映画をむさぼり、しゃぶる獣達――カルト映画と幻のコレクション

来住野つかさ

文字の大きさ
127 / 131

127 ヨシイ古書店の供述(後)②

しおりを挟む
 牧田を使って、佐山に『夜を殺めた姉妹』の祭壇の石に関することなどが、某県の蔵から出て来たのだと嘘をいい、その古紙回収車の中にあると告げました。彼は必ず手に入れなければと強い使命感を抱いたようです。
 そして古紙回収車を借りて、佐山の家の裏山に停めて、やつをトラックの荷台に上がらせます。
 隠れていた川真田達が佐山を突き落として殺そうとする。心臓が弱っていた佐山なら午前中からこんな事になれば死ぬだろうと思われていたのです。
 だが、佐山は生憎死ななかった。

 裏切られていると気づかなかったのか、佐山は牧田に『絶対に奴らにコレクションを渡すな。これは自分も良くないことをして集めたものもある。そしてその報いを受けたのだ。お前は欲に囚われずに幸せに生きてくれ』と言い、鎮痛剤を沢山飲んで病院に行きました。
 結局心臓の弱った体に多量の鎮痛剤は悪い作用を引き起こしたのか、トラックから落ちたせいで亡くなることになったのか。

 牧田がどうしてそこまで我々の言うことを聞いてしまったのか、ですか?

 実は彼は学生時代に山森美香という資料館の女性と付き合っていて、子供を堕ろさせたことがあるんですが、堕胎費用も払わず着信拒否して逃げたんです。山森さんは大学を休学して極秘で産んでいました。豊兄はそれを知っていて、牧田に逃げろと唆した。佐山に匿ってもらって仕事を受けろと。牧田は感謝して、しれっと辞めてから山森さんと連絡を絶った。豊兄はそれをいつかネタに使おうと、私家本の校正を手伝ったりして牧田との縁を切らせないように努めたんですって。まんまと佐山の義息子に収まっている牧田としてはあまり探られたくない話でしょう?

 豊兄はそういうとこ観察力がすごいので、山森そんが体調を崩して休みがちになったこと、一度体調不良としてアルバイトを辞めて、病気をして留年したと言ってニ年してからまたアルバイトに戻ってきたことから、産んだんだろうと見当をつけた。
 こっそり後までつけて、子供の存在を確認したんだそうです。いつか利用するために。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...