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第208話 神のBP(ビューティーポイント)
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「轟さん、凄く肌綺麗ですねー」
姫野は隣で髪を洗う轟の華奢な身体を見ながら正直な感想を口にする。
「ええ!? そ、そうかな……私は姫ちゃんのストレートの髪が羨ましいよ。ほら私の髪って癖毛だから……」
「轟さんの髪はお綺麗ですよ。肌は何かケアしてるんですか?」
「特に意識した事はないかな……あ、でも睡眠が大事ってテレビで言ってたよ!」
「確かに睡眠は大事ですよね。私もプレゼンのある前日は緊張してあまり眠れなかったりします」
「立ちながら寝る方法。教えてあげようか?」
「それってあんまり良くないと思いますけど……」
姫野と轟は大人しい者同士、不思議と気が合う。そこへ、
「立ったまま寝るのは社会人には必要なスキルではないと思うよ」
「箕輪さん」
そこへ箕輪鏡子が隣に座る。
「髪の毛が長いと二人とも洗うのが大変そうだね。手伝おうか」
「ありがとうございまーす」
ヴォン。樹は分析眼を使って姫野と轟と箕輪を見る。
「……」
「どうですか?」
泉は結果にワクワクしながら尋ねる。リンカは樹の背中を流してあげていた。
「参ったなぁ……これはガチでヤバいよ。たまに居るんだよなぁ……こう言うの」
「何かマズイことでも?」
歯切れの悪い樹にリンカも結果が気になる。
「三人とも150BPを越えてる。これはもう、ミスコンとかで頭一つ抜けてトップを取るレベルだよ。それが三人も……泉君の会社ってモデル事務所なのかい?」
「正確には箕輪さんは違いますけど……」
樹の結果を見るまでもないが、轟と姫野は同性から見ても相当に眼を引いていた。箕輪に関しても学校ではジャージを愛用している事もあってか、レベルの高い容姿を抑えていた様だ。
「ちなみに私の分析眼の出す数値は外見のBPだけに過ぎない。ここに性格のデータを加味すると更なる上昇も考えられる」
「ちなみに測れるBPっていくらくらいです?」
「私の分析眼の最高値は200BPだ。今まで見てきた美では最高値がソレでね。ちなみにその数値を叩き出したのは、ブルーウォーターと呼ばれる宝石だった」
「宝石の半分……」
自身と人工物との差を知ったリンカと泉は気落ちする。
そこで樹は一旦、分析眼を停止した。総じてこの旅行で参加した者の容姿レベルは高い。興味深いデータが取れそうだと思っていると、
「ふふ、楽しそうね」
「詩織先輩!」
現れた鬼灯に泉は声色が変わる。
「お背中をお流しします! 座って下さい!」
「ありがとう。なら私は泉さんの背中を流しちゃおうかしら」
「いいんですか!? あぁ……最高の一日です……」
「ふふ」
「…………」
現れた鬼灯に幸せそうに奉仕する泉。それを見て動きを止める樹にリンカは気がつく。
「どうしたんですか?」
「いや……これは……次元が違う……」
「?」
樹の視線に気づいた鬼灯は首をかしげる。
鬼灯君……分析眼を使わずともその肢体は完璧な黄金比。更にそれらに完璧に当てはまる大きさの乳房と臀部はまさに奇跡の代物だ。こんな人間が存在したとは!? 服を着ていた状態でも153BPだったが……今の状態は一体どれ程の数値が出ると言うのだ!?
「あの……国尾主任?」
まじまじと自分の身体を見てくる樹に鬼灯は少し恥ずかしくなって聞き返す。
「リンカ君。私の身体を任せるよ」
「はい?」
樹は分析眼を発動。鬼灯の裸体をBPで数値化する――
「――馬鹿な」
計測の数値が止まらないだと!? 私の眼球と脳で今まで見てきた美が全て上書きされて――
「180! 190! 200! 220! 240! 280! 300!? うわぁぁぁ!!」
「樹さん!?」
「国尾主任!?」
突然、数字と悲鳴を上げる樹に鬼灯と泉は動揺する。樹は額を抑える様に指の隙間から計測を続けた。
まだだ! まだ終わらんよ! ここで知っておくのだ! 研究者として鬼灯君のBPを――
「大丈夫ですか?」
心配する鬼灯は樹の頬に手を触れる。少し濡れた髪から滴る雫はより魅力的な要素としてBPが振り切れ――
「鬼灯君……」
「……はい?」
「君の身体は神の位置にいるよ」
それだけを言い残し、樹は満足したように灰色に燃え尽きた。
計測結果……鬼灯詩織(裸体)300BP以上。
「……泉さん。今の国尾主任の言葉の意味は――」
「多分……あまり気にしなくて良いと思います」
「あはは……」
リンカも苦笑い。樹も相当に変な人だと改めて認識した三人だった。
「ん? お前ら楽しそうだが、露天風呂に行くときはタオルを持参しろよ」
灰色になった樹にリンカは気付けの水をシャワーを浴びせて再起動させていると七海が声をかけてくる。
「どうしました?」
露天風呂はこの旅館の目玉でもある美肌効果のある濁り湯だ。リンカとしてはそんな物は抜きにして初めての露天風呂には興味津々だった。
「あっちに注意書きがある。行く前にきちんと読んどけよ。特にリンカは一人で行くな」
七海は親指をピッと向けて、少し曇って遠目では読みづらい露天風呂への注意書きを確認するように告げた。
「えーっと、なになに――」
樹の介抱は鬼灯が引き受け、他の面々が見ている横からリンカと泉も覗き込む。
『露天風呂での注意』
・当店における露天風呂は地形の関係上、分ける事が出来ず、原則“男女混浴”となります。
・女性の方は脱衣所のタオルをお使いください。
・不貞行為は禁止ですが発覚した際は賠償金の請求と当館においての責任は無いものと致します。
・以上の事を認識した上で露天風呂をご堪能ください。
※浴場管理者デュガレ・ローレンスより。
姫野は隣で髪を洗う轟の華奢な身体を見ながら正直な感想を口にする。
「ええ!? そ、そうかな……私は姫ちゃんのストレートの髪が羨ましいよ。ほら私の髪って癖毛だから……」
「轟さんの髪はお綺麗ですよ。肌は何かケアしてるんですか?」
「特に意識した事はないかな……あ、でも睡眠が大事ってテレビで言ってたよ!」
「確かに睡眠は大事ですよね。私もプレゼンのある前日は緊張してあまり眠れなかったりします」
「立ちながら寝る方法。教えてあげようか?」
「それってあんまり良くないと思いますけど……」
姫野と轟は大人しい者同士、不思議と気が合う。そこへ、
「立ったまま寝るのは社会人には必要なスキルではないと思うよ」
「箕輪さん」
そこへ箕輪鏡子が隣に座る。
「髪の毛が長いと二人とも洗うのが大変そうだね。手伝おうか」
「ありがとうございまーす」
ヴォン。樹は分析眼を使って姫野と轟と箕輪を見る。
「……」
「どうですか?」
泉は結果にワクワクしながら尋ねる。リンカは樹の背中を流してあげていた。
「参ったなぁ……これはガチでヤバいよ。たまに居るんだよなぁ……こう言うの」
「何かマズイことでも?」
歯切れの悪い樹にリンカも結果が気になる。
「三人とも150BPを越えてる。これはもう、ミスコンとかで頭一つ抜けてトップを取るレベルだよ。それが三人も……泉君の会社ってモデル事務所なのかい?」
「正確には箕輪さんは違いますけど……」
樹の結果を見るまでもないが、轟と姫野は同性から見ても相当に眼を引いていた。箕輪に関しても学校ではジャージを愛用している事もあってか、レベルの高い容姿を抑えていた様だ。
「ちなみに私の分析眼の出す数値は外見のBPだけに過ぎない。ここに性格のデータを加味すると更なる上昇も考えられる」
「ちなみに測れるBPっていくらくらいです?」
「私の分析眼の最高値は200BPだ。今まで見てきた美では最高値がソレでね。ちなみにその数値を叩き出したのは、ブルーウォーターと呼ばれる宝石だった」
「宝石の半分……」
自身と人工物との差を知ったリンカと泉は気落ちする。
そこで樹は一旦、分析眼を停止した。総じてこの旅行で参加した者の容姿レベルは高い。興味深いデータが取れそうだと思っていると、
「ふふ、楽しそうね」
「詩織先輩!」
現れた鬼灯に泉は声色が変わる。
「お背中をお流しします! 座って下さい!」
「ありがとう。なら私は泉さんの背中を流しちゃおうかしら」
「いいんですか!? あぁ……最高の一日です……」
「ふふ」
「…………」
現れた鬼灯に幸せそうに奉仕する泉。それを見て動きを止める樹にリンカは気がつく。
「どうしたんですか?」
「いや……これは……次元が違う……」
「?」
樹の視線に気づいた鬼灯は首をかしげる。
鬼灯君……分析眼を使わずともその肢体は完璧な黄金比。更にそれらに完璧に当てはまる大きさの乳房と臀部はまさに奇跡の代物だ。こんな人間が存在したとは!? 服を着ていた状態でも153BPだったが……今の状態は一体どれ程の数値が出ると言うのだ!?
「あの……国尾主任?」
まじまじと自分の身体を見てくる樹に鬼灯は少し恥ずかしくなって聞き返す。
「リンカ君。私の身体を任せるよ」
「はい?」
樹は分析眼を発動。鬼灯の裸体をBPで数値化する――
「――馬鹿な」
計測の数値が止まらないだと!? 私の眼球と脳で今まで見てきた美が全て上書きされて――
「180! 190! 200! 220! 240! 280! 300!? うわぁぁぁ!!」
「樹さん!?」
「国尾主任!?」
突然、数字と悲鳴を上げる樹に鬼灯と泉は動揺する。樹は額を抑える様に指の隙間から計測を続けた。
まだだ! まだ終わらんよ! ここで知っておくのだ! 研究者として鬼灯君のBPを――
「大丈夫ですか?」
心配する鬼灯は樹の頬に手を触れる。少し濡れた髪から滴る雫はより魅力的な要素としてBPが振り切れ――
「鬼灯君……」
「……はい?」
「君の身体は神の位置にいるよ」
それだけを言い残し、樹は満足したように灰色に燃え尽きた。
計測結果……鬼灯詩織(裸体)300BP以上。
「……泉さん。今の国尾主任の言葉の意味は――」
「多分……あまり気にしなくて良いと思います」
「あはは……」
リンカも苦笑い。樹も相当に変な人だと改めて認識した三人だった。
「ん? お前ら楽しそうだが、露天風呂に行くときはタオルを持参しろよ」
灰色になった樹にリンカは気付けの水をシャワーを浴びせて再起動させていると七海が声をかけてくる。
「どうしました?」
露天風呂はこの旅館の目玉でもある美肌効果のある濁り湯だ。リンカとしてはそんな物は抜きにして初めての露天風呂には興味津々だった。
「あっちに注意書きがある。行く前にきちんと読んどけよ。特にリンカは一人で行くな」
七海は親指をピッと向けて、少し曇って遠目では読みづらい露天風呂への注意書きを確認するように告げた。
「えーっと、なになに――」
樹の介抱は鬼灯が引き受け、他の面々が見ている横からリンカと泉も覗き込む。
『露天風呂での注意』
・当店における露天風呂は地形の関係上、分ける事が出来ず、原則“男女混浴”となります。
・女性の方は脱衣所のタオルをお使いください。
・不貞行為は禁止ですが発覚した際は賠償金の請求と当館においての責任は無いものと致します。
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