映画をむさぼり、しゃぶる獣達――カルト映画と幻のコレクション

来住野つかさ

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126 ヨシイ古書店の供述(後)①

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 石の欠片を手に入れた比江島ですが、今度は彼が『夜を殺めた姉妹』に囚われ出します。

 その頃、私は牧田経由で映画評論家のコレクションから白岩や鳴子監督の台本、その他にも『夜を殺めた姉妹』準備稿の複製を作って売っていました。出処は不明として出しましたが、面白がって買う人も多かったですが、どうやって入手したのかは話しません。
 比江島の囚われている『夜を殺めた姉妹』の準備稿がウチにあるということで、比江島には随分詰問されました。実は佐山のところからだけではなく、石を盗んだ映画コレクターの家に忍び込み、床下を暴いたところ、まだいくらか隠されたお宝コレクションがあったのです。表立って盗んでいたものを持っているとは言えませんでしたけどね。

 そうして私と比江島は親しくなりました。そのうち彼は八頭さんと知り合いになり、付き合うようになりましたが、それも初めは『夜を殺めた姉妹』狙いだったようですよ。でもその後にどうも本気で好きになってしまったように見えたので、八頭さんには男を惚れさせるそういう要素があるのですね。私は全く好みではありませんが。
 比江島は佐山の後妻とも付き合い、『夜を殺めた姉妹』のものを奪えないか探っていました。後妻には介護用の監視カメラを書斎やリビングに置かせて、スマホで部屋を監視出来るようにまでしていましたから、よっぽどだったんでしょうね。

 そんなに熱心だったのに、哀れ比江島はネックレスに作り変えてまで肌見放さずにいたあの素晴らしき石を誰かに盗まれてしまいました。

 あの石から離れると、大抵の人は我に返るらしいですね。何であんなに嵌っていたのか分からない様子で、比江島はもう私にも『夜を殺めた姉妹』の品を探せとはぱったりと言わなくなりました。
 それでも私達には、佐山の後妻から情報を取って盗みに入りたいなどとと言ってしまってたので、私達はそれを言質に比江島主導として強奪計画を進めようとしていました。いつの間にか嗅ぎつけた川真田まで参加して、佐山の宝を狙っていたんです。

 
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