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4章
Part 332『一夜城』
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再び目を覚ませば、そこは木造建築の家だった。
どこか懐かしさを感じる作りの平屋お縁側で俺は眠っていた様だった。
縁側から見える先には、見間違えようのないサクヤの木が生えている。
「・・・・・・ここ、山か?」
一軒家から見える景色は、見慣れたサクヤの桜の周りと同じである。
「もしかして、サクヤが建てたのか?」
本人曰く、「今なら大抵のことは出来ます。」と言ってたので可能性は高い。
部屋の奥から味噌の匂いがだだ寄ってくる。その匂いでお腹が鳴る。
よくよく考えてみれば三日間何も食べていない。おそらく、サクヤが俺の世話をしてくれたおかげで、特に問題なく過ごせていたが、今は普段通り空腹感が押し寄せてきていた。
匂いに引き寄せられる様に俺は部屋の奥へ向かっていく。
台所に来るとサクヤがエプロンを着て料理を作っていた。
真冬さんのところで修行していただけあって、その動きに迷いがない。
テキパキと料理を作る姿を見て新婚ってこんな感じなのかな。なんてことを考える。
「あ、日向さん。おはようございます。よく眠れましたか?」
俺の気配に気付いたサクヤは手を止めて話しかけてくる。
「ああ、ぐっすりだったよ。起きたらこんな家が出来るとは思わなかったけどな。」
「料理を作るために台所が必要だったので、ついでに日向さんの寝やすい場所も作っておこうかと」
「助かるよ。いくらサクヤの膝が極上でも地面に寝るのは痛いからな。」
「私の膝ぐらいならいつでも貸しますよ。もう少しで出来るので座って待っていてください。」
「はいよ。」
言われるままに部屋の座布団に座りサクヤを眺める。
今日は何をしようかと考えていた。
やはり、周囲の人に報告はしておくべきだろうか。
お世話になった人も沢山いる。その人達にこのことを報告しないわけにはいかない。
サクヤが魔法を使って皿を浮かせて一度に料理を持ってくる。
ご飯に味噌汁に卵焼き、焼き魚とお吸い物というシンプルな朝食だった。
しかし、その全てが丁寧に作られたと分かる出来で、卵焼きなどは黄金に輝いて見えるほどだ。
「それじゃあ、食べましょうか。」
「ああ。そうだな。」
サクヤの作った朝食は、落ち着く味で明らかに自分の好みに合わせて作られたものだとはっきり分かる。
今のサクヤの腕で自分の好みの味付けで作られた料理がまずいはずもなく。味噌汁とご飯の黄金コンビに食事が進む。
「今日はどうしましょうか?」
食べ進める俺を見て嬉しそうにサクヤがそう尋ねてくる。
「真冬さんとかに報告をするべきじゃないかなと思うんだ。」
そういうとサクヤも考えていた様ですぐに頷いた。
「そうですね。きちんとお別れはしておきたいです。食事が終わったら瞬間移動して会いに行きましょうか。」
どう移動しようか考えていたが、今のサクヤにそれは愚問だった。
「うちの嫁さん、マジハイスペック・・・・・・」
どこか懐かしさを感じる作りの平屋お縁側で俺は眠っていた様だった。
縁側から見える先には、見間違えようのないサクヤの木が生えている。
「・・・・・・ここ、山か?」
一軒家から見える景色は、見慣れたサクヤの桜の周りと同じである。
「もしかして、サクヤが建てたのか?」
本人曰く、「今なら大抵のことは出来ます。」と言ってたので可能性は高い。
部屋の奥から味噌の匂いがだだ寄ってくる。その匂いでお腹が鳴る。
よくよく考えてみれば三日間何も食べていない。おそらく、サクヤが俺の世話をしてくれたおかげで、特に問題なく過ごせていたが、今は普段通り空腹感が押し寄せてきていた。
匂いに引き寄せられる様に俺は部屋の奥へ向かっていく。
台所に来るとサクヤがエプロンを着て料理を作っていた。
真冬さんのところで修行していただけあって、その動きに迷いがない。
テキパキと料理を作る姿を見て新婚ってこんな感じなのかな。なんてことを考える。
「あ、日向さん。おはようございます。よく眠れましたか?」
俺の気配に気付いたサクヤは手を止めて話しかけてくる。
「ああ、ぐっすりだったよ。起きたらこんな家が出来るとは思わなかったけどな。」
「料理を作るために台所が必要だったので、ついでに日向さんの寝やすい場所も作っておこうかと」
「助かるよ。いくらサクヤの膝が極上でも地面に寝るのは痛いからな。」
「私の膝ぐらいならいつでも貸しますよ。もう少しで出来るので座って待っていてください。」
「はいよ。」
言われるままに部屋の座布団に座りサクヤを眺める。
今日は何をしようかと考えていた。
やはり、周囲の人に報告はしておくべきだろうか。
お世話になった人も沢山いる。その人達にこのことを報告しないわけにはいかない。
サクヤが魔法を使って皿を浮かせて一度に料理を持ってくる。
ご飯に味噌汁に卵焼き、焼き魚とお吸い物というシンプルな朝食だった。
しかし、その全てが丁寧に作られたと分かる出来で、卵焼きなどは黄金に輝いて見えるほどだ。
「それじゃあ、食べましょうか。」
「ああ。そうだな。」
サクヤの作った朝食は、落ち着く味で明らかに自分の好みに合わせて作られたものだとはっきり分かる。
今のサクヤの腕で自分の好みの味付けで作られた料理がまずいはずもなく。味噌汁とご飯の黄金コンビに食事が進む。
「今日はどうしましょうか?」
食べ進める俺を見て嬉しそうにサクヤがそう尋ねてくる。
「真冬さんとかに報告をするべきじゃないかなと思うんだ。」
そういうとサクヤも考えていた様ですぐに頷いた。
「そうですね。きちんとお別れはしておきたいです。食事が終わったら瞬間移動して会いに行きましょうか。」
どう移動しようか考えていたが、今のサクヤにそれは愚問だった。
「うちの嫁さん、マジハイスペック・・・・・・」
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