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眠らぬ夜に➁
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視界が反転する。
ベッドが大きく揺れて、おれは、伯爵に抱きすくめられていた。
抱きすくめただけで、まったく動こうとしない。
身じろぐと、腕の力が、より強くなった。肺が苦しくなる。
意地でも何も漏らしたくなかった。
何も。
そのうち、どんどん重みが増して、とうとう耐えきれなくなったおれは、袖を引く。
効果なし。
自由な脚で、厚みのある脇腹に蹴りを入れる。
「……勘弁してくれ」
マグロより始末に悪い。
君は…、とくぐもった声が耳にかかる。
「——それが、君の望みか?」
望み?
「おれが、望むと望むまいと…、あんたは、おれを好きにできる。男なら…」
今までのやつらみたいに。
「っ…誰が」
強さの増した腕に、今度こそ背骨が悲鳴を上げる。
詰めた息が、伯爵の耳に入ったらしい。
ゆっくりと、力が抜けていく。
「…君は、私を恐れなかった」
「……びっくりはした」
本当に。
ここに来てから、一生分の、ありえない体験をした。
「私が、どれほど…」
もう一度、包み込むように、抱きしめられて、別の意味で息が詰まった。
「君を、失いたくない」
その日、伯爵は、おれを抱いたまま眠った。
ベッドは狭くなるし、だんだん腹が立つしで、あまつさえ、ちょっと蹴り落とそうかとも思ったけど。
おれはその日、ぐっすりと眠った。
朝まで目を覚ますことは無かった。
ベッドが大きく揺れて、おれは、伯爵に抱きすくめられていた。
抱きすくめただけで、まったく動こうとしない。
身じろぐと、腕の力が、より強くなった。肺が苦しくなる。
意地でも何も漏らしたくなかった。
何も。
そのうち、どんどん重みが増して、とうとう耐えきれなくなったおれは、袖を引く。
効果なし。
自由な脚で、厚みのある脇腹に蹴りを入れる。
「……勘弁してくれ」
マグロより始末に悪い。
君は…、とくぐもった声が耳にかかる。
「——それが、君の望みか?」
望み?
「おれが、望むと望むまいと…、あんたは、おれを好きにできる。男なら…」
今までのやつらみたいに。
「っ…誰が」
強さの増した腕に、今度こそ背骨が悲鳴を上げる。
詰めた息が、伯爵の耳に入ったらしい。
ゆっくりと、力が抜けていく。
「…君は、私を恐れなかった」
「……びっくりはした」
本当に。
ここに来てから、一生分の、ありえない体験をした。
「私が、どれほど…」
もう一度、包み込むように、抱きしめられて、別の意味で息が詰まった。
「君を、失いたくない」
その日、伯爵は、おれを抱いたまま眠った。
ベッドは狭くなるし、だんだん腹が立つしで、あまつさえ、ちょっと蹴り落とそうかとも思ったけど。
おれはその日、ぐっすりと眠った。
朝まで目を覚ますことは無かった。
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