206 / 1,100
第9章 戦の準備
37.便利で危険な大量収納(2)
しおりを挟む
けろりとシフェルが肯定した。地図の上部にある三角のマークを押すと、中央の国の真ん中ら辺に赤いマークが点灯する。
「もう一度押すと消えます。授業で言いましたよね?」
「ソ、ソウデシタネ」
聞いたか覚えてないが、シフェルが言ったというなら教えたのだろう。噴き出す冷や汗を拭いながら笑顔で応じておく。藪蛇だ、ジャックやノア辺りに相談するべきだった。
誤魔化すために、収納したリストを脳裏に思い浮かべる。
「ライフルを預ったから、確かライアンのが2本……2丁って数えるのか? 自分用と予備、サシャの半月刀もあるし、あっ! これこれ」
手に余るサイズの銃を引っ張り出す。将来手が大きくなったら使うつもりで仕舞いこんでいた。レイルに強請ったらくれたんだよ、アイツ結構優しいかも。リボルバーは珍しいのか、シフェルが拾い上げて刻印を読んでいる。
「この銃、かなり年代物ですよ? 誰が……」
「レイル」
シフェルの疑問に即答した。ほかに誰がオレに武器を与えるんだ? 基本的に傭兵連中や教官役としか接点がないんだから。残りはかなり少なくなったが、何か忘れてる気がして……のどの奥に魚の骨がひっかかったときの、あの違和感がある。
「こんなもんかな? 銃弾も出たし……危険なものは終わったと思うんだよ」
まだ小骨の違和感が頭を過ぎるが、仕方ないので、残りは袋をひっくり返すことにした。
「あと自爆呪文だから、あっちでやる」
すこし離れた場所に歩いていくと、後ろをリアムがついてきた。当然だが近衛であるシフェルもついてくる。振り返ったオレは溜め息をついた。
「あのね、リアム。ひっくり返したときに何が出るか分からないから、すこし離れててくれる?」
「でも……」
拗ねたような顔をされると、すごく抱き締めたくなるんですけど? 何コレ、番になった弊害とかあるんですか!? シフェルに目で尋ねるが、意図が伝わらなかったらしく首を傾げられた。
「本当に危険だから、あの荷物のあたりにいて」
大量に山積みの荷物を指差して、それからリアムに近づいた。そっと手を伸ばして黒髪を引き寄せる。そのまま毛先にキスを落とすと、リアムの頬が笑み崩れた。
「ね、お願い」
重ねて頼むと、ようやく納得したリアムがシフェルを伴って離れる。一息ついて、自爆呪文を唱えた。確か両手を上に掲げて……
『空にな~れ』
どさっ、どさどさ!
想像よりずっしりした音がして、最後にガシャンと金属音がした。幸いこちらへ倒れてくるような物は残っていなかったらしい。
「もう一度押すと消えます。授業で言いましたよね?」
「ソ、ソウデシタネ」
聞いたか覚えてないが、シフェルが言ったというなら教えたのだろう。噴き出す冷や汗を拭いながら笑顔で応じておく。藪蛇だ、ジャックやノア辺りに相談するべきだった。
誤魔化すために、収納したリストを脳裏に思い浮かべる。
「ライフルを預ったから、確かライアンのが2本……2丁って数えるのか? 自分用と予備、サシャの半月刀もあるし、あっ! これこれ」
手に余るサイズの銃を引っ張り出す。将来手が大きくなったら使うつもりで仕舞いこんでいた。レイルに強請ったらくれたんだよ、アイツ結構優しいかも。リボルバーは珍しいのか、シフェルが拾い上げて刻印を読んでいる。
「この銃、かなり年代物ですよ? 誰が……」
「レイル」
シフェルの疑問に即答した。ほかに誰がオレに武器を与えるんだ? 基本的に傭兵連中や教官役としか接点がないんだから。残りはかなり少なくなったが、何か忘れてる気がして……のどの奥に魚の骨がひっかかったときの、あの違和感がある。
「こんなもんかな? 銃弾も出たし……危険なものは終わったと思うんだよ」
まだ小骨の違和感が頭を過ぎるが、仕方ないので、残りは袋をひっくり返すことにした。
「あと自爆呪文だから、あっちでやる」
すこし離れた場所に歩いていくと、後ろをリアムがついてきた。当然だが近衛であるシフェルもついてくる。振り返ったオレは溜め息をついた。
「あのね、リアム。ひっくり返したときに何が出るか分からないから、すこし離れててくれる?」
「でも……」
拗ねたような顔をされると、すごく抱き締めたくなるんですけど? 何コレ、番になった弊害とかあるんですか!? シフェルに目で尋ねるが、意図が伝わらなかったらしく首を傾げられた。
「本当に危険だから、あの荷物のあたりにいて」
大量に山積みの荷物を指差して、それからリアムに近づいた。そっと手を伸ばして黒髪を引き寄せる。そのまま毛先にキスを落とすと、リアムの頬が笑み崩れた。
「ね、お願い」
重ねて頼むと、ようやく納得したリアムがシフェルを伴って離れる。一息ついて、自爆呪文を唱えた。確か両手を上に掲げて……
『空にな~れ』
どさっ、どさどさ!
想像よりずっしりした音がして、最後にガシャンと金属音がした。幸いこちらへ倒れてくるような物は残っていなかったらしい。
32
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる