218 / 454
8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
助けが来た
しおりを挟む
ルーパが諦めて目を閉じた、その時─────
「────『氷結』………」
「コオオオォォォォォ!?」
「キシャアアアァァァ!?」
「グルゥ!?」
魔物達がみるみるうちに凍っていくではないか。魔物達は、悲鳴をあげながらなす術もなく、氷の中に閉じ込められていく。
「す、凄い…………」
ルーパはその光景に目を丸くした。でも、いったい誰がやったというのか。
「……ルーパ大丈夫…………?」
ルーパは、聞き覚えのある声を耳にし、瞑っていた目を開けて上を向く。そこには─────
「エレナお姉ちゃんに…………レクス。それに、みんな…………」
ルーパはそう呟いた。
「助けに来るのが遅くなったね、ごめん」
レクスは申し訳なさそうな顔でそう言った。ルーパはふるふる…………とゆっくり首を横に振る。何はどうあれ、助けることができて良かった。
「レクス…………私よりも、カレンお姉ちゃんが…………!」
深刻そうな表情で、カレンが倒れているのを指差してそう言うルーパ。何か大きなダメージを受けたり、状態異常に陥っているのだろうか。
レクスはカレンのもとまで行って、『見る』で身体の状態を確認しようとしたが────すぐにその必要はないと分かった。
「すぅ…………すぅ…………」
寝息を立ててるのが聞こえたからだ。取り敢えず、死んではいないだろう。レクスはほっと息をついた。
「マスター、状態を見ましたが、スコーピオンの睡眠針で眠らされているだけのようです」
「……よかった…………」
ルーパはネムの声を聞くと、安心したようにそう呟き、パタッ…………と倒れた。気力だけでなんとか保っていたという感じだろうか。
「『回復』」
レクスは一応、二人に『回復』をかけておいた。カレンの状態異常なども一緒に回復させたので、直に目を覚ますだろう。
「それにしても…………どの魔物も砂漠にいる魔物ばかりね…………」
ミーシャは氷の中で固まっている魔物を見て、そう呟いた。そう。ユビネス大森林帯の魔物ではなく、ほとんど砂漠の魔物なのだ。
「…………これは一度、砂漠を見た方が良さそうだね…………」
ここまで多くの砂漠の魔物がここに来るのは異常だ。加えて、キングワームの件もある。一度調査してみるべきだろう。
レクスは、地図を取り出して件の砂漠の位置を調べる。地図は常に魔法袋に常備している。何かあった時のために、一応。
「人形、ちょっと『キントランカ砂漠』を見てきて」
レクスは魔法袋から鳥型の人形を取り出し、そう命じた。
《了解しました》
鳥型の人形の声が脳内に響くと、鳥型の人形は『キントランカ砂漠』に向かって飛んでいった。
◇◆◇◆◇
「どう? あの子の調子は」
「はい、順調に育っております」
ドワーフ族の女性の言葉に、ドワーフ族の男性はそう返した。
「そう……」
女性は、男性の言葉に頷いた。
「最近、ドワーフ族で召喚された勇者を狙おうとしてる勢力が動いているみたいだからね…………訓練もいいけど、気を付けなよ」
女性は、憂いにも似た目をしながらそう言った。心配しているのだろう。新しく召喚された勇者の事を。
「はい、気を付けます」
ドワーフ族の男性─────テギルは、女性の言葉に頷いた。
「じゃあ、私は行くから。今後とも宜しく頼んだわよ」
女性はそう言うと、テーブルに六〇〇〇ピアー分の代金を置いて、店をあとにした。
テギルは、店を出ていく女性の背中を見送ったのだった。────自然と漏れ出る不気味な笑みと共に。
「────『氷結』………」
「コオオオォォォォォ!?」
「キシャアアアァァァ!?」
「グルゥ!?」
魔物達がみるみるうちに凍っていくではないか。魔物達は、悲鳴をあげながらなす術もなく、氷の中に閉じ込められていく。
「す、凄い…………」
ルーパはその光景に目を丸くした。でも、いったい誰がやったというのか。
「……ルーパ大丈夫…………?」
ルーパは、聞き覚えのある声を耳にし、瞑っていた目を開けて上を向く。そこには─────
「エレナお姉ちゃんに…………レクス。それに、みんな…………」
ルーパはそう呟いた。
「助けに来るのが遅くなったね、ごめん」
レクスは申し訳なさそうな顔でそう言った。ルーパはふるふる…………とゆっくり首を横に振る。何はどうあれ、助けることができて良かった。
「レクス…………私よりも、カレンお姉ちゃんが…………!」
深刻そうな表情で、カレンが倒れているのを指差してそう言うルーパ。何か大きなダメージを受けたり、状態異常に陥っているのだろうか。
レクスはカレンのもとまで行って、『見る』で身体の状態を確認しようとしたが────すぐにその必要はないと分かった。
「すぅ…………すぅ…………」
寝息を立ててるのが聞こえたからだ。取り敢えず、死んではいないだろう。レクスはほっと息をついた。
「マスター、状態を見ましたが、スコーピオンの睡眠針で眠らされているだけのようです」
「……よかった…………」
ルーパはネムの声を聞くと、安心したようにそう呟き、パタッ…………と倒れた。気力だけでなんとか保っていたという感じだろうか。
「『回復』」
レクスは一応、二人に『回復』をかけておいた。カレンの状態異常なども一緒に回復させたので、直に目を覚ますだろう。
「それにしても…………どの魔物も砂漠にいる魔物ばかりね…………」
ミーシャは氷の中で固まっている魔物を見て、そう呟いた。そう。ユビネス大森林帯の魔物ではなく、ほとんど砂漠の魔物なのだ。
「…………これは一度、砂漠を見た方が良さそうだね…………」
ここまで多くの砂漠の魔物がここに来るのは異常だ。加えて、キングワームの件もある。一度調査してみるべきだろう。
レクスは、地図を取り出して件の砂漠の位置を調べる。地図は常に魔法袋に常備している。何かあった時のために、一応。
「人形、ちょっと『キントランカ砂漠』を見てきて」
レクスは魔法袋から鳥型の人形を取り出し、そう命じた。
《了解しました》
鳥型の人形の声が脳内に響くと、鳥型の人形は『キントランカ砂漠』に向かって飛んでいった。
◇◆◇◆◇
「どう? あの子の調子は」
「はい、順調に育っております」
ドワーフ族の女性の言葉に、ドワーフ族の男性はそう返した。
「そう……」
女性は、男性の言葉に頷いた。
「最近、ドワーフ族で召喚された勇者を狙おうとしてる勢力が動いているみたいだからね…………訓練もいいけど、気を付けなよ」
女性は、憂いにも似た目をしながらそう言った。心配しているのだろう。新しく召喚された勇者の事を。
「はい、気を付けます」
ドワーフ族の男性─────テギルは、女性の言葉に頷いた。
「じゃあ、私は行くから。今後とも宜しく頼んだわよ」
女性はそう言うと、テーブルに六〇〇〇ピアー分の代金を置いて、店をあとにした。
テギルは、店を出ていく女性の背中を見送ったのだった。────自然と漏れ出る不気味な笑みと共に。
10
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。