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序章 ルフスの日常
Prologue:1 機工都市ルフス
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ゼネラル大陸西部 春の大地・プリマヴェーラ。
大地の南西に広がるアハト山岳を越えて、周囲を鉱山に囲まれた広い草原と森林の中に一つの大きな街がある。
大陸四大都市の一つ、機工都市ルフス。
都市のまわりはぐるりと城塞のような鉄の壁で囲われ、都市の中央にはそんな城塞よりも大きく高くそびえ立つ鉄塔が見える。
その鉄塔の天辺に視線を向けると空に鳥のような何かが飛んでいるのが見える、よく目を凝らしてみるとそれは鳥では無く、白い鉄の球体だった。
―――――
ルフス、中央大通り――。
時刻は夕焼けが空を赤く染める黄昏時、人々が夕飯の買い物、帰路に就くため、それぞれが目的を持って大通りを歩いている。
(もうこんな時間かぁ、研究室に引きこもってると時間の感覚が鈍るな……)
その中で白衣に身を包んだ青年が一人。
その青年の横を誰かが駆けていった。
(うん?)
青年“レイル・ラウバーン”の隣を駆け抜けていった男性は軍服を着ていた、背中に盾と翼が描かれたエンブレムが縫い付けられている。都市に住む者なら誰もが知っているエンブレムだった。
(“防衛部隊”の人だ。あんなに急いでるってことは何かあったのかな)
機工都市ルフス直属の防衛部隊・フェンリルの制服を着た男の背中が小さくなっていくのをぼう、と眺めていると後ろから走ってきた誰かがレイルの背中をポンと叩いた。
「よっ」
「あぁ、ディアス」
レイルの背を叩いたのは彼の幼馴染第一号の“ディアス・フィルト”だった。
白いメッシュが入った金髪と透き通ったブルーの瞳が特徴的で、耳にはピアスが複数、首からネックレスを下げ、指には指輪が四つはめられている。だがどれも魔法的な効果はなくオシャレの為に身に着けているただのシルバーアクセサリ。
第一印象は“チャラ男”……といった感じだろう。
彼もフェンリルの制服を着用していた。
こう見えて、彼も都市を守る防衛部隊員なのだ。
「どうしたの? 何か急いでる様子だけど」
「いやぁ。いつものように魔物共が都市近辺に現れたんよぉ」
かなり砕けた口調でディアスは言う。
「また、アレに寄ってきたのか――」
レイルはチラリと中央塔へと視線を向けて、話を続けた。
「でも“機工迎撃装置”があるからそんな大事にはならないんじゃない?」
「ところがどっこい! 興味深いことにソイツには迎撃装置の魔法攻撃が一切効かないみたいなんさぁ」
「効かない? リッチとかウィザードゴブリンとか……魔法に長けた魔物なの?」
「いいや、ただのサイクロプスだ。あの脳筋一つ目棍棒野郎。
引き連れていた他の小物共は撃退できたんだが、ソイツだけ魔法攻撃を完全に無力化してズカズカ猪突猛進、ってワケ」
「サイクロプスが魔法を無効化……? ふぅん」
一つ目の巨人・サイクロプス。3メートル以上はある巨体と一つしかない目が特徴的な魔物、知能は低く単細胞、歩いて三秒で餌を食べたことを忘れまた餌を取りに行くレベル。
当然魔法は不得手。基本的な戦闘スタイルはただひたすら棍棒で叩く、壊す、乱雑で豪快でシンプル。
そんな魔物が魔法を寄せ付けない術を身に着けている――。
“少し”興味をそそられるワードを聞いたレイルの様子を見て、ディアスはにやりと笑みを浮かべる。
「そこで、どうだレイル。見に来ないか?」
「え」
「興味あるだろお前~」
「う、興味は……。でも、バレたらリンクさんにこっ酷く叱られると思うんだけれど」
「ど~してサイクロプスが魔法を無効化してるのか、気になるよな?」
実はレイル先生が知らない何かがあったり~?」
「はぁ、わかった。行くよ、正直めちゃくちゃ気になってる!」
「よーしよし素直ちゃんだ」
「む。バレたらディアスのおごりで超高いところでご飯ね」
「うげ……今月キツインダケド」
「さっさといくよディアス」
「う、うっす!」
こうしてレイルはディアスと共に都市郊外へ向かうのであった。
大地の南西に広がるアハト山岳を越えて、周囲を鉱山に囲まれた広い草原と森林の中に一つの大きな街がある。
大陸四大都市の一つ、機工都市ルフス。
都市のまわりはぐるりと城塞のような鉄の壁で囲われ、都市の中央にはそんな城塞よりも大きく高くそびえ立つ鉄塔が見える。
その鉄塔の天辺に視線を向けると空に鳥のような何かが飛んでいるのが見える、よく目を凝らしてみるとそれは鳥では無く、白い鉄の球体だった。
―――――
ルフス、中央大通り――。
時刻は夕焼けが空を赤く染める黄昏時、人々が夕飯の買い物、帰路に就くため、それぞれが目的を持って大通りを歩いている。
(もうこんな時間かぁ、研究室に引きこもってると時間の感覚が鈍るな……)
その中で白衣に身を包んだ青年が一人。
その青年の横を誰かが駆けていった。
(うん?)
青年“レイル・ラウバーン”の隣を駆け抜けていった男性は軍服を着ていた、背中に盾と翼が描かれたエンブレムが縫い付けられている。都市に住む者なら誰もが知っているエンブレムだった。
(“防衛部隊”の人だ。あんなに急いでるってことは何かあったのかな)
機工都市ルフス直属の防衛部隊・フェンリルの制服を着た男の背中が小さくなっていくのをぼう、と眺めていると後ろから走ってきた誰かがレイルの背中をポンと叩いた。
「よっ」
「あぁ、ディアス」
レイルの背を叩いたのは彼の幼馴染第一号の“ディアス・フィルト”だった。
白いメッシュが入った金髪と透き通ったブルーの瞳が特徴的で、耳にはピアスが複数、首からネックレスを下げ、指には指輪が四つはめられている。だがどれも魔法的な効果はなくオシャレの為に身に着けているただのシルバーアクセサリ。
第一印象は“チャラ男”……といった感じだろう。
彼もフェンリルの制服を着用していた。
こう見えて、彼も都市を守る防衛部隊員なのだ。
「どうしたの? 何か急いでる様子だけど」
「いやぁ。いつものように魔物共が都市近辺に現れたんよぉ」
かなり砕けた口調でディアスは言う。
「また、アレに寄ってきたのか――」
レイルはチラリと中央塔へと視線を向けて、話を続けた。
「でも“機工迎撃装置”があるからそんな大事にはならないんじゃない?」
「ところがどっこい! 興味深いことにソイツには迎撃装置の魔法攻撃が一切効かないみたいなんさぁ」
「効かない? リッチとかウィザードゴブリンとか……魔法に長けた魔物なの?」
「いいや、ただのサイクロプスだ。あの脳筋一つ目棍棒野郎。
引き連れていた他の小物共は撃退できたんだが、ソイツだけ魔法攻撃を完全に無力化してズカズカ猪突猛進、ってワケ」
「サイクロプスが魔法を無効化……? ふぅん」
一つ目の巨人・サイクロプス。3メートル以上はある巨体と一つしかない目が特徴的な魔物、知能は低く単細胞、歩いて三秒で餌を食べたことを忘れまた餌を取りに行くレベル。
当然魔法は不得手。基本的な戦闘スタイルはただひたすら棍棒で叩く、壊す、乱雑で豪快でシンプル。
そんな魔物が魔法を寄せ付けない術を身に着けている――。
“少し”興味をそそられるワードを聞いたレイルの様子を見て、ディアスはにやりと笑みを浮かべる。
「そこで、どうだレイル。見に来ないか?」
「え」
「興味あるだろお前~」
「う、興味は……。でも、バレたらリンクさんにこっ酷く叱られると思うんだけれど」
「ど~してサイクロプスが魔法を無効化してるのか、気になるよな?」
実はレイル先生が知らない何かがあったり~?」
「はぁ、わかった。行くよ、正直めちゃくちゃ気になってる!」
「よーしよし素直ちゃんだ」
「む。バレたらディアスのおごりで超高いところでご飯ね」
「うげ……今月キツインダケド」
「さっさといくよディアス」
「う、うっす!」
こうしてレイルはディアスと共に都市郊外へ向かうのであった。
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