18 / 45
18 猫耳
しおりを挟む
「それにしても魔法猫か……僕も会ってみたいな」
「……殿下は既に会っておられます」
どういうことだとばかりに首を捻ったケインズに、ソルドは先日預かった猫がその魔法猫だと話した。
「そうだったのか。では飼い主の元に戻ったと言うことだね。では明日、連れてきてくれないかな? 詳しい話を聞きたいんだ」
ケインズが興味を惹かれるのも無理はないだろう。魔法がない世界で魔法が使えてしまう猫が居るのだから。
どうやって連れてこようかと考えていれば、ケインズがいつの間にか隣に座り、耳に触れてきた。
「!!」
「これが魔法で作られているだなんて不思議だな。ふふ、ずっと触ってみたかったんだ。尻尾はなぜ隠しているんだい? いつも出していただろう」
「あ、あの、耳も尻尾も私には今朝ついてしまった物で……それまでは変わりはなかったはずなのですが」
「おかしいね、僕には確かにずっと見えていたのだけど。でもソルドは何故今朝になってそれが着いたと?」
ソルドは自身がジェスを羨ましく思い、その結果起きたら猫になってしまっていたと話さなければならないことに羞恥を覚える。
暫し逡巡したのち、そんな恥ずかしい感情を正直に話すことなどやはりできないと、ソルドは目を逸らしながらしらを切った。
「今朝起きたらなぜか猫になっていまして……」
「……猫に」
「はい、猫に」
「ふっははは、ソルドが猫に、ふふ、そのまま来てくれてもよかったのに」
「なっ私がどれだけ驚いたか! そのお陰で朝から大変だったんですよ」
「あぁそれで珍しく遅刻してきたんだね?」
愉快そうに笑うケインズに対し、他人事だと思ってとムッとしそうになるが、耳を優しく撫でられればそれもすぐに四散してしまう。またもやぐるぐると喉が鳴り、慌ててしまうソルドだったが、ケインズは慣れたように耳を付け根から先端に向けてゆっくりと撫で続かる。
「可愛いねソルド」
蕩けるような笑みと声音は羞恥で赤くなっているソルドを、更に赤くさせた。体が熱くて仕方がないし、心臓も早鐘を打ち痛いほどだ。
いつもより近い距離で、ジェスが撫でられていた時のように撫でられる。それはソルドが望んだことであったが、ふと窓に写った自身の顔を見て我に返る。
いい年をしたおっさんが、顔を赤くし猫耳を触れられる気持ちよさに震えるなど、気持ち悪くて仕方がない。可愛いなど、そんなことはないはずだ。
ソルドの意識が逸れたことに気が付いたケインズは、更に丹念に耳を撫でまわした。するとごろごろとソルドは喉を再び鳴らしだす。
「うっうぅ……」
「ここが良いのかな? 気持ちいいね」
まるでベッドを共にしているような言葉に、ソルドはぐっと息が詰まってしまう。一度そんなことを考えてしまえば、妙な気分に陥り落ち着かない。
だがケインズの手を止められはしなかった。気持ちよさが勝ってしまい、止めなければと思う物の、もっとと望んでしまうのだ。
「そういえば尻尾は出さないのかい? 尻尾も触ってみたかったんだけど」
空いている手でケインズがサラリと腰に手を伸ばし、ソルドは堪らず距離を取った。
「いっいえ、流石に……それは」
「なぜだい?」
「うっ、殿下の前でその、ズボンを脱ぐのは……」
「今まで外に出ていたのに?」
「あくまで予想ですが……今まで実態がなかったのかもしれません。尻尾をしまっているだけでもその、とても窮屈ですので」
「なるほどね、魔法猫殿に詳しく聞いてみるしかないかな」
尻尾を触れないことが余程残念だったのか、ケインズはその代わりと言わんばかりに時間が許す限りソルドの猫耳を撫で続けた。
「……殿下は既に会っておられます」
どういうことだとばかりに首を捻ったケインズに、ソルドは先日預かった猫がその魔法猫だと話した。
「そうだったのか。では飼い主の元に戻ったと言うことだね。では明日、連れてきてくれないかな? 詳しい話を聞きたいんだ」
ケインズが興味を惹かれるのも無理はないだろう。魔法がない世界で魔法が使えてしまう猫が居るのだから。
どうやって連れてこようかと考えていれば、ケインズがいつの間にか隣に座り、耳に触れてきた。
「!!」
「これが魔法で作られているだなんて不思議だな。ふふ、ずっと触ってみたかったんだ。尻尾はなぜ隠しているんだい? いつも出していただろう」
「あ、あの、耳も尻尾も私には今朝ついてしまった物で……それまでは変わりはなかったはずなのですが」
「おかしいね、僕には確かにずっと見えていたのだけど。でもソルドは何故今朝になってそれが着いたと?」
ソルドは自身がジェスを羨ましく思い、その結果起きたら猫になってしまっていたと話さなければならないことに羞恥を覚える。
暫し逡巡したのち、そんな恥ずかしい感情を正直に話すことなどやはりできないと、ソルドは目を逸らしながらしらを切った。
「今朝起きたらなぜか猫になっていまして……」
「……猫に」
「はい、猫に」
「ふっははは、ソルドが猫に、ふふ、そのまま来てくれてもよかったのに」
「なっ私がどれだけ驚いたか! そのお陰で朝から大変だったんですよ」
「あぁそれで珍しく遅刻してきたんだね?」
愉快そうに笑うケインズに対し、他人事だと思ってとムッとしそうになるが、耳を優しく撫でられればそれもすぐに四散してしまう。またもやぐるぐると喉が鳴り、慌ててしまうソルドだったが、ケインズは慣れたように耳を付け根から先端に向けてゆっくりと撫で続かる。
「可愛いねソルド」
蕩けるような笑みと声音は羞恥で赤くなっているソルドを、更に赤くさせた。体が熱くて仕方がないし、心臓も早鐘を打ち痛いほどだ。
いつもより近い距離で、ジェスが撫でられていた時のように撫でられる。それはソルドが望んだことであったが、ふと窓に写った自身の顔を見て我に返る。
いい年をしたおっさんが、顔を赤くし猫耳を触れられる気持ちよさに震えるなど、気持ち悪くて仕方がない。可愛いなど、そんなことはないはずだ。
ソルドの意識が逸れたことに気が付いたケインズは、更に丹念に耳を撫でまわした。するとごろごろとソルドは喉を再び鳴らしだす。
「うっうぅ……」
「ここが良いのかな? 気持ちいいね」
まるでベッドを共にしているような言葉に、ソルドはぐっと息が詰まってしまう。一度そんなことを考えてしまえば、妙な気分に陥り落ち着かない。
だがケインズの手を止められはしなかった。気持ちよさが勝ってしまい、止めなければと思う物の、もっとと望んでしまうのだ。
「そういえば尻尾は出さないのかい? 尻尾も触ってみたかったんだけど」
空いている手でケインズがサラリと腰に手を伸ばし、ソルドは堪らず距離を取った。
「いっいえ、流石に……それは」
「なぜだい?」
「うっ、殿下の前でその、ズボンを脱ぐのは……」
「今まで外に出ていたのに?」
「あくまで予想ですが……今まで実態がなかったのかもしれません。尻尾をしまっているだけでもその、とても窮屈ですので」
「なるほどね、魔法猫殿に詳しく聞いてみるしかないかな」
尻尾を触れないことが余程残念だったのか、ケインズはその代わりと言わんばかりに時間が許す限りソルドの猫耳を撫で続けた。
12
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
英雄の溺愛と執着
AzureHaru
BL
転生した世界は前世でどハマりしたBLゲーム。最推しは攻略対象!ではなく、攻略対象達の剣術の師匠である、英雄の将軍閣下。メチャクチャイケオジでドストライクだった主人公はこのイケオジみたさにゲームをやっていた。その為に、ゲームの内容など微塵も覚えていなかった。
転生したからには将軍閣下を生でみないとというファン根性で付きまとう。
付き纏われていることに気づいていた将軍だか、自分に向けられる視線が他とは違う純粋な好意しかなかったため、戸惑いながらも心地よく感じていた。
あの時までは‥。
主人公は気づいていなかったが、自分達にかけらも興味を持たないことに攻略対象者達は興味をそそられ、次第に執着していく。そのことにいち早く気づいたのは剣術指南役の将軍のみ。将軍はその光景をみて、自分の中に徐々に独占欲が芽生えていくのを感じた。
そして戸惑う、自分と主人公は親子ほどに歳が離れているのにこの感情はなんなのだと。
そして、将軍が自分の気持ちを認めた時、壮絶な溺愛、執着がはじまる。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
すべてはあなたを守るため
高菜あやめ
BL
【天然超絶美形な王太子×妾のフリした護衛】 Y国の次期国王セレスタン王太子殿下の妾になるため、はるばるX国からやってきたロキ。だが妾とは表向きの姿で、その正体はY国政府の依頼で派遣された『雇われ』護衛だ。戴冠式を一か月後に控え、殿下をあらゆる刺客から守りぬかなくてはならない。しかしこの任務、殿下に素性を知られないことが条件で、そのため武器も取り上げられ、丸腰で護衛をするとか無茶な注文をされる。ロキははたして殿下を守りぬけるのか……愛情深い王太子殿下とポンコツ護衛のほのぼの切ないラブコメディです
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる