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274.フェルもフォンも、青が似合う
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フェルは大きな鹿を引きずってきた。木の枝みたいに立派な角がついてるの。鹿は丁寧に皮を剥いで内臓を地面に埋めた。これがお葬式の代わりになるんだって。それから手を合わせて、命をいただきますの挨拶をする。隣で真似する僕を褒めながら、セティがナイフで肉を切り分けた。
血がたくさん出る。僕も肉を受け取ったりして手伝った。僕達が食べる分だけ石の上に置いて、残りはフェルに返す。美味しいところを貰ったの、ありがとうね。頬ずりすると、お互いに真っ赤になった。笑いながらフェルに舐められている僕に、セティが魔法を掛けてくれる。
フェルも一緒に赤い血が取れた。お肉も水で流してから、小さくして鍋に入れる。残りは平べったく伸ばして切った後、焼くんだって。フェルも塊肉を少し焼いてもらうから、順番待ち。火が消えないように薪を入れるのは僕の仕事で、鍋の中を覗くのは危ないから禁止。
お腹いっぱいになるまで鍋を食べて、焼いたお肉は収納にしまわれた。後で食べるみたい。フェルはもう食べ終えて、寝転がってる。口が大きいから一口で僕の頭くらいの肉を齧ってた。
「ほら、リボンだ」
渡されたリボンを手にフェルに近づく。灰色の毛に青いリボンは似合うと思う。でもどこに巻こう。尻尾や手は巻きやすいけど、すぐに取れそうだし。首に巻いたら邪魔かな?
「フェル、首に巻いていい?」
リボンを目の前に持って行って尋ねると、くーんと鼻を鳴らす。今のどっち? セティが「首でいいぞ」と言ったから、フェルの上によじ登った。そこにリボンを置いて、滑って降りる。ぐるりとリボンを持ったまま回って、もう一度登ったら……あれ? フェルの首の上に置いたリボンがない。
きょろきょろする僕に、セティが拾ったリボンを渡してくれた。僕が滑り降りた時に一緒に落ちてたみたい。お礼を言ってリボン結びをする。長い方がいいと思ったんだけど、あまり長いと引っ掛かるんだって。短く小さなリボンを付けた。縦になってないのを確認して、フェルに抱き着く。
「青いリボン、フェルに似合う」
よかった。余った分を切ったセティが、収納からぬいぐるみを出した。僕がお気に入りのフォンだ。フェルによく似てるの。灰色のぬいぐるみは柔らかいし、とってもいい匂いがする。安心する匂いのぬいぐるみを受け取り、残ったリボンを首に巻いた。ぎりぎりだけど、リボンが出来た。
「お揃いだ」
本当だ、フェルとお揃い。フォンも青がよく似合う。頭を撫でたぬいぐるみを抱いて、フェルに見せてあげた。フェルもこんな感じになってるんだよ、説明したらぺろりと頬を舐められた。
「よし、今日中に洞窟まで行くぞ」
少しお日様が斜めになってきたので、急いでフェルの背中に乗る。ぬいぐるみは落とすと危ないから、収納に入れてもらった。ごめんね、お父さん達の洞窟についたら出してもらうよ。両手でしっかりフェルの毛皮にしがみ付いた僕は、後ろのセティが支えてくれる。
ぐおぉ! 吠えたフェルが一気に駆け出した。景色がどんどん流れる。速いのに、木や石にぶつからない。時々飛び越えたり横に跳ねたりしながら、フェルは大きな山を登り始めた。この山は知ってる。もうすぐお父さん達の洞窟がある。一気に上まで駆け登ったフェルは、ゆっくり降り始めた。
行きすぎちゃった?
血がたくさん出る。僕も肉を受け取ったりして手伝った。僕達が食べる分だけ石の上に置いて、残りはフェルに返す。美味しいところを貰ったの、ありがとうね。頬ずりすると、お互いに真っ赤になった。笑いながらフェルに舐められている僕に、セティが魔法を掛けてくれる。
フェルも一緒に赤い血が取れた。お肉も水で流してから、小さくして鍋に入れる。残りは平べったく伸ばして切った後、焼くんだって。フェルも塊肉を少し焼いてもらうから、順番待ち。火が消えないように薪を入れるのは僕の仕事で、鍋の中を覗くのは危ないから禁止。
お腹いっぱいになるまで鍋を食べて、焼いたお肉は収納にしまわれた。後で食べるみたい。フェルはもう食べ終えて、寝転がってる。口が大きいから一口で僕の頭くらいの肉を齧ってた。
「ほら、リボンだ」
渡されたリボンを手にフェルに近づく。灰色の毛に青いリボンは似合うと思う。でもどこに巻こう。尻尾や手は巻きやすいけど、すぐに取れそうだし。首に巻いたら邪魔かな?
「フェル、首に巻いていい?」
リボンを目の前に持って行って尋ねると、くーんと鼻を鳴らす。今のどっち? セティが「首でいいぞ」と言ったから、フェルの上によじ登った。そこにリボンを置いて、滑って降りる。ぐるりとリボンを持ったまま回って、もう一度登ったら……あれ? フェルの首の上に置いたリボンがない。
きょろきょろする僕に、セティが拾ったリボンを渡してくれた。僕が滑り降りた時に一緒に落ちてたみたい。お礼を言ってリボン結びをする。長い方がいいと思ったんだけど、あまり長いと引っ掛かるんだって。短く小さなリボンを付けた。縦になってないのを確認して、フェルに抱き着く。
「青いリボン、フェルに似合う」
よかった。余った分を切ったセティが、収納からぬいぐるみを出した。僕がお気に入りのフォンだ。フェルによく似てるの。灰色のぬいぐるみは柔らかいし、とってもいい匂いがする。安心する匂いのぬいぐるみを受け取り、残ったリボンを首に巻いた。ぎりぎりだけど、リボンが出来た。
「お揃いだ」
本当だ、フェルとお揃い。フォンも青がよく似合う。頭を撫でたぬいぐるみを抱いて、フェルに見せてあげた。フェルもこんな感じになってるんだよ、説明したらぺろりと頬を舐められた。
「よし、今日中に洞窟まで行くぞ」
少しお日様が斜めになってきたので、急いでフェルの背中に乗る。ぬいぐるみは落とすと危ないから、収納に入れてもらった。ごめんね、お父さん達の洞窟についたら出してもらうよ。両手でしっかりフェルの毛皮にしがみ付いた僕は、後ろのセティが支えてくれる。
ぐおぉ! 吠えたフェルが一気に駆け出した。景色がどんどん流れる。速いのに、木や石にぶつからない。時々飛び越えたり横に跳ねたりしながら、フェルは大きな山を登り始めた。この山は知ってる。もうすぐお父さん達の洞窟がある。一気に上まで駆け登ったフェルは、ゆっくり降り始めた。
行きすぎちゃった?
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