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143.大人と子供の境目
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街で注文した枕が出来上がる頃なので、ゲリュオンが運んでくれるみたい。お礼がしたいと言ったら、お料理がいいとセティが教えてくれた。
「あいつは食べるのが好きだからな」
「うん! 美味しいの作る」
セティが提案したのは失敗が少ないお料理だって。細かくしたお肉に野菜や香草を混ぜて、丸くする。それをスープに入れるんだ。肉を細かくする作業は危ないから、大人がやるとお父さんが頑張った。応援する僕とボリスの前で、固まりのお肉があっという間に細かくなったよ。
さらに細かくする作業をお母さんとセティがしてくれる。野菜を潰して砕くお母さんの隣で、ボリスと一緒に薬草を細かくした。つんとする香りの草は涙が出ちゃう。手で千切ったのを忘れてその手で顔を触り、痛くて泣いたら洗われた。
今は手でお団子を作っているの。丸くするんだけど、手にくっついちゃうし、形が変だった。すると覗き込んだセティが、上から手を添えて丸め方を説明してくれる。僕にもわかりやすくて、すぐに覚えられた。ころころと作ったお団子を、野菜が浮かんだスープに入れる。これで煮込めば食べられるんだね。
「よく頑張った、偉いぞ」
『うん、上手だったよ』
セティとガイアが褒めてくれたけど、その後「お前は何もしなかっただろ」とセティがガイアの首を掴んでぶら下げ、足で蹴飛ばしたガイアが『獣なんだから手伝えるわけないでしょ』と叫んで逃げ出した。追いかけっこが始まると、興奮したボリスも走り回る。大騒ぎになった洞窟内は声や音がいっぱいで、僕は楽しくなって笑った。
『イシスは……本当に純粋な子だね』
お母さんがいう「純粋」って何だろう。お父さんも同じ言葉を使うよね。褒められてるんだと思うから笑う。お熱が下がったのに、お母さんは僕を抱っこしてくれた。べろんと顔を舐めて、さっきの涙ごと綺麗になる。
「おう、待たせたな」
入り口でゲリュオンの声がして、お父さんが振り返った。洞窟の入り口を無視して、魔法で直接中に来たみたい。いつもお部屋に入ってくるときと同じだと言ったら、お母さんが声を上げて笑った。
『そうかい、いつもあの調子だったら仕方ないね』
ちゃんと人を訪ねる時は、ドアを叩いて「こんにちは」するのが礼儀なんだ。僕はそう教わったけど、ゲリュオンは知らないみたい。教えてあげた方がいいかな。僕より長く生きてるのに仕方ないね。お母さんが言った言葉を繰り返した僕は、ゲリュオンに丁寧に説明してあげた。
変な顔をしてたけど「わかった」と言って頷く。だからセティがしてくれるみたいに、背伸びしてゲリュオンを撫でた。頭の上には全然届かなくて肩だけど……あれ? 僕の背が高くなったかな。
「おまえ、一気に大きくなったな……食われるなよ」
大きくなると食べられちゃうの? 驚いて首を傾げた僕に、セティが後ろから抱き着いた。やっぱり僕、すこし成長してる。
「僕、いつ食べられちゃうの?」
「……ゲリュオン、余計なことを」
舌打ちして低い声を出したセティに、お父さんが後ろから声を掛けた。
『まだまだイシスは子供ゆえ、手出しは控えていただこう』
よくわかんないけど、セティが「早く大人になってくれ」と言いながら僕の髪にキスをした。僕、いつ大人になれるのかな?
「あいつは食べるのが好きだからな」
「うん! 美味しいの作る」
セティが提案したのは失敗が少ないお料理だって。細かくしたお肉に野菜や香草を混ぜて、丸くする。それをスープに入れるんだ。肉を細かくする作業は危ないから、大人がやるとお父さんが頑張った。応援する僕とボリスの前で、固まりのお肉があっという間に細かくなったよ。
さらに細かくする作業をお母さんとセティがしてくれる。野菜を潰して砕くお母さんの隣で、ボリスと一緒に薬草を細かくした。つんとする香りの草は涙が出ちゃう。手で千切ったのを忘れてその手で顔を触り、痛くて泣いたら洗われた。
今は手でお団子を作っているの。丸くするんだけど、手にくっついちゃうし、形が変だった。すると覗き込んだセティが、上から手を添えて丸め方を説明してくれる。僕にもわかりやすくて、すぐに覚えられた。ころころと作ったお団子を、野菜が浮かんだスープに入れる。これで煮込めば食べられるんだね。
「よく頑張った、偉いぞ」
『うん、上手だったよ』
セティとガイアが褒めてくれたけど、その後「お前は何もしなかっただろ」とセティがガイアの首を掴んでぶら下げ、足で蹴飛ばしたガイアが『獣なんだから手伝えるわけないでしょ』と叫んで逃げ出した。追いかけっこが始まると、興奮したボリスも走り回る。大騒ぎになった洞窟内は声や音がいっぱいで、僕は楽しくなって笑った。
『イシスは……本当に純粋な子だね』
お母さんがいう「純粋」って何だろう。お父さんも同じ言葉を使うよね。褒められてるんだと思うから笑う。お熱が下がったのに、お母さんは僕を抱っこしてくれた。べろんと顔を舐めて、さっきの涙ごと綺麗になる。
「おう、待たせたな」
入り口でゲリュオンの声がして、お父さんが振り返った。洞窟の入り口を無視して、魔法で直接中に来たみたい。いつもお部屋に入ってくるときと同じだと言ったら、お母さんが声を上げて笑った。
『そうかい、いつもあの調子だったら仕方ないね』
ちゃんと人を訪ねる時は、ドアを叩いて「こんにちは」するのが礼儀なんだ。僕はそう教わったけど、ゲリュオンは知らないみたい。教えてあげた方がいいかな。僕より長く生きてるのに仕方ないね。お母さんが言った言葉を繰り返した僕は、ゲリュオンに丁寧に説明してあげた。
変な顔をしてたけど「わかった」と言って頷く。だからセティがしてくれるみたいに、背伸びしてゲリュオンを撫でた。頭の上には全然届かなくて肩だけど……あれ? 僕の背が高くなったかな。
「おまえ、一気に大きくなったな……食われるなよ」
大きくなると食べられちゃうの? 驚いて首を傾げた僕に、セティが後ろから抱き着いた。やっぱり僕、すこし成長してる。
「僕、いつ食べられちゃうの?」
「……ゲリュオン、余計なことを」
舌打ちして低い声を出したセティに、お父さんが後ろから声を掛けた。
『まだまだイシスは子供ゆえ、手出しは控えていただこう』
よくわかんないけど、セティが「早く大人になってくれ」と言いながら僕の髪にキスをした。僕、いつ大人になれるのかな?
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