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三章 遂に禍の神にまで昇華される
子が欲しくなればその時はまた【巣】を作ってくれ。 俺はそれを全力で叶えるから。
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ご覧頂きありがとうございます。
───────────
巣籠りをはじめてからどれくらい経つのか?
僕の発情期の日数は通常なら十日ほど。
少し長めな上に重い。
遠くで「シャン」と沢山の鈴の鳴るような音がして来訪者を報せるが、僕らはそれを意に介さず互いを慾る行為に溺れている。
「あぁ…ぁあ…はぁ…ん、ん…ん」
今回は朱天に誘発され無理やり起こされたからより重く、初めてこいつに連れ込まれて奪われたあの時並みに乱れている。
「…俺たちの邪魔をするものが来た。」
耳もとで何かを囁かれその後誤魔化すように肩を咬まれた。
「ぁん!」
鏡の中の銀のΩは朱いαに後ろから貫かれる度に悦び、喘ぎ啼いている。
よく手入れされた長く美しい虹色の煌めきを放つ髪を振り乱し悶える。
愛される度に全身にある【青薔薇】の蕾は咲いていく。
閨の中は濃厚な庭白百合と芳醇な青薔薇、僕らふたりの甘い薫りが充満し、それに酔いしれさらに慾が煽られる。
少し前まで組伏せられ手酷く犯されていたが、今はその様が見えるように立たされ後ろから抱えられ抱かれている。
僕とこいつの好むこの行為の為に、大きな体格の僕らでも映るものを閨に置くようになった。
「あ…あ、アッ、ぁあ…ん」
「はっ、はぁ…お姫様、佳い、か?」
佳いところを突きながら僕の体を弄ぶこいつの腕にしがみ付く。
「ああっ!ン~!」
こいつの雄に背後から穿たれる度に嬌声があがり腕には爪を立てるが、付けられた情交による傷の痛みも感じず、見る間に癒える様が悔しい。
そんな僕を愉快に思うのか色違いの金と銀の瞳は愉悦の色に染まっている。
「お姫様、次は何処を可愛いがって欲しい?」
(お前の牙を【華】に突き立てろ!)
犯されている様が見えるこの体勢も体を弄り続けられるこいつの手にも限界で…
とうに恥じらいもなくなった僕は叫びそれを懇願した。
「お、ねがいだッ、アカッ!…ほしいっ!」(飲んで犯してっ!!)
鏡の中には目を細めてにんまりと笑うこいつがいる。
「何をだ?」
いくら性に寛容な鬼でも、人前で吸血をし合ったりそれを強請るのは大変淫乱で恥ずかしい行為だ。
こいつは事あるごとに僕にそれを言わせようと強要する。
時折、耳などを咬むし飲むが、おあずけとばかりに一番好きなところにはまだ来ない。
たまに首すじを舐めたり優しく口づけを落としてくれるが…
さっきからずっとイジワルして僕の欲しいところはおねだりするか、自分が果てそうになるまでは絶対に来てくれない。
「………お…の……を、ちょうだい…」
返事を待つ間もガンガン責めたてられ、入口からは白濁が混ぜられるごぽごぽとした音と、てらてらと光る淫靡なこいつのソレの出入りが映る。
目も耳も犯されている状態にも羞恥を感じ、僕の真っ白な肌が見る見る間に赤くなる。
「ちゃんと言え。」
抽挿する勢いも落ちてきた。
それを止めて僕のナカの佳いところをじらすように優しく撫でる。
「ふぇ?…ゃ…ぁ、ぃ、じ…わる、ぅ…」
ボロボロと涙を零して頭を振り乱すがこいつは平然としたままで動かない。
いつからかこいつは睦み合う時に物凄くイジワルになった。
とても甘くて蕩かす様に抱く時もあれば手酷く犯す事もある。
それに今みたいなのはこいつ曰く『言うことを聞かないお姫様の躾け』らしい。
なかなかそれを言わない僕に焦れたこいつは苦手な責めをまたしようと彼に手が伸びる。
(旦那様!彼はもう限界です!!)
僕のむすこさんを翻弄して何度も精を出させるから、彼は少し前から透明なものしか出さなくなった。
「息子はやんちゃが過ぎるがな…」
また何かを呟いた。
これ以上されては堪らないし色々と限界も近い。
ずっと欲しているそれを強請る。
「お前の牙……欲しい。」
「もっと早くに素直になれ。」
にっこりと笑い近づくそれに期待は高鳴る。
「お姫様は強情だ。【暫し周りを忘れろ】」
耳もとで囁かれたかと思うと左首もとに付けられた【華】にこいつの牙が埋まる。
「いやぁ…ぁあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
プツリと肌に突き刺さるそれの痛みと、その後に襲ってくる快感に悶え乱れナカをさらに締め付けて僕は達した。
そんな僕を蹂躙するこいつのソレ。
僕の大好きなでっかいやつが暴れてくれてそれにも乱れる。
「母…うえ…」
───僕がこいつに飲まれ乱れている時に閨には小さな闖入者が来ていたらしい。
物凄い痴態を見られ後で聞いた時は真っ赤になり、聞いていた『恥ずか死ねる』というものを理解した───
「お前は何度言えばわかる?」
朱天は血を飲むのを止め鏡越しに背後にいる息子を睨みつける。
艶のある祖父譲りの黒髪に琥珀に似た黄金の瞳を持つ、凛々しく整った顔立ちの瑞々しい色気を放つ小さな鬼のオスが鏡の中の父母の痴態を見て固まっていた。
「あ、ああ………ち、ちうえ?」
「お前の望みを叶える為に母を可愛がっている【邪魔をするな】。」
「ひッ!…う、ん…父上。」
体を弄り可愛がっていた手も止め、僕らの痴態を鏡から隠すように抱き込まれ、こいつが発した力のある言葉に小さな鬼の子は怯んだ。
遠くからバタバタとした音が近づいてきて、また闖入者が増える。
「坊ちゃん、いけません!」「こらぁ黒ッ!父上サマにまぁた叱られっぞ!!」
鏡の端に映る彼らを睥睨し静かだが怒りに満ちた声でこいつは彼らを叱りつける。
「貴様らも守役を任せているのだからしっかり見ておけ。」
「「申し訳ございません。」」
「あ、か…もっ…とぉ……キバ、やめな…い、で」
良いところで止められた僕はもどかしく、それを強請る。
「すまんなお姫様【暫し待て】。」
「やだぁ……」
「ちッ、箍が外れているからこれ以上は無理か。」
口づけを軽く左首もとの【華】に落として宥められるが、おねだりには応えられず燻りを抱え悶える。
「急ぎ済ませるから、」
今度は顎をぐいと掴んで口づけを唇に落とした。
「な?」
(うん、これも結構好き。)
「お前が百合の前回の発情期に閨に来た際、母を見て欲を覚え、αに羽化したことは知っている。」
「え…?」
「えぇッ?!」「へ?!」
隠していたことを暴かれ驚く子とその事に衝撃を受け吃驚する従者たち。
「茨木、こいつには妃候補で成熟済みのΩを与えるか、親父の後宮にでも連れて行け。」
「…畏まりました。」
「……めっ!」
要求が無視されたことなどに腹を立てた僕は、鏡の中のこいつに向かい指差し呪いを放つが軽く手を振り簡単にそれは祓われた。
「すまんな、放っておいて悪かった。」
振りかぶった手をそのまま僕の下腹に遣り、優しく優しく撫でる。
「ここには既にお前の弟たちが宿っている。」
「「「え?!」」」
さらりと告げられる事実に彼らは再び衝撃を受ける。
「今は宿ったばかりの子らに精をたんと与えている。
お前の時よりさらにやらねば流れる。」
「ごめんなさい……」
「【黒、梔子、蒼、暫くは邪魔をするな】。母上にも伝えろ。」
「はい…」「「はっ!」」
淡々とした調子でそれを伝えると【真名】に呪い乗せ命じ、退出を促された彼ら邪魔者たちは漸く出て行った。
「待たせたな、お姫様。」
「朱、お前酷い…バカ赤毛!」
「悪かった、許せ。これからお前の望むものを与えてやるから…」
「うッ!…ぁうう、…ぁあ…ぁ…あ」
再び埋まる牙に悦び喘ぎ、中断されていたお互いを慾り合う行為を再開した僕らはそれに耽っていった。
◇◇◇
(そろそろ解放されたい…)
僕はもう…ほんとうに限界だった。
重く怠い腰と色んなところから悲鳴のあがる体、そして何より僕のナカを相変わらず好きに蹂躙するでっかいちんちん……
その持ち主である僕の旦那様で巨根絶倫のクソ赤毛こと朱天に、怒りを通り越した恐怖を感じていた。
いつもと違い発情期が明けても僕を抱き潰し離さないこいつに、みんなはもう止めることを諦めたみたいだった。
今までは厳しく制限されていたお菓子でさえ、食事を運びに来た綱と茨木から労し気な顔と共に貰えるようになった。
そのことから僕がどれくらい酷い目にあっているのか想像できるかと思う。
「俺の最愛のお姫様、美しい白い百合。」
発情期明けの気怠いが鮮明な頭に入ってきたのは、普段の落ち着いた抑揚ではない弾んだ様な調子の番の声。
「俺は【巣】を見たときは本当に嬉しくてな。
常にないほどに舞い上がってしまいお前を慾った。」
目覚めた時は湯に入れられ清められていたはずの体は、既に汗や体液でドロドロのグチョグチョだ。
起きてから寝るまでということをこいつはやってくれている。
色々とツッコむことを完全に諦めた僕は我慢して黙っている事にしていた。
漏れ出そうな嬌声は散らばっていたこいつの衣を押し付け逃しているがかなり厳しい。
「ぃ…ぁぐ…、ァ…ぁ…………あぅ…」
必死にそれを口に充てて堪える。
これの前は自分の腕などを押し付け噛んでいたがこいつに叱られこうなった。
(でもこれも『俺の薫りがそんなに良いのか?愛い!』とか言って盛られたしなぁ…)
僕自身もこいつの濃厚な【青薔薇】の薫りに中てられ欲情して乱れたりもする。
そろそろ他の手を考えなければいけない。
「許せ。」
(何その平然とした全然謝る気のない声!ホント悪いと思ってる?殴るよ?)
そうこうするうちに激しい責めは漸く止まった。
どうやら僕の顔が見えないことや、声が聞こえないことがお気に召さないみたいだ。
流石に啼きすぎてこいつに血をもらうまで癒えなかった喉も苦しかったし、もう色々と疲れたから止めてほしい。
発情期の睦み合いの中でかなり崩れてはいるが、未だ【巣】の中で交わっていた。
既に数日前に終わっているが、引き続き巣籠りしている。
そう、こいつの大好きな『母上』こと義母と同じ目にあっている。
僕を抱き潰して閨に監禁してはや半月ほどは経過したかと思う。
以前にも似たことをこいつと出会った当初にされているので、慣れたというのはおかしいがそこまで不自由はない。
ただ、物凄く体を慾られることだけがとてもツラく苦しかった。
(やっぱりこいつは父親にそっくりだ!
何考えてんだ!!
僕を閨に監禁しやがってお前ホントにほんとに殴るぞ!!!)
なんでそんなに元気なのか不思議なくらいにまだまだ飽きずにそれを続ける。
黒を身籠った当初かそれ以上に盛られていた。
(やっぱり食事なんだろか?こいつアホみたいにバカスカ食べるし。)
僕を抱き潰して落とした後に恐れを感じる程に食べてるらしい。
こいつの食事してる姿を見た者は自分も喰われそうに感じ、その恐怖から卒倒したらしい。
僕の妊娠中のみたいに、また異常に食べるこいつに嫌な予感しか感じない。
そんなことを考え気を逸している僕に腹を立てたのか、こいつはいきなりとんでもない攻撃をしてきた。
「あぐぅッ!」
僕の心臓の【華】を指でなぞってから舐め強く咬まれた。
拗ねて反応のない僕に痺れを切らしたこいつは滅茶苦茶をする。
「オイこら、クソ赤毛!ふざけんな!!
そこはいきなり咬むなって何度言えばわかるんだ!!!
お前はなんでいつもそう勝手なんだよ!!」
急所への攻撃には流石に怒り堪えていたものを投げ捨て、残っていた気力を振り絞りこいつを叱りつける。
「お前の喘ぐ顔と啼く声が聞きたい。」
「お前なぁ…………」
もうずっとこんな調子で本当に呆れてしまう。
相変わらず平然とした態度で卑猥なことばかり言うし絶倫過ぎてついていけない。
通常なら僕の発情期の期間は十日。
少し長めで重い。
それを明けてからも抱き潰され監禁されている。
起きている間こいつはずっと僕の中に居て出て行ってくれない。
偶に食事を取る時にだけ離れるが、その間はせっせと例の給餌行動をして何故かいつもより肉をたらふく食わせる。
(全く、これで肥ったらどうしてくれる?)
きっとこいつのことだから卑猥な返事が返ってく…
「俺が運動に付き合おう。」
(…やっぱりだ!)
何度も血を飲まれ体を慾られ徹底的に責められていた。
僕も飢餓からこいつを飲みながら穿たれる。
そんなことをもうずっと繰り返し何度もしていた。
「よし!お前の佳いところをもっと可愛がってやろう。」
「ちょッ!おまッ!え、や!う、はぁぁあ…ああぁ…あ、あ」
あんな事を考えて話したからか、こいつはそれを警戒して僕を離そうとしない。
それは僕も悪かったが、元はお前が伝えるのが遅かったからだろうと言いたいが、こいつはきっと聞き入れない。
(お前はどんだけワガママさんなんだ!)
見慣れたとんでもない美貌は爛れた行為をずっとしていても全然崩れず、寧ろより凄絶な色気が出てきていてそれが恐ろしい。
こいつの顔と体、それから快楽にものすごく弱い僕は抵抗を試みるがあっさりと流され降伏してしまう。
発情期の最後のほうで綱や茨木、それに黒まで様子を見に来てしまい、息子は僕らの痴態をそれはじっくりと見てしまったとこいつに聞いた。
もう…僕の精神はボロボロだ。
(このままだと今度はきっとお義母様が来る。)
「それは無い。そんな事は起こらん。」
僕の思念を読んだこいつが不思議なことを言う。
あまりに長く籠もって僕もこいつも務めを放棄しているから、怒られ止められないことが本当に心配になる。
「先程は俺を与えた。」
こいつは僕が満足するだけの量は決して飲ませず、常に飢えるように調整していた。
逃げないようにする為だろうがそこも本当にツラかった。
(色々と恐ろしいことをするな!)
「次はお姫様の好きなところから飲んでやろう。」
艶っぽく笑う整いすぎたその顔がとても恐ろしく見え僕は戦慄する。
「ひッ!や、やぁ、もう…やだぁ…ムリ!」
ぼろぼろと生理的な涙が溢れ思わず悲鳴が飛び出し、それから逃れようと藻掻きこいつの胸を叩くが…
「ならん。それは許さぬ。」
その手を取られ両手は頭の上でまとめ押さえつけられ、近くに落ちていた帯で腕は縛られた。
「ぃ…やぁ…ん、ああッ」
一連の強引すぎるこいつの行動になぜかキュンとしてしまい、強くナカを締め付けてしまう。
「ハハッ、お姫様は俺にイジメられるのがほんとうに好きだな。」
愉快そうに笑われるが本当のことなので何も言えず、ただ顔は熱くなりそれが恥ずかしくてこいつの視線から逃れようとするが…
それも「【目を反らすな】!」と強引に止められる。
(こういうのも本当は大好きです旦那様っ!!)
これも聴いたのか悦んだこいつはギラギラと輝く目を細め笑う。
その視線にゾクゾクしてさらに僕は乱れるが……
だけどちょっと考えて欲しい、朱天くん。
僕らが何日籠もっているかを。
お前も僕も務めがあるはずだ。
怪訝そうな顔をしてから交わっているそこを見せつけるようにして、僕の深くまで入って来た。
偶に腿などにも噛みつき血を飲んでいく。
容赦なく責め立てる大きな楔は僕を犯し続ける。
「大丈夫だ、問題ない。」
きりりとした顔で返し、変わらず僕を慾る妖艶な姿に思わず見惚れそうになるが…
(全然信用できないことをぬかすな!)
なんとか流されないように堪えている。
ちらりと見える牙や情慾に塗れたこいつの目とか色んなものに、なんとも言えない快感が胎からこみ上げ流されそうになる。
(ああ、駄目だ!ダメダメダメダメ、また体で堕とされ流される!!)
そんなふうに思いながらも僕の体はこいつを貪慾に求める。
こんな気持ちが良すぎて頭がおかしくなりそうなことを発情期が終わっても続けている。
僕の父譲りの天才と言われる様なそれはちょっと前から凄く残念になってきている。
気儘に僕を抱いて犯して飲んで、それから偶に食べるこいつに参っている。
おかげで僕の体は癒やしが追い付かず、こいつの噛み痕や鬱血痕で酷いことになっている。
いつも大きなソレが何故かさらに大きくて苦しいくらいの快感を齎され、より激しく僕を責め立てる。
「あ、ゃぁああもダ…メ、だぁめッ!ぅああ…ん、ムリぃ…い…」
「くッ、お姫様…これも飲み干してくれ…」
また僕の中に種を出し果てた。
「はぁ…はぁ、ああ…佳いな。ほんとうに佳い…」
なのにずっと中に留まり僕を組伏せるようにして押さえつけ、今度は後ろから責めつつ耳もとで囁く。
(さすがにもう勘弁して欲しい…もう半月近くになるんだぞ………)
縋るものを寝具などに変えて必死に堪え受け止める。
繋がったところからはダラダラとこいつの精が溢れてきた。
そろそろ僕の意識が持たなくなりそうだ。
「Ωが番に種を強請るその行動に歓喜した。
これもαの、オスの本能かとそれを俺に与えたお前をさらに愛しく思った。」
そう言うと耳を軽く咬んでから
「ひゃん!」
僕の項にある自分の噛み痕を舐めた。
「アッ!」
「初めて噛んだ時に美しい痕になればと願ったが、これを見ると俺はさらに昂ぶる。」
「うぇッ?!お、お前…まだ足りないのか!!」
僕の中には大きなこいつのソレがもうずっと居る。
出ていかれたら寂しくて泣いてしまいそうだが、さすがに僕も限界だ。
「俺はお前が可愛くて愛しくて堪らない。どんなに抱いても満足できん。」
(さすがのお前でもそろそろ種が切れたりしないのかな?ね?ねぇ?)
「はぁ…お姫様、もっと喰わせてくれ。」
「ヒィーーーッ!!!」
(こいつはずっと発情してるみたいになっていて色々と怖い!)
今でも大概こいつに出された精でぱんぱんになるまで膨らんだ腹だが…
まだまだ出すつもりらしい。
異常なくらいに精を僕の中に注ぎたがるのにも困っている。
(今は身籠ってなんていないのにおかしいよ?お前。)
「それらにはまだ足りぬ。」
僕を食らいそうな目付きをしたこいつに嫌な汗が止まらない。
(さっきまでの鬼畜な行いを思い出すと恐怖しかありません!)
「まだまだたっぷり俺にお前を可愛がらせてくれ…お姫様?」
にこりと笑いかけるこいつの顔はとんでもなく美しいが本当に怖かった。
( 嫁 は も う ほ ん と う に 限 界 で す ! 勘 弁 し て 下 さ い 旦 那 様 ! ! )
◇
予定である十日よりもかなりの日にちを過ぎて僕は開放された。
それでもまだ足りないのか先程湯殿で清められている時にもこいつは盛り求め、またドロドロになるまで交わってしまった。
(こいつまだまだ精が出るんだぞ、信じられる?おかしくない?)
もう…体の色んなところが悲鳴をあげて節々が痛く苦しくツラい。
でも、湯殿でこいつを清めるということも、少しばかり違ったけどそれも出来た。
(色んなところを舐めてやって綺麗にしてやったよ!
『百合、それは少し違うが…佳いな。』とか言われて嫁は満足です!
あれれ?確かに違うね。あはは…)
閨に戻ると褥にあったそれは片され綺麗に整えられ、僕の作った【巣】は無くなっていた。
それを見てしょんぼりしたこいつの濡れた頭をくしゃくしゃにして撫でてやる。
(今日はその頭も後で僕がきれいに整えてやるからな。)
手には櫛と香油の瓶を持ち、嬉しそうに笑って返してくることに安心する。
「なぁ…お姫様。」
「ん?なに?」
僕の髪を乾かし整えながらこいつは優しく僕に語りかける。
「子が欲しくなればその時はまた【巣】を作ってくれ。
俺はそれを全力で叶えるから。」
髪を櫛り綺麗な艶が出るまで丁寧にそれを繰り返している。
こいつの髪もこれが終わったら僕がしてやる事になっている。
「うん、なら今度こそ【指切りげんまん】だ。
これから僕がこれをした時はお前がそれを与えて。」
右手を小指を残して握り込み今度は僕がそれを差し出した。
それにこいつが応じて右手の小指を絡める。
「ああ。」
ふたりでそれを違えた際のことを決めてから、拍子にのせて祝詞を紡いでいく。
『『【指切りげんまん嘘ついたら…】』』
この約束をこいつはきっと違えない。
僕の旦那は『神』様の力と心を持っていて、その在り方や考え方に度々驚かさせられる。
でも、ありえないくらいの美人で、滅茶苦茶強くて、優しくて…吃驚するぐらい綺麗な心を持っている。
僕に『ヒト』をやめさせるくらい惚れ込んでくれていて、その為に貞操を縛ることも厭わない。
本当にとんでもないくらいぶっ飛んでるけど僕の旦那…僕の番は最高のαなんだ!
だから、次かその次の発情期にはこいつの望みを叶えてやるつもりだ。
(僕だってこいつに似た子が欲しい。)
『『【指切った】!』』
合図とともにそれを結び、僕らにはまた誓いの呪いが増えた。
僕らはお互いをガチガチに縛り付けているおかしなやつらだ。
「あはは…また僕らの呪いは増えたな。」
「こんなことでお前の心が安まるなら構わん。」
(でも、この執着がお互いに心地よくて幸せなんだ。)
「朱天、僕の大好きな番。
ずっと僕の側にいてにこにこ笑っていて欲しい。」
「ああ、お姫様。約束する。」
巣籠り前に【指切りげんまん】を願うときに見せたあの暗い顔はもうない。
あるのは僕の好きな【天】の様な晴れた空の笑顔だ。
「来い!」
僕の手を引き、自分の胡座の上に座らせる。
後ろから抱きしめ腹に手を回してから、左首もとにあるこいつの【華】に顔を埋めてきた。
「俺はお前の薫りが好きだ。ずっとこうしていたいくらいだ。」
「僕もお前のが、す…き………」
その腕の中で温もりと薫りに包まれて安心すると急に眠気が襲ってきた。
「僕と、お前の子を守る…強いお父様でも、いてく…れ、よ……」
「無論だ。」
回された手が僕の腹を撫でる。
まだ子の宿っていない筈の僕のお腹を優しく撫でるこいつを、不思議に思いながらも疲れ切った僕は寝入ってしまった。
◇◇◇
どんな罰に決めたか?それは秘密だよ。
でもあいつはそれを違えなかった。必ず守ったとだけ言っておくよ。
《リスとシュテンは沢山の子を儲けたんですね。》
《リスはどれくらいの間ベットルームに監禁された?》
うーん、まぁ…そうだね。
最終的に八人は産まないといけなくなったよ。
《《《《《え?!》》》》》
《予定では六人の筈では?》
《よくそんなに産めたな…》
期間は……多分、半月を超えたくらいかなぁ?
子どもの数はちょっと色々とあって…予定が変わったんだよね。
それに昔はそんなもんだよ?鬼族の中では百合はかなり生んだほうだけど。
望まれていた四色の御子も白の御子もみんなNoir以外は『神』による妨害で問題が起こってね。
本当にやつはろくなことをしない神様だったんだ。
───────────
巣籠りをはじめてからどれくらい経つのか?
僕の発情期の日数は通常なら十日ほど。
少し長めな上に重い。
遠くで「シャン」と沢山の鈴の鳴るような音がして来訪者を報せるが、僕らはそれを意に介さず互いを慾る行為に溺れている。
「あぁ…ぁあ…はぁ…ん、ん…ん」
今回は朱天に誘発され無理やり起こされたからより重く、初めてこいつに連れ込まれて奪われたあの時並みに乱れている。
「…俺たちの邪魔をするものが来た。」
耳もとで何かを囁かれその後誤魔化すように肩を咬まれた。
「ぁん!」
鏡の中の銀のΩは朱いαに後ろから貫かれる度に悦び、喘ぎ啼いている。
よく手入れされた長く美しい虹色の煌めきを放つ髪を振り乱し悶える。
愛される度に全身にある【青薔薇】の蕾は咲いていく。
閨の中は濃厚な庭白百合と芳醇な青薔薇、僕らふたりの甘い薫りが充満し、それに酔いしれさらに慾が煽られる。
少し前まで組伏せられ手酷く犯されていたが、今はその様が見えるように立たされ後ろから抱えられ抱かれている。
僕とこいつの好むこの行為の為に、大きな体格の僕らでも映るものを閨に置くようになった。
「あ…あ、アッ、ぁあ…ん」
「はっ、はぁ…お姫様、佳い、か?」
佳いところを突きながら僕の体を弄ぶこいつの腕にしがみ付く。
「ああっ!ン~!」
こいつの雄に背後から穿たれる度に嬌声があがり腕には爪を立てるが、付けられた情交による傷の痛みも感じず、見る間に癒える様が悔しい。
そんな僕を愉快に思うのか色違いの金と銀の瞳は愉悦の色に染まっている。
「お姫様、次は何処を可愛いがって欲しい?」
(お前の牙を【華】に突き立てろ!)
犯されている様が見えるこの体勢も体を弄り続けられるこいつの手にも限界で…
とうに恥じらいもなくなった僕は叫びそれを懇願した。
「お、ねがいだッ、アカッ!…ほしいっ!」(飲んで犯してっ!!)
鏡の中には目を細めてにんまりと笑うこいつがいる。
「何をだ?」
いくら性に寛容な鬼でも、人前で吸血をし合ったりそれを強請るのは大変淫乱で恥ずかしい行為だ。
こいつは事あるごとに僕にそれを言わせようと強要する。
時折、耳などを咬むし飲むが、おあずけとばかりに一番好きなところにはまだ来ない。
たまに首すじを舐めたり優しく口づけを落としてくれるが…
さっきからずっとイジワルして僕の欲しいところはおねだりするか、自分が果てそうになるまでは絶対に来てくれない。
「………お…の……を、ちょうだい…」
返事を待つ間もガンガン責めたてられ、入口からは白濁が混ぜられるごぽごぽとした音と、てらてらと光る淫靡なこいつのソレの出入りが映る。
目も耳も犯されている状態にも羞恥を感じ、僕の真っ白な肌が見る見る間に赤くなる。
「ちゃんと言え。」
抽挿する勢いも落ちてきた。
それを止めて僕のナカの佳いところをじらすように優しく撫でる。
「ふぇ?…ゃ…ぁ、ぃ、じ…わる、ぅ…」
ボロボロと涙を零して頭を振り乱すがこいつは平然としたままで動かない。
いつからかこいつは睦み合う時に物凄くイジワルになった。
とても甘くて蕩かす様に抱く時もあれば手酷く犯す事もある。
それに今みたいなのはこいつ曰く『言うことを聞かないお姫様の躾け』らしい。
なかなかそれを言わない僕に焦れたこいつは苦手な責めをまたしようと彼に手が伸びる。
(旦那様!彼はもう限界です!!)
僕のむすこさんを翻弄して何度も精を出させるから、彼は少し前から透明なものしか出さなくなった。
「息子はやんちゃが過ぎるがな…」
また何かを呟いた。
これ以上されては堪らないし色々と限界も近い。
ずっと欲しているそれを強請る。
「お前の牙……欲しい。」
「もっと早くに素直になれ。」
にっこりと笑い近づくそれに期待は高鳴る。
「お姫様は強情だ。【暫し周りを忘れろ】」
耳もとで囁かれたかと思うと左首もとに付けられた【華】にこいつの牙が埋まる。
「いやぁ…ぁあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
プツリと肌に突き刺さるそれの痛みと、その後に襲ってくる快感に悶え乱れナカをさらに締め付けて僕は達した。
そんな僕を蹂躙するこいつのソレ。
僕の大好きなでっかいやつが暴れてくれてそれにも乱れる。
「母…うえ…」
───僕がこいつに飲まれ乱れている時に閨には小さな闖入者が来ていたらしい。
物凄い痴態を見られ後で聞いた時は真っ赤になり、聞いていた『恥ずか死ねる』というものを理解した───
「お前は何度言えばわかる?」
朱天は血を飲むのを止め鏡越しに背後にいる息子を睨みつける。
艶のある祖父譲りの黒髪に琥珀に似た黄金の瞳を持つ、凛々しく整った顔立ちの瑞々しい色気を放つ小さな鬼のオスが鏡の中の父母の痴態を見て固まっていた。
「あ、ああ………ち、ちうえ?」
「お前の望みを叶える為に母を可愛がっている【邪魔をするな】。」
「ひッ!…う、ん…父上。」
体を弄り可愛がっていた手も止め、僕らの痴態を鏡から隠すように抱き込まれ、こいつが発した力のある言葉に小さな鬼の子は怯んだ。
遠くからバタバタとした音が近づいてきて、また闖入者が増える。
「坊ちゃん、いけません!」「こらぁ黒ッ!父上サマにまぁた叱られっぞ!!」
鏡の端に映る彼らを睥睨し静かだが怒りに満ちた声でこいつは彼らを叱りつける。
「貴様らも守役を任せているのだからしっかり見ておけ。」
「「申し訳ございません。」」
「あ、か…もっ…とぉ……キバ、やめな…い、で」
良いところで止められた僕はもどかしく、それを強請る。
「すまんなお姫様【暫し待て】。」
「やだぁ……」
「ちッ、箍が外れているからこれ以上は無理か。」
口づけを軽く左首もとの【華】に落として宥められるが、おねだりには応えられず燻りを抱え悶える。
「急ぎ済ませるから、」
今度は顎をぐいと掴んで口づけを唇に落とした。
「な?」
(うん、これも結構好き。)
「お前が百合の前回の発情期に閨に来た際、母を見て欲を覚え、αに羽化したことは知っている。」
「え…?」
「えぇッ?!」「へ?!」
隠していたことを暴かれ驚く子とその事に衝撃を受け吃驚する従者たち。
「茨木、こいつには妃候補で成熟済みのΩを与えるか、親父の後宮にでも連れて行け。」
「…畏まりました。」
「……めっ!」
要求が無視されたことなどに腹を立てた僕は、鏡の中のこいつに向かい指差し呪いを放つが軽く手を振り簡単にそれは祓われた。
「すまんな、放っておいて悪かった。」
振りかぶった手をそのまま僕の下腹に遣り、優しく優しく撫でる。
「ここには既にお前の弟たちが宿っている。」
「「「え?!」」」
さらりと告げられる事実に彼らは再び衝撃を受ける。
「今は宿ったばかりの子らに精をたんと与えている。
お前の時よりさらにやらねば流れる。」
「ごめんなさい……」
「【黒、梔子、蒼、暫くは邪魔をするな】。母上にも伝えろ。」
「はい…」「「はっ!」」
淡々とした調子でそれを伝えると【真名】に呪い乗せ命じ、退出を促された彼ら邪魔者たちは漸く出て行った。
「待たせたな、お姫様。」
「朱、お前酷い…バカ赤毛!」
「悪かった、許せ。これからお前の望むものを与えてやるから…」
「うッ!…ぁうう、…ぁあ…ぁ…あ」
再び埋まる牙に悦び喘ぎ、中断されていたお互いを慾り合う行為を再開した僕らはそれに耽っていった。
◇◇◇
(そろそろ解放されたい…)
僕はもう…ほんとうに限界だった。
重く怠い腰と色んなところから悲鳴のあがる体、そして何より僕のナカを相変わらず好きに蹂躙するでっかいちんちん……
その持ち主である僕の旦那様で巨根絶倫のクソ赤毛こと朱天に、怒りを通り越した恐怖を感じていた。
いつもと違い発情期が明けても僕を抱き潰し離さないこいつに、みんなはもう止めることを諦めたみたいだった。
今までは厳しく制限されていたお菓子でさえ、食事を運びに来た綱と茨木から労し気な顔と共に貰えるようになった。
そのことから僕がどれくらい酷い目にあっているのか想像できるかと思う。
「俺の最愛のお姫様、美しい白い百合。」
発情期明けの気怠いが鮮明な頭に入ってきたのは、普段の落ち着いた抑揚ではない弾んだ様な調子の番の声。
「俺は【巣】を見たときは本当に嬉しくてな。
常にないほどに舞い上がってしまいお前を慾った。」
目覚めた時は湯に入れられ清められていたはずの体は、既に汗や体液でドロドロのグチョグチョだ。
起きてから寝るまでということをこいつはやってくれている。
色々とツッコむことを完全に諦めた僕は我慢して黙っている事にしていた。
漏れ出そうな嬌声は散らばっていたこいつの衣を押し付け逃しているがかなり厳しい。
「ぃ…ぁぐ…、ァ…ぁ…………あぅ…」
必死にそれを口に充てて堪える。
これの前は自分の腕などを押し付け噛んでいたがこいつに叱られこうなった。
(でもこれも『俺の薫りがそんなに良いのか?愛い!』とか言って盛られたしなぁ…)
僕自身もこいつの濃厚な【青薔薇】の薫りに中てられ欲情して乱れたりもする。
そろそろ他の手を考えなければいけない。
「許せ。」
(何その平然とした全然謝る気のない声!ホント悪いと思ってる?殴るよ?)
そうこうするうちに激しい責めは漸く止まった。
どうやら僕の顔が見えないことや、声が聞こえないことがお気に召さないみたいだ。
流石に啼きすぎてこいつに血をもらうまで癒えなかった喉も苦しかったし、もう色々と疲れたから止めてほしい。
発情期の睦み合いの中でかなり崩れてはいるが、未だ【巣】の中で交わっていた。
既に数日前に終わっているが、引き続き巣籠りしている。
そう、こいつの大好きな『母上』こと義母と同じ目にあっている。
僕を抱き潰して閨に監禁してはや半月ほどは経過したかと思う。
以前にも似たことをこいつと出会った当初にされているので、慣れたというのはおかしいがそこまで不自由はない。
ただ、物凄く体を慾られることだけがとてもツラく苦しかった。
(やっぱりこいつは父親にそっくりだ!
何考えてんだ!!
僕を閨に監禁しやがってお前ホントにほんとに殴るぞ!!!)
なんでそんなに元気なのか不思議なくらいにまだまだ飽きずにそれを続ける。
黒を身籠った当初かそれ以上に盛られていた。
(やっぱり食事なんだろか?こいつアホみたいにバカスカ食べるし。)
僕を抱き潰して落とした後に恐れを感じる程に食べてるらしい。
こいつの食事してる姿を見た者は自分も喰われそうに感じ、その恐怖から卒倒したらしい。
僕の妊娠中のみたいに、また異常に食べるこいつに嫌な予感しか感じない。
そんなことを考え気を逸している僕に腹を立てたのか、こいつはいきなりとんでもない攻撃をしてきた。
「あぐぅッ!」
僕の心臓の【華】を指でなぞってから舐め強く咬まれた。
拗ねて反応のない僕に痺れを切らしたこいつは滅茶苦茶をする。
「オイこら、クソ赤毛!ふざけんな!!
そこはいきなり咬むなって何度言えばわかるんだ!!!
お前はなんでいつもそう勝手なんだよ!!」
急所への攻撃には流石に怒り堪えていたものを投げ捨て、残っていた気力を振り絞りこいつを叱りつける。
「お前の喘ぐ顔と啼く声が聞きたい。」
「お前なぁ…………」
もうずっとこんな調子で本当に呆れてしまう。
相変わらず平然とした態度で卑猥なことばかり言うし絶倫過ぎてついていけない。
通常なら僕の発情期の期間は十日。
少し長めで重い。
それを明けてからも抱き潰され監禁されている。
起きている間こいつはずっと僕の中に居て出て行ってくれない。
偶に食事を取る時にだけ離れるが、その間はせっせと例の給餌行動をして何故かいつもより肉をたらふく食わせる。
(全く、これで肥ったらどうしてくれる?)
きっとこいつのことだから卑猥な返事が返ってく…
「俺が運動に付き合おう。」
(…やっぱりだ!)
何度も血を飲まれ体を慾られ徹底的に責められていた。
僕も飢餓からこいつを飲みながら穿たれる。
そんなことをもうずっと繰り返し何度もしていた。
「よし!お前の佳いところをもっと可愛がってやろう。」
「ちょッ!おまッ!え、や!う、はぁぁあ…ああぁ…あ、あ」
あんな事を考えて話したからか、こいつはそれを警戒して僕を離そうとしない。
それは僕も悪かったが、元はお前が伝えるのが遅かったからだろうと言いたいが、こいつはきっと聞き入れない。
(お前はどんだけワガママさんなんだ!)
見慣れたとんでもない美貌は爛れた行為をずっとしていても全然崩れず、寧ろより凄絶な色気が出てきていてそれが恐ろしい。
こいつの顔と体、それから快楽にものすごく弱い僕は抵抗を試みるがあっさりと流され降伏してしまう。
発情期の最後のほうで綱や茨木、それに黒まで様子を見に来てしまい、息子は僕らの痴態をそれはじっくりと見てしまったとこいつに聞いた。
もう…僕の精神はボロボロだ。
(このままだと今度はきっとお義母様が来る。)
「それは無い。そんな事は起こらん。」
僕の思念を読んだこいつが不思議なことを言う。
あまりに長く籠もって僕もこいつも務めを放棄しているから、怒られ止められないことが本当に心配になる。
「先程は俺を与えた。」
こいつは僕が満足するだけの量は決して飲ませず、常に飢えるように調整していた。
逃げないようにする為だろうがそこも本当にツラかった。
(色々と恐ろしいことをするな!)
「次はお姫様の好きなところから飲んでやろう。」
艶っぽく笑う整いすぎたその顔がとても恐ろしく見え僕は戦慄する。
「ひッ!や、やぁ、もう…やだぁ…ムリ!」
ぼろぼろと生理的な涙が溢れ思わず悲鳴が飛び出し、それから逃れようと藻掻きこいつの胸を叩くが…
「ならん。それは許さぬ。」
その手を取られ両手は頭の上でまとめ押さえつけられ、近くに落ちていた帯で腕は縛られた。
「ぃ…やぁ…ん、ああッ」
一連の強引すぎるこいつの行動になぜかキュンとしてしまい、強くナカを締め付けてしまう。
「ハハッ、お姫様は俺にイジメられるのがほんとうに好きだな。」
愉快そうに笑われるが本当のことなので何も言えず、ただ顔は熱くなりそれが恥ずかしくてこいつの視線から逃れようとするが…
それも「【目を反らすな】!」と強引に止められる。
(こういうのも本当は大好きです旦那様っ!!)
これも聴いたのか悦んだこいつはギラギラと輝く目を細め笑う。
その視線にゾクゾクしてさらに僕は乱れるが……
だけどちょっと考えて欲しい、朱天くん。
僕らが何日籠もっているかを。
お前も僕も務めがあるはずだ。
怪訝そうな顔をしてから交わっているそこを見せつけるようにして、僕の深くまで入って来た。
偶に腿などにも噛みつき血を飲んでいく。
容赦なく責め立てる大きな楔は僕を犯し続ける。
「大丈夫だ、問題ない。」
きりりとした顔で返し、変わらず僕を慾る妖艶な姿に思わず見惚れそうになるが…
(全然信用できないことをぬかすな!)
なんとか流されないように堪えている。
ちらりと見える牙や情慾に塗れたこいつの目とか色んなものに、なんとも言えない快感が胎からこみ上げ流されそうになる。
(ああ、駄目だ!ダメダメダメダメ、また体で堕とされ流される!!)
そんなふうに思いながらも僕の体はこいつを貪慾に求める。
こんな気持ちが良すぎて頭がおかしくなりそうなことを発情期が終わっても続けている。
僕の父譲りの天才と言われる様なそれはちょっと前から凄く残念になってきている。
気儘に僕を抱いて犯して飲んで、それから偶に食べるこいつに参っている。
おかげで僕の体は癒やしが追い付かず、こいつの噛み痕や鬱血痕で酷いことになっている。
いつも大きなソレが何故かさらに大きくて苦しいくらいの快感を齎され、より激しく僕を責め立てる。
「あ、ゃぁああもダ…メ、だぁめッ!ぅああ…ん、ムリぃ…い…」
「くッ、お姫様…これも飲み干してくれ…」
また僕の中に種を出し果てた。
「はぁ…はぁ、ああ…佳いな。ほんとうに佳い…」
なのにずっと中に留まり僕を組伏せるようにして押さえつけ、今度は後ろから責めつつ耳もとで囁く。
(さすがにもう勘弁して欲しい…もう半月近くになるんだぞ………)
縋るものを寝具などに変えて必死に堪え受け止める。
繋がったところからはダラダラとこいつの精が溢れてきた。
そろそろ僕の意識が持たなくなりそうだ。
「Ωが番に種を強請るその行動に歓喜した。
これもαの、オスの本能かとそれを俺に与えたお前をさらに愛しく思った。」
そう言うと耳を軽く咬んでから
「ひゃん!」
僕の項にある自分の噛み痕を舐めた。
「アッ!」
「初めて噛んだ時に美しい痕になればと願ったが、これを見ると俺はさらに昂ぶる。」
「うぇッ?!お、お前…まだ足りないのか!!」
僕の中には大きなこいつのソレがもうずっと居る。
出ていかれたら寂しくて泣いてしまいそうだが、さすがに僕も限界だ。
「俺はお前が可愛くて愛しくて堪らない。どんなに抱いても満足できん。」
(さすがのお前でもそろそろ種が切れたりしないのかな?ね?ねぇ?)
「はぁ…お姫様、もっと喰わせてくれ。」
「ヒィーーーッ!!!」
(こいつはずっと発情してるみたいになっていて色々と怖い!)
今でも大概こいつに出された精でぱんぱんになるまで膨らんだ腹だが…
まだまだ出すつもりらしい。
異常なくらいに精を僕の中に注ぎたがるのにも困っている。
(今は身籠ってなんていないのにおかしいよ?お前。)
「それらにはまだ足りぬ。」
僕を食らいそうな目付きをしたこいつに嫌な汗が止まらない。
(さっきまでの鬼畜な行いを思い出すと恐怖しかありません!)
「まだまだたっぷり俺にお前を可愛がらせてくれ…お姫様?」
にこりと笑いかけるこいつの顔はとんでもなく美しいが本当に怖かった。
( 嫁 は も う ほ ん と う に 限 界 で す ! 勘 弁 し て 下 さ い 旦 那 様 ! ! )
◇
予定である十日よりもかなりの日にちを過ぎて僕は開放された。
それでもまだ足りないのか先程湯殿で清められている時にもこいつは盛り求め、またドロドロになるまで交わってしまった。
(こいつまだまだ精が出るんだぞ、信じられる?おかしくない?)
もう…体の色んなところが悲鳴をあげて節々が痛く苦しくツラい。
でも、湯殿でこいつを清めるということも、少しばかり違ったけどそれも出来た。
(色んなところを舐めてやって綺麗にしてやったよ!
『百合、それは少し違うが…佳いな。』とか言われて嫁は満足です!
あれれ?確かに違うね。あはは…)
閨に戻ると褥にあったそれは片され綺麗に整えられ、僕の作った【巣】は無くなっていた。
それを見てしょんぼりしたこいつの濡れた頭をくしゃくしゃにして撫でてやる。
(今日はその頭も後で僕がきれいに整えてやるからな。)
手には櫛と香油の瓶を持ち、嬉しそうに笑って返してくることに安心する。
「なぁ…お姫様。」
「ん?なに?」
僕の髪を乾かし整えながらこいつは優しく僕に語りかける。
「子が欲しくなればその時はまた【巣】を作ってくれ。
俺はそれを全力で叶えるから。」
髪を櫛り綺麗な艶が出るまで丁寧にそれを繰り返している。
こいつの髪もこれが終わったら僕がしてやる事になっている。
「うん、なら今度こそ【指切りげんまん】だ。
これから僕がこれをした時はお前がそれを与えて。」
右手を小指を残して握り込み今度は僕がそれを差し出した。
それにこいつが応じて右手の小指を絡める。
「ああ。」
ふたりでそれを違えた際のことを決めてから、拍子にのせて祝詞を紡いでいく。
『『【指切りげんまん嘘ついたら…】』』
この約束をこいつはきっと違えない。
僕の旦那は『神』様の力と心を持っていて、その在り方や考え方に度々驚かさせられる。
でも、ありえないくらいの美人で、滅茶苦茶強くて、優しくて…吃驚するぐらい綺麗な心を持っている。
僕に『ヒト』をやめさせるくらい惚れ込んでくれていて、その為に貞操を縛ることも厭わない。
本当にとんでもないくらいぶっ飛んでるけど僕の旦那…僕の番は最高のαなんだ!
だから、次かその次の発情期にはこいつの望みを叶えてやるつもりだ。
(僕だってこいつに似た子が欲しい。)
『『【指切った】!』』
合図とともにそれを結び、僕らにはまた誓いの呪いが増えた。
僕らはお互いをガチガチに縛り付けているおかしなやつらだ。
「あはは…また僕らの呪いは増えたな。」
「こんなことでお前の心が安まるなら構わん。」
(でも、この執着がお互いに心地よくて幸せなんだ。)
「朱天、僕の大好きな番。
ずっと僕の側にいてにこにこ笑っていて欲しい。」
「ああ、お姫様。約束する。」
巣籠り前に【指切りげんまん】を願うときに見せたあの暗い顔はもうない。
あるのは僕の好きな【天】の様な晴れた空の笑顔だ。
「来い!」
僕の手を引き、自分の胡座の上に座らせる。
後ろから抱きしめ腹に手を回してから、左首もとにあるこいつの【華】に顔を埋めてきた。
「俺はお前の薫りが好きだ。ずっとこうしていたいくらいだ。」
「僕もお前のが、す…き………」
その腕の中で温もりと薫りに包まれて安心すると急に眠気が襲ってきた。
「僕と、お前の子を守る…強いお父様でも、いてく…れ、よ……」
「無論だ。」
回された手が僕の腹を撫でる。
まだ子の宿っていない筈の僕のお腹を優しく撫でるこいつを、不思議に思いながらも疲れ切った僕は寝入ってしまった。
◇◇◇
どんな罰に決めたか?それは秘密だよ。
でもあいつはそれを違えなかった。必ず守ったとだけ言っておくよ。
《リスとシュテンは沢山の子を儲けたんですね。》
《リスはどれくらいの間ベットルームに監禁された?》
うーん、まぁ…そうだね。
最終的に八人は産まないといけなくなったよ。
《《《《《え?!》》》》》
《予定では六人の筈では?》
《よくそんなに産めたな…》
期間は……多分、半月を超えたくらいかなぁ?
子どもの数はちょっと色々とあって…予定が変わったんだよね。
それに昔はそんなもんだよ?鬼族の中では百合はかなり生んだほうだけど。
望まれていた四色の御子も白の御子もみんなNoir以外は『神』による妨害で問題が起こってね。
本当にやつはろくなことをしない神様だったんだ。
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