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2章
Part 82 『小さくも暖かな幸せ』
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翌朝、俺はいつも通り学校に向かった。すると凛から連絡が来ていて一緒にご飯を食べることになった。
校内にあるコンビニで適当にサンドイッチとミルクティを買って適当なベンチに座った。あまり、男女2人でご飯を食べるのを見られるのも抵抗があったので人気のない場所を選んだ。
それから、人も聞いていないので俺は自分の状況を軽く説明した。魔女のことやサクヤの事なんかもだ。見えないけれど、事情を理解してくれる存在がいるというのは、ありがたいものだと思った。
「じゃあ、今日、話をつけるんだ。」
「そうなる。まあ、同じ魔女同士ならうまく話が纏まるかもしれないしね。」
「そんな簡単に話がつくとは思わないけど・・・あの魔女も目的がある感じだったし」
柏木さんのいう事もわかる。確かにあの子は記憶を消すことに関して目的を持っていたようだった。
「それに私の場合は、日向がいたから良いんだけど、私は、やっぱり消した方が幸せになれる記憶だってあると思う。」
確かにどうしようもないような記憶なんて珍しくもない。誰も気にしていないのに、自分だけがずっと気になっている失敗とか後悔とかそういうものは、消してしまっても問題はないのだと思う。
魔女のやっていることは別に悪ではないのだ。リューの方も自衛のために自粛しろと言っているに過ぎない。
まあ、記憶を消したいと願っている人間に見境なく消して回っている事に関しては、どうかとは思うが無理矢理に奪っているわけではない。
「俺もそう思う部分はあるんだよね・・・。まあ、今回に関しては正義とか正しい事とかそういう話じゃないのかなって・・・この辺りでするんじゃなければ別に良いんじゃないかと思うんだよね。」
魔女を狙う人間がこの辺りに寄ってくるのが面倒なので止めたいだけだ。
あの魔女がこの辺りで活動しないというのなら俺たちが関与する必要はないのだ。
「まあ、とりあえず、依頼は完了したし、後は結果を見守るだけだからね。」
「うん。あ、そうだ。今度、遊びに行くのどこにする?」
凛は、携帯の予定表を開いてそんなことを言った。
昨日の一件から本当に距離感が近くなった気がする。どことなく、積極的に感じる。
「今度紹介してほしい。サクヤって子の事」
「良いけど・・・見えないよ?」
見えない人間とコミュニケーションを取るのは難しいし、いくら俺が仲介できるとしてもお互い苦しくないか・・・
「それでも、友達の友達なんだし、仲良くなれたらもっと楽しいから」
「それは・・・そうだね。分かった。今度あったときに聞いてみるよ。」
「うん。楽しみにしてる。」
そうして、俺と凛は自分たちの予定を見ながら次に遊ぶ約束をしたのだった。
校内にあるコンビニで適当にサンドイッチとミルクティを買って適当なベンチに座った。あまり、男女2人でご飯を食べるのを見られるのも抵抗があったので人気のない場所を選んだ。
それから、人も聞いていないので俺は自分の状況を軽く説明した。魔女のことやサクヤの事なんかもだ。見えないけれど、事情を理解してくれる存在がいるというのは、ありがたいものだと思った。
「じゃあ、今日、話をつけるんだ。」
「そうなる。まあ、同じ魔女同士ならうまく話が纏まるかもしれないしね。」
「そんな簡単に話がつくとは思わないけど・・・あの魔女も目的がある感じだったし」
柏木さんのいう事もわかる。確かにあの子は記憶を消すことに関して目的を持っていたようだった。
「それに私の場合は、日向がいたから良いんだけど、私は、やっぱり消した方が幸せになれる記憶だってあると思う。」
確かにどうしようもないような記憶なんて珍しくもない。誰も気にしていないのに、自分だけがずっと気になっている失敗とか後悔とかそういうものは、消してしまっても問題はないのだと思う。
魔女のやっていることは別に悪ではないのだ。リューの方も自衛のために自粛しろと言っているに過ぎない。
まあ、記憶を消したいと願っている人間に見境なく消して回っている事に関しては、どうかとは思うが無理矢理に奪っているわけではない。
「俺もそう思う部分はあるんだよね・・・。まあ、今回に関しては正義とか正しい事とかそういう話じゃないのかなって・・・この辺りでするんじゃなければ別に良いんじゃないかと思うんだよね。」
魔女を狙う人間がこの辺りに寄ってくるのが面倒なので止めたいだけだ。
あの魔女がこの辺りで活動しないというのなら俺たちが関与する必要はないのだ。
「まあ、とりあえず、依頼は完了したし、後は結果を見守るだけだからね。」
「うん。あ、そうだ。今度、遊びに行くのどこにする?」
凛は、携帯の予定表を開いてそんなことを言った。
昨日の一件から本当に距離感が近くなった気がする。どことなく、積極的に感じる。
「今度紹介してほしい。サクヤって子の事」
「良いけど・・・見えないよ?」
見えない人間とコミュニケーションを取るのは難しいし、いくら俺が仲介できるとしてもお互い苦しくないか・・・
「それでも、友達の友達なんだし、仲良くなれたらもっと楽しいから」
「それは・・・そうだね。分かった。今度あったときに聞いてみるよ。」
「うん。楽しみにしてる。」
そうして、俺と凛は自分たちの予定を見ながら次に遊ぶ約束をしたのだった。
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