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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
取り敢えず行ってみたら…………
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「カレンとルーパ、帰って来るの遅いなぁ…………」
レクスははぁ…………とため息をつきながらそう言った。寄り道してるにしたって、三時間以上経っても帰ってこないのは遅すぎる。
「書類も丁度片付け終わったし、ちょっとユビネス大森林帯まで行こうかな」
レクスはそんなことを言った。これだけ帰りが遅いとなるとカレン達が心配だ。無事なら無事でそれはいいのだが…………。
「レクス…………私も、行く………」
エレナがそう言った。エレナ達は先程からレクスの部屋でゲームをしていた。
「私達も行くわ」
ミーシャもそう言った。エレナの私も発言に対抗(?)するかのように。
「じゃあ…………っとその前に」
レクスは鳥型の人形を取り出して、ユビネス大森林帯に向けて窓から飛ばした。別に『見る』を使って探してもいいのだが…………『日常動作』は連続で使い過ぎると精度を落としてしまうのだ。一定時間経てば回復はする。しかし、なるべく無闇には使わないようにしたい。
「ん…………?」
レクスは、鳥型の人形の視界を通して、魔物の大群が見えた。その魔物のほとんどが、砂漠の魔物であった。
「なっ…………!?」
そして、その魔物の大群と交戦しているのは─────カレンとルーパだ。二人とも、遠目から見ても分かるほど疲労が激しい。一刻も早く助けに向かわなければ、最悪の事態を招くことになりかねない。
「みんな…………僕が見たところ、ユビネス大森林帯に魔物の大群が押し寄せてる。しかも今、カレンとルーパが交戦してる…………」
レクスは心配したような表情でそう言った。
「じゃあ、早く助けに行きましょ!」
ミーシャはそう言った。レクスの不安を和らげるかのように優しく微笑みながら。
「…………うん、そうだね」
レクス達一行は、カレンとルーパ救出のためにユビネス大森林帯へと向かうのだった。
◇◆◇◆◇
「コオオオォォォォォ!!」
ワーム達が身体から溶解液を出す。ワーム達はところ構わず辺りに撒き散らした。近くの魔物も溶解液で溶けているが、気にしていないようだ。恐らく、カレン達を牽制するのが目的だろう。これで、迂闊には近寄れない。
「キシャアアアァァァ!!」
スコーピオンが睡眠針を飛ばしてきた。ルーパに向かって睡眠針が飛んでいく。ルーパは他の魔物に夢中で、睡眠針が飛んできたことに気づいていない。
「ルーパ!!」
カレンは急いでルーパを押し退け、自分もその針を避けようと身体を屈めた。しかし────
「くっ…………!」
カレンの腕を針がかすめた。微かに痛みが走る。
「カレンお姉ちゃん…………! 大丈夫!?」
「うん、なんとか、ね…………!?」
カレンは、突然の眠気に襲われた。耐え難い眠気だ。今すぐにでも眠ってしまいたいほどだ。しかし─────ここで倒れる訳にはいかない。
「──────っ!!」
カレンは自分に向かって小さな魔力弾を一発放つ。鋭い痛みがカレンを襲う。これで、なんとか眠気には対抗できそうだが…………。
「これじゃ、思うように動けないね…………」
それでも眠気が邪魔して、動くことが出来ない。身体が重いのだ。
「カレンお姉ちゃん…………!」
しっかりして! と叫ぶルーパ。
(あれ…………? 眠気が収まらない…………。でも、ルーパを一人には出来ない…………)
頭もしっかりと働かない中でカレンはそんなことを思った。
「カレンお姉ちゃん!!」
カレンは遂に眠ってしまった。眠気に耐えきれると思ったが、耐えきれなかったようだ。
「………………っ! 私のせいで…………!」
ルーパは自分の不注意を悔やんだ。目の前には、魔物の大群が迫ってくるのが見える。
「────────っ」
倒しても倒しても迫ってくる魔物達。もう、駄目だ───────
ルーパも技を使用しすぎたのか、消耗して疲れきってしまい、地面に膝をついて諦めて目を閉じたのだった。
レクスははぁ…………とため息をつきながらそう言った。寄り道してるにしたって、三時間以上経っても帰ってこないのは遅すぎる。
「書類も丁度片付け終わったし、ちょっとユビネス大森林帯まで行こうかな」
レクスはそんなことを言った。これだけ帰りが遅いとなるとカレン達が心配だ。無事なら無事でそれはいいのだが…………。
「レクス…………私も、行く………」
エレナがそう言った。エレナ達は先程からレクスの部屋でゲームをしていた。
「私達も行くわ」
ミーシャもそう言った。エレナの私も発言に対抗(?)するかのように。
「じゃあ…………っとその前に」
レクスは鳥型の人形を取り出して、ユビネス大森林帯に向けて窓から飛ばした。別に『見る』を使って探してもいいのだが…………『日常動作』は連続で使い過ぎると精度を落としてしまうのだ。一定時間経てば回復はする。しかし、なるべく無闇には使わないようにしたい。
「ん…………?」
レクスは、鳥型の人形の視界を通して、魔物の大群が見えた。その魔物のほとんどが、砂漠の魔物であった。
「なっ…………!?」
そして、その魔物の大群と交戦しているのは─────カレンとルーパだ。二人とも、遠目から見ても分かるほど疲労が激しい。一刻も早く助けに向かわなければ、最悪の事態を招くことになりかねない。
「みんな…………僕が見たところ、ユビネス大森林帯に魔物の大群が押し寄せてる。しかも今、カレンとルーパが交戦してる…………」
レクスは心配したような表情でそう言った。
「じゃあ、早く助けに行きましょ!」
ミーシャはそう言った。レクスの不安を和らげるかのように優しく微笑みながら。
「…………うん、そうだね」
レクス達一行は、カレンとルーパ救出のためにユビネス大森林帯へと向かうのだった。
◇◆◇◆◇
「コオオオォォォォォ!!」
ワーム達が身体から溶解液を出す。ワーム達はところ構わず辺りに撒き散らした。近くの魔物も溶解液で溶けているが、気にしていないようだ。恐らく、カレン達を牽制するのが目的だろう。これで、迂闊には近寄れない。
「キシャアアアァァァ!!」
スコーピオンが睡眠針を飛ばしてきた。ルーパに向かって睡眠針が飛んでいく。ルーパは他の魔物に夢中で、睡眠針が飛んできたことに気づいていない。
「ルーパ!!」
カレンは急いでルーパを押し退け、自分もその針を避けようと身体を屈めた。しかし────
「くっ…………!」
カレンの腕を針がかすめた。微かに痛みが走る。
「カレンお姉ちゃん…………! 大丈夫!?」
「うん、なんとか、ね…………!?」
カレンは、突然の眠気に襲われた。耐え難い眠気だ。今すぐにでも眠ってしまいたいほどだ。しかし─────ここで倒れる訳にはいかない。
「──────っ!!」
カレンは自分に向かって小さな魔力弾を一発放つ。鋭い痛みがカレンを襲う。これで、なんとか眠気には対抗できそうだが…………。
「これじゃ、思うように動けないね…………」
それでも眠気が邪魔して、動くことが出来ない。身体が重いのだ。
「カレンお姉ちゃん…………!」
しっかりして! と叫ぶルーパ。
(あれ…………? 眠気が収まらない…………。でも、ルーパを一人には出来ない…………)
頭もしっかりと働かない中でカレンはそんなことを思った。
「カレンお姉ちゃん!!」
カレンは遂に眠ってしまった。眠気に耐えきれると思ったが、耐えきれなかったようだ。
「………………っ! 私のせいで…………!」
ルーパは自分の不注意を悔やんだ。目の前には、魔物の大群が迫ってくるのが見える。
「────────っ」
倒しても倒しても迫ってくる魔物達。もう、駄目だ───────
ルーパも技を使用しすぎたのか、消耗して疲れきってしまい、地面に膝をついて諦めて目を閉じたのだった。
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