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序章 ルフスの日常
Prologue:4 魔法研究所
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ディアスは草原に残った魔法礼装の元へ向かった。
巨体のサイクロプスが装備していた時は小さく見えていたがこうしてディアスが手に取ってみると長剣サイズの大きさの黒い十字架。
しかし重くはなく、想像より軽い。まるで炭でできているかのようだった。
炭の皹の部分には赤い血のような線が入っており、目を凝らしてみると僅かに動いている。
魔法的な何かは感じられない、触れている手が少しピリピリと魔力で刺激されるくらいだ。
「ふ~ん、驚くほど魔法の気配を感じないな……」
ディアスはまじまじと観察しながら、述べる。
「本当に、魔法礼装なのですか?」
駆け寄った隊員の一人が言う。
「レイル曰くな。なーんでサイクロプス如きがコレを持っていたんだろうな、……魔法研究所に持っていけば出どころが掴めるかねェ」
「では我々が」
「いんや、俺が持ってくよ。レイルも興味深々みたいだし?」
「そうですか。
……ところでディアスさん、あまりレイル様を危険な場所に連れ出すのはよろしくないのでは」
「あーんー。そうだな、このことは黙っておいてくれないか? なっ!」
「わ、我々も総隊長様からのお叱りは受けたくないので、そうさせていただきます……」
「では戻りましょう」
一通りの話を終えて隊員達は都市へと戻っていく、遠くでそれを見守っていたレイルの元にディアスが魔法礼装を担いで走ってきた。
「おっすお待たせぃ!」
「お疲れさま、やっぱり魔法礼装だったみたいだね。こんなに近づいても魔力を一切感じないってのも変な話だけど」
「色々と気になるな。コイツを魔法研究所の“ソア”の所に持ってって解析してもらおうぜ」
―――――
大きな黒い十字架を担いでいる、というのは相当注目を浴びるようでレイルとディアスは周囲の視線を一身に浴びながら魔法研究所へと向かった。
魔法研究所・第七魔法研究室。
部屋のドアを開けると一人の少女が本を読みながら唸っていた。
「う~……ふふ、ふふふ。
気になりますアデンコール王朝の遺跡群……!いってみたいなぁ~うふふふ」
「おーい」とディアスが呼びかけるが反応は返ってこない。
「夏の大地のグレートウォールも楽しそうだなぁ、えへへへへへ」
「そあちーん?」
再び声をかけても、気付いていないご様子。
ディアスは苦笑いしつつレイルの肩を叩き、お前が声を掛けろとジェスチャーをした。
「空中都市の項目はいつ読んでもワクワクす――「ソア?」
「ひゃわああああああっ!?!」
レイルが声をかけた途端、ソアと呼ばれた少女は奇声をあげながら本をぶん投げて顔を真っ赤にしながら物凄い速さで後ずさり、思いっきり壁に激突した。
が、その衝撃などものともせず二人を指差しながら“あわあわ”しつつ問いかけた。
「えっ!? えっ! 何でここに居るの!? ノックは?!」
「した」「うん」
「嘘! 気付かなかったもん!」
彼女の名は“ソア・ファルネイル”。レイルの幼馴染第二号。
肩まで伸びた明るいオレンジ色の艶のある髪が印象的な少女。天使のような振る舞いと太陽のように眩しい笑顔で理系男子や体育会系男子(つまりはこの都市の野郎共全員)のハートを鷲掴みにし、一部の男性陣からは都市のアイドルと呼ばれている、とかとか。
かなりの遺跡マニアで趣味は遺跡について考えること、それだけで幸せになれるらしい。
「結構うるさくノックしたんだけどなぁ……。てことで気を取り直して、やっほーそあちん」
「本当に遺跡好きだねぇソア」
「ぐううう……」
ソアは手で顔を覆いながら、床に座り込んでピクリとも動かない。
レイルは床に落ちた「ザ・ゼネラル遺跡大辞典」を手に取り、ぱらぱらとめくり始めた。
「はぁあああ……さいあくぅう……。
で、何の用さぁ」
ソアは顔を覆っている手を少し開いて、指の隙間から二人を見つつ言った。
「おう、これを調べて欲しくてな」
「黒い十字架……?」
――――。
巨体のサイクロプスが装備していた時は小さく見えていたがこうしてディアスが手に取ってみると長剣サイズの大きさの黒い十字架。
しかし重くはなく、想像より軽い。まるで炭でできているかのようだった。
炭の皹の部分には赤い血のような線が入っており、目を凝らしてみると僅かに動いている。
魔法的な何かは感じられない、触れている手が少しピリピリと魔力で刺激されるくらいだ。
「ふ~ん、驚くほど魔法の気配を感じないな……」
ディアスはまじまじと観察しながら、述べる。
「本当に、魔法礼装なのですか?」
駆け寄った隊員の一人が言う。
「レイル曰くな。なーんでサイクロプス如きがコレを持っていたんだろうな、……魔法研究所に持っていけば出どころが掴めるかねェ」
「では我々が」
「いんや、俺が持ってくよ。レイルも興味深々みたいだし?」
「そうですか。
……ところでディアスさん、あまりレイル様を危険な場所に連れ出すのはよろしくないのでは」
「あーんー。そうだな、このことは黙っておいてくれないか? なっ!」
「わ、我々も総隊長様からのお叱りは受けたくないので、そうさせていただきます……」
「では戻りましょう」
一通りの話を終えて隊員達は都市へと戻っていく、遠くでそれを見守っていたレイルの元にディアスが魔法礼装を担いで走ってきた。
「おっすお待たせぃ!」
「お疲れさま、やっぱり魔法礼装だったみたいだね。こんなに近づいても魔力を一切感じないってのも変な話だけど」
「色々と気になるな。コイツを魔法研究所の“ソア”の所に持ってって解析してもらおうぜ」
―――――
大きな黒い十字架を担いでいる、というのは相当注目を浴びるようでレイルとディアスは周囲の視線を一身に浴びながら魔法研究所へと向かった。
魔法研究所・第七魔法研究室。
部屋のドアを開けると一人の少女が本を読みながら唸っていた。
「う~……ふふ、ふふふ。
気になりますアデンコール王朝の遺跡群……!いってみたいなぁ~うふふふ」
「おーい」とディアスが呼びかけるが反応は返ってこない。
「夏の大地のグレートウォールも楽しそうだなぁ、えへへへへへ」
「そあちーん?」
再び声をかけても、気付いていないご様子。
ディアスは苦笑いしつつレイルの肩を叩き、お前が声を掛けろとジェスチャーをした。
「空中都市の項目はいつ読んでもワクワクす――「ソア?」
「ひゃわああああああっ!?!」
レイルが声をかけた途端、ソアと呼ばれた少女は奇声をあげながら本をぶん投げて顔を真っ赤にしながら物凄い速さで後ずさり、思いっきり壁に激突した。
が、その衝撃などものともせず二人を指差しながら“あわあわ”しつつ問いかけた。
「えっ!? えっ! 何でここに居るの!? ノックは?!」
「した」「うん」
「嘘! 気付かなかったもん!」
彼女の名は“ソア・ファルネイル”。レイルの幼馴染第二号。
肩まで伸びた明るいオレンジ色の艶のある髪が印象的な少女。天使のような振る舞いと太陽のように眩しい笑顔で理系男子や体育会系男子(つまりはこの都市の野郎共全員)のハートを鷲掴みにし、一部の男性陣からは都市のアイドルと呼ばれている、とかとか。
かなりの遺跡マニアで趣味は遺跡について考えること、それだけで幸せになれるらしい。
「結構うるさくノックしたんだけどなぁ……。てことで気を取り直して、やっほーそあちん」
「本当に遺跡好きだねぇソア」
「ぐううう……」
ソアは手で顔を覆いながら、床に座り込んでピクリとも動かない。
レイルは床に落ちた「ザ・ゼネラル遺跡大辞典」を手に取り、ぱらぱらとめくり始めた。
「はぁあああ……さいあくぅう……。
で、何の用さぁ」
ソアは顔を覆っている手を少し開いて、指の隙間から二人を見つつ言った。
「おう、これを調べて欲しくてな」
「黒い十字架……?」
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