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~幕間1~
第20話 その日、オディオ王城が地獄になった件(勇者:魔導師スバル・サツキ(メガネ)視点)※ざまぁ回但し、食事中の閲覧非推奨
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※今回は所謂、ざまぁ回になりますが、内容的にタイトルにあるように該当部分である後半は念のため表現上、食事中での閲覧・黙読は非推奨。本来この話は前回の後半に入れてましたが、長くなりすぎたので分割。次回は主人公視点に戻ります。
■
『我が名は暗黒竜クロノス! お前たちの初代オディオ王国国王に討伐されたという偽りの歴史にある竜である!
オディオ王族に騙されている国民に我はこのオディオ王国の王族が代々隠してきた真実を告げ、王族どもにはお返しをしてやろう』
朝食を終え、これから日課となっている実戦訓練を行おうとしたところで、城下町の上空に巨大な黒い竜の姿が現れた。
「なんだ、一体」
勇太を始め、全ての者が突然現れた黒い竜を見上げて、視線が釘付けとなった。
『さて、なぜ今頃我が姿を現したかであるが、昨日、王城の地下牢が愚かな姫とそれに操られる異世界人3人によって破壊されてな。我が封印さていた空間もその破壊によって崩され、今朝になってようやく、この通り再び自由を得ることができたのだ。お前たちが敬愛する初代国王のクソ野郎がお前達の王国史にある気高い人物? フンッ、笑わせるな。あの野郎はそんな崇高な生き物ではない。真逆の畜生と呼ぶに相応しい存在よ。初代国王の王妃が若くして亡くなったのは、あの野郎が無理強いして彼女に我へかけさせた呪いの反動と、彼女を奴隷の様に文字通り死ぬまで酷使したからにほかならぬわ』
黒い竜は嘲笑するようにそう告げると、城下町の国民達から竜を非難する声があがる。
『ふん。無知は剣にはなるが、盾にはならぬは愚か者どもが! では、そんなお前達にもわかる事実の1つを宿題にしてやろう。そこの王国図書館に記録があるはずだから答えはそこにある。[初代国王の在位期間中は他の歴代国王の在位期間中よりも、身元不明の女性の死亡事故の数が多い。これは嘘か真か]これを宿題にしてやろう』
威嚇の咆哮を放って、怯んだ国民の非難を鼻で笑った竜はそう答えた。
『クックック。なんでこんなことを? と思うだろうが、これも調べれば分かることだが、その死体の第一発見者はいずれも王城務めの人間で、被害者は全て結婚適齢期の年若い女子ばかり。しかも、全員国王に呼び出されてから行方が途絶えている証言が記録されている。それらの記録はいずれもそこの図書館の蔵書にあるぞ。なんでそんなことを知っているのかと思っている顔をしておるのう。当然、彼女等があのクズ野郎に殺される断末魔を聞きたくもないのに聞かされていたからに決まっておろう』
可笑しそうに言う黒竜の言葉に皆が絶句している。
『そうそう、重要な用もなく、今後王城に罪なき民が立ち寄ることを我は望まぬ。あそこはさっき話した初代国王に無理矢理、初代王妃が我にかけた”我を封じる”呪いと[王族に降りかかる不幸を我に押し付け我のもつ幸運を剥ぎ取り王族に分配する]呪いの反動が発生しておる。あの場にいる者共は[我に降りかかる不幸を肩代わりし、自身らのもつ幸運を我に差し出しておるのだ]そして、』
黒竜がそう告げて、目を細めたと思ったら、私自身だけでなく、周囲からも嫌な音と異臭がし始め、腹痛が……。
「クソっなんだこれ、とまらねぇ!」
「わっ、武、こっち来るな!ふざけんなよ畜生!!」
音に続いて、2人の身に纏う下半身の防具の隙間から汚物が溢れ出し、周囲に異臭が立ち込める。
小鈴は脱兎の如く走り去って、この場に姿はない。
「くぅ、【魔術】を使えばこんなもの!」
私は【魔術】を行使して不快な下半身の汚物を洗い流そうとしたが……。
「馬鹿な! 【魔術】が発動しない!?」
確かに【魔術】行使のプロセスを間違いなくなぞったのに発動しなかった。
『おやおや、そこにいるのは異世界から拉致された自称勇者達ではないか。お主等も災難だが、我は同情はせんぞ。そこの男共は王女の色仕掛けに誑かされて仲間を裏切って殺し、民達が想像できない程豊かな暮らしを王族どもと一緒に民から搾り取っている血税で送っておるからな!【魔術】が使えない? 我の話を聞いておらんかったのか? 王城は初代王妃がかけた呪いが反転し、当然、我を封じる呪いの中に”我の魔術行使を禁止する”呪いも含まれておるわ。たわけが!王城はもうむこう300年は我以外の【魔術】行使を許さぬ領域でもあるのよ。ついでに我からお主等には先ほど施した【下痢】だけでなく、【イボ痔】に【切れ痔】、そして【脱毛】の呪いもプレゼントしてやろう。感謝の涙を流すがいいわ。クワァハッハッハッハ! では、さらばだ!!』
奇妙な笑い声をあげて黒竜の巨体は消え去った……のだが、私達には今なお続く下痢の痛みに加えて、新たに継続して発生する一部分の痛みに悶絶することになる。そして、
「あっ……」
蹲った自分の足元に広がる黒い毛髪の塊。
自分の頭を触った感触が皮膚を触ったものでしかなかったので、私は絶句せざるをえなかった。ふと見れば、勇太と武の足元にも毛の塊が散乱している。
「おい、昴、なんとかしろ!」
武が近寄りながら、無茶振りをしてくる
「なんとかできるなら既にしてますよ。それから臭いから近寄らないでください。近寄ってくるのはその足りない頭で私が考えつかない名案が浮かんでその相談をするときだけにしてください。臭くてかないません」
余裕のない私はそう吐き捨てる。
「なんだと! もとはと言えば、お前が地下牢を壊したのが原因じゃねえか!!」
激昂した武が拳を振り上げて私を殴りに来ているのがやけにゆっくりと目に映り、その拳が私の頭に触れた感触を最後に、私の意識は暗闇に落ちて途絶えた。
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『我が名は暗黒竜クロノス! お前たちの初代オディオ王国国王に討伐されたという偽りの歴史にある竜である!
オディオ王族に騙されている国民に我はこのオディオ王国の王族が代々隠してきた真実を告げ、王族どもにはお返しをしてやろう』
朝食を終え、これから日課となっている実戦訓練を行おうとしたところで、城下町の上空に巨大な黒い竜の姿が現れた。
「なんだ、一体」
勇太を始め、全ての者が突然現れた黒い竜を見上げて、視線が釘付けとなった。
『さて、なぜ今頃我が姿を現したかであるが、昨日、王城の地下牢が愚かな姫とそれに操られる異世界人3人によって破壊されてな。我が封印さていた空間もその破壊によって崩され、今朝になってようやく、この通り再び自由を得ることができたのだ。お前たちが敬愛する初代国王のクソ野郎がお前達の王国史にある気高い人物? フンッ、笑わせるな。あの野郎はそんな崇高な生き物ではない。真逆の畜生と呼ぶに相応しい存在よ。初代国王の王妃が若くして亡くなったのは、あの野郎が無理強いして彼女に我へかけさせた呪いの反動と、彼女を奴隷の様に文字通り死ぬまで酷使したからにほかならぬわ』
黒い竜は嘲笑するようにそう告げると、城下町の国民達から竜を非難する声があがる。
『ふん。無知は剣にはなるが、盾にはならぬは愚か者どもが! では、そんなお前達にもわかる事実の1つを宿題にしてやろう。そこの王国図書館に記録があるはずだから答えはそこにある。[初代国王の在位期間中は他の歴代国王の在位期間中よりも、身元不明の女性の死亡事故の数が多い。これは嘘か真か]これを宿題にしてやろう』
威嚇の咆哮を放って、怯んだ国民の非難を鼻で笑った竜はそう答えた。
『クックック。なんでこんなことを? と思うだろうが、これも調べれば分かることだが、その死体の第一発見者はいずれも王城務めの人間で、被害者は全て結婚適齢期の年若い女子ばかり。しかも、全員国王に呼び出されてから行方が途絶えている証言が記録されている。それらの記録はいずれもそこの図書館の蔵書にあるぞ。なんでそんなことを知っているのかと思っている顔をしておるのう。当然、彼女等があのクズ野郎に殺される断末魔を聞きたくもないのに聞かされていたからに決まっておろう』
可笑しそうに言う黒竜の言葉に皆が絶句している。
『そうそう、重要な用もなく、今後王城に罪なき民が立ち寄ることを我は望まぬ。あそこはさっき話した初代国王に無理矢理、初代王妃が我にかけた”我を封じる”呪いと[王族に降りかかる不幸を我に押し付け我のもつ幸運を剥ぎ取り王族に分配する]呪いの反動が発生しておる。あの場にいる者共は[我に降りかかる不幸を肩代わりし、自身らのもつ幸運を我に差し出しておるのだ]そして、』
黒竜がそう告げて、目を細めたと思ったら、私自身だけでなく、周囲からも嫌な音と異臭がし始め、腹痛が……。
「クソっなんだこれ、とまらねぇ!」
「わっ、武、こっち来るな!ふざけんなよ畜生!!」
音に続いて、2人の身に纏う下半身の防具の隙間から汚物が溢れ出し、周囲に異臭が立ち込める。
小鈴は脱兎の如く走り去って、この場に姿はない。
「くぅ、【魔術】を使えばこんなもの!」
私は【魔術】を行使して不快な下半身の汚物を洗い流そうとしたが……。
「馬鹿な! 【魔術】が発動しない!?」
確かに【魔術】行使のプロセスを間違いなくなぞったのに発動しなかった。
『おやおや、そこにいるのは異世界から拉致された自称勇者達ではないか。お主等も災難だが、我は同情はせんぞ。そこの男共は王女の色仕掛けに誑かされて仲間を裏切って殺し、民達が想像できない程豊かな暮らしを王族どもと一緒に民から搾り取っている血税で送っておるからな!【魔術】が使えない? 我の話を聞いておらんかったのか? 王城は初代王妃がかけた呪いが反転し、当然、我を封じる呪いの中に”我の魔術行使を禁止する”呪いも含まれておるわ。たわけが!王城はもうむこう300年は我以外の【魔術】行使を許さぬ領域でもあるのよ。ついでに我からお主等には先ほど施した【下痢】だけでなく、【イボ痔】に【切れ痔】、そして【脱毛】の呪いもプレゼントしてやろう。感謝の涙を流すがいいわ。クワァハッハッハッハ! では、さらばだ!!』
奇妙な笑い声をあげて黒竜の巨体は消え去った……のだが、私達には今なお続く下痢の痛みに加えて、新たに継続して発生する一部分の痛みに悶絶することになる。そして、
「あっ……」
蹲った自分の足元に広がる黒い毛髪の塊。
自分の頭を触った感触が皮膚を触ったものでしかなかったので、私は絶句せざるをえなかった。ふと見れば、勇太と武の足元にも毛の塊が散乱している。
「おい、昴、なんとかしろ!」
武が近寄りながら、無茶振りをしてくる
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