48 / 91
048 傍若無人
しおりを挟む
教皇と大教主は揃って頭を上げたが、声の主を探してキョロキョロしている。
「何処を見ている、と言っても見えないか」
俺だけが隠蔽を解除して姿を現して教皇猊下とご対面。
「お前は? 誰だ!」
「お前だぁ~、人を無理矢理連れて来て誰だとは、何事だぁー!」
一声吠えるとビクついて土下座してしまった。
「ボラベって野郎が、光の剣士として教会の騎士にしてやるとほざいていたが、知らないとは言わないよな。教会の信者集めに扱き使う予定だってなぁ」
「めっ滅相も在りません。アラド・・・アラドですよね」
「ああ、そのアラドだ。信者に何を吹き込んだか知らないが、街ではジロジロ見られ人が離れて行く。かと思えば、教会の騎士が無理矢理馬車に乗せてボラベって野郎の前に引き摺ってくる。然も馬車は囚人でも運ぶような頑丈で中からは出られない構造ときた」
「その様な扱いをしろとは命じていません。貴方とお連れの治癒魔法は教会にとって貴重なものですので・・・」
「それそれ、何で俺やサランが、お前達の都合で使われなければならないんだ」
「囚人並みの扱いをしておいて、貴重なものだぁ~、舐めてんのかぁ!」
木剣で床を叩くと、叩き付けた蛙の如く平伏し震えている。
まっ、室内の惨状を見れば震えたくもなるだろうが、俺達を自由に使役しようとしたツケだ。
きっちり、ツケの代金を払わせてやるから覚悟しろよ。
「サラン姿を見せてやれ」
俺の声に、不思議そうな顔をしていた三人が驚愕の表情に変わる。
俺の時には恐怖の為に精神が麻痺していたのか驚かなかったが、今回は目の前で姿を現したサランに、驚愕の表情のまま硬直している。
「今日から三日後の正午、大神殿でお前達と話をしよう。俺達を殺したければ、護衛の騎士や魔法使いを幾らでも揃えて待っていろ。皆殺しにしてやるから。その上で今回のツケの代償の話をしようか」
「三日後・・・」
「今お前達に要求を突きつけても逃げるか、迎え撃つ準備をするだろう。だから、その機会を与えた後に話をしようじゃないか。あっ、逃げ出しても良いが教会本部は破壊し、お前達の腰抜け振りを満天下に晒してやるから好きにしろ。それと俺達の事を信者に吹き込んだ事を即刻訂正しろ!」
「判りました。お二人に、無礼を働かないよう神父を通じて伝えます」
「三日後の正午、大神殿でだ。忘れるなよ」
それだけを伝え、彼等の目の前で隠蔽魔法を発動して姿を消した。
残された教皇と大教主達は、姿を消したアラドとサランの居た場所を何時までも見つめていた。
迂闊に喋ったり動けば、二人が居るかも知れない攻撃されるかも知れないとの思いからだ。
彼等が自由に動き出したのは、数時間後のことである。
護衛騎士や警備の者達が、何の動きも無く静まりかえった教皇の住居に恐る恐る確認に来たのを見て、漸く安堵して大きな溜め息を吐いた。
・・・・・・
王都屋敷に滞在するカリンガル伯爵は、執事からアラド様が伯爵様に面会を求めてお越しですと伝えられた。
サブラン公爵家の騒動に何とか片が付き、此れで領地に帰りのんびり出来ると思っていた伯爵は、嫌な予感に襲われた。
然し、会わずに追い返せる相手ではない、彼が直接訊ねてくるとは何事かと興味も湧いた。
然しカリンガル伯爵は、執務室のソファーで向かい合ったアラドからの言葉に、理解が追いつかなかった。
「いま・・・今何と言った?」
「俺達を無理矢理呼び付けた、教皇と大教主にそのツケを払わせる立会人になって欲しいんですよ。三日後の正午に大神殿で会い、ツケ払いの請求内容を伝えるつもりです。伯爵様と出来れば王国の代表者も交えてね」
「済まないがアラド殿、始めから筋道を立てて説明して貰えないか」
まあ、確かにそうだなと思い、カールスホテルで朝食を取っていたときに、教会の騎士達に無理矢理教会本部に連れて行かれた事から話し始めた。
始めは真剣に聞いていたカリンガル伯爵も、話が進むうちに頭を抱えたくなってきた。
教会関係者の無知というか世間知らずというか、少しは相手の事を調べてから行動しろと文句を言いたくなっていた。
市井の信者相手になら、創造神様の名を振りかざせば通用するだろうが、よりにもよってアラドを相手にとは、無謀を通り越して自殺志願としか思えない。
痛む頭を振って質問をする。
「で、大教主の一人は死んだのですね」
「確認はしていないが、出血多量と護衛から射たれた火魔法の巻き添えで大火傷を負ってましたから、多分」
「教皇と残り二人の大教主は無事ですよ、今のところはね。まあ、護衛の騎士や魔法使い達が相当数巻き添えになったので大変でしょうが」
「他人事の様に言われるが・・・」
「それは仕方が在りません。敵対した相手に従う者は、全て敵ですから。今回は、残り三人を殺して終わらせても次が在りそうなので、生かしておく代わりに教会の力を削ぎ落としてやろうと思いまして」
「具体的にどうするのか、教えて貰えないかな」
「教会が抱えている、治癒魔法師と薬師に鑑定使いの解放です。ウルブァ様に仕えていると言えば聞こえは良いが、教会が半強制的に抱き込んで安く働かせていますよね。彼等をその軛から解放します。教会の力を削ぐのは、王国にとっても損の無い話でしょう」
アラドに言われるまでもない、教会の重鎮達を王家の支配下に置く事は何処の国にとっても最重要課題だ。
その重要課題が転がり込んで来ようとしている、此れを拒否する愚者はいるまい。
その重要問題を、アラドはさらっと王国側に差し出そうとしている。
頭の良いアラドはそうしても自分に被害が及ばず、王国が勝手な事を出来ない手筈は考えている筈だ。
なぜなら自分やセイオスが、アラドの事を逐一王家に報告している事を知っている。
知っていながら放置しているのは、オルザの様に彼の生活に干渉せず、知り得た事のみを王家に伝えていると判っているからだ。
そして、王家がカリンガル家をアラドとの繋ぎに使う事を決めた様に、アラドもサブラン公爵の一件で王家との遣り取りにカリンガル家を使う事にした様だ。
王家に重用されるのは貴族にとっては栄誉で在り、実利にも繋がる事で拒否する理由は無い。
執事にアラド達の為に客間を用意させると、グルマン宰相と相談する為に王城へ出向いた。
・・・・・・
「カリンガル伯爵殿、急ぎの案件とは?」
「実はアラドが教会と衝突しました。その結果、教皇猊下と大教主二名がアラド殿から迷惑料の取り立てを受ける事になりました。私と王家がアラドと教会との約定の立会人になって貰えないかとの申し出をアラド殿から受けました」
「カリンガル伯爵殿、言っている意味がよく判らないのだが」
「アラド殿が話した事は、教会から治癒魔法師と薬師に鑑定使いを解放するそうです。その手助けを王国に伝えてくれと、頼まれたのです。彼は自分に害をなす教会の力を、そぎ落とすつもりの様です。詳しい事は陛下も交えてお話ししますので、急ぎ取り次いで貰えますか」
教会から治癒魔法師と薬師に鑑定使いを解放する、この言葉はグルマン宰相に衝撃を与え、即刻国王陛下に伝える為に自分の応接室を飛び出して行った。
暫く待たされたが、呼びに来た侍従に従って国王陛下の執務室に向かうと、興奮気味の国王とグルマン宰相から、事の経緯を詳しく話せとせっつかれる。
アラドに聞いた事の顛末を話すと、国王も宰相も喜びを隠せない様子だ。
そりゃーそうだろう、目の上のたんこぶ、何かと創造神ウルブァ様の名を出しては、国政に嘴を突っ込む教会の力を削ぎ落とせるのだから。
「カリンガル、その方とグルマンがアラドの後見人として付き添え! これで教会を王家の支配下に置けるな。耳達から、教会本部の奥深くで騒ぎが起きていると報告が有ったが、アラドと教会の争いで在ったか」
「陛下、お喜びのところを申し訳御座いませんが、事はそう単純には終わりそうも在りません」
「何故じゃ? 教会は、アラドに対する無理を押しつけたツケを払うのだろうが。アラドは『教会から治癒魔法師と薬師に鑑定使いを解放する』と申したのだろう。彼等を王家が引き取れば、教会の力は地に落ちたも同然ではないか」
「陛下お忘れですか、ついこの間ブレッド・サブラン捕獲の際に示したアラドの手際の良さと、そのやりようをみれば判ります。彼はただ単に治癒魔法師達を解放し教会の力を削ぐだけでは済まさないでしょう。王国が、王家が彼等を囲い込む事を、簡単に許すとは思えません。此処は彼と話し合ってみるべきです」
カリンガル伯爵の言葉に、国王も宰相も考え込む。
ブレッド捕獲に際し、思いもよらぬ準備と手際で、作戦を実行し指揮したアラドだ。
カリンガル伯爵の言うとおり、優秀な治癒魔法師や薬師達を何の策も無く王国に引き渡すとは思えない。
アラドが、教皇達に約束した三日後の正午、大聖堂で要求を突きつけるのだから急がねばならない。
「アラドと会って、話し合わねばならんな」
「彼は現在当屋敷に滞在致しておりますので、出来ればグルマン殿にお越し願えれば・・・」
アラドとの交渉に備え、解放される人々の受け入れなどを検討する為に、グルマン宰相と国王は徹夜で知恵を絞る事になった。
カリンガル伯爵は屋敷に戻り、翌日王国の代表としてアラドとの交渉にに望むグルマン宰相を迎える準備に取りかかる。
アラドには、王国が大聖堂で教皇や大教主との話し会いに立ち会う事を了承し、明日グルマン宰相が当屋敷を訪れると告げた。
「何処を見ている、と言っても見えないか」
俺だけが隠蔽を解除して姿を現して教皇猊下とご対面。
「お前は? 誰だ!」
「お前だぁ~、人を無理矢理連れて来て誰だとは、何事だぁー!」
一声吠えるとビクついて土下座してしまった。
「ボラベって野郎が、光の剣士として教会の騎士にしてやるとほざいていたが、知らないとは言わないよな。教会の信者集めに扱き使う予定だってなぁ」
「めっ滅相も在りません。アラド・・・アラドですよね」
「ああ、そのアラドだ。信者に何を吹き込んだか知らないが、街ではジロジロ見られ人が離れて行く。かと思えば、教会の騎士が無理矢理馬車に乗せてボラベって野郎の前に引き摺ってくる。然も馬車は囚人でも運ぶような頑丈で中からは出られない構造ときた」
「その様な扱いをしろとは命じていません。貴方とお連れの治癒魔法は教会にとって貴重なものですので・・・」
「それそれ、何で俺やサランが、お前達の都合で使われなければならないんだ」
「囚人並みの扱いをしておいて、貴重なものだぁ~、舐めてんのかぁ!」
木剣で床を叩くと、叩き付けた蛙の如く平伏し震えている。
まっ、室内の惨状を見れば震えたくもなるだろうが、俺達を自由に使役しようとしたツケだ。
きっちり、ツケの代金を払わせてやるから覚悟しろよ。
「サラン姿を見せてやれ」
俺の声に、不思議そうな顔をしていた三人が驚愕の表情に変わる。
俺の時には恐怖の為に精神が麻痺していたのか驚かなかったが、今回は目の前で姿を現したサランに、驚愕の表情のまま硬直している。
「今日から三日後の正午、大神殿でお前達と話をしよう。俺達を殺したければ、護衛の騎士や魔法使いを幾らでも揃えて待っていろ。皆殺しにしてやるから。その上で今回のツケの代償の話をしようか」
「三日後・・・」
「今お前達に要求を突きつけても逃げるか、迎え撃つ準備をするだろう。だから、その機会を与えた後に話をしようじゃないか。あっ、逃げ出しても良いが教会本部は破壊し、お前達の腰抜け振りを満天下に晒してやるから好きにしろ。それと俺達の事を信者に吹き込んだ事を即刻訂正しろ!」
「判りました。お二人に、無礼を働かないよう神父を通じて伝えます」
「三日後の正午、大神殿でだ。忘れるなよ」
それだけを伝え、彼等の目の前で隠蔽魔法を発動して姿を消した。
残された教皇と大教主達は、姿を消したアラドとサランの居た場所を何時までも見つめていた。
迂闊に喋ったり動けば、二人が居るかも知れない攻撃されるかも知れないとの思いからだ。
彼等が自由に動き出したのは、数時間後のことである。
護衛騎士や警備の者達が、何の動きも無く静まりかえった教皇の住居に恐る恐る確認に来たのを見て、漸く安堵して大きな溜め息を吐いた。
・・・・・・
王都屋敷に滞在するカリンガル伯爵は、執事からアラド様が伯爵様に面会を求めてお越しですと伝えられた。
サブラン公爵家の騒動に何とか片が付き、此れで領地に帰りのんびり出来ると思っていた伯爵は、嫌な予感に襲われた。
然し、会わずに追い返せる相手ではない、彼が直接訊ねてくるとは何事かと興味も湧いた。
然しカリンガル伯爵は、執務室のソファーで向かい合ったアラドからの言葉に、理解が追いつかなかった。
「いま・・・今何と言った?」
「俺達を無理矢理呼び付けた、教皇と大教主にそのツケを払わせる立会人になって欲しいんですよ。三日後の正午に大神殿で会い、ツケ払いの請求内容を伝えるつもりです。伯爵様と出来れば王国の代表者も交えてね」
「済まないがアラド殿、始めから筋道を立てて説明して貰えないか」
まあ、確かにそうだなと思い、カールスホテルで朝食を取っていたときに、教会の騎士達に無理矢理教会本部に連れて行かれた事から話し始めた。
始めは真剣に聞いていたカリンガル伯爵も、話が進むうちに頭を抱えたくなってきた。
教会関係者の無知というか世間知らずというか、少しは相手の事を調べてから行動しろと文句を言いたくなっていた。
市井の信者相手になら、創造神様の名を振りかざせば通用するだろうが、よりにもよってアラドを相手にとは、無謀を通り越して自殺志願としか思えない。
痛む頭を振って質問をする。
「で、大教主の一人は死んだのですね」
「確認はしていないが、出血多量と護衛から射たれた火魔法の巻き添えで大火傷を負ってましたから、多分」
「教皇と残り二人の大教主は無事ですよ、今のところはね。まあ、護衛の騎士や魔法使い達が相当数巻き添えになったので大変でしょうが」
「他人事の様に言われるが・・・」
「それは仕方が在りません。敵対した相手に従う者は、全て敵ですから。今回は、残り三人を殺して終わらせても次が在りそうなので、生かしておく代わりに教会の力を削ぎ落としてやろうと思いまして」
「具体的にどうするのか、教えて貰えないかな」
「教会が抱えている、治癒魔法師と薬師に鑑定使いの解放です。ウルブァ様に仕えていると言えば聞こえは良いが、教会が半強制的に抱き込んで安く働かせていますよね。彼等をその軛から解放します。教会の力を削ぐのは、王国にとっても損の無い話でしょう」
アラドに言われるまでもない、教会の重鎮達を王家の支配下に置く事は何処の国にとっても最重要課題だ。
その重要課題が転がり込んで来ようとしている、此れを拒否する愚者はいるまい。
その重要問題を、アラドはさらっと王国側に差し出そうとしている。
頭の良いアラドはそうしても自分に被害が及ばず、王国が勝手な事を出来ない手筈は考えている筈だ。
なぜなら自分やセイオスが、アラドの事を逐一王家に報告している事を知っている。
知っていながら放置しているのは、オルザの様に彼の生活に干渉せず、知り得た事のみを王家に伝えていると判っているからだ。
そして、王家がカリンガル家をアラドとの繋ぎに使う事を決めた様に、アラドもサブラン公爵の一件で王家との遣り取りにカリンガル家を使う事にした様だ。
王家に重用されるのは貴族にとっては栄誉で在り、実利にも繋がる事で拒否する理由は無い。
執事にアラド達の為に客間を用意させると、グルマン宰相と相談する為に王城へ出向いた。
・・・・・・
「カリンガル伯爵殿、急ぎの案件とは?」
「実はアラドが教会と衝突しました。その結果、教皇猊下と大教主二名がアラド殿から迷惑料の取り立てを受ける事になりました。私と王家がアラドと教会との約定の立会人になって貰えないかとの申し出をアラド殿から受けました」
「カリンガル伯爵殿、言っている意味がよく判らないのだが」
「アラド殿が話した事は、教会から治癒魔法師と薬師に鑑定使いを解放するそうです。その手助けを王国に伝えてくれと、頼まれたのです。彼は自分に害をなす教会の力を、そぎ落とすつもりの様です。詳しい事は陛下も交えてお話ししますので、急ぎ取り次いで貰えますか」
教会から治癒魔法師と薬師に鑑定使いを解放する、この言葉はグルマン宰相に衝撃を与え、即刻国王陛下に伝える為に自分の応接室を飛び出して行った。
暫く待たされたが、呼びに来た侍従に従って国王陛下の執務室に向かうと、興奮気味の国王とグルマン宰相から、事の経緯を詳しく話せとせっつかれる。
アラドに聞いた事の顛末を話すと、国王も宰相も喜びを隠せない様子だ。
そりゃーそうだろう、目の上のたんこぶ、何かと創造神ウルブァ様の名を出しては、国政に嘴を突っ込む教会の力を削ぎ落とせるのだから。
「カリンガル、その方とグルマンがアラドの後見人として付き添え! これで教会を王家の支配下に置けるな。耳達から、教会本部の奥深くで騒ぎが起きていると報告が有ったが、アラドと教会の争いで在ったか」
「陛下、お喜びのところを申し訳御座いませんが、事はそう単純には終わりそうも在りません」
「何故じゃ? 教会は、アラドに対する無理を押しつけたツケを払うのだろうが。アラドは『教会から治癒魔法師と薬師に鑑定使いを解放する』と申したのだろう。彼等を王家が引き取れば、教会の力は地に落ちたも同然ではないか」
「陛下お忘れですか、ついこの間ブレッド・サブラン捕獲の際に示したアラドの手際の良さと、そのやりようをみれば判ります。彼はただ単に治癒魔法師達を解放し教会の力を削ぐだけでは済まさないでしょう。王国が、王家が彼等を囲い込む事を、簡単に許すとは思えません。此処は彼と話し合ってみるべきです」
カリンガル伯爵の言葉に、国王も宰相も考え込む。
ブレッド捕獲に際し、思いもよらぬ準備と手際で、作戦を実行し指揮したアラドだ。
カリンガル伯爵の言うとおり、優秀な治癒魔法師や薬師達を何の策も無く王国に引き渡すとは思えない。
アラドが、教皇達に約束した三日後の正午、大聖堂で要求を突きつけるのだから急がねばならない。
「アラドと会って、話し合わねばならんな」
「彼は現在当屋敷に滞在致しておりますので、出来ればグルマン殿にお越し願えれば・・・」
アラドとの交渉に備え、解放される人々の受け入れなどを検討する為に、グルマン宰相と国王は徹夜で知恵を絞る事になった。
カリンガル伯爵は屋敷に戻り、翌日王国の代表としてアラドとの交渉にに望むグルマン宰相を迎える準備に取りかかる。
アラドには、王国が大聖堂で教皇や大教主との話し会いに立ち会う事を了承し、明日グルマン宰相が当屋敷を訪れると告げた。
152
あなたにおすすめの小説
魔法学校の落ちこぼれ
梨香
ファンタジー
昔、偉大な魔法使いがいた。シラス王国の危機に突然現れて、強力な魔法で国を救った。アシュレイという青年は国王の懇願で十数年を首都で過ごしたが、忽然と姿を消した。数人の弟子が、残された魔法書を基にアシュレイ魔法学校を創立した。それから300年後、貧しい農村の少年フィンは、税金が払えず家を追い出されそうになる。フィンはアシュレイ魔法学校の入学試験の巡回が来るのを知る。「魔法学校に入学できたら、家族は家を追い出されない」魔法使いの素質のある子供を発掘しようと、マキシム王は魔法学校に入学した生徒の家族には免税特権を与えていたのだ。フィンは一か八かで受験する。ギリギリの成績で合格したフィンは「落ちこぼれ」と一部の貴族から馬鹿にされる。
しかし、何人か友人もできて、頑張って魔法学校で勉強に励む。
『落ちこぼれ』と馬鹿にされていたフィンの成長物語です。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる