23 / 92
第3章 守護者の見極めと嫉妬
23
しおりを挟む
「どうしたの? シリル」
「……お前は……っ」
唇を噛んだ姿に眉を顰め、床に膝をついてシリルを見上げる。覗き込むようにして窺えば、尖らせた赤い唇が再び開かれた。
「アイザックが気に入ったのか?」
焼きもち?! まさか、シリルが?
「どっちかって言えば、リスキアのが気が合いそうだな。もちろん友達としてで……愛してるのはシリルだけだから――なぁ、そんな顔するなよ」
そっと頬を両手で包んで、目を合わせる。吸い込まれそうな引力の紅い瞳が瞬いて、じっと自分を映し出してくれる。これ以上の幸せを知らないから、笑顔を浮かべて接吻けた。
「愛してるよ、シリル」
伸ばした手でシリルの前髪を掻き上げる。幼い顔立ちが露わになり、込み上げる愛おしさに額へ接吻けた。
「……ねぇ、今日のは焼きもち?」
くすくす笑いながら細い腰を抱き寄せる。ベッドの上で向かい合って座りながら、ライアンはシリルのシャツのボタンをすべて外した。白く透き通るような肌を指で確かめ、大きな紅い瞳を覗き込む。
少し考えるような表情で眉を顰めたシリルは、すぐに自信ありげに片唇を引き上げた。意地悪そうで、何かを企む小悪魔のように魅力的な表情に見惚れる。
「そうだと言ったら?」
何をくれる?
首を傾げるシリルの甘い囁きに、ライアンは首筋へ顔を埋めた。ぺろっと舐めて、びくりと竦む身体を楽しむ。痛みを感じるほどキツく吸い上げて紅い所有印を刻んでから、その上に優しく舌を這わせた。
「……はぁ……」
掠れた吐息を感じて、顔を上げて接吻ける。重なった唇は、まるで最初から重なる為に作られていたように、ぴったりと互いの息と想いを絡め合う。
「シリルがそこまでオレを好きなら」
一度離れた唇が紡いだ言葉の続きを聞く前に、シリルの接吻けがライアンの声を奪った。
「心も魂も捧げるよ。オレはおまえのモノだろ」
「ああ……」
嬌声なのか、同意の声なのか。判断が付かないほど甘いシリルの唇が紡いだ声は、ライアンの理性を食い破る。
魅力的な存在――誰も彼の代わりになれない。
「……お前は……っ」
唇を噛んだ姿に眉を顰め、床に膝をついてシリルを見上げる。覗き込むようにして窺えば、尖らせた赤い唇が再び開かれた。
「アイザックが気に入ったのか?」
焼きもち?! まさか、シリルが?
「どっちかって言えば、リスキアのが気が合いそうだな。もちろん友達としてで……愛してるのはシリルだけだから――なぁ、そんな顔するなよ」
そっと頬を両手で包んで、目を合わせる。吸い込まれそうな引力の紅い瞳が瞬いて、じっと自分を映し出してくれる。これ以上の幸せを知らないから、笑顔を浮かべて接吻けた。
「愛してるよ、シリル」
伸ばした手でシリルの前髪を掻き上げる。幼い顔立ちが露わになり、込み上げる愛おしさに額へ接吻けた。
「……ねぇ、今日のは焼きもち?」
くすくす笑いながら細い腰を抱き寄せる。ベッドの上で向かい合って座りながら、ライアンはシリルのシャツのボタンをすべて外した。白く透き通るような肌を指で確かめ、大きな紅い瞳を覗き込む。
少し考えるような表情で眉を顰めたシリルは、すぐに自信ありげに片唇を引き上げた。意地悪そうで、何かを企む小悪魔のように魅力的な表情に見惚れる。
「そうだと言ったら?」
何をくれる?
首を傾げるシリルの甘い囁きに、ライアンは首筋へ顔を埋めた。ぺろっと舐めて、びくりと竦む身体を楽しむ。痛みを感じるほどキツく吸い上げて紅い所有印を刻んでから、その上に優しく舌を這わせた。
「……はぁ……」
掠れた吐息を感じて、顔を上げて接吻ける。重なった唇は、まるで最初から重なる為に作られていたように、ぴったりと互いの息と想いを絡め合う。
「シリルがそこまでオレを好きなら」
一度離れた唇が紡いだ言葉の続きを聞く前に、シリルの接吻けがライアンの声を奪った。
「心も魂も捧げるよ。オレはおまえのモノだろ」
「ああ……」
嬌声なのか、同意の声なのか。判断が付かないほど甘いシリルの唇が紡いだ声は、ライアンの理性を食い破る。
魅力的な存在――誰も彼の代わりになれない。
0
あなたにおすすめの小説
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
禁書庫の管理人は次期宰相様のお気に入り
結衣可
BL
オルフェリス王国の王立図書館で、禁書庫を預かる司書カミル・ローレンは、過去の傷を抱え、静かな孤独の中で生きていた。
そこへ次期宰相と目される若き貴族、セドリック・ヴァレンティスが訪れ、知識を求める名目で彼のもとに通い始める。
冷静で無表情なカミルに興味を惹かれたセドリックは、やがて彼の心の奥にある痛みに気づいていく。
愛されることへの恐れに縛られていたカミルは、彼の真っ直ぐな想いに少しずつ心を開き、初めて“痛みではない愛”を知る。
禁書庫という静寂の中で、カミルの孤独を、過去を癒し、共に歩む未来を誓う。
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている
香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。
異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。
途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。
「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
炊き出しをしていただけなのに、大公閣下に溺愛されています
ぽんちゃん
BL
希望したのは、医療班だった。
それなのに、配属されたのはなぜか“炊事班”。
「役立たずの掃き溜め」と呼ばれるその場所で、僕は黙々と鍋をかき混ぜる。
誰にも褒められなくても、誰かが「おいしい」と笑ってくれるなら、それだけでいいと思っていた。
……けれど、婚約者に裏切られていた。
軍から逃げ出した先で、炊き出しをすることに。
そんな僕を追いかけてきたのは、王国軍の最高司令官――
“雲の上の存在”カイゼル・ルクスフォルト大公閣下だった。
「君の料理が、兵の士気を支えていた」
「君を愛している」
まさか、ただの炊事兵だった僕に、こんな言葉を向けてくるなんて……!?
さらに、裏切ったはずの元婚約者まで現れて――!?
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる