僕の番が怖すぎる。

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二章 あいつの存在が災厄

俺の【華】はお前という土壌で美しく咲いた。俺はこれを見るといつも嬉しくなる。

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《シュテンはやっぱりモンスター…》
《そういえば、オーガはヴァンパイアとグールのハーフだった。》
《食べながらのは気持ちが良いものなのか?わからんな。》

 こうやって話していることがわかることはなかなか難しいよ。
 食べながらなどについては、前にも言ったように『靡毒びどく』という、体液に含まれる催淫作用のあるものが快感に変える。
 だから吸血も食べられるのもなかなか……善い。

《……………》

 
 ◇◇◇


 先程から僕をとんでもない発言などで脅し、とても恥ずかしいことを言わせようとする、僕の番、朱天シュテン。 

 さっきまでは後から組伏せられ、激しく貫かれていたのに、今は優しく、もどかしい。
 少し自分の良いところに当たる様に動き誘う。

「お姫様は長らく離れたせいか欲求不満か?」

 少し呆れたような顔と声だが、お前が僕をこんなふうに育てたんだろうが!

「それもそうだったな。」
 
 そう言うとこいつは一度僕の中から出て、

「ぁあッ!」

 着ているものを脱ぎだした。 

 僕が脱がせたかったのに…

「それは悪かった。」

 こいつが出ていったところを指で弄られ、それがとてももどかしい。
 だが、期待に色々なところが疼く。

「物欲しそうにするな。すぐに可愛がってやる。」

 再び、姿見の前で蹲っていた僕を後ろから抱きしめ、立たせる。
 僕の体を弄り、その肌に咲いたこいつの【華】をなぞったりする。

「それで、お前はどんなのが好みだ?お姫様の希望に応えたい。
それがどんなことでも満足させる。
大体のやつは俺が抱けば悦んだから、いけるかと思う。」

 その美しい顔は真剣だが、話している内容はこいつらしく卑猥な事。
 色々とツッコミたいが、こいつと付き合うのにそんな事では色々と保たない。

「お前なぁ!嫁の前で他のやつのことを引き合いに出すなよ!!」
「オスの経験が豊富な方が、満足させる事が出来ると昔、親父と母上が言った。」

 不思議そうな顔をして話すこいつ。
 お義父様もお義母様もなんて事をこいつに教えているんですか?!

「だが、お前はそれが嫌だったな。本当に可愛らしいやつだ。」

 少し、口角を上げからかうような顔をした後、
 優しく抱きしめ、左首もとの【華】に口づけをする。

 コイツ!いつもの様にこんなふうに怒るのをわかってからかっている!!
 本当にいつからこんなに意地悪なやつになったんだろう?

 でも、嫁は結構これも好き。
 
 それよりも、いつまでも意地を張っていたら、またあの責め苦に合わされてはたまらない。
 素直に話すことにする。

「…僕は、お前にはじめて抱かれた時や、今みたいに後ろからがすき。
それから耳も噛まれるのがすき、それから…ちょっといじめられたのも凄く良かった…」

 恥ずかしながらも伝える。
 少し俯きかけるが、こいつが許さず、鏡をよく見ていろと【しゅ】まで使い、強制する。

「お姫様の望むままに…」

 にっこりと艶っぽく笑い、 再びこいつが僕に入ってくる。
 こいつと繋がるこの感覚も大好きだ。
 僕を犯す様が鏡に映りその淫靡な光景に興奮してしまう。

「は、ぁああ、ああ、…ぁぁん、はぁ、ああ…うん、あ、おっきい…、ああ!大好き。」

 鏡の中の僕はその白い肌を羞恥に赤く染めている。
 こいつと繋がっているところから、こいつのでっかいソレの出入りが見える。
 僕の蜜や散々出されたこいつの精と混ざったもので、てらてらと光るソレ。
 それを見て、また興奮してしまう。

 左首もとから咲いている【華】は、こいつの精を与えられた為か、活性化して、またいくつかの蕾が咲いた。
 永遠にこの青薔薇は【枯】れることなんてなさそうだ。
 …昔、見たことのある、それらの処分をされたものたちの姿を想像して、悩んでいたのが吹っ飛ぶ。

 僕の肌に咲いている青薔薇は、僕自身の【華】である、心臓の白百合にまで絡み、捕まえている。
 まるで今の僕らの状態みたいだ。

 普通ではあまりない首から上にも咲いてきていて、頬にも小さなものが咲いた。
 見ただけで分かるこいつのあまりの【】に皆が驚いている。
 呆れるようなご乱交野郎はすっかり番に狂ってしまった。

「俺の【華】はお前という土壌で美しく咲いた。俺はこれを見るといつも嬉しくなる。」
 
 嬉しそうに目を細め笑いながらも僕の体をまさぐり、その肌に咲いている青薔薇を見分する。
 そして、耳をまた甘噛みする。
 その仕草がとてつもなくエロくて大好きです!

「はぅッ!うん…これがすき…あっ、あ、あぁ…ああ、ぅん、あぁ…」
「他は?」

 僕の中の善いところをすっかり知っているこいつは、意地悪にももう少しというところでやめる。
 耳を噛んでいるのも止め、また耳元で囁く。
 鏡の中の微笑む眼には慾が浮かび、ゾクゾクしてしまう。
 思わずこいつのソレを締め上げてしまいそうになる。

「…善かったみたいだな。それで?」 
「このままお前の胡座の上に乗って穿たれたり、胡座の上で向き合って抱き合いながらも好き、…でも、まずはお前に咲いている僕の【華】が見たい。」
  
 そう伝えるとこいつはにこりとまた笑う。
 なんなんだろう?

「やっとだ、やっとお前から【】を貰えた。まだ俺も詳しく見ていないが、どんなふうに美しく咲いているのかお前が検分してくれ。」

 そんなに喜んでもらえるなら、もっと早くにすれば良かった。
 でも、お前は既に色んなものに【縛】られていたから、あれ以上に何かを与えたり、逆にお前に利になるものが思いつかなくて…ごめんな。

「構わん。お前は俺の生まれてすぐにつけられた父母の【縛】りを解いた。
箍を外し、楽に、自由になれと放ってくれた。
そのうえ、不自由になるのに俺が受けていたものまで…
親父や母上、一族のものに分けて支えていた呪いまで持っていった。」

 そこまで言うと少し、哀しい顔をした。
 
「もう、俺にはお前以外誰も縛れない。俺に鎖を付け、縛れるのはお前だけだ。」

 成長しきってしまった今、こいつは一族で一番の呪術師だ。
 呪いを架けるのも、呪いを解くのもこいつが一番だ。
 でも、これからは違う。
 
「思っていたよりも早くに、お前のところまで堕ちたな?それに神格まで追いついた。」

 こいつに、鏡に向かって笑んでやる。
 清々しい気持ちでそれを作る。

「すまない。俺からしたことなのに、胸が痛む。」
「今更だ!そんなこと言ってたらぶん殴るし【躾】だし、【血吸ちすい】だかんな!!」
「それは困る。あれは流石に俺も痛い。親父と母上も癒えるまでかなり時間がかかった。」

 僕の中のこいつが少し小さくなった気がする……
 こんな脅しが使えるようになったんだよなぁ。
 でも、今はあんまり良くないな。

「参ったな。く、ハハハハ…」「プッ、あははは…」

 お互いに笑い合う。

 漸く、僕らの日常に帰ってこれた気がする。
 始まりはあんなんだし、それからも物凄く振り回された。
 そして今度は僕が振り回した。

 傍迷惑な夫夫ふうふだけれど、こいつの嫁なら仕方がないだろう?
 鬼族の守護者たる亜神様は理想の嫁を手に入れた。
 だよな?
 違うって言ったら、マジにボコるかんな!

「違わぬ。お前は俺の俺だけのお姫様だ。」

 今も背後から抱きしめているこいつはさらに僕を強く抱きしめ、
 こいつが付けた【華】にまた顔を寄せる。
 僕の匂いと、そこにある自分の【分身】を確かめるように、
 目を閉じ、確と匂いを嗅いでいる。

「なぁ、朱天。僕の【華】を見せて。」
「構わん」

 目を開き、頷いたこいつは僕の中から出て行き、
 くるりと自分の方に僕を振り向かせた。

 皇宮のこの部屋などにいる以外では、外を駆け回り狩りをするこいつは、日に焼け、逞しい体躯をしている。
 鮮やかな朱い髪に似合う日に焼けた肌には、僕が噛んだ左の首もとから、僕の【白百合】が咲いていた。
 以前あげた【お手つき】とは違い、大きな大きな美しい【華】。

 そこから茎や葉や蕾などが全身に伸びているが、僕に咲くこいつの【青薔薇】とは違い、まだまだ蕾が多い。

「まだまだ蕾が多くて、沢山の【華】は咲いていないね…」

 少し残念に思いながら話す。

「これから俺とお前が死ぬその時まで、俺はお前に愛を注ぎ、お前はそれに応える。それだけでこれらは美しく咲く。
お姫様、お前のこの気高い【白百合】を宿せて俺は幸せだ。」

「僕もお前の【青薔薇】を貰って嬉しいよ。はじめて見たときは混乱したけれどね。
お前の奇跡みたいに綺麗な【華】を愛をありがとう。
離れていても僕にこんなにも咲いているから、アルフヘイムでも、帰ってきた皇宮ここでも、皆が吃驚していたよ。」

 ──『こんなにも狂い咲いた青薔薇を見れば、お前の想いなんてわかるのに、不安になってごめん。
 あまりの愛の大きさに驚くばかりだけれど、お前のことが僕も大好きだから。
 これからその蕾たちを咲かせてやるから楽しみにしていろよ!』──

「当然だ。ではお姫様、続きをしようか?」
「旦那様、嫁を満足させてくれ!」

 ◇◇◇


 説明が足りないかもしれないので、【華】について話すよ。

【華】は鬼族の心臓に宿るもの。
 茨木イバラキや四童子みたいな旧い世代では持たないが、百合の世代ではみんな持っていた。
 番になれば他種族ならそれを与え、鬼同士なら互いに与え合う。
 そして自分たちの寿命をピッタリ同じにするんだ。

《ということは…》

 そう、【血の伴侶】になれば死ぬときは同じだ。
 伴侶が死ねば、自分も死ぬ。
 その縛りを無くす方法が一つだけあるが…それはこの先、最後に話すよ。

《あまり、よくなさそうな話だな。》

 どうだろうね?最後まで話したときにわかるかもしれないね。

 話してきたように、定期的に【華】の本体のものからの供給が無ければ【枯】れ、寿命を迎えていたものや、病を得ていたものは即、死ぬ。
 逆にずっと愛…精や血などを与えていれば、より美しく咲き誇る。

 本当にわかりやすい愛のバロメーターなんだ。
 Ωが持ち、その気持ちを安定させるものとしてはぴったりだろう?
 そしてαだって、自分の番を縛れる。

 愛に生き、愛に狂う。
 お互いに束縛して幸せになるのが鬼族の愛だ。
 それでも私と夫は突き抜けすぎていて、狂人扱いに近かったものだが。


 ◇◇◇
 
 思ったよりもこいつも僕も、姿見の前での行為が気に入ってしまい、そのまま続けている。

「お前は縋るものがなく、俺に抱きつくしかないから良いな。」

 などと言う。
 本当にこいつはどんな頭をしているんだろうか?
 お義姉様も悍しいと言っていたからないほうが良いんだろうが…

 今は普通に押し倒され床の上に僕が仰向けになり、そこにこいつが覆い被さり、僕はそれを迎え入れている。
 床に広がる、銀と朱の二色の髪。
 僕らと同じ様にこれも絡み合う。

 お互いに咲いた【華】を見て幸せな気持ちになった。
 こいつが今まで愛おしそうに見ていた気持ちもわかった。

「朱天、今日はお互いに【華】から飲み合おう。
それでぐちゃぐちゃになるまで睦み合おう。」
「俺のお姫様は本当にエロく可愛くなった。俺からか?お前が来るか?」
「お前が来て。」

 そう答えると
 こいつは僕の【華】に口づけを落とし、指で愛おしそうに撫でてから、僕を抱きしめ、
 
 噛んだ。
 
「ゔああ゛゛ああぁ…ぁああああ!!」 

 久しぶりに味わうそれは強烈な痛みを齎した。
 中に居るこいつを締め上げて、悶える僕。
 それを優しく抱きしめながらも、下半身は遠慮なく僕の最奥まで押し入ってくる。

 僕も遠慮なくこいつの背中にしがみつき、爪を立て、痛みをやり過ごす。
 
 そのうちに得も言われぬ快感が襲ってきた。
 甘い毒が心臓から全身へと回ってきたみたいだ。

「ん、ん…ぅん、あ、ぁあ…ああ、も、ぅ…はぁ…ああ…もう、だ…めぇ…」

 こいつも飲むのを止めた。

 ぺろりと唇を舐め、僕に口づけをする。
 こいつは血を飲んだあとにこうするのが好きみたいで良くする。
 僕も嫌いじゃない。

「ん、んん、っぷ!苦しいぞ、朱天!や、あ、ああ…ふぁ、あぁん。」

 抗議しても止まらない責め。
 その感覚はどんどん鋭敏になってきて、迫っていた発情期のような熱がまた燃えだす。

「それじゃあ僕も貰う。その後は、たっぷり僕を可愛がってくれ。」
「勿論だ。俺のお姫様。俺はこの時をずっと待っていた。」


 ───────────
 このお話を投稿してから1ヶ月が過ぎました。
 最初は『この世界は…』の為に作ったカップルでしたが、その中でも削らないと行けない話が多くて、もったいなくてはじめました。
 沢山の方に見てもらえ、お気に入りも200件を超え、本当に驚いています。
 まだまだ二人の話は続きますが、番外的に始めたこれを少し見直して、はじめから一本のものとして手直しをしたりもしています。
 それに差し替えるか、別にするか悩んでいるのですが、良ければ感想などでお伝え頂けたら嬉しいです。
 引き続きこちらの続きも書いていきますのでよろしくお願いします。
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