【完結】召喚された勇者は贄として、魔王に美味しく頂かれました

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢

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33.確実に孕ませてやる ※微

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 体調不良は数回繰り返された。原因は不明で、アザゼルはあらゆる可能性を考えて調査している。毒を盛られた可能性や、体に合わない物質を取り込んだアレルギーも考えた。魔法でのスキャンも複数回行われる。

 怠くても仕事をするわけじゃないし、寝ていればいい。発熱も回数を追うごとに軽くなっていた。魔王と同化した過去の贄の情報も調べ尽くし、アザゼルはひとつの可能性に行き当たる。

「外出が原因だな」

「え?」

 気晴らしで出掛けた滝のことか? 首を傾げた俺に過去の事例が記された書物が提示される。残念ながら読めない方の文字だった。

「読み上げてくれよ」

 素直に強請ると、機嫌よく説明を開始した。指先がその部分と思われる文字を辿っていく。

「数代前の魔王の伴侶が、外出するたびに酷い頭痛と吐き気に悩まされた。魔王と同化しているため明らかに異常な所見だ。だが妊娠により外出をやめたら、ぴたりと治ったと記されている」

 そのほかにも数例似たような話を聞いた。どうやら連れてこられた召喚先の世界によって、体質が異なるらしい。魔族化することで、ある程度は症状の軽減が見込まれる。この世界自体が、俺にとって毒という結論だった。

「戻れないのに……死ぬのか」

 元の世界に戻れない俺は、この世界で蝕まれて死ぬのか。不安に駆られた。無理やり連れてこられて、魔王に贄として差し出され、挙句世界に拒絶された形で死ぬ。最悪じゃないか。

「安心いたせ、治った事例も見つけた」

 だったら最初から言えよ。むっとしながらアザゼルの唇が紡ぐ言葉を待った。

「妊娠だ」

「はい!?」

「過去にこの症状を改善した贄は、妊娠したことで快癒した。安心しろ、ハヤト。確実に孕ませてやる」

 ゆっくり思わしげに腹を撫でられ、焦った。ちょい待て、俺は男で妊娠するはずがないぞ。異世界だからって、そんなところまで異次元なのか?

「俺、男だけど」

「そなたの体は隅々まで知っている。間違いなく男だ」

「……この世界って男も妊娠するの?」

「その心配か。ならば問題ない。余は魔王だからな」

 そのまま押し倒され、がっつり唇を貪られる。文句も疑問もすべてキスに奪われた。胸を撫でる指先に翻弄され、逃げようとした腰を掴まれる。ほぼ準備なしで挿入された。

 意外に痛くなかったことが、俺の心を傷つける。普通痛いだろ。初回なんて圧迫感がすごくて、裂けて死んだかと思った。抱かれ慣れた穴は出口じゃなくて、入口になったのか?

「ぐっ、ぬけって……の、ァザゼル、ぅ」

 抵抗する俺の耳に囁かれたのは、残酷な現実だった。

「良いのか? ハヤトを生かすため、ここに精を注ぐ必要がある」

 意味ありげに平たい腹を撫でられ、ぞくりと背筋が痺れた。腹に精を注ぐ? つまり、魔王とさらに同化しないと死ぬ……。驚きと衝撃に唖然としている間に、遠慮容赦なく貪られた。大量に吐き出された精により、腹が苦しい。

「吸収するまで塞いでおかねば」

 どこのエロゲーだよ。挿れたまま横になるアザゼルの言葉に、怖くて抵抗できなかった。心の中で文句を並べながらも、緩みそうになると締めてしまう。もし精が抜けて、そのせいで死が早まったら……。震える俺を、アザゼルは優しく抱きしめた。

「そなたを死なせたりせぬ」

 アザゼルの執着が、なぜか安心材料だった。不思議なほど、死ぬのが怖くてしがみ付く。俺に嘘だけはつくなよ。
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