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104 沈黙の池上と暴走の山森⑤
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日比野:分からないようにですか? 暗号的に?
西村:ああ。登録名には『BKT No.1』とか分かるっちゃ分かる通し名で入れて、所蔵番号を振らないことで検索から除外されるようにしていたらしいんだ。佐山氏はそんなにデータベースに詳しくなく、いつも牧田君に登録から抽出まで頼んでたから、本当に一人でお宝データがあるのを見てニヤニヤしてたらしい。八頭さんの家にある祭壇までこっそり入れていたっていうんだから、異常だね。でも佐山氏が亡くなり、亡くなったら間髪入れずに当館に寄贈するなんて聞いていなかったらしいんで、焦って消したんだと。
福峰:ちょっと怪しいけどね。調べるのは警察に任せよう。で、実は佐山氏の遺言状は当館だけじゃなかったんだ。家族の他に、八頭さんのもあった。
西村:八頭さんには、『あの時の場所に君との思い出があるから取りに行って欲しい』と書かれていたそうだ。八頭さんもああいうことになって、しかも不倫だったし、向こうは佐山さんが八頭さんを裏切ったと思っていたので、ご遺族も遺言状なんか見たくもないと腹を立てていたんだ。でも比江島さんがあんな不幸な殺され方をしただろう? その後に娘さんまで。何となく佐山氏から始まっている気がして、やはり受け取ることにしたんだそうだ。
福峰:でも『あの時の場所』とか『思い出を取りに』とか抽象的なことしか書いてないから、これが何なのかを知りたくて寄贈品の中にそれらしいキーワードはないか聞きに来たんだ。
西村:我々も力になりたかったから探してみた。そたら書斎の1936年コーナーのところに隠すようにMOディスクが出て来たんだ。私家本ファイルのところにもMOディスクがあっただろう? そこで中を見てみると隠されていた方には数々の写真と佐山氏の日記が入っていたんだ。
日比野:写真······日記······。見られたくないですね。
西村:そうだがやむを得ないので、資料として確認した。それは佐山氏と八頭さんの······要は不倫の証拠だな。その中に、とある資料からアメリカのビリーズ美術館にある富樫関連品が欲しくなった佐山氏は、ツテを持っていた八頭さんに頼んで買ったんだ。その時、向こうの担当者は売却する11点のうち富樫の創作ノートとデスマスクだけは人に見せずに大切にしろと口を酸っぱくして言ってきた。沢本にそう言われていたそうなんだね。
そうして手に入れた富樫の創作ノートには驚愕のことが書いてあったらしい。その後、『いつもの場所』で八頭さんと会って最後の贈り物をしてから別れた、と。未練がすごく書かれていたので、冨樫資料が別れの原因になってるみたいなんだ。
福峰:そこまで掴んだところで、私と資料課で話し合いを設けた。行方不明の『富樫の創作ノート』に何かしらの秘密が書かれていたらしいこと、デスマスクについても不明、そして八頭さんに贈り物をしてから突然別れたことから、彼女が何らかの事件に巻き込まれないための配慮がされたのかもしれないということ。『いつもの場所』に彼女に渡したいものを置いているのかもしれないが分からなかったので、何かに気づいたら報告してほしいと言ってたんだよね。
そしたら懐かしがった牧田君が事務室に挨拶に来たり、図書室に顔を出したりしてたんだ。その後からね、山森さんと池上君の様子が変になったんだよ。いくら鈍感な私でも気づいたんだから、ねえ。
日比野:それは、やっぱり······。
西村:ああ。牧田君と、山森、池上はなにか繋がりがあるんじゃないかってね。我々の知らない何かを知っているのかもしれない。日比野さんも何かおかしいと思ったから、山森にカマをかけたんだろう?
日比野:ええ。そうです。
西村:ああ。登録名には『BKT No.1』とか分かるっちゃ分かる通し名で入れて、所蔵番号を振らないことで検索から除外されるようにしていたらしいんだ。佐山氏はそんなにデータベースに詳しくなく、いつも牧田君に登録から抽出まで頼んでたから、本当に一人でお宝データがあるのを見てニヤニヤしてたらしい。八頭さんの家にある祭壇までこっそり入れていたっていうんだから、異常だね。でも佐山氏が亡くなり、亡くなったら間髪入れずに当館に寄贈するなんて聞いていなかったらしいんで、焦って消したんだと。
福峰:ちょっと怪しいけどね。調べるのは警察に任せよう。で、実は佐山氏の遺言状は当館だけじゃなかったんだ。家族の他に、八頭さんのもあった。
西村:八頭さんには、『あの時の場所に君との思い出があるから取りに行って欲しい』と書かれていたそうだ。八頭さんもああいうことになって、しかも不倫だったし、向こうは佐山さんが八頭さんを裏切ったと思っていたので、ご遺族も遺言状なんか見たくもないと腹を立てていたんだ。でも比江島さんがあんな不幸な殺され方をしただろう? その後に娘さんまで。何となく佐山氏から始まっている気がして、やはり受け取ることにしたんだそうだ。
福峰:でも『あの時の場所』とか『思い出を取りに』とか抽象的なことしか書いてないから、これが何なのかを知りたくて寄贈品の中にそれらしいキーワードはないか聞きに来たんだ。
西村:我々も力になりたかったから探してみた。そたら書斎の1936年コーナーのところに隠すようにMOディスクが出て来たんだ。私家本ファイルのところにもMOディスクがあっただろう? そこで中を見てみると隠されていた方には数々の写真と佐山氏の日記が入っていたんだ。
日比野:写真······日記······。見られたくないですね。
西村:そうだがやむを得ないので、資料として確認した。それは佐山氏と八頭さんの······要は不倫の証拠だな。その中に、とある資料からアメリカのビリーズ美術館にある富樫関連品が欲しくなった佐山氏は、ツテを持っていた八頭さんに頼んで買ったんだ。その時、向こうの担当者は売却する11点のうち富樫の創作ノートとデスマスクだけは人に見せずに大切にしろと口を酸っぱくして言ってきた。沢本にそう言われていたそうなんだね。
そうして手に入れた富樫の創作ノートには驚愕のことが書いてあったらしい。その後、『いつもの場所』で八頭さんと会って最後の贈り物をしてから別れた、と。未練がすごく書かれていたので、冨樫資料が別れの原因になってるみたいなんだ。
福峰:そこまで掴んだところで、私と資料課で話し合いを設けた。行方不明の『富樫の創作ノート』に何かしらの秘密が書かれていたらしいこと、デスマスクについても不明、そして八頭さんに贈り物をしてから突然別れたことから、彼女が何らかの事件に巻き込まれないための配慮がされたのかもしれないということ。『いつもの場所』に彼女に渡したいものを置いているのかもしれないが分からなかったので、何かに気づいたら報告してほしいと言ってたんだよね。
そしたら懐かしがった牧田君が事務室に挨拶に来たり、図書室に顔を出したりしてたんだ。その後からね、山森さんと池上君の様子が変になったんだよ。いくら鈍感な私でも気づいたんだから、ねえ。
日比野:それは、やっぱり······。
西村:ああ。牧田君と、山森、池上はなにか繋がりがあるんじゃないかってね。我々の知らない何かを知っているのかもしれない。日比野さんも何かおかしいと思ったから、山森にカマをかけたんだろう?
日比野:ええ。そうです。
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