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第3章 自由連合同盟都市国家メルキオール 地方城塞都市カイロス編
第77話 クロエのルールミナスと叶えたい願いの件
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『嫌じゃ! 我はようやく、ようやく、ルーとまた会えたのに、死に別れになるのはごめんじゃ!!』
威容を誇る黒い巨竜の姿になったクロエが涙を流して悲痛な声をあげる。
『姉様……』
当のルー、ルールミナスに至っては嬉しさと悲しさの入り混じった複雑な表情をしている。
「優さん、どうにかできないのでしょうか……」
クロエと仲のいい飛鳥が俺に訊いてきた。
「さて、どうしたもんだか……」
ようやくまともに体を動かせるようになった俺は頭を掻いて、嘆息する。
ルールミナスを助ける方法はある。
あるにはあるのだが、当の本人が生きることに未練を持っていないので、助命をするべきか悩み所だ。
俺は身内や仲間に基本的に自分の価値観を押し付けるつもりはない。生かしておいたら、飛鳥達嫁や身内に危険が及ぶ相手は即殺もしくは完全無力化。それ以外のクズは死んだほうがマシと思える生き地獄へご招待。
前回の失策もあるからメガネと駄メン、アリシア、イーヌは最優先抹殺対象。次点でミーネさんのもう1人の兄である薬品ギルドのギルドマスター。
クロエが妹と言っている経緯は後程確認するとして、ルールミナスは身内だ。彼女の意思を蔑ろにするのは俺のポリシーに反する。かといって、クロエを悲しませるのはナンセンスだ。
俺の中での今の比重はルールミナスよりも付き合いの長いクロエの方にある。クロエに解決策を教えようとしたのだが、
<シリアスさんがログアウトしました>
『ルー、我は、これをご主人からもらって、世界が変わった! お主も食べてみるがよい!!』
そう言って、クロエがルールミナスの口の中に数十個のあんぱんを放り込んだ。
『んん!?』
あんぱんを咀嚼したルールミナスの両目が見開かれた。
「ああ、これは不味いな。みんな耳を塞ぎたまえ」
ヘリオスさんがルールミナスの様子からなにかを察したのか、両耳を手で塞いだ。
その仕草から、俺は次の瞬間なにが襲い掛かってくるのか気づき、【結界魔術】の【遮音結界】、【断音結界】を【無詠唱】で仲間全員を護るように展開した。
『おいしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!』
ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオンという竜の巨体から発せられた大音量の絶叫が空間中に鳴り響いた。
「うわっ」
「大丈夫ですか? ヴァルカ」
その圧の影響を諸に受けた小柄なドワーフであるヴァルカさんが、しりもちをついてしまって、ヘファイスさんに助け起こされていた。
『あ、姉様、今のは?』
『うむ、我がご主人にもらったご主人の世界にある甘味の1つであり、我の大好物の1つ、”あんぱん”じゃ。他にも様々な甘味がまだこの世界にあるし、甘い物だけではなく、辛さを楽しめる”かれ~らいす”や好きな具材を載せて焼く”おこのみやき”など美味しいものがたくさんあるのじゃ』
『……じゅるり』
それまで達観していたルールミナスの威厳ある雰囲気は、先ほどの咆哮とともに世界の彼方へ吹き飛んでしまい、”美食”の魅力に囚われた新たな腹ペコドラゴンがここに爆誕した。
『我はのう、ルー、お主と一緒にまだまだたくさんある美味しいものを一緒に食べたいのじゃ……』
そう言って、クロエはルールミナスの肩に手を置いた。
『姉様……』
感極まったルールミナスの両目から再び滝の様に涙が流れ出した。
『姉様……私は死にたくない……姉様と一緒に美味しいものを食べたいです……』
『うむ、うむ……』
そう言って、クロエはルールミナスの背中をあやすように撫でていた。
食に執着するという経緯はともあれ、生きることに執着を見出せた様でなによりだ。これで手助けしも構わないな。
『はてさて、ルーを助けるにはどうしたものかのう。我等の【自動回復】で癒せぬ傷であれば【回復魔術】や回復薬も効果はなく、ルーの傷は癒えぬし……ううむ……』
クロエが考え込んでしまった。
「クロエ、ルールミナスを助けるには、俺がクロエを助けたときと同じ方法をとるしかないぞ」
俺はクロエに助言をすることにした。
『なぜじゃご主人?』
クロエが当然の疑問を返してきた。
「ルールミナスの精神体が付与されている状態異常で傷を負った状態で固定されている。精神体は肉体の設計図でもあるから、通常怪我を負っても、精神体という設計図があるから【回復魔術】や回復薬で怪我が治せる様になっている。つまり、ルールミナスは精神体を怪我した状態で形を固定されているから……」
『怪我を治そうにも怪我をしている状態の設計図しかないから元の傷が完治した状態になれないという訳かの』
クロエの言葉に俺は頷く。
「ルールミナスに付与されている状態異常を解除するには付与元である武器を探さないと解除方法がわからないし、どのような方法か調べるのに時間がかかる。その方法をとったら、解除できるようになる前にルールミナスの生命力がまず間違いなく尽きる」
「では、どうするのですか、ご主人様?」
ベルが頭を悩ませている皆を代表して訊いてきた。
「クロエの【竜魔術】の【回生】を使う。現状での延命よりもそちらの方がリスクも少なく確実だ」
『なるほど、じゃが、そうなると、ルーの新たな体を安定させるために与える魔力はどこから調達するのじゃ?』
クロエが懸念事項を口にした
「発案者である俺が出すよ。クロエのときで魔力球の作成には慣れたし、それに……」
「私も手伝います!」
「僭越ながら、私もお手伝いさせていただきます」
飛鳥、ベルも協力を申し出てくれた。
『みな……恩に着るののじゃ』
『みなさん、ありがとうございます』
そう言って、竜姉妹が俺達に頭を下げた。
『ルー、我の【回生】で一度、お主のその今生を終えさせた後、新生させることで、お主にかけられたその忌々しい呪縛を解くがよいか?』
『分かりました姉様』
クロエの確認にルールミナスは頷いた。
「ルールミナス……」
ヘリオスさんが複雑な表情をしてルールミナスに呼びかけた
『ヘリオス、この姿でいられるのは残りわずかとなりましたが、私が新しい姿になったら、また会いましょうね』
「……ああ、そのときを楽しみにしているよ。これで私もまた、生きる理由ができたよ」
そう言って、ヘリオスさんは皺が浮かび始めた顔に笑顔を浮かべた。
「あ、そうなると、ルールミナスの代わりにこの辺一帯の魔物を抑える抑止力はどうしましょうか?」
俺が今のルールミナスがいなくなってしまった場合の問題を指摘した。
『それでした、この遺跡の人造鉄兵達を使えば問題ありませんよ。ご心配でしたら、上位種である人造魔法銀兵、更にその上の人造神硬金兵も出撃できます』
「オ、オリハルコンゴーレム!?」
「……」
ヴァルカさんが驚きの声をあげ、ヘファイスさんも驚愕で固まった。ヘリオスさんは既に知っていた様で特に驚いた様子はなかった。
「いいのかい? ルールミナス?」
『ええ、ただ、人造神硬金兵を出すのは他のゴーレムで対処ができない強力な相手が出た場合に限定しますし、その不測の事態になった場合は貴方にも連絡がいくようにしておきます』
「その件だが、ユウ君とベルをここに登録してもらえないかな。私も老い先短いのでね」
『……わかりました』
「事後承諾で申し訳ないが、君たちしか頼める相手はいないんだ。ミーネは錬金術師ギルドのギルドマスターとして動けないからね」
ヘリオスさんは俺達に頭を下げてそう言った。
「わかりました。どのみち、ここのことを調べにまた来るつもりですから、建物に入れるようにしてもらえるのであればかまいませんよ」
俺はそう言って、了承した。
「……なぜ、ここのことをお父様とお母様に話されないのですか?」
ベルは納得がいかないといった表情で、そうヘリオスさんに尋ねた。
「……あの2人はメルキオールを簡単に離れることができない立場にあるのが1つ、それとあの2人はここのことを知った場合、ただでさえ狙われやすい立場であるのに、更によからぬ輩から狙われることになりかねないからね」
「……わかりました。お引き受けいたします」
ヘリオスさんがそう言うと、ベルは黙考の末、納得し、了承した。
威容を誇る黒い巨竜の姿になったクロエが涙を流して悲痛な声をあげる。
『姉様……』
当のルー、ルールミナスに至っては嬉しさと悲しさの入り混じった複雑な表情をしている。
「優さん、どうにかできないのでしょうか……」
クロエと仲のいい飛鳥が俺に訊いてきた。
「さて、どうしたもんだか……」
ようやくまともに体を動かせるようになった俺は頭を掻いて、嘆息する。
ルールミナスを助ける方法はある。
あるにはあるのだが、当の本人が生きることに未練を持っていないので、助命をするべきか悩み所だ。
俺は身内や仲間に基本的に自分の価値観を押し付けるつもりはない。生かしておいたら、飛鳥達嫁や身内に危険が及ぶ相手は即殺もしくは完全無力化。それ以外のクズは死んだほうがマシと思える生き地獄へご招待。
前回の失策もあるからメガネと駄メン、アリシア、イーヌは最優先抹殺対象。次点でミーネさんのもう1人の兄である薬品ギルドのギルドマスター。
クロエが妹と言っている経緯は後程確認するとして、ルールミナスは身内だ。彼女の意思を蔑ろにするのは俺のポリシーに反する。かといって、クロエを悲しませるのはナンセンスだ。
俺の中での今の比重はルールミナスよりも付き合いの長いクロエの方にある。クロエに解決策を教えようとしたのだが、
<シリアスさんがログアウトしました>
『ルー、我は、これをご主人からもらって、世界が変わった! お主も食べてみるがよい!!』
そう言って、クロエがルールミナスの口の中に数十個のあんぱんを放り込んだ。
『んん!?』
あんぱんを咀嚼したルールミナスの両目が見開かれた。
「ああ、これは不味いな。みんな耳を塞ぎたまえ」
ヘリオスさんがルールミナスの様子からなにかを察したのか、両耳を手で塞いだ。
その仕草から、俺は次の瞬間なにが襲い掛かってくるのか気づき、【結界魔術】の【遮音結界】、【断音結界】を【無詠唱】で仲間全員を護るように展開した。
『おいしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!』
ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオンという竜の巨体から発せられた大音量の絶叫が空間中に鳴り響いた。
「うわっ」
「大丈夫ですか? ヴァルカ」
その圧の影響を諸に受けた小柄なドワーフであるヴァルカさんが、しりもちをついてしまって、ヘファイスさんに助け起こされていた。
『あ、姉様、今のは?』
『うむ、我がご主人にもらったご主人の世界にある甘味の1つであり、我の大好物の1つ、”あんぱん”じゃ。他にも様々な甘味がまだこの世界にあるし、甘い物だけではなく、辛さを楽しめる”かれ~らいす”や好きな具材を載せて焼く”おこのみやき”など美味しいものがたくさんあるのじゃ』
『……じゅるり』
それまで達観していたルールミナスの威厳ある雰囲気は、先ほどの咆哮とともに世界の彼方へ吹き飛んでしまい、”美食”の魅力に囚われた新たな腹ペコドラゴンがここに爆誕した。
『我はのう、ルー、お主と一緒にまだまだたくさんある美味しいものを一緒に食べたいのじゃ……』
そう言って、クロエはルールミナスの肩に手を置いた。
『姉様……』
感極まったルールミナスの両目から再び滝の様に涙が流れ出した。
『姉様……私は死にたくない……姉様と一緒に美味しいものを食べたいです……』
『うむ、うむ……』
そう言って、クロエはルールミナスの背中をあやすように撫でていた。
食に執着するという経緯はともあれ、生きることに執着を見出せた様でなによりだ。これで手助けしも構わないな。
『はてさて、ルーを助けるにはどうしたものかのう。我等の【自動回復】で癒せぬ傷であれば【回復魔術】や回復薬も効果はなく、ルーの傷は癒えぬし……ううむ……』
クロエが考え込んでしまった。
「クロエ、ルールミナスを助けるには、俺がクロエを助けたときと同じ方法をとるしかないぞ」
俺はクロエに助言をすることにした。
『なぜじゃご主人?』
クロエが当然の疑問を返してきた。
「ルールミナスの精神体が付与されている状態異常で傷を負った状態で固定されている。精神体は肉体の設計図でもあるから、通常怪我を負っても、精神体という設計図があるから【回復魔術】や回復薬で怪我が治せる様になっている。つまり、ルールミナスは精神体を怪我した状態で形を固定されているから……」
『怪我を治そうにも怪我をしている状態の設計図しかないから元の傷が完治した状態になれないという訳かの』
クロエの言葉に俺は頷く。
「ルールミナスに付与されている状態異常を解除するには付与元である武器を探さないと解除方法がわからないし、どのような方法か調べるのに時間がかかる。その方法をとったら、解除できるようになる前にルールミナスの生命力がまず間違いなく尽きる」
「では、どうするのですか、ご主人様?」
ベルが頭を悩ませている皆を代表して訊いてきた。
「クロエの【竜魔術】の【回生】を使う。現状での延命よりもそちらの方がリスクも少なく確実だ」
『なるほど、じゃが、そうなると、ルーの新たな体を安定させるために与える魔力はどこから調達するのじゃ?』
クロエが懸念事項を口にした
「発案者である俺が出すよ。クロエのときで魔力球の作成には慣れたし、それに……」
「私も手伝います!」
「僭越ながら、私もお手伝いさせていただきます」
飛鳥、ベルも協力を申し出てくれた。
『みな……恩に着るののじゃ』
『みなさん、ありがとうございます』
そう言って、竜姉妹が俺達に頭を下げた。
『ルー、我の【回生】で一度、お主のその今生を終えさせた後、新生させることで、お主にかけられたその忌々しい呪縛を解くがよいか?』
『分かりました姉様』
クロエの確認にルールミナスは頷いた。
「ルールミナス……」
ヘリオスさんが複雑な表情をしてルールミナスに呼びかけた
『ヘリオス、この姿でいられるのは残りわずかとなりましたが、私が新しい姿になったら、また会いましょうね』
「……ああ、そのときを楽しみにしているよ。これで私もまた、生きる理由ができたよ」
そう言って、ヘリオスさんは皺が浮かび始めた顔に笑顔を浮かべた。
「あ、そうなると、ルールミナスの代わりにこの辺一帯の魔物を抑える抑止力はどうしましょうか?」
俺が今のルールミナスがいなくなってしまった場合の問題を指摘した。
『それでした、この遺跡の人造鉄兵達を使えば問題ありませんよ。ご心配でしたら、上位種である人造魔法銀兵、更にその上の人造神硬金兵も出撃できます』
「オ、オリハルコンゴーレム!?」
「……」
ヴァルカさんが驚きの声をあげ、ヘファイスさんも驚愕で固まった。ヘリオスさんは既に知っていた様で特に驚いた様子はなかった。
「いいのかい? ルールミナス?」
『ええ、ただ、人造神硬金兵を出すのは他のゴーレムで対処ができない強力な相手が出た場合に限定しますし、その不測の事態になった場合は貴方にも連絡がいくようにしておきます』
「その件だが、ユウ君とベルをここに登録してもらえないかな。私も老い先短いのでね」
『……わかりました』
「事後承諾で申し訳ないが、君たちしか頼める相手はいないんだ。ミーネは錬金術師ギルドのギルドマスターとして動けないからね」
ヘリオスさんは俺達に頭を下げてそう言った。
「わかりました。どのみち、ここのことを調べにまた来るつもりですから、建物に入れるようにしてもらえるのであればかまいませんよ」
俺はそう言って、了承した。
「……なぜ、ここのことをお父様とお母様に話されないのですか?」
ベルは納得がいかないといった表情で、そうヘリオスさんに尋ねた。
「……あの2人はメルキオールを簡単に離れることができない立場にあるのが1つ、それとあの2人はここのことを知った場合、ただでさえ狙われやすい立場であるのに、更によからぬ輩から狙われることになりかねないからね」
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