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072 襲撃
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あれか! 何処かで聞いた名だと思ったが、あの時巨大なベッドに寝ていたのがタイラント公爵って奴か。
それなら俺達が恨まれていても不思議じゃないな。
やられっぱなしで黙っていれば、相手は図に乗り押さえが効かなくなるのは世界の常識。
ヤクザも国家も同じで、やられたらやり返してこそ対等な関係と平和が保たれる。
今後の平穏な生活の為にも、エリックとやらから話を聞く必要がある。
タイラント公爵が邪魔をするのなら実力で・・・グレイとアッシュにお願いして通してもらうさ。
「引き下がる気はなさそうだな」
「幸い宰相閣下から身分証を預かっていますので、それを使って通してもらいます。駄目な時は、少々騒ぎが起きると伝えておいて下さい」
公爵様からタイラント公爵一派の事を聞かされたが、権力闘争に興味は無い。
興味は無いが、執事のエリックに会いに行くのに素直に通してくれるかが問題だ。
「お前が望むのなら、エリックとやらを王城に呼びつける事も出来るぞ」
「判っているのでしょう。問題のエリックが独断で依頼できる事ではないと。金貨200枚の報酬だけなら口約束だと惚けられる。しかし問題のゲイルって奴はこんな物を持っていましたよ」
ゲイルの持っていた身分証を取り出して見せると、公爵の目が光る。
「ランディス様、それをお借りしても?」
背後からフェルラントが声を掛けて来たので手渡すと、掌に載せて例の呪文を呟いている。
浮かびあがる紋章を見て頷き「有り難う御座います」と言って返してくれたが、公爵様が渋い顔をしている。
「止めても無駄だろうな。バテスト街道の先はクラウディオ王国に繋がっている。タイラント公爵家を継いだ現当主は、何かと噂がある・・・噂に過ぎないが油断をするなよ」
そう言う事ね。
* * * * * * *
久し振りの王都なので市場で降ろしてもらい、お気に入りの屋台に寄り食料買い出しに励んでいたが、フラッグだけだと余計な奴が湧いて出る。
俺を値踏みしながら近寄ってくるのは、どう見ても冒険者崩れか破落戸かと思うが、フラッグが貴族街を出てから付いてきた奴もいると教えてくれた。
確かに貴族街に入った時はそんなに感じなかったが、公爵邸をお暇して戻る時には鋭い視線を感じていた。
それは通り過ぎるお屋敷からなので、辻馬車で貴族街を通れば注目を浴びるのは仕方がないと油断しすぎた様だ。
「よう兄さん、今日は猫の仔を連れてねぇじゃんよー」
「それだけ買い込めるのなら、懐が温かそうだな」
「最近稼ぎが少なくて腹が減っているんだ。少し奢ってくれよ」
「下手な芝居は良いんだよ。後ろの男に何を頼まれたんだ」
「あん、何を訳の判らん事を言ってるんだ」
振り向きもせずに否定するって事は図星の様だ。
少し離れて後ろに居た男が、顔を伏せて離れて行く。
「何が可笑しい!」
「後ろの奴が逃げて行ったけど、金は貰っているのか? ただ働きでは割に合わないだろう」
そう言うと、左右にいた男が背後を確認して〈あれっ、居ないぞ〉何て呟くと、数人が振り向き〈どうしてだ〉なんて言っている。
「どうやら前金無しで話に乗った様だな。犯罪奴隷になりたくなかったら消えな」
「なんだと」
「消えろと言ったんだよ。それとも警備兵を呼んで詳しく話を聞こうか」
「兄貴、何か不味いですよ」
「手遅れの様だな」
気配は九人か、此奴等が騒ぎを起こした隙を狙った様だが、殺気がダダ漏れだぞ。
というか、間抜けな冒険者にも悟られているとはね。
《フラッグ、襲って来たらアローを使え! 出来るだけ殺さない様にな》
《はい、殺さない様にですね》
魔法攻撃はなさそうなので一安心と思ったら、男達の背後に回った奴が〈さっさと殺れ!〉と言って男を蹴り飛ばした。
俺の前に蹴り出された男が腰の剣に手を伸ばしたが、横からショートソードが突き出された。
同時に背後から〈ウッ、糞ッ〉とか〈何だ!〉の声が聞こえると同時に肩からフラッグの重さが消えた。
左右から突き出された剣を腕で弾き、踏み込んで股間に前蹴りを一発。
背中に軽い衝撃を受けたが気にせずに声を掛けて来た男達の中へ飛び込み、腕を掴んで引っ張り位置を入れ替える。
〈ギャァー〉って声に周囲から悲鳴が上がるが、構っている暇はない。
襲って来た奴等と最初に声を掛けて来た奴等も剣を抜いていて、間抜けな冒険者の顔を投げ捨てている。
二段構えの手の込んだ襲い方と前後左右に人がいては、魔力を纏っていても動ける余裕がない。
こんな超接近戦の訓練なんて受けた事が無いぞ。
突然攻撃が止み呻き声が聞こえるので見回すと、死屍累々・・・寸前といった感じで男達が転がっている。
殆どの男が腹や背にストーンアローを受けていて、俺が倒したのはほんの数人だった。
遠巻きに俺達を見ている野次馬を掻き分けて警備兵が駆け寄ってくるので、急いで王国の身分証を取り出す。
《ランディ、あれもやる?》
《駄目! あれを射っちゃ駄目だよ。良くやったねフラッグ》
《はい、ランディを守れと言われてます》
グレイの薫陶の賜か、それにしても上達したものだ。
「此はなにごとだ!」
「お前は・・・」
短槍を突きつけて誰何してくるが、俺の持つ身分証を見てそれ以上踏み込んで来ない。
「責任者は誰だ。先ず俺の身分証を確認しろ!」
少し遅れてやって来た男が、短槍を突きつけている警備兵を掻き分けて前に出てきたが、俺の手の中の身分証をチラリと見ると「身分証を拝見したい」と一言。
黙って差し出すと掌に置いて例の呪文を唱え、浮かびあがった紋章を見てから敬礼する。
「王都中央区警備隊中隊長オイゲンであります。此は何事でしょうか?」
「いきなり襲われたのだが、ヒューヘン宰相の指示があるまで此処から誰も動かすな。宰相の差し向けた者以外には絶対に引き渡すな。もし誰かが知り合いだ配下だと言ってきてもだ」
それだけを命じてから宰相宛てに事の経緯を走り書きをして、オイゲンに渡して至急王城へ届けろと命じた。
オイゲンは宛名を見ると傍らに控える副官らしき男に手渡して「急いで届けろ」と命じている。
転がっている奴等を見ると、冒険者風が七人と後からの者が九人いて動かない者が数人いる。
《死んじゃったかな》
《少しくらいは良いよ。此れからも頼むよ》
《はい、ランディを守る!》
「オイゲンさん。ポーションを持っていますか?」
「警備隊詰所に少しありますが此処には有りません」
「あっ、気にしないで。此奴等が持っているかも」
呻いている奴にポーションを持っているなら出せと、優しく尋ねてやる。
* * * * * * *
王城の通用門脇の警備隊詰所に駆け込んだオイゲンの副官は、宰相閣下への急報ですと告げて責任者に手渡し、それは即座にヒューヘン宰相の補佐官へと届けられた。
急報と言われて受け取った走り書きの様な書状を見て、差出人がランディスとなっているので慌ててヒューヘン宰相に差し出す。
走り書きの書状を受け取り怪訝な顔になるが、書状を読む顔色が変わった。
「ボリス、警備兵を・・・駄目だ、騎士団の者を50名、急ぎセンサウス市場に派遣してランディスの指揮下に入れと命じろ! 大至急だ!」
宰相の怒鳴り声に跳ねる様に立ち上がると、宰相執務室を飛び出して行った補佐官のボリスは、いったい何が起きているのか判らないままに騎士団の宿舎に急いだ。
* * * * * * *
虫の息の男達には、警備隊詰所から持って来させたポーションを飲ませて一息ついていると、遠巻きに騒ぐ野次馬を掻き分けてお約束というか予定通り貴族の騎士達がやって来た。
襲われた時から察していたが、余りにも見え透いた手口に脱力しそう。
自分の領地なら領主の配下として無理も通るが、此処は王都で王国の印籠持ちの俺がいる。
そう簡単に事が運ばないと教えてやらねば先々俺が難儀する。
「止まれ! 何の用だ!」
「我々はヒンメル伯爵様の騎士団の者だ。同じ騎士団の者が、街の破落戸に襲われて怪我をしているとの知らせを受けてやって来た」
《フラッグ、やれと言ったら此方に向かって来ている奴等も動けない様にしてね》
《はい、ランディ、やります!》
「それはご苦労様ですが、此は破落戸の喧嘩ではありません。只今ヒューヘン宰相閣下にお報せして指示を待っている所です。ヒンメル伯爵様の配下と申されましたが・・・」
「黙れ小僧! その方は何の権限があって口を挟む」
「えっ、俺が誰だか知らない筈はないだろう、殺気がダダ漏れだよ。警備兵の前で俺を襲えば、ご主人様がどうなるのか知っているよね。知らないと惚けるつもりなら、此を見せておくよ」
王国の身分証を取りだして振って見せると、これ以上は不利になると悟ったのか歯軋りをして黙り込み、仲間の騎士達と共にそそくさと引き返して行った。
此奴等を捕まえても、どうせ奴等の主は惚けるだろうから見逃してやるが、ヒンメル伯爵の名前は忘れないぞ。
しかし、ホールデンス公爵邸を訪れただけで此の騒ぎは何だ。
公爵邸をお暇して貴族街を出る前からの視線と、後をつけられて襲われたこと。
何度か公爵邸を訪れているが、今までと今回の違いは辻馬車を使った事しか思い当たらない。
確かに貴族街を辻馬車が走れば目立つだろうが、標的は確実に俺だったしさっきの騎士達も俺から目を離さなかった。
そのうえに、殺気がダダ漏れとはね。
それなら俺達が恨まれていても不思議じゃないな。
やられっぱなしで黙っていれば、相手は図に乗り押さえが効かなくなるのは世界の常識。
ヤクザも国家も同じで、やられたらやり返してこそ対等な関係と平和が保たれる。
今後の平穏な生活の為にも、エリックとやらから話を聞く必要がある。
タイラント公爵が邪魔をするのなら実力で・・・グレイとアッシュにお願いして通してもらうさ。
「引き下がる気はなさそうだな」
「幸い宰相閣下から身分証を預かっていますので、それを使って通してもらいます。駄目な時は、少々騒ぎが起きると伝えておいて下さい」
公爵様からタイラント公爵一派の事を聞かされたが、権力闘争に興味は無い。
興味は無いが、執事のエリックに会いに行くのに素直に通してくれるかが問題だ。
「お前が望むのなら、エリックとやらを王城に呼びつける事も出来るぞ」
「判っているのでしょう。問題のエリックが独断で依頼できる事ではないと。金貨200枚の報酬だけなら口約束だと惚けられる。しかし問題のゲイルって奴はこんな物を持っていましたよ」
ゲイルの持っていた身分証を取り出して見せると、公爵の目が光る。
「ランディス様、それをお借りしても?」
背後からフェルラントが声を掛けて来たので手渡すと、掌に載せて例の呪文を呟いている。
浮かびあがる紋章を見て頷き「有り難う御座います」と言って返してくれたが、公爵様が渋い顔をしている。
「止めても無駄だろうな。バテスト街道の先はクラウディオ王国に繋がっている。タイラント公爵家を継いだ現当主は、何かと噂がある・・・噂に過ぎないが油断をするなよ」
そう言う事ね。
* * * * * * *
久し振りの王都なので市場で降ろしてもらい、お気に入りの屋台に寄り食料買い出しに励んでいたが、フラッグだけだと余計な奴が湧いて出る。
俺を値踏みしながら近寄ってくるのは、どう見ても冒険者崩れか破落戸かと思うが、フラッグが貴族街を出てから付いてきた奴もいると教えてくれた。
確かに貴族街に入った時はそんなに感じなかったが、公爵邸をお暇して戻る時には鋭い視線を感じていた。
それは通り過ぎるお屋敷からなので、辻馬車で貴族街を通れば注目を浴びるのは仕方がないと油断しすぎた様だ。
「よう兄さん、今日は猫の仔を連れてねぇじゃんよー」
「それだけ買い込めるのなら、懐が温かそうだな」
「最近稼ぎが少なくて腹が減っているんだ。少し奢ってくれよ」
「下手な芝居は良いんだよ。後ろの男に何を頼まれたんだ」
「あん、何を訳の判らん事を言ってるんだ」
振り向きもせずに否定するって事は図星の様だ。
少し離れて後ろに居た男が、顔を伏せて離れて行く。
「何が可笑しい!」
「後ろの奴が逃げて行ったけど、金は貰っているのか? ただ働きでは割に合わないだろう」
そう言うと、左右にいた男が背後を確認して〈あれっ、居ないぞ〉何て呟くと、数人が振り向き〈どうしてだ〉なんて言っている。
「どうやら前金無しで話に乗った様だな。犯罪奴隷になりたくなかったら消えな」
「なんだと」
「消えろと言ったんだよ。それとも警備兵を呼んで詳しく話を聞こうか」
「兄貴、何か不味いですよ」
「手遅れの様だな」
気配は九人か、此奴等が騒ぎを起こした隙を狙った様だが、殺気がダダ漏れだぞ。
というか、間抜けな冒険者にも悟られているとはね。
《フラッグ、襲って来たらアローを使え! 出来るだけ殺さない様にな》
《はい、殺さない様にですね》
魔法攻撃はなさそうなので一安心と思ったら、男達の背後に回った奴が〈さっさと殺れ!〉と言って男を蹴り飛ばした。
俺の前に蹴り出された男が腰の剣に手を伸ばしたが、横からショートソードが突き出された。
同時に背後から〈ウッ、糞ッ〉とか〈何だ!〉の声が聞こえると同時に肩からフラッグの重さが消えた。
左右から突き出された剣を腕で弾き、踏み込んで股間に前蹴りを一発。
背中に軽い衝撃を受けたが気にせずに声を掛けて来た男達の中へ飛び込み、腕を掴んで引っ張り位置を入れ替える。
〈ギャァー〉って声に周囲から悲鳴が上がるが、構っている暇はない。
襲って来た奴等と最初に声を掛けて来た奴等も剣を抜いていて、間抜けな冒険者の顔を投げ捨てている。
二段構えの手の込んだ襲い方と前後左右に人がいては、魔力を纏っていても動ける余裕がない。
こんな超接近戦の訓練なんて受けた事が無いぞ。
突然攻撃が止み呻き声が聞こえるので見回すと、死屍累々・・・寸前といった感じで男達が転がっている。
殆どの男が腹や背にストーンアローを受けていて、俺が倒したのはほんの数人だった。
遠巻きに俺達を見ている野次馬を掻き分けて警備兵が駆け寄ってくるので、急いで王国の身分証を取り出す。
《ランディ、あれもやる?》
《駄目! あれを射っちゃ駄目だよ。良くやったねフラッグ》
《はい、ランディを守れと言われてます》
グレイの薫陶の賜か、それにしても上達したものだ。
「此はなにごとだ!」
「お前は・・・」
短槍を突きつけて誰何してくるが、俺の持つ身分証を見てそれ以上踏み込んで来ない。
「責任者は誰だ。先ず俺の身分証を確認しろ!」
少し遅れてやって来た男が、短槍を突きつけている警備兵を掻き分けて前に出てきたが、俺の手の中の身分証をチラリと見ると「身分証を拝見したい」と一言。
黙って差し出すと掌に置いて例の呪文を唱え、浮かびあがった紋章を見てから敬礼する。
「王都中央区警備隊中隊長オイゲンであります。此は何事でしょうか?」
「いきなり襲われたのだが、ヒューヘン宰相の指示があるまで此処から誰も動かすな。宰相の差し向けた者以外には絶対に引き渡すな。もし誰かが知り合いだ配下だと言ってきてもだ」
それだけを命じてから宰相宛てに事の経緯を走り書きをして、オイゲンに渡して至急王城へ届けろと命じた。
オイゲンは宛名を見ると傍らに控える副官らしき男に手渡して「急いで届けろ」と命じている。
転がっている奴等を見ると、冒険者風が七人と後からの者が九人いて動かない者が数人いる。
《死んじゃったかな》
《少しくらいは良いよ。此れからも頼むよ》
《はい、ランディを守る!》
「オイゲンさん。ポーションを持っていますか?」
「警備隊詰所に少しありますが此処には有りません」
「あっ、気にしないで。此奴等が持っているかも」
呻いている奴にポーションを持っているなら出せと、優しく尋ねてやる。
* * * * * * *
王城の通用門脇の警備隊詰所に駆け込んだオイゲンの副官は、宰相閣下への急報ですと告げて責任者に手渡し、それは即座にヒューヘン宰相の補佐官へと届けられた。
急報と言われて受け取った走り書きの様な書状を見て、差出人がランディスとなっているので慌ててヒューヘン宰相に差し出す。
走り書きの書状を受け取り怪訝な顔になるが、書状を読む顔色が変わった。
「ボリス、警備兵を・・・駄目だ、騎士団の者を50名、急ぎセンサウス市場に派遣してランディスの指揮下に入れと命じろ! 大至急だ!」
宰相の怒鳴り声に跳ねる様に立ち上がると、宰相執務室を飛び出して行った補佐官のボリスは、いったい何が起きているのか判らないままに騎士団の宿舎に急いだ。
* * * * * * *
虫の息の男達には、警備隊詰所から持って来させたポーションを飲ませて一息ついていると、遠巻きに騒ぐ野次馬を掻き分けてお約束というか予定通り貴族の騎士達がやって来た。
襲われた時から察していたが、余りにも見え透いた手口に脱力しそう。
自分の領地なら領主の配下として無理も通るが、此処は王都で王国の印籠持ちの俺がいる。
そう簡単に事が運ばないと教えてやらねば先々俺が難儀する。
「止まれ! 何の用だ!」
「我々はヒンメル伯爵様の騎士団の者だ。同じ騎士団の者が、街の破落戸に襲われて怪我をしているとの知らせを受けてやって来た」
《フラッグ、やれと言ったら此方に向かって来ている奴等も動けない様にしてね》
《はい、ランディ、やります!》
「それはご苦労様ですが、此は破落戸の喧嘩ではありません。只今ヒューヘン宰相閣下にお報せして指示を待っている所です。ヒンメル伯爵様の配下と申されましたが・・・」
「黙れ小僧! その方は何の権限があって口を挟む」
「えっ、俺が誰だか知らない筈はないだろう、殺気がダダ漏れだよ。警備兵の前で俺を襲えば、ご主人様がどうなるのか知っているよね。知らないと惚けるつもりなら、此を見せておくよ」
王国の身分証を取りだして振って見せると、これ以上は不利になると悟ったのか歯軋りをして黙り込み、仲間の騎士達と共にそそくさと引き返して行った。
此奴等を捕まえても、どうせ奴等の主は惚けるだろうから見逃してやるが、ヒンメル伯爵の名前は忘れないぞ。
しかし、ホールデンス公爵邸を訪れただけで此の騒ぎは何だ。
公爵邸をお暇して貴族街を出る前からの視線と、後をつけられて襲われたこと。
何度か公爵邸を訪れているが、今までと今回の違いは辻馬車を使った事しか思い当たらない。
確かに貴族街を辻馬車が走れば目立つだろうが、標的は確実に俺だったしさっきの騎士達も俺から目を離さなかった。
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