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第1章 オディオ王国編
第2話 ステータスと元の世界への帰還が絶望的だった件
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有明の戦場から帰還し、戦利品と仕事から解放された自由を満喫するべく自宅に篭ろうとした矢先に俺、安藤優は路上ですれ違ったリア充学生5人組と共に、オディオ王国の勇者召喚で別世界に強制的に呼び出された。
召喚陣がある広場に現れたアリシア王女と宮廷魔術師達により、俺達はこの世界のことを一部嘘を交えて教えられた。
宮廷魔術師の指示で、コマンド【ステータス】を初めて使ったときの俺のステータスはこんな感じだ。
名前:ユウ・アンドウ
性別:男
クラス:未設定
筋力:D
耐久:D
敏捷:D
器用さ:C
魔力:B
精神力:B
幸運:C
スキル:【体術LV3】▼
SRスキル:【鑑定LV1】
SSRスキル:【空間収納LV2】
URスキル:【想技創造LV1】
まず、クラスが未設定なことについては意味がわからないので、今は考えるのを辞めた。
ただでさえ情報不足で分からないことが多すぎるこの状況で下手な憶測を重ねても、時間を無駄にするだけになるから、俺は一旦この事を思考の外に追いやった。
俺のクラスが未設定なことは王女達に知られたら不味いかもしれない。
ステータスに関しても現状では規準となるのがどのランクかわからないので迂闊な判断はしない方がいいかもしれない。
【体術LV3】については大学のときに護身術として少林寺拳法をやって黒帯を取ったのと、体力維持のため鍛錬を続けていることが根拠ではないかと思われる。
ただ、俺が見知っている少林寺拳法の技は能動系スキルとして登録されていなかった。スキルの登録基準も不明。これも今はどうしようもない。
異世界生活で必須スキル上位にランクインする【空間収納】と【鑑定】を入手できたのは幸運だった。
【空間収納】はMMORPGのインベントリやアイテムボックスに相当するスキルで、収納空間の時間停止の有無もできる。レベル上昇で個別設定できる条件と枠数、収納容量が増える仕様だ。
レベル2でも十分実用的なのはスキルの説明でわかった。
俺が召喚される前から背負っているバックパックと業◯スーパーで買った食材の入ったビニール袋を未だに両手に持っている。まだ【空間収納】に入れていない。
それは荷物を収納していない理由は現時点で、俺が【空間収納】スキルを持っていることを知られないためだ。
まだ周囲の人間、あの5人組を含めて、信用できない。下手に知られたら、バッドエンドの使い捨てルート直行になるだろう。
だから、荷物は全て俺1人になったときにいろいろ検証もかねて収納することにしている。
【鑑定】は選択対象の情報を取得できる。ただし、低レベルでは取得情報量も最低限。
対抗スキルである【偽装】で誤情報を掴まされたり、【認識阻害】で情報取得に失敗することがある。
更に【鑑定】の上位スキルにあたる【看破】や【解析】は【鑑定】よりも詳しく調べられる上、前述の対抗スキルの影響も5レベル以下は受けなくなるらしい。
【空間収納】と【鑑定】この2つのスキルは実は異世界被召喚者の標準スキルではないらしい。今回召喚された者の中で俺以外に習得者はいないとのことだ。
URスキルの【想技創造】の詳細は確認しようとしたら、国王への謁見の為、移動を促されて確認できなかった。
先ほどの王女との会話だけでは必要な情報が少なく、信じるに足らない。なんと言っても相手は世界を跨いだ拉致犯だ。
拉致犯の言い分を鵜呑みにするのは正常な判断ができていない状態か、頭がおかしくなったかのどちらかだろう。
異世界召喚もののラノベやゲームでは勇者~の展開はテンプレだが、自分が実際その立場になると本当に嬉しくないな。
宮廷魔術師達と一緒に現れたアリシア王女に連れられて訪れた場所は国王のいる謁見の間。
そこで待っていたオディオ国王夫妻は予想に違わず、とても危機に瀕している国の支配者には見えなかった。
どちらも憔悴した様子は皆無で、むしろ贅沢の限りを尽くしているように2人とも健康そのもの。
いや、国王の方は二重アゴの上、栄養過多の腹部の贅肉たっぷりの不健康な肥満体だった。
「お教えいただきたいのですが、元の世界に帰る方法はあるのでしょうか?」
「残念だが、余らにはそなた等を喚び出す方法しか伝わっておらぬだ。しかし、侵略してくる魔術に長ける魔族の王、魔王ならば知っているだろう」
国王は少しも残念そうに見えずに問いかけた駄メンにそう答えた。
お気づきだろうか、この会話だけで俺達は捨て駒扱い目的で召喚されたのがわかる。あかんタイプ召喚のパターンぽいから、早めにこの国を脱出しなければ不味い。
この時に俺はオディオ王国から脱出するのを決めた。
しかし、早く脱出しないと不味い状況ではあるのだが、この世界の常識や知識、先立つ物がないなど脱出した後に生きていくのに必要なものがない。あるのは食べられないスキルだけ。
このままでは野垂れ死ぬ未来が待っている。それにまだ保有スキルの確認も十分にできていない状態だった。
「勇者殿達には忌々しい魔族どもを早急に撃退していただきたい」
「わかりま「国王陛下、大変申し訳ありませんが、私共はこの世界に召喚されたばかりでこちらの世界でなにができるのかわかりません」」
学生集団にリーダーと思しきイケメンが深く考えずに二つ返事で重大事項を安請け合いしようとしたので、俺は被せて邪魔してやった。
あらゆる情報が不足していて、相手の言い分の真偽を冷静に判断できないこの状況。2つ二つ返事で了承はないわ。
安易に相手の要求に頷こうとしたこいつに胡散臭いこの国王とに交渉を任せたら確実に取り返しのつかないことになる未来しか俺には見えない。
「また、私共が暮らしていた国は戦とは縁遠い平和な国だったため、戦う術を知りません。魔術に関しても使えるかもしれませんが、元いた世界はこの世界にある魔術が存在しない世界でした。訓練なしでの行使は加減ができずに味方に被害を出しかねません」
あからさまに即戦力を期待されているのはわかっている。しかし、先に述べた理由は事実なので、すぐに激戦地送りにされても困るので、戦いの素人であることは隠さずにさっさと開示した。
国王達は俺の言葉に納得して頷いて、話の先を俺に促した。
「加えて、この世界の常識は私共の常識と異なる恐れがあります。戦うための訓練とこの世界のことを学ぶ時間をください」
生きるため、生き残るためにこの世界の常識は必須。
更に素人のまま戦場放り出されるよりも、ある程度訓練を受ければ死ぬ確率を抑えられる。
あの5人がどういった道を選ぶかは赤の他人である俺が関与することではない。
特に今も俺を睨んでいる顔面偏差値だけは高いこの男には今後は関わりたくないな。
「うっ……うむ。たしかに異なる世界であれば認識の違いや知らぬこともありうるか。よかろう後日、騎士団との戦闘訓練と魔術を学ぶ機会を設けよう」
よし。国王は納得してくれた。
「ご理解ありがとうございます。つきましては大変申し訳ありませんが、思いの外、異世界を渡るのは負担が大きいようです。気持ちの整理も含め、詳しい話は明日にしていただき、本日は私共を休ませていただけないでしょうか?」
学生5人組はどうか知らないが、俺は飛行機に乗っての長距離移動もしていたから、疲労が溜まっている。
「ぬ!? わかった。食事と部屋の用意させ、案内させよう」
そう言うと国王は配下に指示を出し、王妃と王女を伴って謁見の間を出て行った。
召喚陣がある広場に現れたアリシア王女と宮廷魔術師達により、俺達はこの世界のことを一部嘘を交えて教えられた。
宮廷魔術師の指示で、コマンド【ステータス】を初めて使ったときの俺のステータスはこんな感じだ。
名前:ユウ・アンドウ
性別:男
クラス:未設定
筋力:D
耐久:D
敏捷:D
器用さ:C
魔力:B
精神力:B
幸運:C
スキル:【体術LV3】▼
SRスキル:【鑑定LV1】
SSRスキル:【空間収納LV2】
URスキル:【想技創造LV1】
まず、クラスが未設定なことについては意味がわからないので、今は考えるのを辞めた。
ただでさえ情報不足で分からないことが多すぎるこの状況で下手な憶測を重ねても、時間を無駄にするだけになるから、俺は一旦この事を思考の外に追いやった。
俺のクラスが未設定なことは王女達に知られたら不味いかもしれない。
ステータスに関しても現状では規準となるのがどのランクかわからないので迂闊な判断はしない方がいいかもしれない。
【体術LV3】については大学のときに護身術として少林寺拳法をやって黒帯を取ったのと、体力維持のため鍛錬を続けていることが根拠ではないかと思われる。
ただ、俺が見知っている少林寺拳法の技は能動系スキルとして登録されていなかった。スキルの登録基準も不明。これも今はどうしようもない。
異世界生活で必須スキル上位にランクインする【空間収納】と【鑑定】を入手できたのは幸運だった。
【空間収納】はMMORPGのインベントリやアイテムボックスに相当するスキルで、収納空間の時間停止の有無もできる。レベル上昇で個別設定できる条件と枠数、収納容量が増える仕様だ。
レベル2でも十分実用的なのはスキルの説明でわかった。
俺が召喚される前から背負っているバックパックと業◯スーパーで買った食材の入ったビニール袋を未だに両手に持っている。まだ【空間収納】に入れていない。
それは荷物を収納していない理由は現時点で、俺が【空間収納】スキルを持っていることを知られないためだ。
まだ周囲の人間、あの5人組を含めて、信用できない。下手に知られたら、バッドエンドの使い捨てルート直行になるだろう。
だから、荷物は全て俺1人になったときにいろいろ検証もかねて収納することにしている。
【鑑定】は選択対象の情報を取得できる。ただし、低レベルでは取得情報量も最低限。
対抗スキルである【偽装】で誤情報を掴まされたり、【認識阻害】で情報取得に失敗することがある。
更に【鑑定】の上位スキルにあたる【看破】や【解析】は【鑑定】よりも詳しく調べられる上、前述の対抗スキルの影響も5レベル以下は受けなくなるらしい。
【空間収納】と【鑑定】この2つのスキルは実は異世界被召喚者の標準スキルではないらしい。今回召喚された者の中で俺以外に習得者はいないとのことだ。
URスキルの【想技創造】の詳細は確認しようとしたら、国王への謁見の為、移動を促されて確認できなかった。
先ほどの王女との会話だけでは必要な情報が少なく、信じるに足らない。なんと言っても相手は世界を跨いだ拉致犯だ。
拉致犯の言い分を鵜呑みにするのは正常な判断ができていない状態か、頭がおかしくなったかのどちらかだろう。
異世界召喚もののラノベやゲームでは勇者~の展開はテンプレだが、自分が実際その立場になると本当に嬉しくないな。
宮廷魔術師達と一緒に現れたアリシア王女に連れられて訪れた場所は国王のいる謁見の間。
そこで待っていたオディオ国王夫妻は予想に違わず、とても危機に瀕している国の支配者には見えなかった。
どちらも憔悴した様子は皆無で、むしろ贅沢の限りを尽くしているように2人とも健康そのもの。
いや、国王の方は二重アゴの上、栄養過多の腹部の贅肉たっぷりの不健康な肥満体だった。
「お教えいただきたいのですが、元の世界に帰る方法はあるのでしょうか?」
「残念だが、余らにはそなた等を喚び出す方法しか伝わっておらぬだ。しかし、侵略してくる魔術に長ける魔族の王、魔王ならば知っているだろう」
国王は少しも残念そうに見えずに問いかけた駄メンにそう答えた。
お気づきだろうか、この会話だけで俺達は捨て駒扱い目的で召喚されたのがわかる。あかんタイプ召喚のパターンぽいから、早めにこの国を脱出しなければ不味い。
この時に俺はオディオ王国から脱出するのを決めた。
しかし、早く脱出しないと不味い状況ではあるのだが、この世界の常識や知識、先立つ物がないなど脱出した後に生きていくのに必要なものがない。あるのは食べられないスキルだけ。
このままでは野垂れ死ぬ未来が待っている。それにまだ保有スキルの確認も十分にできていない状態だった。
「勇者殿達には忌々しい魔族どもを早急に撃退していただきたい」
「わかりま「国王陛下、大変申し訳ありませんが、私共はこの世界に召喚されたばかりでこちらの世界でなにができるのかわかりません」」
学生集団にリーダーと思しきイケメンが深く考えずに二つ返事で重大事項を安請け合いしようとしたので、俺は被せて邪魔してやった。
あらゆる情報が不足していて、相手の言い分の真偽を冷静に判断できないこの状況。2つ二つ返事で了承はないわ。
安易に相手の要求に頷こうとしたこいつに胡散臭いこの国王とに交渉を任せたら確実に取り返しのつかないことになる未来しか俺には見えない。
「また、私共が暮らしていた国は戦とは縁遠い平和な国だったため、戦う術を知りません。魔術に関しても使えるかもしれませんが、元いた世界はこの世界にある魔術が存在しない世界でした。訓練なしでの行使は加減ができずに味方に被害を出しかねません」
あからさまに即戦力を期待されているのはわかっている。しかし、先に述べた理由は事実なので、すぐに激戦地送りにされても困るので、戦いの素人であることは隠さずにさっさと開示した。
国王達は俺の言葉に納得して頷いて、話の先を俺に促した。
「加えて、この世界の常識は私共の常識と異なる恐れがあります。戦うための訓練とこの世界のことを学ぶ時間をください」
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特に今も俺を睨んでいる顔面偏差値だけは高いこの男には今後は関わりたくないな。
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