19 / 90
19.お嫁さんのお腹が大きい
しおりを挟む
僕は枝の上を歩けないから、ディーの抱っこで移動する。この木に住んでるシエル達は、歩くのがとっても上手だった。蔓も使うけど、手足だけでも簡単に移動しちゃう。
僕は真似しようとして、いきなり落ちた。すぐにディーが捕まえてくれたけど、心臓が止まりそうになったみたい。危ないからやめるね。ぎゅっとディーの服を掴んだ僕は、下の枝まで空中を移動する。羽を出して飛ぶディーは、ゆっくりと下の家についた。
下の枝は上より太くて、ガッチリしている。上に板を並べて、落ちないように床も作ってあった。赤ちゃんのいる人が落ちると大変だから、皆で作ったんだって。お家はシエルのお家より小さい。中に入るとお部屋が作ってあった。
「産むのもここで行うんだ」
お腹が大きくなって移動が大変になったら、この家に引っ越す。生まれたら赤ちゃんを抱っこして、また自分のお家で暮らすと聞いた。じゃあ、お嫁さんも赤ちゃんが産まれたら、シエルのお家に帰るんだね。
「おいで、ルン」
部屋は分かれているけど、壁じゃなくてカーテンの布だった。天井から吊るした布を捲ったシエルの後ろから、ちょっとだけ顔を見せる。綺麗なお姉さんがいた。やっぱり茶色い肌と緑の髪で目は金色。
「こんにちは」
頑張って挨拶したら、知らない言葉で返ってきた。ぱちぱちと瞬きする僕に、シエルが「ようこそ、だってさ」と教えてくれる。ありがとうと伝えて、お腹を撫でさせてもらった。赤ちゃんがすっぽり入ったお腹は、弾けそうだよ。
中から破れちゃうことはないのか、不安でこっそり尋ねた。だって聞こえたら、お嫁さんも怖いと思う。ディーは僕の話を聞いて、大丈夫だと返事をくれた。僕も同じように、お母さんのお腹で大きくなったのかな。
シエルを間に挟んで、何回か話をした。疲れちゃったのか、お嫁さんは少しすると横になる。元気な赤ちゃんが出てくるように、とお腹をたくさん撫でた。
シエルのお家へ戻るのも、ディーの抱っこだ。シエルはお嫁さんとお話しして来るから、僕達だけ先にお家へ向かう。興奮して疲れたのか、僕も眠くなっちゃった。朝も早かったの。
「少し昼寝をしよう」
一緒に寝るディーにぎゅっと抱きついて、目を閉じる。僕のお腹に毛布が掛けられた。
起きたらご飯が並んでいる。運ぶところを見たかったな。そう呟いたら、ディーが今晩も泊まるから見られるぞ、と笑った。ディーのお家の方角のお天気がよくないから、今夜は飛ばない。明日のお昼を過ぎたら、お天気が戻って飛べるみたい。
三人で一緒にご飯を食べた。ふと気になる。
「お嫁さんは一人で食べるの?」
「同じ妊婦と食べるから平気だ」
シエルの言葉で、妊婦はわからない。首を傾げて聞いたら、お腹の大きな人だって。それをディーが言い直す。赤ちゃんがお腹にいる女性のこと? ちゃんと覚えておくね。頷いて、僕は食べ終えたお腹を撫でた。
お腹大きいだけだと、僕も妊婦になっちゃうもん。赤ちゃんがいないから、僕は違う。大丈夫、覚えたよ。ぽんとお腹を叩いたら、いい音がした。
僕は真似しようとして、いきなり落ちた。すぐにディーが捕まえてくれたけど、心臓が止まりそうになったみたい。危ないからやめるね。ぎゅっとディーの服を掴んだ僕は、下の枝まで空中を移動する。羽を出して飛ぶディーは、ゆっくりと下の家についた。
下の枝は上より太くて、ガッチリしている。上に板を並べて、落ちないように床も作ってあった。赤ちゃんのいる人が落ちると大変だから、皆で作ったんだって。お家はシエルのお家より小さい。中に入るとお部屋が作ってあった。
「産むのもここで行うんだ」
お腹が大きくなって移動が大変になったら、この家に引っ越す。生まれたら赤ちゃんを抱っこして、また自分のお家で暮らすと聞いた。じゃあ、お嫁さんも赤ちゃんが産まれたら、シエルのお家に帰るんだね。
「おいで、ルン」
部屋は分かれているけど、壁じゃなくてカーテンの布だった。天井から吊るした布を捲ったシエルの後ろから、ちょっとだけ顔を見せる。綺麗なお姉さんがいた。やっぱり茶色い肌と緑の髪で目は金色。
「こんにちは」
頑張って挨拶したら、知らない言葉で返ってきた。ぱちぱちと瞬きする僕に、シエルが「ようこそ、だってさ」と教えてくれる。ありがとうと伝えて、お腹を撫でさせてもらった。赤ちゃんがすっぽり入ったお腹は、弾けそうだよ。
中から破れちゃうことはないのか、不安でこっそり尋ねた。だって聞こえたら、お嫁さんも怖いと思う。ディーは僕の話を聞いて、大丈夫だと返事をくれた。僕も同じように、お母さんのお腹で大きくなったのかな。
シエルを間に挟んで、何回か話をした。疲れちゃったのか、お嫁さんは少しすると横になる。元気な赤ちゃんが出てくるように、とお腹をたくさん撫でた。
シエルのお家へ戻るのも、ディーの抱っこだ。シエルはお嫁さんとお話しして来るから、僕達だけ先にお家へ向かう。興奮して疲れたのか、僕も眠くなっちゃった。朝も早かったの。
「少し昼寝をしよう」
一緒に寝るディーにぎゅっと抱きついて、目を閉じる。僕のお腹に毛布が掛けられた。
起きたらご飯が並んでいる。運ぶところを見たかったな。そう呟いたら、ディーが今晩も泊まるから見られるぞ、と笑った。ディーのお家の方角のお天気がよくないから、今夜は飛ばない。明日のお昼を過ぎたら、お天気が戻って飛べるみたい。
三人で一緒にご飯を食べた。ふと気になる。
「お嫁さんは一人で食べるの?」
「同じ妊婦と食べるから平気だ」
シエルの言葉で、妊婦はわからない。首を傾げて聞いたら、お腹の大きな人だって。それをディーが言い直す。赤ちゃんがお腹にいる女性のこと? ちゃんと覚えておくね。頷いて、僕は食べ終えたお腹を撫でた。
お腹大きいだけだと、僕も妊婦になっちゃうもん。赤ちゃんがいないから、僕は違う。大丈夫、覚えたよ。ぽんとお腹を叩いたら、いい音がした。
349
あなたにおすすめの小説
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
好きすぎます!※殿下ではなく、殿下の騎獣が
和島逆
恋愛
「ずっと……お慕い申し上げておりました」
エヴェリーナは伯爵令嬢でありながら、飛空騎士団の騎獣世話係を目指す。たとえ思いが叶わずとも、大好きな相手の側にいるために。
けれど騎士団長であり王弟でもあるジェラルドは、自他ともに認める女嫌い。エヴェリーナの告白を冷たく切り捨てる。
「エヴェリーナ嬢。あいにくだが」
「心よりお慕いしております。大好きなのです。殿下の騎獣──……ライオネル様のことが!」
──エヴェリーナのお目当ては、ジェラルドではなく獅子の騎獣ライオネルだったのだ。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
昭和生まれお局様は、異世界転生いたしましたとさ
蒼あかり
ファンタジー
局田舞子(つぼたまいこ)43歳、独身。
とある事故をきっかけに、彼女は異世界へと転生することになった。
どうしてこんなことになったのか、訳もわからぬままに彼女は異世界に一人放り込まれ、辛い日々を過ごしながら苦悩する毎日......。
など送ることもなく、なんとなく順応しながら、それなりの日々を送って行くのでありました。
そんな彼女の異世界生活と、ほんの少しのラブロマンスっぽい何かを織り交ぜながらすすむ、そんな彼女の生活を覗いてみませんか?
毎日投稿はできないと思います。気長に更新をお待ちください。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる