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27 デート
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テオドールが初めてフェリチアーノに手紙と花を贈った日、デュシャン家は新しいネタがやっと出来たと騒がしくなった。
手紙すらも勝手に見ようとしてくる煩わしい家族を何とか部屋の外に追い出し、やっと届いたテオドールからの手紙にフェリチアーノは顔を緩ませる。
慣れていない事がありありと解る手紙の文章を読み、そう言えばテオドールは家族の真似をしているから、見えない部分は不慣れなのかと、普段とのギャップに思わず笑いを零してしまう。
早速返信を書かねばと文箱から紙を取り出すが、そこには当然仕事に使うようなレターセットしかなく、手が止まった。
テオドールからの手紙をもう一度見てから、フェリチアーノは翌日に早速買いに行こうと決意をして、その日は早めに床に着いたが、枕元に飾られたテオドールから送られた花を眺めれば、そわそわとした心が落ち着く事は無く、なかなか寝付く事ができなかった。
そしてそれはテオドールも同じで、初めて送った手紙と花が無事に届けられたと連絡が来るまで落ち着かず、連絡が来たは良いが、今度はフェリチアーノからの返信はいつ来るだろうかと落ち着かなくなってしまった。
相変わらずフェリチアーノからネタを聞き出そうと躍起になる家族に、煩わしさを覚えていたが、そんな中でテオドールとの手紙のやり取りは沈んだ心を明るくした。
そうして文通が始まり、テオドールの執務が一通り落ち着いた頃にやっと、テオドールとのデートの日取りが決まったのだった。
折角の日を最初から家族達に止められては敵わないと全員が出払う日をデートの日に決め、そして今日はその日であった。
事前に用意していたテオドールとの話を前夜に家族に話し、新しいネタを提供しておいた。そのお陰で朝から意気揚々と茶会に出かける家族を執務室から眺めたフェリチアーノは、すぐさま以前テオドールから送られた服に着替え、落ち着かない気持ちでテオドールが屋敷に到着するのを待った。
「会いたかったぞフェリ!」
先ぶれを受け玄関ホールで待っていると、扉が開かれた瞬間駆け寄って来たテオドールに抱きしめられる。
ふわりとテオドールの香りと温もりに包まれると、フェリチアーノの中の重く沈んだ心は一気に浮上し、ふんわりとした笑みを自然に浮かべていた。
馬車に揺られて来たのは公園で、ちらほらと疎らに人々が散歩を楽しんでいた。馬車から降りればあちらこちらから視線が一斉に突き刺さった。
それらを気にする素振りを見せないテオドールは、寧ろ意気揚々とフェリチアーノをエスコートしながら公園の中を歩いていく。
「フェリチアーノごめんな」
「何がです?」
「ほら最初は連絡も何もしなかっただろう? 仕事がある程度片付いたらすぐに連絡しようと思ってたんだが、それではダメだとロイズに叱られてさ。ロイズが言うまで気が付かなかったんだよ」
しょんぼりとしながら謝って来るテオドールに、苦笑しながらチラリと少し距離を空けて歩くロイズを見れば、困った様な笑みを返された。
「お手紙嬉しかったですよ、お花もお菓子も。誰かから貰うのはいつも仕事の関連の物ばかりでしたからとても新鮮で。普段屋敷からあまり出ないのですけど、新しいレターセットを買いに行ったり、文章を悩んだり。あぁ、テオからの返信が待ち遠しくてそわそわしてしまったり」
「フェリも俺と一緒だったみたいで嬉しいよ。フェリからの返信が待ち遠しくて執務中は気がそぞろになってロイズに怒られてばかりだった。ふはっ恋人みたいで良いな!」
「そうですね、とても恋人らしいと思います」
お互いに微笑み合いながら、公園の中を進んで行くと、大きな噴水がありその近くで子供達がおもちゃの船を浮かべて遊んでいる。
久しぶりののんびりとした光景と、陽気に話すテオドールの様子にフェリチアーノは心の底からこのデートを楽しんでいた。
家の中で息苦しさを抱えながら過ごすより、外に出てこんなにもゆっくりできるのはやはりテオドールのお陰に他ならない。普段重たい体も、この時ばかりは軽く感じられた。
「殿下、少し宜しいでしょうか。王宮から使いが来ております」
ロイズに呼ばれ、あからさまに不機嫌顔になったテオドールを宥め、少し離れた場所でフェリチアーノは話が終わるのを待っていた。
噴水は高く水を噴き上げ、心地の良い冷えた風を送ってくれる。水面はキラキラと日の光りで輝き、浮かぶおもちゃの船はゆらゆらと漂う。
その光景をぼうっと見ていれば、次第に足元が冷える感覚がしていき、気が付いた時には体はばしゃんと大きな音を立てて、噴水の中へと落ちていた。
手紙すらも勝手に見ようとしてくる煩わしい家族を何とか部屋の外に追い出し、やっと届いたテオドールからの手紙にフェリチアーノは顔を緩ませる。
慣れていない事がありありと解る手紙の文章を読み、そう言えばテオドールは家族の真似をしているから、見えない部分は不慣れなのかと、普段とのギャップに思わず笑いを零してしまう。
早速返信を書かねばと文箱から紙を取り出すが、そこには当然仕事に使うようなレターセットしかなく、手が止まった。
テオドールからの手紙をもう一度見てから、フェリチアーノは翌日に早速買いに行こうと決意をして、その日は早めに床に着いたが、枕元に飾られたテオドールから送られた花を眺めれば、そわそわとした心が落ち着く事は無く、なかなか寝付く事ができなかった。
そしてそれはテオドールも同じで、初めて送った手紙と花が無事に届けられたと連絡が来るまで落ち着かず、連絡が来たは良いが、今度はフェリチアーノからの返信はいつ来るだろうかと落ち着かなくなってしまった。
相変わらずフェリチアーノからネタを聞き出そうと躍起になる家族に、煩わしさを覚えていたが、そんな中でテオドールとの手紙のやり取りは沈んだ心を明るくした。
そうして文通が始まり、テオドールの執務が一通り落ち着いた頃にやっと、テオドールとのデートの日取りが決まったのだった。
折角の日を最初から家族達に止められては敵わないと全員が出払う日をデートの日に決め、そして今日はその日であった。
事前に用意していたテオドールとの話を前夜に家族に話し、新しいネタを提供しておいた。そのお陰で朝から意気揚々と茶会に出かける家族を執務室から眺めたフェリチアーノは、すぐさま以前テオドールから送られた服に着替え、落ち着かない気持ちでテオドールが屋敷に到着するのを待った。
「会いたかったぞフェリ!」
先ぶれを受け玄関ホールで待っていると、扉が開かれた瞬間駆け寄って来たテオドールに抱きしめられる。
ふわりとテオドールの香りと温もりに包まれると、フェリチアーノの中の重く沈んだ心は一気に浮上し、ふんわりとした笑みを自然に浮かべていた。
馬車に揺られて来たのは公園で、ちらほらと疎らに人々が散歩を楽しんでいた。馬車から降りればあちらこちらから視線が一斉に突き刺さった。
それらを気にする素振りを見せないテオドールは、寧ろ意気揚々とフェリチアーノをエスコートしながら公園の中を歩いていく。
「フェリチアーノごめんな」
「何がです?」
「ほら最初は連絡も何もしなかっただろう? 仕事がある程度片付いたらすぐに連絡しようと思ってたんだが、それではダメだとロイズに叱られてさ。ロイズが言うまで気が付かなかったんだよ」
しょんぼりとしながら謝って来るテオドールに、苦笑しながらチラリと少し距離を空けて歩くロイズを見れば、困った様な笑みを返された。
「お手紙嬉しかったですよ、お花もお菓子も。誰かから貰うのはいつも仕事の関連の物ばかりでしたからとても新鮮で。普段屋敷からあまり出ないのですけど、新しいレターセットを買いに行ったり、文章を悩んだり。あぁ、テオからの返信が待ち遠しくてそわそわしてしまったり」
「フェリも俺と一緒だったみたいで嬉しいよ。フェリからの返信が待ち遠しくて執務中は気がそぞろになってロイズに怒られてばかりだった。ふはっ恋人みたいで良いな!」
「そうですね、とても恋人らしいと思います」
お互いに微笑み合いながら、公園の中を進んで行くと、大きな噴水がありその近くで子供達がおもちゃの船を浮かべて遊んでいる。
久しぶりののんびりとした光景と、陽気に話すテオドールの様子にフェリチアーノは心の底からこのデートを楽しんでいた。
家の中で息苦しさを抱えながら過ごすより、外に出てこんなにもゆっくりできるのはやはりテオドールのお陰に他ならない。普段重たい体も、この時ばかりは軽く感じられた。
「殿下、少し宜しいでしょうか。王宮から使いが来ております」
ロイズに呼ばれ、あからさまに不機嫌顔になったテオドールを宥め、少し離れた場所でフェリチアーノは話が終わるのを待っていた。
噴水は高く水を噴き上げ、心地の良い冷えた風を送ってくれる。水面はキラキラと日の光りで輝き、浮かぶおもちゃの船はゆらゆらと漂う。
その光景をぼうっと見ていれば、次第に足元が冷える感覚がしていき、気が付いた時には体はばしゃんと大きな音を立てて、噴水の中へと落ちていた。
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