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4章
Part 311『閃光』
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***
俺が百足に追いついた頃には、すでに乱丸が百足を押さえつけていた。
そして、篝さんが現れると乱丸と二、三やり取りをしていた。
何を話しているのか聞こえないが、おそらくは、百足のことだろう。
急に姿の変わった奥さんの姿を見てどう思うだろうか。
「でも、なんで急に姿が変わったんだ?」
明らかに姿が変わっていた。まるまる作り変えたような姿に違和感しか感じない。
人間性と言うものを失っていた。明らかに少し変わっているというような変化の仕方ではなかった。
原因を探るように遠くから百足を観察する。肉で無理やりに作られた百足の体はやはりどう見ても化物という感想しか抱けない。
木々の合間から差し込んだ光がその肉を照らし、朱色の体はテラテラと光って見える。
「なんだ・・・・・・あれ?」
百足の体に肉の反射とは違う青色の輝きが見えた。百足の体に埋め込まれるようにして存在しているそれは、宝石のようだった。しかし、それはただの宝石ではないような気がした。
「魔石?」
俺の呟きとほぼ同時だった。百足は突然、視界を白く覆い尽くすような眩い閃光を放った。
光は熱量を持って俺達に襲いかかった。俺は眩しさに本能的に瞳を閉じて背を向けた。
突然の光によって痛みを覚えて目を開けることができない。
しばらくは目を閉じても視界は真っ白なままだった。自分の状況が分からない。周囲から聞こえてくる音だけが頼りだった。
鳴き声が聞こえた。鉄を擦り切るような耳障りな音。怒るように、泣くように、苦しむように、いくつもの感情が混ざり合った様な理解出来ない声が聞こえた。
そして、大きな衝突音が響いた。バキッという木が折れる音。地面をのたうち回る重たい音。
さっきまで虫の息だったはずの百足が息を吹き返している。音だけで確信出来た。
それが分かると視界を奪われた今の状態に恐怖が込み上げてくる。もしかしたら、今あのいくつもの瞳が俺のことを見ているかもしれない。そう思うと気が気ではない。
幸いまで音はまだ遠い。自分は狙われていない。
痛みの引いてきた目をやや無理やりにゆっくりと開く。
そこには焦げ跡の付いた木々が何本も強い力でへし折られていた。俺の予想通り百足は先ほどとは打って変わって活発に動き回り周囲の木をなぎ倒していた。
そして、その木の向こうに乱丸の姿があった。おそらく、暴れた百足に吹き飛ばされたのだろう。百足と少し離れた場所で力なく倒れている。
間違いなく危機的な状況に焦りが脳を支配していた。
俺が百足に追いついた頃には、すでに乱丸が百足を押さえつけていた。
そして、篝さんが現れると乱丸と二、三やり取りをしていた。
何を話しているのか聞こえないが、おそらくは、百足のことだろう。
急に姿の変わった奥さんの姿を見てどう思うだろうか。
「でも、なんで急に姿が変わったんだ?」
明らかに姿が変わっていた。まるまる作り変えたような姿に違和感しか感じない。
人間性と言うものを失っていた。明らかに少し変わっているというような変化の仕方ではなかった。
原因を探るように遠くから百足を観察する。肉で無理やりに作られた百足の体はやはりどう見ても化物という感想しか抱けない。
木々の合間から差し込んだ光がその肉を照らし、朱色の体はテラテラと光って見える。
「なんだ・・・・・・あれ?」
百足の体に肉の反射とは違う青色の輝きが見えた。百足の体に埋め込まれるようにして存在しているそれは、宝石のようだった。しかし、それはただの宝石ではないような気がした。
「魔石?」
俺の呟きとほぼ同時だった。百足は突然、視界を白く覆い尽くすような眩い閃光を放った。
光は熱量を持って俺達に襲いかかった。俺は眩しさに本能的に瞳を閉じて背を向けた。
突然の光によって痛みを覚えて目を開けることができない。
しばらくは目を閉じても視界は真っ白なままだった。自分の状況が分からない。周囲から聞こえてくる音だけが頼りだった。
鳴き声が聞こえた。鉄を擦り切るような耳障りな音。怒るように、泣くように、苦しむように、いくつもの感情が混ざり合った様な理解出来ない声が聞こえた。
そして、大きな衝突音が響いた。バキッという木が折れる音。地面をのたうち回る重たい音。
さっきまで虫の息だったはずの百足が息を吹き返している。音だけで確信出来た。
それが分かると視界を奪われた今の状態に恐怖が込み上げてくる。もしかしたら、今あのいくつもの瞳が俺のことを見ているかもしれない。そう思うと気が気ではない。
幸いまで音はまだ遠い。自分は狙われていない。
痛みの引いてきた目をやや無理やりにゆっくりと開く。
そこには焦げ跡の付いた木々が何本も強い力でへし折られていた。俺の予想通り百足は先ほどとは打って変わって活発に動き回り周囲の木をなぎ倒していた。
そして、その木の向こうに乱丸の姿があった。おそらく、暴れた百足に吹き飛ばされたのだろう。百足と少し離れた場所で力なく倒れている。
間違いなく危機的な状況に焦りが脳を支配していた。
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