スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)

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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~

弱点がそこだったなんて……………

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「おえ~……………気持ち悪い…………。早く帰って風呂に入りたい……………」


 レクスの身体は粘液まみれになっていた。原因はあのドラゴンの口の中に入ったからだ。なぜ、あのドラゴンの口の中に入ったかと言えば──────口蓋垂、いわゆる喉ち……………が弱点だったからだ。まあ、言いづらいのであえてこういう言い方をしているのは分かって欲しい。


 因みに、ドラゴンの残骸なら、湖に沈んだかと思ったら、そのまま光の粒子になって消えていった。これは、ダンジョン特有の消え方だった。気にならないと言えば嘘になるが、今気にしても仕方がないため、頭の片隅に留めておくことにした。


「レクスーーーーー!!」


 イルミは『守る』の障壁が解けて、レクスの元へ駆け寄っていってそのまま抱きつこうと手を伸ばし──────


「イルミ、止まって! 今の僕はすごいヌルヌルしてるから!!」


 しかし、イルミはレクスの言葉に耳を貸すことなく、そのまま抱きついてきた。イルミもべっちょり…………とドラゴンの唾液がついてしまった。二人とも臭くなってしまった。


「イルミ、ちょっと………………」


「良かった、良かったよぉ……………! レクスが死ななくて……………! 生きてて……………!!」


 イルミの顔は涙で濡れていた。今までに辛い経験があったのかは分からないが……………その顔は酷く安堵したような表情だった。


(そういえば、封印師の事で嫌な思い出があって、それを蘇らせちゃったとしたら、それは悪かったなぁ……………)


 レクスは、泣きながら抱きつくイルミに苦笑しながらそんなことを思った。


「ご、ごめんね、不安にさせちゃって……………」


「ほんとだよ……………! もう、無茶はしないでね……………!」


 ひぐっ、ひぐっと泣きながらそう言うイルミ。レクスはイルミが泣き止むまで、暫くそのままでいたのだった。



◇◆◇◆◇


 イルミが泣き止んでから暫くして。レクス達は少し湖で休んでいた。今日は別に何かをあるわけでもないので、時間は大丈夫だ。帰りもレクスがおぶって走っていくので、今日中には間に合うだろう。


「その……………今日はありがとね」


 イルミは改めて礼を言った。やはり、泣いたあとは少し話しづらいというもの。


「うん。怪我はなかった?」


「うん、レクスが守ってくれたから……………」


 そのあと、暫く無言が続く二人。だが、自然と悪い空気ではなかった。湖も無事に綺麗に戻り、澄みわたるように透明だ。今はなんの生き物もいないが、そのうちここにいた生き物や魔物なんかも戻ってくるだろう。─────と。


「──────あっ!? 湖が綺麗になってる!!」


「んあ? 湖が綺麗になってるって、んなわけ───────って、うっわ、ガチで綺麗になってんじゃねえか!!」


 レクス達とは逆方向から来た別のパーティーが口々にそう言って驚いていた。


「ぼ、僕っ、急いで長老様に知らせて来る!!」


 そう言うと、小太りの青年は急いでもと来た道を走っていった。他のパーティーメンバーは、先客で湖にいたレクス達に興味深々で近づいてくる。その人達の特徴と言えば、耳が少し長く、みな金髪であることだ。エルフ族に似てるけど、少し違うような……………


「ねえねえ、ここの湖のドラゴンを倒したのって、君達?」


 そのパーティーメンバーの内、金髪のロングヘアーにパッチリとした瞳が特徴的な女性がそう尋ねてきた。


「え、ええ……………まあ、そうですけど」


「正確には、こちらにいるレクスが倒しました」


 イルミがレクスの方に視線をやって、そう言った。


「一人であの竜を!? すごーい!! あたし達でも倒せなかったのに! あなた、人間ヒューマンよね?」


 心底驚いたようにそう言う女性。


「そうですけど……………。一回挑まれたんですか?」


「そーなのよ。でも、こっぴどく負けちゃってね」


 女性は苦笑しながらそう言った。
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