溺愛されたいと思っていたら異世界に転生しました

宵闇 月

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ユーリ様が初めて笑った夜私はなかなか寝付けなかった。

ユーリ様の笑顔がチラついて。

素敵な笑顔だったなぁ…

もっと見たい。

私は素直にそう思った。

どうしたらまた笑ってくれるだろう?

今日はたまたま私に気を遣ってくれただけだろうし。

そうではない本当の笑顔が見たいと思う。

この三回のお茶会で分かったことはユーリ様はお菓子を食べる時に嬉しそうな顔をすることと私を好きだと思ってくれてること(こっちは恐らくだけど)。

ということはもっとちゃんと好きになってくれたら私に笑いかけてくれるのかな?

気付けば私はユーリ様の笑顔のことばかりを考えていた。

と、その時。

既視感のある光が現れ私はブラックアウトした。

しばらくして意識が浮上するとこれまた見覚えのある白い毛玉が浮いている。

「どうじゃ?新しい生活は?」

神様だった。

私は神様を見た途端目を吊り上げ口を開く。

「どうじゃも何もないです!いきなり人を殺して転生させて!しかもここどの小説の世界か分からないし!」

「そう怒るでない。それで溺愛生活とやらはどうじゃ?」

ここでハッとする。

そう、私は溺愛される生活をするはずではなかったのか?

私は再び神様に噛み付いた。

「溺愛?私の知ってる溺愛とは程遠いことになってますが?」

すると神様はふぉふぉふぉと笑い

「そうは言うが随分幸せそうに見えるぞ。それに溺愛といってもいろんな形があるもんじゃ。まあ楽しめ」

と言ってまた勝手に消えて私の視界はホワイトアウトした。

なんなのよもぉっ!

勝手に出てきて勝手に喋って勝手に消えてっ!

しかも私が幸せそうですって?!

…………。

いや、確かに幸せかもしれない。

貴族の生活は勉強は大変だし学ぶことは多いがそれでもそれ相応の生活を送れている。

綺麗なものを沢山身につけて美味しいものを食べて、前世でいうところのを余す所なく享受できていると思う。

しかも婚約者のユーリ様はーー

ドキン…

ユーリ様のことを考えたら突然心臓が跳ねた。

ドキドキドキドキ…

え?

まさか?

恋?

それは私の知っている恋とは違う程遠い感覚だった。
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