♂入れ替わりゆうしゃさま♀

シュテ

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第4話 キス

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あのあと動けそうに無かったシンが

「お前が俺を運べばいいんじゃないか」

と言って拍子抜けするぐらい一瞬で街に辿り着いた。なんでこんな簡単な事に気が付かなかったんだ、とケラケラと笑うシンにもはやため息しかでない亜里朱。

これがファンタジーパワーなのかと未だに現実を受け止めきれない。こう亜里朱が思うに瞬間移動だとか空を飛ぶだとか魔法のアイテムだとか、こうもっと夢のあるものだと思ったのに実際はどうだ。瞬間移動とは言わなくともただ走っただけでものの数秒で目的地に着いてしまった。


「なんでお前そんな残念そうなんだよ」

「ううん……もっとこう魔法とか色々なもの想像してたんだけどなんか違うなぁって」


軍なんてビンタ(空振り)で全員まとめて吹き飛んでいくし亜里朱の中のファンタジー像が崩れ去っていくのを感じる。

「そういうのもあるし瞬間移動も出来るぞ、ただお前魔力ろくに使えねぇし何よりそっちのが早いだろ」

うん確かに。そう納得してしまう自分がいる。けれども釈然としないのは何故だろうか。



街の門番?
あぁ、それなら全速力で駆け抜けて目に止まらぬ速さで突き抜けて侵入したらしい。













――――――――









「気が付いたんだけどさ」

「……どうしたの?」


2人は街に入って真っ先に宿に入っていた。シンは制服なので明らかに周りから浮いていたが亜里朱が来ていたローブを借りて誤魔化した。もちろんこの国のお金なんて持っていないがシンが大丈夫と言っているので大丈夫なのだろう。幸いに後払いシステムのようで取り敢えずは何とかなりそうだ。

色々な事が起きすぎて精神的に疲れた亜里朱はベッドに突っ伏しながら返事をする。


「俺、お前に触れている間は魔法使えるみたいだ」

「ふーん。それがどうかしたの?」

「興味なさそうだなぁ、確かに大した事は出来ないんだが俺とお前の間に確かなパスが繋がってるみたいなんだ」



何でも身体が触れると魔力がシンの身体から亜里朱の身体に自然と流れ込んでいくらしい。理由は不明だがこれで身体の何処かが触れていれば魔法が使えるとの事。


「それでパスが繋がってるって言ってたけど……」

「あぁそれな。普通なら一方的に縛り付けるような感じになるんだが……俺達の場合はお互いに縛り付けられてるような状態だな。まぁ要するに運命共同体、どっちかが死ねば死ぬ、みたいな」



本来なら一方的に何かを与える為の道みたいなのがパス、らしいのだが自分たちのはお互いに道が通っているらしく迷惑な事に命を共有するに至っているとの事。
実に迷惑な話だが確かに身体が入れ替わってる時点でどちらかが死ねば人生終わりみたいなものだしそこまで驚きはしない。

多分前までなら驚いて声を荒げていただろうが今はそうでもない。


「以前として身体が入れ替わった理由は分からないがまぁそのうちどうにかなるだろ。時間で消えるようなもんじゃないから一概に大丈夫とは言えないがな」

「それって全然大丈夫じゃないよね……」

「今のうちに慣れとけよ、女の身体より男の身体の方が随分と楽だしそう思えば得だろ」


確かに色々と男の身体の方が楽なのだろう。お風呂とかでも……お風呂?


「もしかしてお風呂……」

「今更だなぁ、安心しろ。ちゃんと綺麗に洗ってやるから」


無駄にいい笑顔で此方にサムズアップしてくる。無性に殴りたくなってきたが悲しいかな身体は自分のモノだから殴りたくても殴れない。

「見ないで触らないで洗ってよ!」

「いやそりゃ流石に無理だろ、ほらこのおおきすぎず小さすぎないおっぱいだってだな」

「ひ、人の胸を触らないでよ!セクハラです!」


むにむにと自分のおっぱいを触るシンを止める。不安だ、不安しかない。自分で言うのもなんだがそれなりにスタイルは良いは思っているしそこまで身だしなみに気を使ってなかったと言ってもやはり他人、それこそ男に自分の身体を任せるなんて事は考えられない。


「あーもー!分かったから離せって!」

「やです、離したら何しでかすか分かったもんじゃ……っきゃ!」

「お、おい……んむぅ……」


亜里朱はシンを無理やり押さえつけようと、はたから見たら完全に襲っているような構図にしか見えないが悲しいかな中身は逆なので安心して欲しい。足を滑らせた亜里朱はそのままシンが座っているベッドにシンを押し倒すように倒れていく。合わさる唇、そして静寂。







「きゃぁぁぁぁぁ!」

「おいやめろよ、男の奇声とかキモいだけじゃねぇか!」



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