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第19章 出産ラッシュ再び?
352.予算の見直しは適時行うべき
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花火の寄付を募る話を聞いて、慌てた。まさか予算が足りていないとは。そう言われてみれば、先日顔を出した時に絵本や人形が傷んでいた。以前、リリスが通った頃も玩具の傷みが酷く、追加予算が請求されたはず。
予算の申請書をチェックして、ここしばらく追加予算がなかったことに驚いた。ルキフェルに事情を話し、ベールへ伝えてもらう。その間にベルゼビュートを説得した。まあ、彼女は自らの息子ジルが通っていることもあり、大喜びで大きめの宝石を寄付する。
賭けに狂っていた彼女だが、我が子が宿ってからは人が変わったように……回数を減らした。完全にやめられないところに闇を感じるが、ほぼ賭けに参加していない。これは元締めバアルに確認したので、間違いないだろう。
大きなお祭りなどで少し賭けるが、金額も小さいし、追加賭けといった博打行為は行わなくなった。良い傾向だ。浮いたお金で、貯蓄に勤しんでいる。息子に何でも買ってやりたいと気合が入っていた。ジルに直接関係ある話なので、寄付に賛同する彼女は嬉しそうだ。
実は……ベルゼビュートに内緒で、ルシファーとベールはある画策をした。給与は数字が絡むので誤魔化せないが、報奨として彼女に渡るはずだった宝石類や金貨を、こっそりと貯めたのだ。
あまりに賭けに狂うので、心配になったのが理由だ。彼女がお金を必要とした時に、気兼ねなく使えるよう用意した。自分が働いた結果の貯蓄なら、安心して使えるだろう。困った時に貸したりあげることは簡単だが、プライドの高い彼女は借りを嫌う。そのための用意だった。
数万年の時を経て、ようやく役に立ちそうだ……が、まさかの貯蓄を始めるとは。渡すタイミングを逸したことで、ベールと溜め息を吐いたのは先日だった。相談した結果、本当に困るまで保管することに決まった。
受け取った宝石は拳ほどあるので、砕いて販売されることになった。そのお金を保育所へ寄付する。ルシファーは素直に個人口座の給与から金貨を出した。
その合計額だけでもすごいのに、魔王城の予備費から育児予算として計上する。今後は育児関係の予算を見直す必要がある。なにしろベビーラッシュだ。妊婦が増えたなら、育児予算から補助を出せばいい。さらに生まれた子にも、手厚い補助や予算が必要だった。
手配を終えて気づけば、やや冷えたお茶が机の端に置かれている。先ほどリリスが持ってきてくれたお茶だった。手に取り、魔力を流して温度を調整して口にする。書類仕事に固まった体が解れるような心地よさが広がった。
キャンプ関係や育児予算の再計上が終わったので、ここで休んでもいいのだが……気になったいくつかの申請書の資料に目を通す。ここまで起きていたなら、この際終わらせてしまおう。明日は一日リリスと過ごしたい。キャンプに参加できないと肩を落とす妻を、楽しませたかった。
どこか気晴らしに連れて行こうか。部屋でゆっくり休んでもいい。イヴが保育所へ行っている間に、二人で仲良く過ごせるのが最良だ。朝起きて、リリスに尋ねてみようか。サプライズの方が喜ぶかもしれない。久しぶりに温泉もいいな。
あれこれ考えながら、頭の二割ほどを書類処理に向ける。申請不備を見つけて指摘し、問題がなかった二件は通した。一件は申請自体が不適当で却下の処理を行う。机の上が綺麗に片付いたところで、ようやく手を止めた。
「寝るか」
いそいそと執務室を出て自室へ向かうが、まさかの施錠済み。ルシファーへお茶を運んで部屋に戻り、つい習慣で鍵を掛けただけだろう。ぱちんと指を鳴らして転移し、寝室へ向かった。きちんと開けてある自分のスペースに頬が緩んだ。
潜り込めば、温かなベッドで眠るリリスが擦り寄ってくる。抱っこされたイヴも無意識に手を伸ばし、ルシファーの髪を掴んだ。求められることが嬉しくて、結局朝まで妻子の寝顔を見守る魔王だった。
予算の申請書をチェックして、ここしばらく追加予算がなかったことに驚いた。ルキフェルに事情を話し、ベールへ伝えてもらう。その間にベルゼビュートを説得した。まあ、彼女は自らの息子ジルが通っていることもあり、大喜びで大きめの宝石を寄付する。
賭けに狂っていた彼女だが、我が子が宿ってからは人が変わったように……回数を減らした。完全にやめられないところに闇を感じるが、ほぼ賭けに参加していない。これは元締めバアルに確認したので、間違いないだろう。
大きなお祭りなどで少し賭けるが、金額も小さいし、追加賭けといった博打行為は行わなくなった。良い傾向だ。浮いたお金で、貯蓄に勤しんでいる。息子に何でも買ってやりたいと気合が入っていた。ジルに直接関係ある話なので、寄付に賛同する彼女は嬉しそうだ。
実は……ベルゼビュートに内緒で、ルシファーとベールはある画策をした。給与は数字が絡むので誤魔化せないが、報奨として彼女に渡るはずだった宝石類や金貨を、こっそりと貯めたのだ。
あまりに賭けに狂うので、心配になったのが理由だ。彼女がお金を必要とした時に、気兼ねなく使えるよう用意した。自分が働いた結果の貯蓄なら、安心して使えるだろう。困った時に貸したりあげることは簡単だが、プライドの高い彼女は借りを嫌う。そのための用意だった。
数万年の時を経て、ようやく役に立ちそうだ……が、まさかの貯蓄を始めるとは。渡すタイミングを逸したことで、ベールと溜め息を吐いたのは先日だった。相談した結果、本当に困るまで保管することに決まった。
受け取った宝石は拳ほどあるので、砕いて販売されることになった。そのお金を保育所へ寄付する。ルシファーは素直に個人口座の給与から金貨を出した。
その合計額だけでもすごいのに、魔王城の予備費から育児予算として計上する。今後は育児関係の予算を見直す必要がある。なにしろベビーラッシュだ。妊婦が増えたなら、育児予算から補助を出せばいい。さらに生まれた子にも、手厚い補助や予算が必要だった。
手配を終えて気づけば、やや冷えたお茶が机の端に置かれている。先ほどリリスが持ってきてくれたお茶だった。手に取り、魔力を流して温度を調整して口にする。書類仕事に固まった体が解れるような心地よさが広がった。
キャンプ関係や育児予算の再計上が終わったので、ここで休んでもいいのだが……気になったいくつかの申請書の資料に目を通す。ここまで起きていたなら、この際終わらせてしまおう。明日は一日リリスと過ごしたい。キャンプに参加できないと肩を落とす妻を、楽しませたかった。
どこか気晴らしに連れて行こうか。部屋でゆっくり休んでもいい。イヴが保育所へ行っている間に、二人で仲良く過ごせるのが最良だ。朝起きて、リリスに尋ねてみようか。サプライズの方が喜ぶかもしれない。久しぶりに温泉もいいな。
あれこれ考えながら、頭の二割ほどを書類処理に向ける。申請不備を見つけて指摘し、問題がなかった二件は通した。一件は申請自体が不適当で却下の処理を行う。机の上が綺麗に片付いたところで、ようやく手を止めた。
「寝るか」
いそいそと執務室を出て自室へ向かうが、まさかの施錠済み。ルシファーへお茶を運んで部屋に戻り、つい習慣で鍵を掛けただけだろう。ぱちんと指を鳴らして転移し、寝室へ向かった。きちんと開けてある自分のスペースに頬が緩んだ。
潜り込めば、温かなベッドで眠るリリスが擦り寄ってくる。抱っこされたイヴも無意識に手を伸ばし、ルシファーの髪を掴んだ。求められることが嬉しくて、結局朝まで妻子の寝顔を見守る魔王だった。
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