけ清潔に保たれた調理場があっても、食材がなければ、人は料理を作ることは出来ません。
出来て、おままごとぐらいです。
流石にイーリスも料理を出す振りされたら怒るんじゃないでしょうか。
でも、仕方ありません。だって、この家に料理の材料になる食材が一つもないんですから!
「料理を作るとかじゃなくて、そもそも作る材料がないので、レシピを決めようがありませんから」
「フレ~ン~。ご飯出来そう? 私、お腹が空いて」
私がそうやって悩んでいるとフラフラとした足取りでイーリスが、調理場に顔を出しました。
「ええ、ご主人様。ただ調理をするためにはあるものが足りないのです。何か分かりますか?」
「・・・・・・やる気?」
「やる気で食材が出せるかぁ!」
私は、思わず叫びました。ええ、こんなクールなメイドの姿をしているのに。
イーリスも私の叫びにびくりと身を震わせました。ええ、私が大声でツッコミを入れたからびっくりしたんですよね。
謝りませんけどね。
「良いですか。ご主人様、料理っていうのは、料理人と食材があって初めて成立するんです。料理人だけ、食材だけ、どちらか欠けても料理は作れないんですよ」
「・・・・・・うん」
「見てください。この綺麗な調理場を」
「うん。綺麗にしてくれてありがとう」
「いえ、これがお仕事なので・・・・・・じゃなくてですね!」
私が言いたいのはそこじゃないんですよ。素直に褒められたのは、流石に嬉しいですけど。
「食材がないんですよ。調味料も何も! どうやって料理をしろと」
「・・・・・・そう言われてみれば」
出来れば、言われずとも気づいてくれるとありがたいのですが・・・・・・。
「じゃあ、食材を出す。『開け。次元の扉』」
イーリスがそう唱えるとイーリスの周りの空間が黒く波打ち始めます。イーリスがそこに手を入れると黒い何かに飲み込まれていきます。
「な、なんですか。それ」
「収納魔術。物を仕舞うことが出来る魔法。勉強すれば、フレンでも使えるようになる」
そう言いながらイーリスが黒い空間から手を引き抜くと巨大な緑の球体がが出てきました。大きさは、30cmほどの大きさの玉で、艶があるため、ボーリングの玉のような印象を受けます。ボーリング玉よりもさらに大きいですけど。
「なんです? この玉、いや、石?」
「ワタドリの卵。ワタの実を主食にしてる鳥。ワタの実は薬草で、だから、その実を主食にしているワタドリの肉や卵には高い回復効果がある」
「へぇ、綺麗な緑色なんですね」
イーリスから卵を預かると眺めてみる。楕円じゃない鳥の卵を見るのは、初めてです。しかも、この大きさの卵、ドラゴンの卵と言われても騙されちゃいそう。食べれるんですね。こんなでかい卵。
「このサイズの鳥の卵ってどんな大きさの鳥が生まれるんですか?」
「結構、大きい。ワタドリは、両翼広げると5mぐらいになる。それに結構、強い魔獣で世界を渡る鳥だからかなり珍しい」
「5mって、ちょっとした怪獣じゃないですか」
「基本的には、温厚な性格で産卵のタイミングじゃなければ、襲われることはない」
へぇ、まあ、それなら安心ですね・・・・・・え?
「これ卵ですよね」
「うん」
「それってかなり希少な物なのでは?」
「ちょっとだけ?」
「これって売れば金貨何枚分ぐらいに」
「・・・・・・売ってるのを見た時は、アウル金貨100枚ぐらいだった」
「こんな高級食材、使えませんけど!?」
未知の高級食材をポンと渡されて、どうしろというんでしょうか。
そもそも、これ、ちゃんと黄身とかある状態の卵なんですか?
無精卵なのかどうかも分からないし、有精卵ならさらに調理法がわかりませんよ。
「大丈夫。焼くだけで美味しいって、本で読んだことがある」
「あの、もう少し手軽なお肉とか卵はないんですか?」
「ダイダルムスの牙とかスピリドフルーの尻尾とかならある」
「未知の食材しかない。そして、多分、調理が難しいやつ!」
もう名前を聞いても何もイメージが湧きません。そもそも、翻訳されてこれなら、きっと固有名詞ですよね。
そんなわけのわからない物を最初の調理食材に選びたくない。せめて、最初ぐらいは無難に成功したい。
「あとは、異世界人が繁殖に成功させたジャガイモは庭に勝手に生えている」
「・・・・・・なんで先に言わないんですか?」
「薬じゃないから」
「薬じゃなくても、食べて良いんですよ! 取ってきます!」
なんで、この人食べる基準が、薬じゃないといけないという縛りで生きてるんですか?
「もしかして、ワタドリみたいに卵の回復能力を上げるつもりなんですか?」
「私は、卵生じゃない」
「嫌味で言ったんです!」
私はバタバタとイーリスの畑に向かいました。先が思いやられます。
料理に関するエピソードは、ありませんが、知識はあります。切る・焼く・蒸す・揚げる・茹でる・炒める・炊く・炒めるを食材にして味をつければ良いのです。
この家には、調理器具はありますからね。あまり詳しく知りませんが、大抵の料理はそれの応用です。
そう。やった記憶なんてなくても、美味しいものは、きっと作れるはずです。
自身はありませんが、料理の知識が豊富なこの体、きっと生前はお料理をしていたに違いありません。
カレーでもシチューでも雑炊でも鍋でもなんでも完璧です。
ええ、私に敗北の文字はありません。
ところで、料理を作るのに必要なものとはなんでしょう?
適切な設備? ある程度の技術? いいえ、それは調理する食材です。
どれだけ研がれた包丁があろうと、どれだけ清潔に保たれた調理場があっても、食材がなければ、人は料理を作ることは出来ません。
出来て、おままごとぐらいです。
流石にイーリスも料理を出す振りされたら怒るんじゃないでしょうか。
でも、仕方ありません。だって、この家に料理の材料になる食材が一つもないんですから!
「料理を作るとかじゃなくて、そもそも作る材料がないので、レシピを決めようがありませんから」
「フレ~ン~。ご飯出来そう? 私、お腹が空いて」
私がそうやって悩んでいるとフラフラとした足取りでイーリスが、調理場に顔を出しました。
「ええ、ご主人様。ただ調理をするためにはあるものが足りないのです。何か分かりますか?」
「・・・・・・やる気?」
「やる気で食材が出せるかぁ!」
私は、思わず叫びました。ええ、こんなクールなメイドの姿をしているのに。
イーリスも私の叫びにびくりと身を震わせました。ええ、私が大声でツッコミを入れたからびっくりしたんですよね。
謝りませんけどね。
「良いですか。ご主人様、料理っていうのは、料理人と食材があって初めて成立するんです。料理人だけ、食材だけ、どちらか欠けても料理は作れないんですよ」
「・・・・・・うん」
「見てください。この綺麗な調理場を」
「うん。綺麗にしてくれてありがとう」
「いえ、これがお仕事なので・・・・・・じゃなくてですね!」
私が言いたいのはそこじゃないんですよ。素直に褒められたのは、流石に嬉しいですけど。
「食材がないんですよ。調味料も何も! どうやって料理をしろと」
「・・・・・・そう言われてみれば」
出来れば、言われずとも気づいてくれるとありがたいのですが・・・・・・。
「じゃあ、食材を出す。『開け。次元の扉』」
イーリスがそう唱えるとイーリスの周りの空間が黒く波打ち始めます。イーリスがそこに手を入れると黒い何かに飲み込まれていきます。
「な、なんですか。それ」
「収納魔術。物を仕舞うことが出来る魔法。勉強すれば、フレンでも使えるようになる」
そう言いながらイーリスが黒い空間から手を引き抜くと巨大な緑の球体がが出てきました。大きさは、30cmほどの大きさの玉で、艶があるため、ボーリングの玉のような印象を受けます。ボーリング玉よりもさらに大きいですけど。
「なんです? この玉、いや、石?」
「ワタドリの卵。ワタの実を主食にしてる鳥。ワタの実は薬草で、だから、その実を主食にしているワタドリの肉や卵には高い回復効果がある」
「へぇ、綺麗な緑色なんですね」
イーリスから卵を預かると眺めてみる。楕円じゃない鳥の卵を見るのは、初めてです。しかも、この大きさの卵、ドラゴンの卵と言われても騙されちゃいそう。食べれるんですね。こんなでかい卵。
「このサイズの鳥の卵ってどんな大きさの鳥が生まれるんですか?」
「結構、大きい。ワタドリは、両翼広げると5mぐらいになる。それに結構、強い魔獣で世界を渡る鳥だからかなり珍しい」
「5mって、ちょっとした怪獣じゃないですか」
「基本的には、温厚な性格で産卵のタイミングじゃなければ、襲われることはない」
へぇ、まあ、それなら安心ですね・・・・・・え?
「これ卵ですよね」
「うん」
「それってかなり希少な物なのでは?」
「ちょっとだけ?」
「これって売れば金貨何枚分ぐらいに」
「・・・・・・売ってるのを見た時は、アウル金貨100枚ぐらいだった」
「こんな高級食材、使えませんけど!?」
未知の高級食材をポンと渡されて、どうしろというんでしょうか。
そもそも、これ、ちゃんと黄身とかある状態の卵なんですか?
無精卵なのかどうかも分からないし、有精卵ならさらに調理法がわかりませんよ。
「大丈夫。焼くだけで美味しいって、本で読んだことがある」
「あの、もう少し手軽なお肉とか卵はないんですか?」
「ダイダルムスの牙とかスピリドフルーの尻尾とかならある」
「未知の食材しかない。そして、多分、調理が難しいやつ!」
もう名前を聞いても何もイメージが湧きません。そもそも、翻訳されてこれなら、きっと固有名詞ですよね。
そんなわけのわからない物を最初の調理食材に選びたくない。せめて、最初ぐらいは無難に成功したい。
「あとは、異世界人が繁殖に成功させたジャガイモは庭に勝手に生えている」
「・・・・・・なんで先に言わないんですか?」
「薬じゃないから」
「薬じゃなくても、食べて良いんですよ! 取ってきます!」
なんで、この人食べる基準が、薬じゃないといけないという縛りで生きてるんですか?
「もしかして、ワタドリみたいに卵の回復能力を上げるつもりなんですか?」
「私は、卵生じゃない」
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私はバタバタとイーリスの畑に向かいました。先が思いやられます。
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