♂入れ替わりゆうしゃさま♀

シュテ

文字の大きさ
12 / 26

第11話 クエスト

しおりを挟む
「おっちゃん。今からドラゴン狩ってくるからクエストの発注頼むわ」

「えっと……お嬢さん、今なんて言った?」

「だーかーらぁ、クリムゾンドラゴンだっけ?それ狩ってくるから受理してくれ」


此処は街の中にあるギルド支部。
主にギルドは様々な人から寄せられる依頼を受け持ちそれを外部の人に紹介する役割を持っている。依頼と言っても飼い猫の捜索から部屋の掃除、遠方に行く際の護衛など幅広く存在していて報酬は依頼主から送られるシステムだ。

様々な世界を渡り歩いてきたシンにとって非常に馴染み深い建物でもある。元は世界全てひっくるめて1つだったと言われているのは既に多くの人々に知られていると思う、そんな事は誰も確認する手段がないのだがシンは違う。やはりと言うべきか世界はそれぞれ様々な特色を持っているが共通して存在しているものもある。それがギルドであったり魔法であったりモンスターであったり。

手っ取り早く手柄を立てたりお金を手に入れたりするのには打って付けなギルドの依頼。

間違いなくこの世界の中心であるここエルミナーゼのギルド支部にはずっと誰も成功した事がない依頼が存在するという。
依頼主は国王な時点で地雷臭がするその依頼、だが手っ取り早く社交界という表舞台に出るにはこれ程打って付けの依頼は存在しないだろう。



クリムゾンドラゴンの討伐

太古の昔から存在しているとされているドラゴン。滅多に目を覚まさないが目を覚ました時、腹を空かせたドラゴンはこの国までやって来てその度に甚大な被害を与えるだけ与えて満足したらそれで帰っていくという正しく人類の敵で災厄。前は46年前に起きたらしく大体50年の周期でドラゴンは目を覚ますらしい。

しかし強力で強靭な肉体、全長90mはあるんではないかと言われているそのクリムゾンドラゴンにまともに戦いになった記録はなく討伐は絶望的とされている。

デカデカとボードに張り出されたその依頼はずっと誰の手にも触れられずそこにあるらしい。


だからこそそんな依頼に手を出そうとするシン達にギルド受付の男は正気を疑った。



「馬鹿な事はやめときなお嬢さん、これはな王国騎士団全部隊で挑んでも勝てねぇって言われてるんだ。エルミナーゼの騎士団が勝てねぇんだ、この世界にはクリムゾンドラゴンを倒せる奴なんていねぇよ」

「ふーん、じゃあ受けるから行ってくるわ」

「話聞いてたのか!?お、おいお前さんも何とか言ってやれよ、お前さんの可愛い嫁さんが死んじまうぞ!」

「あ?」

「ひっ!?」



このままでは無駄に命を散らすことになってしまう。丁度シン(亜里朱)と同じぐらいの娘がいる受付の男はそれを黙って見過ごすなんてことは出来なかった、お前も止めてくれと連れだと思われる男に声を掛けた。

だがその瞬間に放たれるプレッシャーに男は心臓を握り潰されているかのような威圧感に息が出来なくなる。

一体なんだこのプレッシャーは。

ここに依頼を受けに来る様々な人を見てきた男。だからこそ男は人を見る目はそれなりにあるつもりだった。だが目の前男、一体どんな修羅場を掻い潜ってくればこんなプレッシャーを放つ事が出来るんだ。


「ほら行くぞー」


女が声を掛け男はそれに付いていく様にギルドから出て行った。その瞬間プレッシャーから解放され力なく地面に膝を付き荒い息を整える。

これはもしかしたら……


そんな思いを持ち始める男だった。


























「お前欠伸なんて我慢すんなよ、間抜けな顔になってたぞ」

「ご、ごめんなさい」



本人は欠伸を我慢していただけだったようだ。









―――――――――








「よう、そこの嬢ちゃん達。クリムゾンドラゴンを討伐しに行くんだってな」

「そうだけど、何のようだ?」

「俺達これでも結構腕が立つんだ、協力させてくれ。なに足はひっぱらねぇさ」


ギルドを出て少し歩いた先でシン達を待っていたのは武器を装備した男2人。そんな男2人は自分達もクエストを手伝うと言ってきたのだ。

先程のやり取りで嫌でも目立ってしまった2人。こうなる事は予定調和だったとも言える。


「わりぃな。また別の機会に頼むよ」

「そう言うなよ嬢ちゃん。お前達はクリムゾンドラゴンの情報とか殆ど持ってねぇだろ?俺達はクリムゾンドラゴンを見たことがある、少しは役に立つと思うぜ」

「おうよ。それにクリムゾンドラゴン挑むんだから次が……」

「お前はちょっと黙ってろ!へへへ、どうだい嬢ちゃん?」


シンは内心めんどくせぇなぁ、と毒ずく。まず目が血走っているし情けなくも下半身が盛り上がっている時点で彼らがどういう根端で近付いてきたのか丸分かりである。

やはり女の身体はめんどくさい。朝からやたらと周りの目線が集まっていたのは気が付いてたのだがその殆どが男からの視線だ。男の身体であったのならこうはなるまい。


さてどうしたものかと思っていると


「だ、駄目です!」


突然亜里朱が大声でそう言った。

ああなるほど、亜里朱もコイツらの目的に気が付いたのか?

どうやら亜里朱も男達の目的にきがついたらしい。確かにこんな男どもに自分の身体が狙われてるとなると気が気でないだろう。けどそんな目も血走って明らかに興奮している男にそんな事を言ってしまったらどうなるのかは目に見えている。


「あ?男にようはねぇんだよ、すっこんでろ殺されてぇのか!」

「うっ……け、警察呼びますよっ!」


おいお前、へっぴり腰で俺の後ろに隠れるんじゃねぇよ。というかこれお前の身体なんだが盾にしていいのか。

キレた男は腰に吊るしてある剣の柄に手を当て亜里朱に脅しをかける。一瞬悲鳴を上げそうになったがそれを我慢しシンの後ろに隠れて男を睨み付けた。


「はぁ、ほんとめんどくせぇなぁ」

「おぉぉ!」


バサァ、と音を立ててローブが捲れる。シンは制服の上からローブを羽織っているだけの状態でどうしても手を出せばこうしてローブが捲れてしまう。どうもこの世界では制服は何処と無く下着と近い分類のようで更に男達は下半身を元気にハッスルさせる。

制服の上からでもしっかりと分かる膨らみ、スカートから見える足に男は目が釘付けになりそろそろ男達も我慢出来なくなってきたのか息が荒い。


「まぁ気持ちは分からんでもないがそんなにいいもんかねぇ……」

「へ、へへ……いい身体してるなぁ……」

「お、俺もう我慢出来ねぇ!」


ふにゅん、と自分の胸をつつく。まぁ柔らかいよなぁ。それだけだけど。後ろにいる亜里朱はまだ怯えているようでそんなシンの奇行に気が付かないようだ。

そんな誘ってるとも取れない行動に1人の男は我慢ならずその胸へと手を伸ばす。


「だ、だめぇぇぇぇ!」

「あばらっ!?」


もうすぐ触れそう、となった時に叫びながら亜里朱はシンの前に出てビンタを男に炸裂させた。ぐるんっ!と人間の首ってそんなに回るんだ、なんて見当違いな事をシンは思いながら男が吹き飛んで行くのを見ていた。


一回転、二回転、三回転と回転して四回転しそうになった所で勢いは止まり男は地面へと落ちた。ピクピクと痙攣している男を唖然としてみている連れの男。そして他人事の様におっ、結構クセになるなとか思いながら胸を揉んで眺めているシン。ぜぇぜぇ言いながら手を振り抜いて目がヤバい亜里朱。

なんだが色々とカオスだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜

タナん
ファンタジー
 オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。  その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。  モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。  温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。 それでも戦わなければならない。  それがこの世界における男だからだ。  湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。  そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。 挿絵:夢路ぽに様 https://www.pixiv.net/users/14840570 ※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

処理中です...