71 / 149
071 騒動の予感
一晩公爵邸の裏庭にお泊まりしたが、仕立屋に採寸されてドギマギしているアルカン達。
翌朝届けられた物は冒険者達が着る服と同色で目立たないが、左の胸には少し明るめの色でホールデンス公爵家の紋章熊ちゃんが浮かびあがっている。
男達の物は腰より少し下までの長さだが、フェリスの物はもっと長めで女性と判る。
「なかなか似合っているよ」
「ちょっと警備兵みたいだな」
「思ったよりも動きやすいな」
「目立たない色で助かるぜ」
「そいつを着ていれば、模擬戦を挑まれても公爵様に止められていると断れるよ。と言うか、その紋章を見て模擬戦を挑むって事は、公爵家に喧嘩を売るって事だからね。だけどあんまり薄汚れた格好は出来ないので気を付けてね」
「此を着ている以上は、ホールデンス公爵様の配下に見られるってことね」
「街の中だけだよ。外に出たら服の御利益は無いよ」
「当然だな」
「公爵様の顔に泥を塗らない様に気を付けるよ」
「此を着ている時だけは、だな」
「それ位の気楽な気分でいれば良いよ」
サディアスさんに挨拶をしてお暇しようとしたら「ゴールデンゴートと雛鳥のお礼です」と言われて、アルカン達に革袋が二つ渡された。
困惑するアルカンに、断るのは失礼なので受け取っておけば良いと言っておく。
受け取った革袋を俺に差し出すので、公爵様に提供したのはアルカン達なので俺が受け取る謂れはないと拒否。
困惑していたが、大金を持ち歩くのは嫌なので商業ギルドに預けに行くと言うのでお別れした。
* * * * * * *
「しかし、金貨の袋を持って商業ギルドに行く事になるとは思わなかったな」
「ランディスにファルを譲ってとお願いした上に、手解までしてもらってお世話になりっぱなしね」
「だけど、彼奴は公爵様相手でも平気な顔をしていたな」
「アッシュとグレイを連れているだけでも凄いのに、よく判らん奴だ」
「あら、噂を知らないの」
「噂ってなんでぇ?」
「ランディスって、此処から南の方の貴族のお坊ちゃまらしいのよ。それが家を放り出されて追われていた時に、あの二頭をテイムしたらしいの。エリンザスの近くで襲われて死にそうになった時に、公爵様の御子息と繋がりが出来たって話よ」
「あー、エリンザスの近くで、大爆発が起きたとかなんとかの話か」
「あれってランディスの事だったのか?」
「あの時は騎士崩れや冒険者達が多数捕らえられたって話だぞ」
「タイガーキャットの親子を見た時に、市場の小母ちゃん達の話を思い出したの。出会った時には、まさか賞金の掛かった幻獣の群れを追っていたとは知らなかったわ。グレイが倒した二頭を見てランディスが悩んでいたので、思わず一頭譲ってくれと言っちゃったの」
「言っちゃったのって、何だそれ」
「だって、テイマースキルを授かっていても、使役獣に出来る野獣なんて私達には捕まえられないでしょう」
「確かにドッグ系をテイムしても、キャンキャン吠えられたら獲物を逃がすだけだからな」
「死にそうでも幻獣をテイム出来るチャンスなんて先ずないので、テイム出来たら絶対に生き延びさせてやると思って、譲って下さいってお願いしたのよ」
「お陰で、思わぬ幸運に恵まれた訳か」
「彼には感謝しかないわ」
* * * * * * *
サディアスさんにツアイス伯爵の事を教えてもらったが、彼はバテスト街道沿いのハンフリー領テレンスの街が領都で、タイラント公爵の腰巾着だと教えてくれた。
タイラント公爵・・・何処かで聞いた事が有る様な気がするが、腰巾着と言われる男ならなら権力に擦り寄るタイプに違いない。
王都カンタスに伯爵が居れば良いが、領地に戻っているのなら王都から馬車で11日の距離、ハイムントからだと16日とは、遠い!
* * * * * * *
ランディスから、ツアイス伯爵の事を尋ねられたとの報告を受けたホールデンス公爵は、厄介事の匂いを嗅ぎつけて急ぎ報告の為に王都に向かった。
ランディスは街道から外れて王都に向かっていたので出会う事もなく、王都に到着するとそのまま王城に出向いた。
控えの間に足を踏み入れることもなくヒューヘン宰相の執務室に向かう。
「此はホールデンス公爵殿、先触れも無く何事ですか?」
「ツアイス伯爵は王都に居ますか?」
「今は領地に戻っているはずですが、それが何か」
「ランディスが、ツアイス伯爵に会うために此方に向かっている」
「それは・・・陛下にお報せしてまいりますので暫しお待ちを」
ヒューヘン宰相は慌てて執務室で出て行ったが、暫くすると陛下の側仕えが公爵を迎えに来て陛下の執務室に招き入れられた。
「叔父上、彼がツアイス伯爵に会うために此方に向かっているとは本当ですか?」
「領地の執事が伯爵の事を尋ねられたと報告してきました。何の為にとは聞けずに、領地のことは教えたそうです」
「ツアイス伯爵は領地に戻っています。彼がバテスト街道を下ることになれば・・・」
「タイラントの領地を通る事になるか」
「ツアイスと何かあったのか、それとも・・・」
「タイラントと通じたとは思えません。彼はここ数ヶ月、我が領地の奥へ二度ほど行っていますが、それは野獣討伐とテイムした野獣の訓練のためです」
「えっ、彼はまた新たな野獣をテイムしたのですか?」
「王家の領地から我が領地一帯で、ファイヤーボールを使うフォレストウルフの群れがいたので討伐を依頼していたのですが、戻ってきた時には二頭の幻獣を従えていました。正確には討伐途中で出会った冒険者パーティーに一頭を譲っていました。その彼等と共に幻獣の訓練のために再び森に向かい、戻ってくるとツアイス伯爵の事を執事に尋ねました」
「タイラント公爵も領地に戻っていますが、何時もの様に取り巻き達を集めて密談に忙しいそうです。国境を守るブリスト伯爵からは、クラウディオ王国に変化なしとの報告を受けたばかりです」
「すると個人的な事か?」
「彼とツアイス伯爵の接点が判りませんが、伯爵とタイラントとの仲を考えれば一騒動起きかねませんね」
「王城での魔法披露の時の事もあるので一騒動で終われば良いが、タイラントの領地に送り込んでいる者からの報告は?」
「タイラント公爵の屋敷を取り巻き達が訪れていると、何時もと変わらぬ報告のみです」
「バテスト街道沿いに配置している者達に、彼に危険が及ぶ様なら支援をする様に通達を出しておけ」
ホールデンス公爵を残してヒューヘン宰相が下がると「叔父上〔幻獣を従える者〕の事を御存知ですか?」
「幻獣を従える者? 聞いた事が無いが、それが何か?」
「ヒューヘンが古い記録の中で読んだ事があるそうですが、詳しい記録が見つからないそうです。さっきの話だと一頭増えて、彼は幻獣を五頭従えている事になる」
「五頭? もしや彼の肩に乗る小さなものも幻獣なのですか?」
「あれも立派な幻獣で、土魔法と結界魔法を使うそうです。報告では針の様なものから、ストーンアローやシールドと呼ばれる楯を瞬時に使ったそうです」
「やれやれ、とんでもない男ですな。先程話した二頭のうち一頭は冒険者パーティーに譲り、共に幻獣の訓練をして戻ってきたのですが、此方もとんでもない幻獣でしたよ」
「とんでもないとは?」
「あのグレイ程ではありませんが、ファイヤーボールと雷撃魔法の威力は中々のもので、王国の魔法部隊の者を凌ぐと思われます。その上爆風を避けるために立てたシールドもビクともしませんでした」
「なんと、三種の魔法を使うのか。それを捨て置いて彼等に取り込まれては・・・」
「既に私の身分証を与えており、紋章を身に付ける事を許しています。ただ配下に加える事は彼との繋がりから難しいかと」
「それで良い。我等に敵対しないのなら恩を売っておけば良い」
* * * * * * *
王都に到着したが、ツアイス伯爵の消息を知る手立てがない。
ハイムントに公爵様が居たのなら、王都の屋敷にはヘイラートが居るはずだ。
フラッグだけを連れて南門から王都に入ると辻馬車を雇い、貴族街のホールデンス公爵邸に向かわせた。
貴族街の入り口で辻馬車は止められたが、質問攻めが始まる前に公爵様の身分証を示して無事に通過。
ホールデンス公爵邸の通用門に向かわせて、執事長のフェルラントさんに会いたいと告げると即座に中へ入れてもらえた。
門衛の知らせで待つ事も無くフェルラントさんがやって来たので、ツアイス伯爵が王都に居るのか知りたいと尋ねた。
フェルラントさんは胡散臭げに俺を見て「ツアイス伯爵ですか」と聞き返してくる。
少し考えて「公爵様にお尋ねください」と言ってサロンに連れて行かれたが、なんで公爵様が王都に居るのよ。
フェルラントさんの説明を受けた公爵様は、俺を見て溜め息を吐いている。
「ツアイス伯爵は領地に戻っているが、会いに行くつもりか?」
「ちょっと直接聞きたい事・・・伯爵の執事エリックって人に、確認しなきゃならない事が出来まして」
「伯爵本人ではなく執事にか? 訳をお聞かせてもらえないか」
「俺達、正確には、アッシュとグレイに賞金が掛けられている様なんです」
「賞金とな・・・伯爵と言うよりもエリックなる執事の居場所なら、フェルラントに。調べさせるので少し待て」
そうだった、王都屋敷と領地の二ヶ所に執事がいるんだった。
伯爵に会った所で問題の執事が居るとは限らないので、此処に来たのは正解だった。
暫くするとフェルラントさんが戻ってきて、エリックなる執事はツアイス伯爵の領地屋敷の執事だと教えてくれた。
「ランディスよ、ツアイス伯爵に会う気ならバテスト街道を下る事になるが、あの道は少々厄介だぞ」
「厄介とは?」
「王家の領地を過ぎればタイラント公爵の領地を通る事になる」
「タイラント公爵、それが何か問題でも?」
「忘れたのか、王城での魔法披露の時に大怪我をした連中の事を」
翌朝届けられた物は冒険者達が着る服と同色で目立たないが、左の胸には少し明るめの色でホールデンス公爵家の紋章熊ちゃんが浮かびあがっている。
男達の物は腰より少し下までの長さだが、フェリスの物はもっと長めで女性と判る。
「なかなか似合っているよ」
「ちょっと警備兵みたいだな」
「思ったよりも動きやすいな」
「目立たない色で助かるぜ」
「そいつを着ていれば、模擬戦を挑まれても公爵様に止められていると断れるよ。と言うか、その紋章を見て模擬戦を挑むって事は、公爵家に喧嘩を売るって事だからね。だけどあんまり薄汚れた格好は出来ないので気を付けてね」
「此を着ている以上は、ホールデンス公爵様の配下に見られるってことね」
「街の中だけだよ。外に出たら服の御利益は無いよ」
「当然だな」
「公爵様の顔に泥を塗らない様に気を付けるよ」
「此を着ている時だけは、だな」
「それ位の気楽な気分でいれば良いよ」
サディアスさんに挨拶をしてお暇しようとしたら「ゴールデンゴートと雛鳥のお礼です」と言われて、アルカン達に革袋が二つ渡された。
困惑するアルカンに、断るのは失礼なので受け取っておけば良いと言っておく。
受け取った革袋を俺に差し出すので、公爵様に提供したのはアルカン達なので俺が受け取る謂れはないと拒否。
困惑していたが、大金を持ち歩くのは嫌なので商業ギルドに預けに行くと言うのでお別れした。
* * * * * * *
「しかし、金貨の袋を持って商業ギルドに行く事になるとは思わなかったな」
「ランディスにファルを譲ってとお願いした上に、手解までしてもらってお世話になりっぱなしね」
「だけど、彼奴は公爵様相手でも平気な顔をしていたな」
「アッシュとグレイを連れているだけでも凄いのに、よく判らん奴だ」
「あら、噂を知らないの」
「噂ってなんでぇ?」
「ランディスって、此処から南の方の貴族のお坊ちゃまらしいのよ。それが家を放り出されて追われていた時に、あの二頭をテイムしたらしいの。エリンザスの近くで襲われて死にそうになった時に、公爵様の御子息と繋がりが出来たって話よ」
「あー、エリンザスの近くで、大爆発が起きたとかなんとかの話か」
「あれってランディスの事だったのか?」
「あの時は騎士崩れや冒険者達が多数捕らえられたって話だぞ」
「タイガーキャットの親子を見た時に、市場の小母ちゃん達の話を思い出したの。出会った時には、まさか賞金の掛かった幻獣の群れを追っていたとは知らなかったわ。グレイが倒した二頭を見てランディスが悩んでいたので、思わず一頭譲ってくれと言っちゃったの」
「言っちゃったのって、何だそれ」
「だって、テイマースキルを授かっていても、使役獣に出来る野獣なんて私達には捕まえられないでしょう」
「確かにドッグ系をテイムしても、キャンキャン吠えられたら獲物を逃がすだけだからな」
「死にそうでも幻獣をテイム出来るチャンスなんて先ずないので、テイム出来たら絶対に生き延びさせてやると思って、譲って下さいってお願いしたのよ」
「お陰で、思わぬ幸運に恵まれた訳か」
「彼には感謝しかないわ」
* * * * * * *
サディアスさんにツアイス伯爵の事を教えてもらったが、彼はバテスト街道沿いのハンフリー領テレンスの街が領都で、タイラント公爵の腰巾着だと教えてくれた。
タイラント公爵・・・何処かで聞いた事が有る様な気がするが、腰巾着と言われる男ならなら権力に擦り寄るタイプに違いない。
王都カンタスに伯爵が居れば良いが、領地に戻っているのなら王都から馬車で11日の距離、ハイムントからだと16日とは、遠い!
* * * * * * *
ランディスから、ツアイス伯爵の事を尋ねられたとの報告を受けたホールデンス公爵は、厄介事の匂いを嗅ぎつけて急ぎ報告の為に王都に向かった。
ランディスは街道から外れて王都に向かっていたので出会う事もなく、王都に到着するとそのまま王城に出向いた。
控えの間に足を踏み入れることもなくヒューヘン宰相の執務室に向かう。
「此はホールデンス公爵殿、先触れも無く何事ですか?」
「ツアイス伯爵は王都に居ますか?」
「今は領地に戻っているはずですが、それが何か」
「ランディスが、ツアイス伯爵に会うために此方に向かっている」
「それは・・・陛下にお報せしてまいりますので暫しお待ちを」
ヒューヘン宰相は慌てて執務室で出て行ったが、暫くすると陛下の側仕えが公爵を迎えに来て陛下の執務室に招き入れられた。
「叔父上、彼がツアイス伯爵に会うために此方に向かっているとは本当ですか?」
「領地の執事が伯爵の事を尋ねられたと報告してきました。何の為にとは聞けずに、領地のことは教えたそうです」
「ツアイス伯爵は領地に戻っています。彼がバテスト街道を下ることになれば・・・」
「タイラントの領地を通る事になるか」
「ツアイスと何かあったのか、それとも・・・」
「タイラントと通じたとは思えません。彼はここ数ヶ月、我が領地の奥へ二度ほど行っていますが、それは野獣討伐とテイムした野獣の訓練のためです」
「えっ、彼はまた新たな野獣をテイムしたのですか?」
「王家の領地から我が領地一帯で、ファイヤーボールを使うフォレストウルフの群れがいたので討伐を依頼していたのですが、戻ってきた時には二頭の幻獣を従えていました。正確には討伐途中で出会った冒険者パーティーに一頭を譲っていました。その彼等と共に幻獣の訓練のために再び森に向かい、戻ってくるとツアイス伯爵の事を執事に尋ねました」
「タイラント公爵も領地に戻っていますが、何時もの様に取り巻き達を集めて密談に忙しいそうです。国境を守るブリスト伯爵からは、クラウディオ王国に変化なしとの報告を受けたばかりです」
「すると個人的な事か?」
「彼とツアイス伯爵の接点が判りませんが、伯爵とタイラントとの仲を考えれば一騒動起きかねませんね」
「王城での魔法披露の時の事もあるので一騒動で終われば良いが、タイラントの領地に送り込んでいる者からの報告は?」
「タイラント公爵の屋敷を取り巻き達が訪れていると、何時もと変わらぬ報告のみです」
「バテスト街道沿いに配置している者達に、彼に危険が及ぶ様なら支援をする様に通達を出しておけ」
ホールデンス公爵を残してヒューヘン宰相が下がると「叔父上〔幻獣を従える者〕の事を御存知ですか?」
「幻獣を従える者? 聞いた事が無いが、それが何か?」
「ヒューヘンが古い記録の中で読んだ事があるそうですが、詳しい記録が見つからないそうです。さっきの話だと一頭増えて、彼は幻獣を五頭従えている事になる」
「五頭? もしや彼の肩に乗る小さなものも幻獣なのですか?」
「あれも立派な幻獣で、土魔法と結界魔法を使うそうです。報告では針の様なものから、ストーンアローやシールドと呼ばれる楯を瞬時に使ったそうです」
「やれやれ、とんでもない男ですな。先程話した二頭のうち一頭は冒険者パーティーに譲り、共に幻獣の訓練をして戻ってきたのですが、此方もとんでもない幻獣でしたよ」
「とんでもないとは?」
「あのグレイ程ではありませんが、ファイヤーボールと雷撃魔法の威力は中々のもので、王国の魔法部隊の者を凌ぐと思われます。その上爆風を避けるために立てたシールドもビクともしませんでした」
「なんと、三種の魔法を使うのか。それを捨て置いて彼等に取り込まれては・・・」
「既に私の身分証を与えており、紋章を身に付ける事を許しています。ただ配下に加える事は彼との繋がりから難しいかと」
「それで良い。我等に敵対しないのなら恩を売っておけば良い」
* * * * * * *
王都に到着したが、ツアイス伯爵の消息を知る手立てがない。
ハイムントに公爵様が居たのなら、王都の屋敷にはヘイラートが居るはずだ。
フラッグだけを連れて南門から王都に入ると辻馬車を雇い、貴族街のホールデンス公爵邸に向かわせた。
貴族街の入り口で辻馬車は止められたが、質問攻めが始まる前に公爵様の身分証を示して無事に通過。
ホールデンス公爵邸の通用門に向かわせて、執事長のフェルラントさんに会いたいと告げると即座に中へ入れてもらえた。
門衛の知らせで待つ事も無くフェルラントさんがやって来たので、ツアイス伯爵が王都に居るのか知りたいと尋ねた。
フェルラントさんは胡散臭げに俺を見て「ツアイス伯爵ですか」と聞き返してくる。
少し考えて「公爵様にお尋ねください」と言ってサロンに連れて行かれたが、なんで公爵様が王都に居るのよ。
フェルラントさんの説明を受けた公爵様は、俺を見て溜め息を吐いている。
「ツアイス伯爵は領地に戻っているが、会いに行くつもりか?」
「ちょっと直接聞きたい事・・・伯爵の執事エリックって人に、確認しなきゃならない事が出来まして」
「伯爵本人ではなく執事にか? 訳をお聞かせてもらえないか」
「俺達、正確には、アッシュとグレイに賞金が掛けられている様なんです」
「賞金とな・・・伯爵と言うよりもエリックなる執事の居場所なら、フェルラントに。調べさせるので少し待て」
そうだった、王都屋敷と領地の二ヶ所に執事がいるんだった。
伯爵に会った所で問題の執事が居るとは限らないので、此処に来たのは正解だった。
暫くするとフェルラントさんが戻ってきて、エリックなる執事はツアイス伯爵の領地屋敷の執事だと教えてくれた。
「ランディスよ、ツアイス伯爵に会う気ならバテスト街道を下る事になるが、あの道は少々厄介だぞ」
「厄介とは?」
「王家の領地を過ぎればタイラント公爵の領地を通る事になる」
「タイラント公爵、それが何か問題でも?」
「忘れたのか、王城での魔法披露の時に大怪我をした連中の事を」
あなたにおすすめの小説
ゴミスキルと呼ばれた少女は無限を手にする
森のカフェしっぽっぽ
ファンタジー
十三歳の少女アイリス・アルベールは、人生を決める「祝福の儀」で“ゴミスキル”と蔑まれる《アイテムボックス》を授かってしまう。戦えず、稼げず、価値もない――そう断じた家族は、彼女を役立たずとして家から追放する。さらに、優秀なスキルであれば貴族に売り渡すつもりだったという冷酷な真実まで明かされ、アイリスはすべてを失う。
だが絶望の中、彼女は気付く。この世界が、自分がかつてやり込んだVRMMORPG『メデア』そのものであることに。
そして思い出す――
《アイテムボックス》には、ある“致命的なバグ”が存在することを。
市場で偶然を装いながらアイテムを出し入れし、タイミングをずらすことで発生する“複製バグ”。それは、あらゆる物資を無限に増やす禁断の裏技だった。
食料も、装備も、資金も――すべてが無限。
最底辺から一転、誰にも真似できないチートを手にしたアイリスは、冒険者として歩み始める。だがその力はやがて、経済を歪め、権力者の目に留まり、そして世界の“仕様そのもの”に干渉していくことになる。
これは――
ゴミと呼ばれた少女が、“世界の裏側”を掌握する物語。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**