絶唱のフランシェスカ

ぱんだくらぶ

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第1章

旅立ちの道標_4

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影喰らいとの戦いから数日が経ち、二人はラストールの街へと続く道を進んでいた。道中の森は深く、昼間でも薄暗い。フランシェスカは少しずつエリオットとの距離を縮めながら、彼に問いかけた。

「ねえ、エリオット。あなたは、どうして影喰らいを追っているの?」

彼女の質問に、エリオットは一瞬歩みを止めた。だが、すぐにまた歩き出し、答えることをためらうように口を開いた。

「俺は……かつて影喰らいに家族を奪われた。」

その言葉にフランシェスカは息を呑んだ。エリオットの表情は普段よりも険しく、過去の傷が今も癒えていないことが伺えた。

「家族を守れなかった俺は、それ以来ずっと影喰らいを追い続けている。そして、奴らを倒す術を探して旅をしているんだ。」

エリオットの言葉には後悔と怒りが混じっていた。フランシェスカはその感情をどう受け止めるべきか分からず、ただ黙って歩き続けた。

その日の夕方、二人はようやく森を抜け、小高い丘の上に出た。目の前には広がる草原と、その向こうに見える大きな街の輪郭があった。

「あれがラストールだ。」

エリオットが指さした方向には、高い城壁に囲まれた街があり、多くの建物が所狭しと並んでいる。煙突から立ち上る煙や行き交う人々の影が、街の活気を物語っていた。

「すごい……あんなに大きな街、初めて見た。」

フランシェスカは目を輝かせて街を見つめた。彼女が育った村は小さく、こんなに賑やかな場所を訪れるのは初めてだったのだ。

「ラストールは商業の中心地だ。この街で手に入らないものはほとんどないと言われている。」

エリオットの説明を聞きながら、フランシェスカは胸を高鳴らせた。だが同時に、不安も感じていた。この街で影喰らいが現れるという情報が正しければ、また戦いに巻き込まれるかもしれない。

街の門に到着すると、二人は門番に止められた。

「ここを通るには身分を証明できるものが必要だ。」

エリオットは懐から一枚の証明書を取り出した。それを見た門番は目を細め、何かを思案するような表情を見せた。

「旅の剣士か。最近は物騒な噂も多いからな。街の中では騒ぎを起こすなよ。」

そう言うと門番は二人を通した。フランシェスカはホッと息をつき、街の中に足を踏み入れた。

街の中は想像以上に賑やかだった。行商人たちの声や馬車の音、人々の笑い声が響き渡り、様々な香りが漂っている。フランシェスカはその活気に圧倒されながらも、目を輝かせて周囲を見回した。

「こんなところで本当に影喰らいが現れるのかな……」

彼女が呟くと、エリオットは険しい表情で周囲を警戒していた。

「油断するな。奴らはどんな場所にも現れる可能性がある。」

エリオットの言葉に、フランシェスカも表情を引き締めた。二人は街の中央にある広場へと向かい、情報を集めるために人々の話を聞くことにした。

広場には多くの人々が集まり、それぞれが思い思いの時間を過ごしていた。二人はまず行商人や宿屋の主人に話を聞いたが、影喰らいに関する具体的な情報は得られなかった。

「何か手がかりが欲しいところだな……」

エリオットがつぶやいたその時、一人の少年が二人に駆け寄ってきた。

「ねえ、あんたたち。もしかして、影喰らいを探してるの?」

その言葉に二人は驚き、少年を見つめた。少年は10歳くらいの小柄な体格で、汚れた服を着ている。

「お前、影喰らいのことを知っているのか?」

エリオットが問いかけると、少年は周囲を警戒しながら小声で答えた。

「うん……僕のお姉ちゃんが、影喰らいにさらわれたんだ。」

その言葉にフランシェスカの胸が痛んだ。少年の目には涙が浮かんでおり、必死に感情を抑えている様子だった。

「詳しい話を聞かせてくれ。」

エリオットがそう言うと、少年は少し戸惑いながらも頷いた。

「でも、ここじゃ話せない。人が多すぎるから……」

「分かった。安全な場所を探そう。」

少年の案内で、二人は広場から少し離れた静かな路地へと向かった。
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