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第3章 自由連合同盟都市国家メルキオール 地方城塞都市カイロス編
第83話 名前は一生ものだから、きちんと考えてあげるべきな件
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ルールミナス無事、回生し卵から孵化!
万事順調に進んでいたかと思いきや、思わぬ些細な落とし穴が開いていた。
生まれ変わった彼女に同じ名前を付けることができないのである。
「そう言えばクロエのときも似たようなものだな」
『ん? ないがじゃ? ご主人?』
「いや、クロエの前の名前はクロノエクソスだったけれども、今の体の名前はクロエと名付けているから、完全に別の名前になっているよな? まぁ、以前の愛称をそのまま名前にしたから、全然違和感がなかったから、気づかなかった」
『そう言われれば、そうじゃったのう』
「ピー?」
メイド幼女姿のクロエが首を傾げたら、白い幼竜もクロエの真似して首を傾げた。
「……ルールミナスの自我は何時戻るんだ?」
おそろしく人懐っこい、この幼竜の無邪気な様子に俺は大きな不安を感じずにはいられなかった。
『さてのう、おそらくじゃが、この子の自我意識が基盤となって、ルーの記憶が知識として活かされる様になるじゃろうから、ルーの記憶が復活したら、さぞこの有様を思い出して悶絶するじゃろうな』
クロエは嗜虐的なニヤリとした笑みを浮かべた。
「! ピーッ! ピーッ!」
その表情に言い知れぬ脅威を感じた幼竜は涙目で俺に泣きついてきた。
「もしかして、この子が俺に懐いているのは……」
仕方がないので、俺は幼竜を抱き上げて、宥めた。
『うむ、刷り込みじゃろうな。最初に目覚めたときに、ご主人がいたのじゃから、当然じゃろう?』
何を今更といった呆れた様子で、クロエが言う。
「むぅ、優さんが羨ましいです。はい、どうぞ」
「ピーッ♪ ハグハグ♪」
飛鳥が作り出した魔力球を幼竜はあっという間食べてしまった。
「ピー……」
食べ足りないのか、幼竜はションボリしたのだが、
「こちらもよろしければ……」
「! ピーッ♪ ハグハグハグ」
ベルが差し出した魔力球を幼竜は嬉しそうに受け取って咀嚼して、飲み込み、
「ZZZ……ZZZ……」
丸くなって、俺の腕の中で眠ってしまった。
「よっぽど優さんの腕の中が落ち着くんですね……」
飛鳥が幼竜の様子を見て、感心した様に言った。
このままいつまでも幼竜を抱き上げている訳にはいかないので、俺は【空間収納】から、クロエが生まれたての時に使っていた揺籠を出した。
『おお、懐かしいのう』
そう言って、俺の意図を察したクロエが両手が塞がっている俺の代わりに、テキパキと幼竜の寝床として揺籠を整えてくれたので、俺は幼竜を起こさない様に揺籠の中に入れた。
「さて、ルールミナスという名前が使えない以上、この子の名前を決めないといけない」
俺がそう告げて椅子に座ると、揺籠の中で眠っていた話題の当人が目を覚ました。
「ピー?」
そして、ノソノソと揺籠から這い出て、翼を広げて飛び、なぜか俺の膝上に着地し、再び丸くなった。
俺は嘆息しつつ、頭を撫でてあげたら、幼竜は嬉しそうに喉を鳴らした。その様子を目の当たりにした皆は苦笑いだった。
「これは私達が話し合って決めるよりも、優さんが考えて決めてあげた方がいいかもしれませんね」
「そうですね。私もご主人様が名づけてあげた方が喜ぶと思います」
『ううむ、この姿を見せられたら、悔しいが我も反論できぬのぅ』
3人がそう言い出したので、俺は撫でる手を止めて、幼竜を抱き上げて、全体を観察する。
「ピー?」
どうしたの?という感じの幼竜は可愛らしく小首を傾げてこちらを眺めてきた。
飛鳥とベル、クロエはその様子を見て、喜んでいる。
「……ベルシグナスという名はどうかな?」
言葉を理解できるかわからないが、本人ならぬ本竜に訊いてみると、
「ピーッ! ピーッ♪」
気に入ったのか、幼竜は喜びの声をあげて俺の顔に抱きつき、頬ずりしてきた。
『ふむ、本人が喜んでおるし、悪くないと思うぞ』
クロエは頷いてくれた。
「よければ、名前の由来を教えてくれませんか?」
「私も興味がありますので、よろしくお願いします。ご主人様」
興味津々といった様子で、飛鳥とベルが問いかけてきた。
「3人の名前を組み合わせて考えた中で、この子にしっくりくるものを選んだんだよ。ベルの名前のベルリアーナのベルの部分を拝借し、飛鳥の名前は鳥の部分を使って、この子は白いから白鳥の意味をするシグナスを組み合わせてみたんだ。ちょっと長いから愛称はつなぎ部分をとってルシィがいいかな?」
「ピーッ♪ ピーッ♪」
喜色満面で喜んでいる白い幼竜改めベルシグナス、ルシィ。俺はルシィを飛鳥に渡した。
「さて、ルシィのこともあるから、朝食はこの部屋で摂るとしよう。そうだ。ベルとクロエはヘリオスさんを呼んできてくれないか?」
「畏まりました。朝食も併せて用意してまいりますね」
『うむ、任されたのじゃ。ルシィよ、いい子にしておるのだぞ。飛鳥、ご主人。2人共、ルシィのこと、頼んだのじゃ』
返事を返してくれた2人は手早く身支度を整えて、部屋を出た。
「……飛鳥、ルールミナスを倒してから、体に不調はないかい?」
俺はベルとクロエがいなくなったのを確認して、飛鳥に訊いた。
「はい、特に不調な様なものはありませんが、逆に体の調子は以前よりも上がった様な気がします」
魔力球をせがむルシィに飛鳥は魔力球を作り出して与えながら、俺の問いかけに答えた。
「土門武と三条小鈴の2人がカイロスの冒険者ギルドに保護されたのは以前伝えたと思うけれども、飛鳥は今後この2人への対応方針はどう考えているのか、教えてくれないか?」
頭の片隅にとめておいた疑問を俺は飛鳥に訊いてみた。
「そうですね……私から今後、2人に関わっていくつもりはありません。死んだと思われているなら、それで構いません。ようやくあの2人が一緒になったようなので、下手に私が関与すると、拗れかねません。それよりも、私は勇太と昴、2人の動向が気にかかります」
飛鳥の懸念はもっともなもので、御上勇太と皐月昴は最悪な危険人物になっていた。
豚鬼騒動のときの映像を見る限り、駄メンはイーヌを飛鳥と誤認しながら暴行をするという、完全な狂人になっていた。メガネはメガネで死に戻りと思われる厄介なスキルを覚醒させて、アリシア王女となにやら暗躍している。
「今後の準備も兼ねて、やはり一旦メルキオールには戻らないといけないな」
俺が知る限り、この大陸で最大の貿易都市であるメルキオールにはいろいろなものが集まる。そのなかには情報も含まれる。もしかしたら、なにか分かるかもしれない。
「そうですね。ミーネさん達にもルシィのことを紹介しないといけませんね」
「ピー? ピー!♪」
俺の言葉に飛鳥は嬉しそうに頷き、ルシィは飛鳥に同調して、嬉しそうに声をあげた。
万事順調に進んでいたかと思いきや、思わぬ些細な落とし穴が開いていた。
生まれ変わった彼女に同じ名前を付けることができないのである。
「そう言えばクロエのときも似たようなものだな」
『ん? ないがじゃ? ご主人?』
「いや、クロエの前の名前はクロノエクソスだったけれども、今の体の名前はクロエと名付けているから、完全に別の名前になっているよな? まぁ、以前の愛称をそのまま名前にしたから、全然違和感がなかったから、気づかなかった」
『そう言われれば、そうじゃったのう』
「ピー?」
メイド幼女姿のクロエが首を傾げたら、白い幼竜もクロエの真似して首を傾げた。
「……ルールミナスの自我は何時戻るんだ?」
おそろしく人懐っこい、この幼竜の無邪気な様子に俺は大きな不安を感じずにはいられなかった。
『さてのう、おそらくじゃが、この子の自我意識が基盤となって、ルーの記憶が知識として活かされる様になるじゃろうから、ルーの記憶が復活したら、さぞこの有様を思い出して悶絶するじゃろうな』
クロエは嗜虐的なニヤリとした笑みを浮かべた。
「! ピーッ! ピーッ!」
その表情に言い知れぬ脅威を感じた幼竜は涙目で俺に泣きついてきた。
「もしかして、この子が俺に懐いているのは……」
仕方がないので、俺は幼竜を抱き上げて、宥めた。
『うむ、刷り込みじゃろうな。最初に目覚めたときに、ご主人がいたのじゃから、当然じゃろう?』
何を今更といった呆れた様子で、クロエが言う。
「むぅ、優さんが羨ましいです。はい、どうぞ」
「ピーッ♪ ハグハグ♪」
飛鳥が作り出した魔力球を幼竜はあっという間食べてしまった。
「ピー……」
食べ足りないのか、幼竜はションボリしたのだが、
「こちらもよろしければ……」
「! ピーッ♪ ハグハグハグ」
ベルが差し出した魔力球を幼竜は嬉しそうに受け取って咀嚼して、飲み込み、
「ZZZ……ZZZ……」
丸くなって、俺の腕の中で眠ってしまった。
「よっぽど優さんの腕の中が落ち着くんですね……」
飛鳥が幼竜の様子を見て、感心した様に言った。
このままいつまでも幼竜を抱き上げている訳にはいかないので、俺は【空間収納】から、クロエが生まれたての時に使っていた揺籠を出した。
『おお、懐かしいのう』
そう言って、俺の意図を察したクロエが両手が塞がっている俺の代わりに、テキパキと幼竜の寝床として揺籠を整えてくれたので、俺は幼竜を起こさない様に揺籠の中に入れた。
「さて、ルールミナスという名前が使えない以上、この子の名前を決めないといけない」
俺がそう告げて椅子に座ると、揺籠の中で眠っていた話題の当人が目を覚ました。
「ピー?」
そして、ノソノソと揺籠から這い出て、翼を広げて飛び、なぜか俺の膝上に着地し、再び丸くなった。
俺は嘆息しつつ、頭を撫でてあげたら、幼竜は嬉しそうに喉を鳴らした。その様子を目の当たりにした皆は苦笑いだった。
「これは私達が話し合って決めるよりも、優さんが考えて決めてあげた方がいいかもしれませんね」
「そうですね。私もご主人様が名づけてあげた方が喜ぶと思います」
『ううむ、この姿を見せられたら、悔しいが我も反論できぬのぅ』
3人がそう言い出したので、俺は撫でる手を止めて、幼竜を抱き上げて、全体を観察する。
「ピー?」
どうしたの?という感じの幼竜は可愛らしく小首を傾げてこちらを眺めてきた。
飛鳥とベル、クロエはその様子を見て、喜んでいる。
「……ベルシグナスという名はどうかな?」
言葉を理解できるかわからないが、本人ならぬ本竜に訊いてみると、
「ピーッ! ピーッ♪」
気に入ったのか、幼竜は喜びの声をあげて俺の顔に抱きつき、頬ずりしてきた。
『ふむ、本人が喜んでおるし、悪くないと思うぞ』
クロエは頷いてくれた。
「よければ、名前の由来を教えてくれませんか?」
「私も興味がありますので、よろしくお願いします。ご主人様」
興味津々といった様子で、飛鳥とベルが問いかけてきた。
「3人の名前を組み合わせて考えた中で、この子にしっくりくるものを選んだんだよ。ベルの名前のベルリアーナのベルの部分を拝借し、飛鳥の名前は鳥の部分を使って、この子は白いから白鳥の意味をするシグナスを組み合わせてみたんだ。ちょっと長いから愛称はつなぎ部分をとってルシィがいいかな?」
「ピーッ♪ ピーッ♪」
喜色満面で喜んでいる白い幼竜改めベルシグナス、ルシィ。俺はルシィを飛鳥に渡した。
「さて、ルシィのこともあるから、朝食はこの部屋で摂るとしよう。そうだ。ベルとクロエはヘリオスさんを呼んできてくれないか?」
「畏まりました。朝食も併せて用意してまいりますね」
『うむ、任されたのじゃ。ルシィよ、いい子にしておるのだぞ。飛鳥、ご主人。2人共、ルシィのこと、頼んだのじゃ』
返事を返してくれた2人は手早く身支度を整えて、部屋を出た。
「……飛鳥、ルールミナスを倒してから、体に不調はないかい?」
俺はベルとクロエがいなくなったのを確認して、飛鳥に訊いた。
「はい、特に不調な様なものはありませんが、逆に体の調子は以前よりも上がった様な気がします」
魔力球をせがむルシィに飛鳥は魔力球を作り出して与えながら、俺の問いかけに答えた。
「土門武と三条小鈴の2人がカイロスの冒険者ギルドに保護されたのは以前伝えたと思うけれども、飛鳥は今後この2人への対応方針はどう考えているのか、教えてくれないか?」
頭の片隅にとめておいた疑問を俺は飛鳥に訊いてみた。
「そうですね……私から今後、2人に関わっていくつもりはありません。死んだと思われているなら、それで構いません。ようやくあの2人が一緒になったようなので、下手に私が関与すると、拗れかねません。それよりも、私は勇太と昴、2人の動向が気にかかります」
飛鳥の懸念はもっともなもので、御上勇太と皐月昴は最悪な危険人物になっていた。
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