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19 おねだりタイム
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「はぁー、凄い金額になってますねぇ」
「まあまあ妥当な金額になっていると思うぞ。ホーンボアの様に洒落で書いたら買えたってのも有るしな。ギルドに預けるか。商業ギルドでも良いぞ」
「これって冒険者ギルドと商業ギルドの両方に預けたらどうなるんですか」
「どちらに預けても合算されるので問題無い」
「じゃー冒険者ギルドに預けます。今日の代金も振り込んでおいて下さい。詳細は後日で良いです」
冒険者ギルドに用がある時は、受付カウンターがどんなに混んでいても、横からブラックカードを示して俺かサブマスを呼び出してくれと云われた。
冒険者御用達の服を誂えたいので、店の場所を聞き礼を云って冒険者ギルドを出た。
「アルバートって、無茶苦茶だよね」
「トカレス様、私は無茶苦茶なんてしてませんよ」
「でもギルドで出したあの魔獣と野獣の数を見ればそう言いたくなるよ」
「あれは森を歩いていると襲って来た物だけを倒したんです。獲物を求めて殺しまくった結果ではありません」
「森を歩くと言っても暗闇の森だろう。谷の向こう側の、聞いた話しでは谷の向こう側に行けるのは、シルバーランク以上でパーティーを組んだ者達だけだそうだよ」
「パーティーねぇ、別に一人でも問題無いけどなぁ。あっ此処だ」
護衛の二人が、苦笑いしながらついて来る。
店に入るとローブ、フード付きジャケットパンツ、ブーツや帽子が飾られている。
店員に今着ている物より高性能なフード付きジャケットとパンツにブーツが欲しいと告げる。
俺の着ている服を確認してから徐に奥から生地を抱えてやって来た。
「この生地ですと奥地の機織り蛛から作った生地で丈夫な上に撥水能力も高いし強い魔法付与にも耐えられます。魔法は5、6個は付与出来ます。但し魔法付与は専門の付与師にお願いして下さい」
フード付きジャケットとパンツ、膝下丈のフード付きローブとブーツを注文した。
フード付きジャケット、金貨22枚
パンツ、金貨15枚
フード付きローブ、金貨12枚
ブーツ、金貨15枚
合計金貨64枚で各二着作ったので金貨128枚だ、ブーツは二足も要らないかとも思ったが有っても困らないし空間収納に入れておけば問題無し。
「トカレス様この後魔道具店に寄りますがトカレス様は先に帰られますか」
「いや面白いから着いて行くよ。冒険者の使う物なんて初めて見る物ばかりだし勉強になるよ」
「コンロとか簡易ベッドや寝袋が勉強にねぇ」
魔道具店に入ると、トカレス様玩具箱の中に入った様な顔つきでワクテカ。
俺は魔道コンロや魔石ランプに幅広の簡易ベッドを購入、包丁代わりの少し大きいナイフも一つ買いトカレス様を見ると、テントを覗き込んでいる。
「アルバート、テントは買わないの?」
「俺はテントは必要無いんです」
「でも夜にはどうするの、雨の日も」
不思議そうに聞いてくるので俺は土魔法が得意なので土でドームを造るんですと説明する。
見たいと言いだしたので、帰ってから見せると宥めておく。
* * * * * * * *
伯爵邸へ戻ると、土魔法のドームを見せてとせがまれるので、護衛騎士達の訓練場の一角を借り、直径5m程のドームを造り説明する。
「これがあれば暗闇の森でも安心して眠れますし、見張りも不要です」
大型の魔獣やパープル種レッド種に襲われたらどうなのと聞かれたので、壊れませんと一言。
護衛のヤハトが、これを攻撃してみても良いかと聞くので、存分にやって下さいと笑って許可する。
このドーム厚さは5cm程だが、俺の魔力をみっちり詰め込んでいるので、ロングソードが刃零れしたり折れても知らないぞ。
* * * * * * * *
王都の伯爵邸での暮らしは退屈の一言、フィーィとフィーェは王宮の中の森に移動して結構楽しくしているらしい。
でも広い森の方が楽しいので、王都から外れた森に他の仲間達が移動してきて集落を作っているので、良く遊びに行くと聞き王都を出ることにした。
夕食の時伯爵様に、そろそろ王都を出るつもりだと告げる。
行き先はエルクハイムだが、森を抜けて帰るつもりなので護衛は要らないと断る。
伯爵様は慌てていたが、陛下に頼んだ魔力測定盤はどうするのかと聞くので、手に入ったら受け取っておいて下さいと頼んでおく。
直ぐに出発するのかとの問いには、2~3日市場で食料を買い込んでから出るので、王都には未だ居るが明日の朝には伯爵邸を出ると告げる。
市場の近くの宿に泊まって買い物しないと伯爵邸からでは時間が掛かって不便だ。
陛下に別れの御挨拶はしないのかと問われたので「俺は陛下の臣下では無いし何か依頼を受けている訳でもないので、必要ないでしょう」と切り捨てる。
伯爵様は、諦めて首を振っているよ。
「又珍しい物が手に入ったら売りに王都に来ます。エルクハイムで手に入らない物が王都には沢山あるので、これっきりではありません。いずれ王都滞在用の家も買う予定ですので、その時には宜しくお願いします」
と頭を下げておく。
トカレス様が羨ましがっっていたが、トカレス様と俺とでは基本的に住む世界が違うからね。
翌朝食事を済ませた後、伯爵邸の皆様に謝礼と別れを告げた。
貴族街から冒険者ギルドまでは遠いので、馬車で送ってくれた。
ギルドに寄れば又別れの挨拶等で長くなるのは目に見えているので、中には入らず市場に向かうが朝とはいえもう陽も高く屋台等は昼食の準備に余念がない。
良い匂いがする屋台に寄り道しながら摘み食いし美味しければ4~5人前から7~8人前を買い込んで空間収納に保管する。
思ったより大量に買えたので早めに宿を探し、清潔そうな宿を見つけたので早めに寝て早朝王都を出る事にした。
早朝の門の前にはそこそこの行列がで来ていて朝の開門を待っている。
どうも周囲から浮きまくっている感じだ。
装いは冒険者風だが武器も持たず、仲間も居ないし極めつけは上等な衣服だ。
案の定衛兵から待ったが掛かったが現れた上官にブラックカードを見せて事なきを得る。
衛兵の最敬礼に送られて街道に出たが何処に通じる道かも分からない。
《フィーィ・フィーェ宜しくね》
《森には入らないの》
《もう少し歩いてからね》
皆早足で追い越して行くが、一人のんびり歩く。
護衛の居ない開放感は最高だね。
陽も高くなってきたので森へと向かうが、遠くに見える森は黒々として懐かしい。
疎らな木々が生える所から森に入り奥へ奥へと進む。
辺りが薄暗くなる頃には、周囲は大勢の妖精達が乱舞し賑やかである。
涙が出そうになる程嬉しい。
何時もの夜営と同じ6m程のドームを造り、中にベッドやテーブルと少し離れて折り畳み椅子をセット流し付きの作業台には魔道具のコンロを置き薬缶を乗せる。
ドームの中、入口の少し横には焚火台を造り薪を載せ火を付ける。
焚火台から少し離れた椅子に座り、炎を眺めながら妖精達とお喋りタイム。
とはいかず子供達の果物頂戴蜜が欲しいの大合唱と、暴れて落ちて来る子を受け止めたりと大忙し。
大人達はドームの天井付近に張り巡らせたロープに腰掛けてのんびりしている。
エルクハイムの家にも帰りたいな、ノイエマンやヤーナは元気にしているかな。
王都を出て一週間目に森の裂け目に到達した。
途中冒険者達と遭遇しそうになると、妖精達が教えてくれるので進路を変え、誰にも会わずに進む。
さあ本格的な森に入るが、今回はどんな珍しい物が見つかるのか楽しみだ。
森に入って三日目位からは子供達が肩や頭の上に止まりお喋りや遊びながらで楽しい。
今回は今までよりもっと奥まで行ってみたいので、余り寄り道はしていない。
三つ目の裂け目を越え四つ目の裂け目の手前で不思議な花を見つけた。
見つけたというより、妖精達が歌う花が有ると教えてくれて探しに行った結果だ。
夜に歌う花の為に歌声が聞こえると言われる場所に夜営して夜を待つ。
小さなドームを造りベッドを設えると、俺はドームの外にキャンバス製の椅子を出し座り込む。
周囲に魔獣や野獣の気配は無いし妖精達が周辺を警戒しているので安心していられる。
傍らに土魔法で造った小さなテーブル、上には妖精の実の発酵酒を満たしたグラスが有り至福の時間だ。
小さなテーブル上を照らす小さな炎のランプ、仄かな灯はグラスを浮かび上がらせているのみ。
周囲の木々の梢には大勢の妖精達が枝に腰掛けたりハンモックに揺られながら、静かに花の歌声を待つ。
フィーェとフィーィが、近くの枝に仲良く並んで腰掛けて微笑んでいる。
《歌声が聴こえる》
《皆静かにして》
耳を澄ますと微かな音がヒューヒュー聴こえる。
腰掛けていたフィーェの背に魔力の羽が生えて浮かび上がり、フィーィが続きゆっくりと音の方に進む。
俺が動くと音で邪魔になるので、椅子に腰掛けたまま静かに待つ。
ヒューヒューと聞こえる音は高く低く数を増しながら聴こえ、確かに唄っている様に思える。
《見つけたよ。静かについて来て》
2分も掛から無かった。
月の光も届かぬ漆黒の闇の中、花びらが淡く光り浮かび上がって見える。
生活魔法の灯を点けてよく見ると、掌程の花びらが5片透き通るような柔かな光を放ち花の中央に杏程の実? 葉は小さなレモン型で密集している。
鑑定の結果は(新月花)花びらは上級ポーションの材料で実は猛毒、花の茎を握り花びらを引っ張って一枚一枚収穫してゆく。
暫くすると妖精達も花びらの収穫方法を理解し手伝ってくれる、実は猛毒なので触らない様に注意だ。
沢山の花びらが集まり空間収納に入れて今夜はお休みなさい。
フィーィとフィーェが俺のドームの中に入って来たので天井にハンモックが吊れる様に細工して一緒に眠る。
「まあまあ妥当な金額になっていると思うぞ。ホーンボアの様に洒落で書いたら買えたってのも有るしな。ギルドに預けるか。商業ギルドでも良いぞ」
「これって冒険者ギルドと商業ギルドの両方に預けたらどうなるんですか」
「どちらに預けても合算されるので問題無い」
「じゃー冒険者ギルドに預けます。今日の代金も振り込んでおいて下さい。詳細は後日で良いです」
冒険者ギルドに用がある時は、受付カウンターがどんなに混んでいても、横からブラックカードを示して俺かサブマスを呼び出してくれと云われた。
冒険者御用達の服を誂えたいので、店の場所を聞き礼を云って冒険者ギルドを出た。
「アルバートって、無茶苦茶だよね」
「トカレス様、私は無茶苦茶なんてしてませんよ」
「でもギルドで出したあの魔獣と野獣の数を見ればそう言いたくなるよ」
「あれは森を歩いていると襲って来た物だけを倒したんです。獲物を求めて殺しまくった結果ではありません」
「森を歩くと言っても暗闇の森だろう。谷の向こう側の、聞いた話しでは谷の向こう側に行けるのは、シルバーランク以上でパーティーを組んだ者達だけだそうだよ」
「パーティーねぇ、別に一人でも問題無いけどなぁ。あっ此処だ」
護衛の二人が、苦笑いしながらついて来る。
店に入るとローブ、フード付きジャケットパンツ、ブーツや帽子が飾られている。
店員に今着ている物より高性能なフード付きジャケットとパンツにブーツが欲しいと告げる。
俺の着ている服を確認してから徐に奥から生地を抱えてやって来た。
「この生地ですと奥地の機織り蛛から作った生地で丈夫な上に撥水能力も高いし強い魔法付与にも耐えられます。魔法は5、6個は付与出来ます。但し魔法付与は専門の付与師にお願いして下さい」
フード付きジャケットとパンツ、膝下丈のフード付きローブとブーツを注文した。
フード付きジャケット、金貨22枚
パンツ、金貨15枚
フード付きローブ、金貨12枚
ブーツ、金貨15枚
合計金貨64枚で各二着作ったので金貨128枚だ、ブーツは二足も要らないかとも思ったが有っても困らないし空間収納に入れておけば問題無し。
「トカレス様この後魔道具店に寄りますがトカレス様は先に帰られますか」
「いや面白いから着いて行くよ。冒険者の使う物なんて初めて見る物ばかりだし勉強になるよ」
「コンロとか簡易ベッドや寝袋が勉強にねぇ」
魔道具店に入ると、トカレス様玩具箱の中に入った様な顔つきでワクテカ。
俺は魔道コンロや魔石ランプに幅広の簡易ベッドを購入、包丁代わりの少し大きいナイフも一つ買いトカレス様を見ると、テントを覗き込んでいる。
「アルバート、テントは買わないの?」
「俺はテントは必要無いんです」
「でも夜にはどうするの、雨の日も」
不思議そうに聞いてくるので俺は土魔法が得意なので土でドームを造るんですと説明する。
見たいと言いだしたので、帰ってから見せると宥めておく。
* * * * * * * *
伯爵邸へ戻ると、土魔法のドームを見せてとせがまれるので、護衛騎士達の訓練場の一角を借り、直径5m程のドームを造り説明する。
「これがあれば暗闇の森でも安心して眠れますし、見張りも不要です」
大型の魔獣やパープル種レッド種に襲われたらどうなのと聞かれたので、壊れませんと一言。
護衛のヤハトが、これを攻撃してみても良いかと聞くので、存分にやって下さいと笑って許可する。
このドーム厚さは5cm程だが、俺の魔力をみっちり詰め込んでいるので、ロングソードが刃零れしたり折れても知らないぞ。
* * * * * * * *
王都の伯爵邸での暮らしは退屈の一言、フィーィとフィーェは王宮の中の森に移動して結構楽しくしているらしい。
でも広い森の方が楽しいので、王都から外れた森に他の仲間達が移動してきて集落を作っているので、良く遊びに行くと聞き王都を出ることにした。
夕食の時伯爵様に、そろそろ王都を出るつもりだと告げる。
行き先はエルクハイムだが、森を抜けて帰るつもりなので護衛は要らないと断る。
伯爵様は慌てていたが、陛下に頼んだ魔力測定盤はどうするのかと聞くので、手に入ったら受け取っておいて下さいと頼んでおく。
直ぐに出発するのかとの問いには、2~3日市場で食料を買い込んでから出るので、王都には未だ居るが明日の朝には伯爵邸を出ると告げる。
市場の近くの宿に泊まって買い物しないと伯爵邸からでは時間が掛かって不便だ。
陛下に別れの御挨拶はしないのかと問われたので「俺は陛下の臣下では無いし何か依頼を受けている訳でもないので、必要ないでしょう」と切り捨てる。
伯爵様は、諦めて首を振っているよ。
「又珍しい物が手に入ったら売りに王都に来ます。エルクハイムで手に入らない物が王都には沢山あるので、これっきりではありません。いずれ王都滞在用の家も買う予定ですので、その時には宜しくお願いします」
と頭を下げておく。
トカレス様が羨ましがっっていたが、トカレス様と俺とでは基本的に住む世界が違うからね。
翌朝食事を済ませた後、伯爵邸の皆様に謝礼と別れを告げた。
貴族街から冒険者ギルドまでは遠いので、馬車で送ってくれた。
ギルドに寄れば又別れの挨拶等で長くなるのは目に見えているので、中には入らず市場に向かうが朝とはいえもう陽も高く屋台等は昼食の準備に余念がない。
良い匂いがする屋台に寄り道しながら摘み食いし美味しければ4~5人前から7~8人前を買い込んで空間収納に保管する。
思ったより大量に買えたので早めに宿を探し、清潔そうな宿を見つけたので早めに寝て早朝王都を出る事にした。
早朝の門の前にはそこそこの行列がで来ていて朝の開門を待っている。
どうも周囲から浮きまくっている感じだ。
装いは冒険者風だが武器も持たず、仲間も居ないし極めつけは上等な衣服だ。
案の定衛兵から待ったが掛かったが現れた上官にブラックカードを見せて事なきを得る。
衛兵の最敬礼に送られて街道に出たが何処に通じる道かも分からない。
《フィーィ・フィーェ宜しくね》
《森には入らないの》
《もう少し歩いてからね》
皆早足で追い越して行くが、一人のんびり歩く。
護衛の居ない開放感は最高だね。
陽も高くなってきたので森へと向かうが、遠くに見える森は黒々として懐かしい。
疎らな木々が生える所から森に入り奥へ奥へと進む。
辺りが薄暗くなる頃には、周囲は大勢の妖精達が乱舞し賑やかである。
涙が出そうになる程嬉しい。
何時もの夜営と同じ6m程のドームを造り、中にベッドやテーブルと少し離れて折り畳み椅子をセット流し付きの作業台には魔道具のコンロを置き薬缶を乗せる。
ドームの中、入口の少し横には焚火台を造り薪を載せ火を付ける。
焚火台から少し離れた椅子に座り、炎を眺めながら妖精達とお喋りタイム。
とはいかず子供達の果物頂戴蜜が欲しいの大合唱と、暴れて落ちて来る子を受け止めたりと大忙し。
大人達はドームの天井付近に張り巡らせたロープに腰掛けてのんびりしている。
エルクハイムの家にも帰りたいな、ノイエマンやヤーナは元気にしているかな。
王都を出て一週間目に森の裂け目に到達した。
途中冒険者達と遭遇しそうになると、妖精達が教えてくれるので進路を変え、誰にも会わずに進む。
さあ本格的な森に入るが、今回はどんな珍しい物が見つかるのか楽しみだ。
森に入って三日目位からは子供達が肩や頭の上に止まりお喋りや遊びながらで楽しい。
今回は今までよりもっと奥まで行ってみたいので、余り寄り道はしていない。
三つ目の裂け目を越え四つ目の裂け目の手前で不思議な花を見つけた。
見つけたというより、妖精達が歌う花が有ると教えてくれて探しに行った結果だ。
夜に歌う花の為に歌声が聞こえると言われる場所に夜営して夜を待つ。
小さなドームを造りベッドを設えると、俺はドームの外にキャンバス製の椅子を出し座り込む。
周囲に魔獣や野獣の気配は無いし妖精達が周辺を警戒しているので安心していられる。
傍らに土魔法で造った小さなテーブル、上には妖精の実の発酵酒を満たしたグラスが有り至福の時間だ。
小さなテーブル上を照らす小さな炎のランプ、仄かな灯はグラスを浮かび上がらせているのみ。
周囲の木々の梢には大勢の妖精達が枝に腰掛けたりハンモックに揺られながら、静かに花の歌声を待つ。
フィーェとフィーィが、近くの枝に仲良く並んで腰掛けて微笑んでいる。
《歌声が聴こえる》
《皆静かにして》
耳を澄ますと微かな音がヒューヒュー聴こえる。
腰掛けていたフィーェの背に魔力の羽が生えて浮かび上がり、フィーィが続きゆっくりと音の方に進む。
俺が動くと音で邪魔になるので、椅子に腰掛けたまま静かに待つ。
ヒューヒューと聞こえる音は高く低く数を増しながら聴こえ、確かに唄っている様に思える。
《見つけたよ。静かについて来て》
2分も掛から無かった。
月の光も届かぬ漆黒の闇の中、花びらが淡く光り浮かび上がって見える。
生活魔法の灯を点けてよく見ると、掌程の花びらが5片透き通るような柔かな光を放ち花の中央に杏程の実? 葉は小さなレモン型で密集している。
鑑定の結果は(新月花)花びらは上級ポーションの材料で実は猛毒、花の茎を握り花びらを引っ張って一枚一枚収穫してゆく。
暫くすると妖精達も花びらの収穫方法を理解し手伝ってくれる、実は猛毒なので触らない様に注意だ。
沢山の花びらが集まり空間収納に入れて今夜はお休みなさい。
フィーィとフィーェが俺のドームの中に入って来たので天井にハンモックが吊れる様に細工して一緒に眠る。
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