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第32章 気づいてはいけない?
255.ここは天国か(2)
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まずい、しんみりしてしまった。ここから巻き返す手法なんて、元引き篭もりにはないんだが。動けなくなったオレだが、予想外の乱入者があった。
『ご主人様! 元気になった?』
『やだ、人に言えない部位が元気じゃない?』
マロンはともかく、ブラウは蹴飛ばして遠ざけた。その勢いで起き上がり、そっとリアムの肩を抱き寄せる。オレにしたら最上級の対応だ。これ以上を求められても無理だからな。
騒ぎを聞きつけた廊下のクリスティーンが顔を見せた。何か言いたげだが、そこは飲み込んでおいてくれ。目を逸らしたオレに苦笑する雰囲気が伝わる。
「お食事を手配させましょう」
「あ、うん、頼む」
侍女が微笑んで立ち上がり、廊下を歩いて行った。あれこれ機密が多い部屋だから、入り口を守るのは重要な仕事なんだろう。侍女も騎士も大変だ。オレみたいないい加減な奴には無理だな。
「キヨ、いろんな話を聞かせて欲しい。聖獣様が増えたお話もだ」
「わかったよ、土産話はたくさんある」
セイと呼ばないよう注意するリアムの黒髪を撫でて、ふと気付いた。今は皇帝陛下としてじゃない。ただの少女で、オレの恋人という触れ込みのリアだ。
「クリス、みんなで食事をしよう! 全員で!!」
侍女も騎士も関係なく、隣国の王子だったレイルも含めて、聖獣も一緒に。皇帝陛下でも、ドラゴン殺しの英雄でもなくて、ただの友人同士として。
驚いた顔をしたものの、クリスティーンは反対しなかった。ここにシフェルがいたら、絶対に拒んだと思う。あいつはそれでいい。オレ達が間違った時、意見できる立場でいて欲しかった。でも今は間違ってても、止めないクリスティーンが嬉しい。
「構わないでしょう」
「やった!!」
「本当か」
興奮したリアと両手を上げてハイタッチして、笑いながら手を伸ばす。両手を繋いで輪を作って振り回しながら踊った。こんな経験もないみたいで、リアムは少し戸惑いながらくるくる回る。目眩がして酔う手前まで回って、ぺたんと座った。
「今のは楽しいな!」
「だろ? これからは何でも経験した方がいいぞ。オレが付き合うからさ」
「……うん」
はにかんだ彼女の笑みに、オレは調子に乗って騒ぎ続け、レイルに頭を叩かれた。くそっ、大目に見てもいいじゃねえか。リアムも笑ってくれてるんだから。
『ご主人様! 元気になった?』
『やだ、人に言えない部位が元気じゃない?』
マロンはともかく、ブラウは蹴飛ばして遠ざけた。その勢いで起き上がり、そっとリアムの肩を抱き寄せる。オレにしたら最上級の対応だ。これ以上を求められても無理だからな。
騒ぎを聞きつけた廊下のクリスティーンが顔を見せた。何か言いたげだが、そこは飲み込んでおいてくれ。目を逸らしたオレに苦笑する雰囲気が伝わる。
「お食事を手配させましょう」
「あ、うん、頼む」
侍女が微笑んで立ち上がり、廊下を歩いて行った。あれこれ機密が多い部屋だから、入り口を守るのは重要な仕事なんだろう。侍女も騎士も大変だ。オレみたいないい加減な奴には無理だな。
「キヨ、いろんな話を聞かせて欲しい。聖獣様が増えたお話もだ」
「わかったよ、土産話はたくさんある」
セイと呼ばないよう注意するリアムの黒髪を撫でて、ふと気付いた。今は皇帝陛下としてじゃない。ただの少女で、オレの恋人という触れ込みのリアだ。
「クリス、みんなで食事をしよう! 全員で!!」
侍女も騎士も関係なく、隣国の王子だったレイルも含めて、聖獣も一緒に。皇帝陛下でも、ドラゴン殺しの英雄でもなくて、ただの友人同士として。
驚いた顔をしたものの、クリスティーンは反対しなかった。ここにシフェルがいたら、絶対に拒んだと思う。あいつはそれでいい。オレ達が間違った時、意見できる立場でいて欲しかった。でも今は間違ってても、止めないクリスティーンが嬉しい。
「構わないでしょう」
「やった!!」
「本当か」
興奮したリアと両手を上げてハイタッチして、笑いながら手を伸ばす。両手を繋いで輪を作って振り回しながら踊った。こんな経験もないみたいで、リアムは少し戸惑いながらくるくる回る。目眩がして酔う手前まで回って、ぺたんと座った。
「今のは楽しいな!」
「だろ? これからは何でも経験した方がいいぞ。オレが付き合うからさ」
「……うん」
はにかんだ彼女の笑みに、オレは調子に乗って騒ぎ続け、レイルに頭を叩かれた。くそっ、大目に見てもいいじゃねえか。リアムも笑ってくれてるんだから。
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